コンピテンシーとはなにか、一言で言うと、技術を用いて結果を出すことです。

知識の量や経験の年数ではなくこのコンピテンシーが技術士試験の尺度となっており、下記のように文部科学省技術士分科会のページにも記されています。

 コンピテンシーが用いられるのは、プロエンジニアの資質、能力を測る尺度として知識や経験だけでは測れないからです。その理由についてご説明します。

 コンピテンシーとは、企業などの人事考課に活用され、職種別に高い業績を上げている従業員の行動特性を分析し、その行動特性を評価基準とし従業員を評価することで、従業員全体の質の向上を図ることを目的としたものです。従来の能力評価と比較して下の表のような特徴があります。

コンピテンシー評価と従来の能力評価との違い

   評価尺度  着目点  特徴
 従来の能力評価  学力、学歴、積極性、規律性、責任性  潜在的・顕在的能力  能力の高さは成果と繋がるわけではない。評価と貢献度はリンクしない
 コンピテンシー理論  論理的思考、問題解決、提案力、コミニケーション  成果、具体的行動

 業績への貢献度がリンクし易い

プロの能力

このコンピテンシー理論についてこれまでの経緯を略記しておきます。

  • 米国の心理学者マクレランド教授が1973年に開発した。
  • マクレランドは学歴や知能レベルが同等の外交官に業績の差が出るのはなぜかを研究
  • 知識、技術、人間の根源的特性を含む広い概念
  • 1990年代にアメリカにおいてはすでに人材活用の場に取り入れられていた
  • 日本においては、近年の能力成果主義の導入とともに、取り入れられるようになってきた。
コンピテンシーとは何か

 コンピテンシーとは何か。一般に、

「高い業績をコンスタントに示している人の行動の仕方などに見られる行動特性」  ≒ 技術を用いて結果を出す

と定義されています。もともとは、ハーバード大学の心理学者であるD.C.マクレランド教授らが行った外交官の能力調査に始まります。調査結果は「学歴や知能は業績の高さとさほど相関はなく、異文化感受性、人間性を尊重思想、人的ネットワーク構築力などが関連する」としたことが始まりです。

 このコンピテンシーがなぜ日本語で能力と呼ばず、あえてコンピテンシーというカタカナ語を使うかと言えば、能力を見る観点が、従来の能力観とは異なるからです。コンピテンシー的な能力の観点とは、「成果につながるかどうか」という観点で能力を見ることを意味しています。

 この、コンピテンシーに基づくな能力モデルについて、人材採用試験について書かれた文献「コンピテンシー面接マニュアル」では下図の「コンピテンシーのイメージ」を用いて次のように説明しています。

コンピテンシー的な能力評価では知識・経験、成果イメージ、思考力、動機などを行動に還元して発揮し、成果を生み出すことができる特性を有しているかを評価する

「真ん中の行動という○を囲むように四つの○(知識・経験、成果イメージ、思考力、動機)と四本の矢印が描かれています。まわりの四つの○は、従来型の能力観の中でよく語られてきた「能力」の要素であり、これらがそろっている人材が「能力がある人材」と見なされてきました。確かに、これらは能力の構成要素には違いないのですが、

能力があるだけでは成果には結びつかない

> だから結果につながることを示すこと。

上図の4要素が成果に結びつくためには、行動に還元されなければならないのです。
 たとえば、知識・経験はあくまで道具であって、これが行動というレベルで使われないままであるなら、いくら質や量があってもその価値はゼロです。次に成果イメージがあることは、成果を上げる上で有利ではあります。しかしイメージがあっても行動がなければ成果は生まれません。また、思考力がある、論理的に周囲を説得できる、議論に強い、これらもその一歩先にある行動や実行につながってはじめて意味を持ちます。さらに、内からわき出るモチベーションが高い、あるいは周囲への動機のアピールがうまいといいうのも、やはり行動の前段階の条件にすぎず、それ自体では何ら成果を生み出しません。したがって、コンピテンシー的な能力の観点による人物評価とは、その人が、知識・経験、成果イメージ、思考力、動機などを行動に還元して発揮し、成果を生み出すことができる特性を有しているかどうかを評価することに他なりません。」

 ところで、技術士の役割とは「高等の専門的応用能力を必要とする事項についての計画,研究,設計,分析,試験,評価又はこれらに関する指導の業務」を務めることでした。そして、その結果として、「科学技術の向上と国民経済の発展に資する」ことが求められています。つまり、技術士試験とは、そのような技術士の要件につながる技術者のコンピテンシーを測られる試験なのだということです。しかし、試験制度改正により、従来の試験準備が役に立たなくなったとお悩みの方も多いかと思います。技術士試験における能力評価の対象が、実績や知識ではなく、応用力や問題解決力に変わってきています。これは経験ではなく、技術によって裏付けられた再現性のある成果によって貢献するという、文部科学省が提案する新しい技術士像とも一致します。これはとりもなおさず「技術者の将来価値」を求めていることを意味しています。

コンピテンシーにはレベルがある

 ところで、このコンピテンシーには1レベルから5レベルまでのレベルがあり、より高いレベルが望ましいとされています。下の表をご覧ください。行動が問題行動から受動行動、能動行動、創造行動、変革行動と高まっていくにつれて能力を予感させるということは説明不要です。

レベル  行動  理由  原理  評価
 1  問題行動  言われたからやる  特に理由なし  評価すべき行動がない
 2  受動行動  その状況になれば誰でもする  独紙の意図がない  当然のこと
 3  能動行動  状況に応じた最善策  成果指向、状況判断  意図を聞きたくなる
 4  創造行動  独創的工夫  創意工夫  ユニークなアイデア
 5  変革行動  問題解決、そして全員に利益  パラダイム転換  ビジネス展開可能

コンピテンシーは自分では気がつかない >だからコーチング

 さてこのようなコンピテンシーのレベルがあることはわかりましたが、実際にヒアリングしてみると、意外と自分では気がつかないものです。これまでの指導で分かったことは、受講者様が認識している業績のうち9割以上が2レベルか1レベルなのです。でもご安心ください。自分がとった行動すべてがたとえ3レベル以下であったとしても、本研究所が行うコーチング指導により、コンピテンシーを軸に再び整理し、コンピテンシーレベルを高められることは多いものです。指導する側としてはこのような意味でコーチング能力がものすごく求められてきます。

本研究所のコーチング指導では

そうしたのはなぜですか?」、

この行動によって目指していたものは?

とコーチングにより引き出してコンピテンシーレベルを高めています。

 以上ご説明したように、本研究所ではこれまで一貫してコンピテンシー理論を導入した指導を行ってきました。知識・経験、成果イメージ、思考力、動機といった四つの資源が、技術応用というプロセスを経て行動に表れる、という技術者コンピテンシーモデルの指導です。たいていの受講者様は、過去に多くの体験や成果がありながら、こうしたコンピテンシーの意識はないものです。このため、本研究所の前述のコーチング指導とあわせて技術者コンピテンシーを表出する方法を指導しています。その結果、今日の驚くべき指導効果につながっているのです。

 現在は、技術士受験者の皆さんは技術士試験制度改正といった混迷の時期にあります。しかし、コンピテンシーに着目して能力開発に努めれば自然と高い評価が得られることは間違いありません。本研究所では

コンピテンシーとは「高い技術者の将来価値」=合格の条件

と考えてこれまでの指導を続けて行く予定です。

表現方法を工夫すればコンピテンシーは高められます。

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