2018年11月9日 機械部門、機械設計科目の方の電話による指導
この日のコーチングによる指導時間は23時00分から、50分間行なわれ,その受講者様は機械部門、機械設計科目を目指す方で、場所は東京から電話を用いて相談されました。口頭試験対策として、業績論文に関する、評価、反省、今後の課題、将来展望の項目について確認しました。
5. 解決策の妥当性(業務に対する評価、改善効果、目標到達度も書く)
5-1 独創性、先駆性はあるか(独自性がある。ただ単に「他事例がない」ではだめ)
① カム形状変更による高速化
短納期という制約条件の中で部品変更を最小限に抑えた高速化が必要であったためカム形状の変更のみで高速化を実現した。従来方法に比べて、低コストかつコンパクトになるメリットがある。カム形状はCAEを用いて強度解析を行いながら評価と設計を並行して進めたことで短納期対応を実現した。
期間を最小限に抑えた高速化が必要であった」とありますが、機会がない事はいつもの前提事項であり特段理由にはなりません。また工期がないときに方策を限定することは普通に行うことであって特別工夫とは思いません。
② クリップ部のユニット化 5つの動作伝達部をスプラインシャフト上部に集約してクリップ部のユニット化を実施。ユニット化すると通常部品点数が増えサイズが大きくなるが、今回の提案ではユニット化と軽量コンパクト化を同時に行った。
このユニット化の理由も単独で行えばサイズが大きくなることが分かっていたため、そうならないように同時にコンパクト化ということをだけであって当然のことです。
6. 現時点での評価(技術や社会情勢の変化自分のレベル向上を考慮した上での反省点) ①調整作業難易度の上昇:高速化すると調整作業が難しくなる。この原因はフィルム円筒成形時のシール力の低下やクリップワイヤの姿勢が悪くなることである。得られた知見は、高速化に伴いフィルムの加工限界を前提により細かく加工機の負荷設定をする必要がある。
本来は反省点として目標に比較してうまくいかなかったこと、悪い結果を表明すべきところですがそのような材料は示されていません。このため小さく正しくまとまって結果的に特段この体験から学ぶ事はなかったという結論になっています。 また論文趣旨のまとめの方向性が、フィルムの加工に関する細かい話に終始しており、機会マネージャとしてのマクロ的なテーマについて述べたほうがよろしいでしょう。
②軽量化による部品強度低下:コンパクト・軽量化と部品強度の両立が難しい。クリップ不具合時の部品破損を防ぐために通常ならワイヤが駆動部に入り込まない構造や部品強度を高める対策をするがクリップ部の機構が複雑でかつワイヤがどこに飛散するか予測困難なため、ワイヤ検出センサを追加して不具合時に装置停止する対策とした。電気も含めた装置全体を見る視点によりこの解決策を提案できた。
この軽量化に関するコメントも上記コメントと同じような、過負荷に関する記述となっており、新しい視点が必要です。
業績論文のプレゼンについて厳しい視点から、修正点をご指摘しました。口頭試験はだれでも合格するとは限りません。専門家にふさわしい業績としての考え方を仕上げておく必要があります。そのための話し合いは十分とるようにしております。
コーチングがいかに役立つかご理解いただけましたか。本研究所では受講生様の進度に合わせて指導しています。論文の理解度が欠けていると判断ときや、業績についても新しい視点が必要と判断したときは、随時電話、スカイプにてご相談の時間を持つように講師の側からお知らせしております。皆さんの技術士合格への疑問を短時間で解決するよう努めています。