鉄道設計技士試験模範答案 鉄道車両 業績論文1「連接車両」

〇〇鉄道株式会社〇〇形連接車両の設計〇〇年〇月

1.業務概要、実施時期

2015年3月、〇〇鉄道株式会社における、新構造(3車体連接2台車)の〇〇形車両を導入するにあたり左右振動の低減の為、車体間及び台車左右動ダンパの減衰力向上等をおこない、乗り心地を大幅に向上させた。

2.私自身の役割

 台車蛇行動における左右振動低減対策の特定、計画立案から施工、乗り心地評価・検証までを実施した。

3.技術上の課題、解決方策及びその理由

3.1 技術上の課題、問題点

@          左右振動が大きいことで乗り心地を害した。その原因は、車体間ダンバが、車体間の斜め位置に取付けられていて伸縮方向に有効に作用していなかった。

A          著大左右振動が集中する3〜6Hzに対して、このダンパは減衰力が弱かった。

B          車体と台車の左右ストッパ隙間が狭く、軌道からの左右動が直に車体に伝達していた。

3.2 私自身が採った方策とその理由

@車体間ダンパ取付位置の変更

最急曲線R61の車体間伸縮量167.92oに対して斜め位置での伸縮量は76oなので、全ての伸縮作用の約半分量しか、減衰効果が得られていない。そのため、車体間伸縮方向に合わせ、ダンパ取付位置を斜め位置からレール方向に変更することで、減衰力を有効に働かせた。

  

取付位置変更に伴うストローク量設定は、車体間変位角を算出する必要から、設計仕様上の最急曲線R61に対する車体間変位角4.8新型車両63°を求め、三角関数を用いてX=(970o×SIN(4.863°)+480o÷COS(4.863°)-480o)×2=167.92oと定めた。

Aダンパ減衰力の向上

全線の乗り心地評価にて3〜6Hzの低速振動域に著大左右振動加速度が集中していたので、車体間及び台車左右動オイルダンパに小径オリフィスを採用することで、減衰力の向上を図った。(0.5→4.9kN/5cm/s)

(特性図の新旧・・・別添資料。本番は論文挿入)

B          左右動ストッパの隙間を3oから6oへ拡大

台車が車体に対し、安全な範囲である程度動けるようにするため左右動ストッパ隙間を車体低床部と車輪が接触しない範囲内で6oに設定した。

4.技術的成果

対策の結果、著大左右振動加速度(P-P)5.8m/ssを2.1m/ssまで低減、そして全線での乗り心地係数3超「非常に悪い」を1.5〜2「普通」まで抑制した。

5.現時点で技術的に改善すべき点

乗り心地係数は、1.5〜2「普通」まで改善されたが、依然として左右振動の発生頻度は、この範囲内で多く発生していた。

当時の開発思想は、蛇行動発生箇所である台車に対する対策ではなく、蛇行動における車体左右振動を抑制するべく、車体側へ対策を講じることばかりに主眼を置いていたことが問題であった。

それは、直に改善対策を講じることが出来るためである。この体験を経て、本来は、蛇行動特性を変える台車自体への対策も合わせて取るべきであったと現在は考えている。