H30/2018年 建設・道路 Ⅱ−1−4 問題 模範解答と解説
問題文
平成27年に道路土工構造物技術基準が制定された背景を説明せよ。また、この技術基準のポイントを2つ挙げ、具体的に説明せよ。
模範解答1 (答案形式) 添削履歴 0回 2019.2.28 専門事項 道路設計
1. 道路土工構造物技術基準が制定された背景
土工技術が進歩し高盛土や長大切土、大規模BOX等が施工され、損傷時は、道路に大きな影響が懸念される構造物が増加し、また発生土の誤使用の問題も発生している。以上から、土構造物の安全性に関する基準の必要性が高まっている。
2. 道路土工構造物技術基準のポイント
(1) 構造物の基本事項
①構造物は、交通荷重に耐え安全・円滑な交通確保の機能と自然現象作用の変状が要求性能に影響しない。
②新設等は、道路の使用目的の適合・安全・耐久性、品質、管理、環境、経済性を考慮する。
③計画時は、地形、地質、環境、気象、点検結果及び被災歴を考慮する。また、構造物特性、使用材料、災害、連続又は隣接構造物特性、維持管理法を勘案する。
(2)設計の基本事項
①供用中の作用:
・常時作用。・降雨特性や立地条件等の降雨作用。
・地震動の作用:高確率のレベル1地震、低確率で大強度のレベル2地震
②要求性能:道路重要度に応じ下記より選定する。
・構造物健全、又は損傷が道路機能に支障がない性能1。限定損傷に止まり道路機能の速い回復が可能な性能2。損傷が道路機能に対し致命的でない性能3
模範解答3 (簡易形式1) 添削履歴 2回 2019.5.16 専門事項 道路設計
1. 制定された背景
外的作用による道路土工構造物の挙動メカニズムが解明され、複雑な解析手法による設計が可能となり、経験工学の対応範囲を超える道路土工構造物が築造可能となった。それらが損傷した場合に道路機能に大きな影響を与えるおそれがあり、安全性に関する明確な基準の必要性が高まった。
2.技術基準のポイントと説明
1)性能規定による安全性の確保
道路土工構造物が存する地域の防災計画上の位置づけに応じた道路機能を確保する為、災害時の道路が保持すべき通行機能や道路土工構造物の損傷修復性について性能規定した。
2)災害時の通行機能の確保
緊急輸送道路における災害時の初動対応として重要な輸送機能を確保する為、連続する構造物相互の性能を高いレベルで統一し、損傷形態の差による道路機能低下を抑制するものとした。
模範解答3 (簡易形式2) 添削履歴 0回 2019.5.17 専門事項 道路設計
1. 制定された背景
施工実績や災害形態の研究により外的作用による道路土工構造物の挙動メカニズムが解明され、複雑な解析手法による設計が可能となり、経験工学の対応範囲を超える道路土工構造物が築造可能となった。それらが損傷した場合に修復や復旧に長期間を要し道路機能に大きな影響を与えるおそれがあり、安全性に関する明確な基準の必要性が高まったことが制定された背景である。
2.技術基準のポイントと説明
1)性能規定による安全性の確保
道路土工構造物が存する地域の防災計画上の位置づけに応じた道路機能を確保する為、災害時の道路が保持すべき通行機能や道路土工構造物の損傷修復性について性能規定し、安全性を確保するものとした。
2)災害時の通行機能の確保
緊急輸送道路における災害時の初動対応として重要な輸送機能を確保する為、連続する構造物相互の性能を高いレベルで統一し、損傷形態の差による道路機能低下を抑制し、通行機能を確保するものとした。
模範解答3 (答案形式) 添削履歴 1回 2019.5.21 専門事項 道路設計
1.制定された背景
外的作用による道路土工構造物の挙動メカニズムが解明し、複雑な解析手法による設計が可能となった。その結果、経験工学の対応範囲を超える大規模な道路土工構造物が築造可能となった。それらが損傷した際に修復や復旧に長期間を要し、道路機能に大きな影響を与えるおそれがあり、安全性に関する明確な基準の必要性が高まった。
2.技術基準のポイントと説明
1)性能規定による安全性確保
道路土工構造物が存する地域の防災計画上の位置づけに応じた道路機能を確保する為、災害後の道路の通行機能を以下のように性能規定し、道路土工構造物に致命的な崩壊を生じさせないものとした。
性能1:通行機能に支障がなく健全である。
性能2:一時通行規制による簡易復旧工事により通行機能をすみやかに回復する。
性能3:全面通行止めによる復旧工事により通行機能を回復する。
2)道路全体の防災性向上
緊急輸送道路における災害時の初動対応として重要な輸送機能を確保する為、当該道路に存する道路土工構造物の改修・補強を実施し、1)に規定される性能を高い水準で道路全体に統一し、道路の損傷形態に差を生じさせないものとした。