「現時点での評価」はPDCAのC(チェック)に相当する部分であるとも考えられます。技術業務では、実施後に目標と成果を対照してチェックし、両者に差があれば対応策を変更しなければなりません。(これはPDCAのA)そして、このC(チェック)を重ねることにより次第に経験的な見識を獲得していくのです。
一方、技術者としては、同様な技術業務をその後も繰り返し手がけることとなり、その際PDCAが繰り返えされ、さらにに上達していきます。いわゆるPDCAのスパイラルアップです。この結果、技術者の同分野の技術は長い年月の後には完成し、やがては専門家の域に到達するはずです。
技術的体験業務では、一つの業務例について1回しか「現時点での評価」が求められないわけですが、正しくPDCAが行われていたとすると、常にそのような視点で業務を管理していると見なされることとなります。
以上まとめていうと、
「業務を実施した後で反省・評価」していれば、必ず技術は上達し、やがては必ず専門家になっていく」
つまり、「いつも現時点での評価をしている」 技術者は結果的に 「必ず成功する人」 とほとんど同義語となり、その意味から「反省・評価」はコンピテンシーの証であるといえるわけです。そして、技術士試験ではそのような実績を持つ人物が高く評価されるのです。