実際の問題の要求の変化を見るため、前記のような傾向を、平成19年度と20年度の過去問を比較しながら確認してみました。出題傾向はほぼ同じといえそうです。代表的問題を過去問から選んで示します。
部門 19年度 20年度 19→20年度の変化
土質基礎 下記模式図に示すような急峻な尾根に挟まれた沢部を斜めに横断する道路計画がある。沢部には幅6m、護岸高さ4mの河川とRC三階建て建築物が存在するため、新設道路は、これを上越しする橋梁で計画されている。一方で、図の右手は土工区間からの取り付けとなるため、良質土による15mの高盛土と抗基礎形式の小橋台(以下、盛こぼし橋台)となっている。 本工事のうち、特に15mの高盛土の計画に限定して、地形・地質上の特質から想定される課題を挙げ、課題解決のための対策と必要な調査計画を述べよ模式図に示す盛こぼし橋台を計画する際の設計・施工上の留意点と具体的な対応策について述べよ。 現在は安定している古い地すべり傾斜地を横断する1車線道路について、拡幅による歩道付き2車線化が計画されている。地すべりの基本的な型分類とそれぞれの発生形態・原因を概説し、地すべり地における現地踏査と変動計測の着眼点を示せ。また、当該緩斜面が旧地すべり地であることを確認し、あわせてすべり面を特定するための土質・地質調査計画についても基本的な考え方を述べよ。 模式図中央付近に示す道路拡幅工事がほぼ完成に近づいた頃、3日間の降雨継続後、図に示す2ヵ所の位置で新たな亀裂が観測された。旧地すべりブロックが活動を始める一般的な土質工学的要因を概説するとともに、今回亀裂が生じた原因を説明せよ。 一般的地すべり対策工の分類と基本的な選定に当たっての留意点を概説せよ。また、今回の地すべりに対して最も適切と思う対策工を選定し、その際、特にあなたが留意する点を述べよ。なお、斜面最下部は河川に近接している。 現実的ケースを与えて、①       課題設定とその解決策の立案②       調査計画③       設計・施工上の留意点と対応策現実的ケースを元に①       調査計画②       原因究明③       一般的工法の概説④       最適工法選択、留意点
道路 「道路特定財源の見直しに関する具体策」(平成18年12月閣議決定)においては、「道路整備に対するニーズを踏まえ、その必要性を具体的に精査し、引き続き、重点化、効率化を進めつつ、真に必要な道路整備は計画的に進める」とされている。このような見直しに至った背景と考えられる事例を2例以上挙げその内容を記述するとともに、これらの事例を踏まえて「真に必要な道路とは何か?」についてあなたの意見を述べよ。 コスト抑制が強く求められる一方、社会資本として本来備えるべき品質も確保される必要がある。建設分野における品質確保を取り巻く現状と課題を述べるとともに、品質を確保する上で重要と考える方策を2つ挙げ、それぞれについてその具体的内容と今後のあり方について、あなたの考えを述べよ。 事例2つ(1)内容記述(2)必要性について見解方策2例(1)内容記述(2)今後のあり方について見解
施工 鉄筋コンクリート構造物において、かぶりの必要性及びそれに関する施工上の留意点について述べよ。また、かぶりの非破壊検査について2つ以上方法を挙げ、内容について述べよ。 RC構造物の柱部において、かぶりを測定したところ、設計値50mmに対して20mm程度であることが確認された。これに対する具体的な処置について比較検討の上、あなたの意見を述べよ。 コンクリートの初期ひび割れの原因及び供用後数年を経て発生するひび割れの原因について、それぞれ2つ以上挙げて概説せよ。 供用後の鉄筋コンクリート構造物の点検の結果、ひび割れが発見された。検討すべき事項を挙げ、考えられる対応策について述べよ。 かぶり厚さ試験法2つ具体的問題事例への処置、比較検討、意見ひび割れ原因2つ対策法について具体的問題事例への処置、比較検討、意見
上記の問題例から、今後の出題傾向として次の
2
つの傾向が読み取れます。

方式

内容
①現場運営計画策定型 現実的ケーススタディにおいて、課題設定とその解決策、調査計画、設計・施工上の留意点と対応策など、現場の問題解決のストーリーを作る。
②概念理解および事例適応型 キーワードや法律、制度などから、その目的、背景に立ち返り、その概念に適合する事項を具体例で示す。

上記①②のいずれに相当するかは専門科目や問題ごとに判断する必要がありますが、ここから言えることは

平成19年以降は出題傾向は変わっていない。
現場でよく行われる技術検討作業についての判断と対策等
専門知識についての背景、概要、目的、具体的事例
 などについてまとめておく必要があるということです。

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