鉄道土木 H23年 1-3「基礎形式」

問題

 直接基礎・杭基礎・ケーソン基礎の3種類の基礎形式について地盤条件・上部構造物の荷重条件の観点からそれぞれの基礎形式の考え方を述べ、また、地表にある軌道に近接して新たに鉄道高架橋基礎(場所打ち杭)を構築する際の留意点を述べよ。


模範解答


(1)基礎形式の考え方について

(1−1)直接基礎の考え方

 直接基礎は小規模で浅いため、上部構造物の荷重が比較的小さい、すなわち、支間長が短い橋梁の橋脚・橋台や躯体高さが低い高架橋の基礎に適用される。

浅い基礎のため、地表近くに支持層があることが条件となる。直接掘削して土質を確認することができるため、確実性の高い基礎である。また、掘削量が少なく、大型施工機械は不要であるため、施工ヤードが狭くても施工可能である。

(1−2)杭基礎の考え方

上部構造物の荷重に対して、杭の位置をバランスよく配置させ、効率よく支持させなければならない。荷重が大きくなると、杭本数が増え、または、杭径を大きくしなければならないため、隣接杭との距離が大きくなり、広大な用地が必要となる。

地盤としては、盛土部や支持層が深さ5〜30m程度の場合に適用される。また、掘削時においては、杭打機(大型機械)が配置・移動できるヤードが必要となる。

(1−3)ケーソン基礎の考え方

 基礎構造物が大きいため、上部構造物の荷重が大きい場合(長大橋梁の橋台等)や、孔壁を兼用した土留め(締め切り)を設置して、河川中または海中に橋脚を構築する場合に適用される。

 中間層に礫がある場合や支持層が30m以深となる軟弱地盤で主に適用される。また、オープンケーソンでは掘削機(大型機械)が配置・移動できるヤードが必要となる。

(2)軌道に近接した場所打ち杭構築時の留意点

(2−1)安全対策

 近接する軌道や周辺地盤に変形を与えないように、土留めや薬液注入・ケーシングで防護を行う。軌道への影響度合いを確認するため、レール天端、孔壁やケーシングの測量を行う。周辺地盤に変位がなく、軌道のみが沈下している際、変位が5mm未満の場合、計測頻度を上げて監視する。5mm以上沈下した場合、一旦施工を中断し、周辺の軌道整備(軌道扛上等)、または、夜間での施工に変更する。

また、施工機械が大型であるため、転倒対策として、据付位置周辺の地盤を改良することや、敷き鉄板を使用する。

(2−2)コスト管理

 施工ヤードが広い場合は、最も大型な機械であるアースドリルを適用する。施工ヤードが狭い場合や空頭に余裕がない場合、起電線や電車線に近接している場合は、掘削機械がコンパクトなBH機やTBH機を適用する。また、泥水により孔壁を防護できない場合、費用は高くなるが、オールケーシング工法を適用する。

(2−3)確実性

 掘削時、松杭などが支障する場合、事前に撤去する必要があるが、障害物探査や撤去に費用を要するため、掘削ビットの回転・掘削能力が高い鋼管杭を採用する。杭長が短い場合は、大孔径が可能で人力での撤去が可能な深礎杭を適用する。