H28年 建設・鋼構造コン U-1-1 模範解答と解説

問題文

 鋼構造物の鋼部材に損傷が危惧されるような大地震に対して、全体崩壊を防ぐ耐震設計上の基本的な考え方を3つ述べよ。

 


模範解答1

 

1.断面補強

@考え方:構造物の塑性変形の繰返しにより地震時エネルギーを吸収し崩壊を防ぐ。

A適用事例:鋼ラーメン橋脚の梁の耐震補強梁の腹板部への補剛材の設置により、せん断座屈強度を向上させ、破壊形態を、梁部の脆性的なせん断破壊から柱基部の塑性変形による延性的な曲げ破壊へ移行させる。

2.制震

@考え方:構造物に設置した装置の塑性変形の繰返しや粘性抵抗により地震エネルギーを吸収する。

A適用事例:鋼上路式ローゼ橋へのダンパーブレース設置 水平地震力に対して軸力で抵抗するブレース部にダンパーを設置し、その内部にある鋼材の塑性変形や油の粘性抵抗により振動を抑制する。

3.免震

@考え方:上記、制震の考え方に加え、構造物の長周期化により地震応答を低減する。

A適用事例:連続鋼桁橋への免震支承の設置 鉛プラグなどの塑性変形による振動の抑制に加え、ゴム支持により上部工の固有周期を長くすることで、地震の卓越周期から外し、上部工の応答加速度を低減する。


 

解説

作成中


模範解答2

 

1.耐震構造

 地震時水平力を柱、梁で持たせる構造である。レベル2程度の地震で、梁にヒンジをおこすメカニズムとする。柱にヒンジやせん断崩壊を起こすと層崩壊となり、全体崩壊系にならず、部分崩壊となることに留意する。

2.免震構造上部構造物と基礎の間に免震層を入れる。

 免震層は、上部構造物を大きく揺らすアイソレータと揺れを止めるダンパーから成り立つ。アイソレータは下部構造による揺れを上部構造に伝えないものである。ダンパーはアイソレータで開放した地震エネルギーを塑性化した鋼材で吸収するものである。耐震構造は各層におもりを配置し、おもり間をバネとする多質点系のモデルであるのに対し、免震構造は免震層をバネとし上部構造体を剛体とした1質点系となる。

3.制振構造

 制震とは、地震による構造物の揺れを構造物以外のもので制御することである。 地震による揺れをオイルで制御するものがオイルダンパーである。 構造物の最上層におもりを設置し、ブランコのように揺らすこと、共振しないものがマスダンパーである。


解説

 


H28年 建設・鋼構造コン U-1-4 模範解答と解説

問題文

 鋼構造物の溶接部における外部(表面又は表層部)欠陥と内部欠陥の検出に適する非破壊検査法をそれぞれ1つ挙げ、それらの原理と適用に当たっての留意点を述べよ。ただし、外観目視検査は除く。


 

模範回答1

1.磁粉探傷試験

@原理
 溶接部を磁化し、欠陥部に生じた磁極への磁粉の付着を利用して欠陥を検出する試験である。
A適用に当たっての留意点

 探傷面に油脂や塗料の異物が吸着していると、磁粉が傷に吸着するのを妨げるばかりでなく、疑似模様の発生原因と場合があるため留意する。 また、アルミニウムやオーステナイト系ステンレス鋼のような非磁性体の試験には適用できないため磁性原理以外を用いた探査を併用する。

2.内部欠陥の検出に適する非破壊検査法
 非破壊検査法は、超音波探傷試験が適する。

@原理 超音波の性質である、伝搬性が良いこと、一定の方向に伝搬すること、異物の境界面で反射することを利用して、試験体内部の欠陥を検出する。割れなどの面状欠陥の検出に適する。

A適用に当たっての留意点 得られる結果が電気信号であることから、ブローホールのような体積欠陥の形状や欠陥の種類の判断が困難な場合がある。このため多方向からチェックするか、または、鋳物のように材料によっては超音波が伝播しにくい場合は放射線透過試験を併用する。


解説

 


模範解答2

 

1.浸透探傷試験

 溶接部の外部欠陥を検査する方法が浸透探傷試験である。液体の毛細管現象が原理となる。浸透液を欠陥内に浸透させる。溶接表面を拭き取ったあと、現像液(白い液体)を吹き付ける。浸透液が染み出た箇所が溶接外部欠陥である。液体の浸透現象溶接前に清掃しなければ、検査精度が落ちるため、清掃することに留意する。

2.超音波探傷試験
 溶接部のブローホール等の内部欠陥を検査する方法に超音波探傷試験がある。 溶接付近に探触子を当て、探触子発信するエコーの高さに、位置により、溶接部の内部欠陥を発見する。エコーの高さはブラウン管に描かれる。探触子を動かすことで、エコーの高さを見つける。これより、エコーによる反射が原理である。探触子と鉄骨の接する部分はセンサーが固体振動を取るようにグリースを塗り、なめらかにすることに留意する。
 柱梁接合部の梁フランジ部分は、完全レ形溶接である。この溶接はフランジ厚さがあるため、多パスになる。多パスにより溶接間に空洞が出来やすく、風を巻揉むため内部欠陥になりやすい。この部分はフランジ全面を検査するように留意する。


解説

 

作成中

H28年 建設・鋼構造コン U-2-1 模範解答と解説

問題文

 複合構造は、異種材料及び異種部材の組み合わせによって、各構造材料の短所を補完し、長所を活用するように考えられた構造形式である。あなたが鋼とコンクリートの複合構造の設計担当者として業務を進めるに当たり、 以下の問いに答えよ。 なお、 鉄筋コンクリート構造、プレストレストコンクリート構造の単独での使用は除くものとする。

 (1)合成はり、鉄骨鉄筋コンクリートはり、混合はりの複合構造形式の中から2種類を選び、それぞれの具体的な構造を1つ示し、その構造を概説するとともに複合化による効果について述べよ。

(2)(1)で述べた複合構造形式の具体的な構造のいずれか1つを挙げ、その設計の業務を進める手順について述べよ。

(3) (2) で挙げた複合構造の設計の業務を進めるに当たって、 重要と思われる事項について述べよ。

 


模範解答

 

(1)複合形式梁の概要と効果
(1)-1合成はり
 鉄骨H形鋼の上フランジを鉄筋コンクリートスラブをスタッドボルトで接合する構造である。この複合化により、得られる効果を以下に述べる。
@断面2次モーメントが増大することにより、たわみが小さくなる効果がある。さらに、断面係数が上がるため、鉄骨断面を小さくできる効果がある。
A鉄筋コンクリートスラブが上フランジを拘束するため、長期荷重による横座屈が生じなくなる。これにより、正曲げによる横保剛材を必要としない効果がある。
B構造物全体の合成が上がるため、地震による水平変位を小さくできる効果がある。

(1)-2鉄骨鉄筋コンクリートはり 鉄骨の上下に主筋を配筋する。鉄骨周りはせん断補強筋であるスターラップを配筋する。この複合化により、得られる効果を以下に述べる。

@単独H形鋼による座屈が生じなくなり、鋼材が本来持っている材料強度を発揮する。

Aコンクリートで覆われているため、耐火被覆を必要としない。

Bコンクリートによる断面2次モーメントが増大する。

(2)合成はりを設計する手順
@単独鉄骨H鋼では、曲げによる横座屈が生じる。コンクリート重量と施工時による積載荷重でH形鋼の断面算定を行う。

A施工時による鉄骨たわみが大きくなる場合は、下フランジに鉄骨支柱を設置し、たわみを防止する。

B応力解析で発生する曲げ応力をはり性で割る。この結果から、スタッドボルトが負担するせん断力を算出する。このせん断力からスタッドボルトの径と本数を算出する。

(3)合成はりを設計するにあたる重要事項

 鉄骨単体では、断面2次モーメントが小さいため、大きくたわむ。施工中のたわみを算出し、このたわみ分だけキャンバーを設けること。コンクリート硬化後、一体の合成はりとなる。

 スタッドボルトのズレを考慮して、弾性解析を行うと、各スタッドボルトの水平力が異なる。このような現象を考慮し、曲げモーメントによるスタッドボルト算出する際は、径と全本数がヒンジ点と反曲点の区間に納めるように留意する。

 鉄筋コンクリートスラブの配筋ピッチとスタッドボルトのピッチが干渉しないように留意する。 地震時の負曲げによる下フランジは拘束していないため、横保剛材を配置するように工夫を要する

H28年 建設・鋼構造コン U-2-2 模範解答と解説

問題文

鋼構造物の性能を適切に維持するため、防食機能の低下が発見された場合には適切な補修を行うことが重要である。あなたが鋼構造物の補修を行う担当者として業務を進めるに当たり、以下の問いに答えよ。

(1)あなたが担当する鋼構造物について、適用可能な防食方法を2つ挙げ、それぞれの防食原理と特徴について述べよ。

(2)(1)で示した防食法をひとつ選び、具体的な劣化事例を1つ挙げ、その補修について施工計画の概要を述べよ。

(3)(2)で採用された施工計画において、重要と思われる事項について述べよ。

 


模範解答

 

(1)適用可能な防食方法

1)塗装による防食

@防食原理 防食原理は、主に腐食原因物質の遮断と犠牲防食作用の2種類がある。腐食原因物質は、水、酸素、亜硫酸ガス、窒素酸化ガスなどの腐食原因物質や塩類などの腐食促進物質がある。犠牲防食作用とは、塗料・塗膜中に高濃度に含有された亜鉛末の電気化学的な陽極防食作用を意味する。

A特徴 塗装は、塗料により、どのような材質、形状、大きさ、重さの物体でも容易に塗膜を形成でき、物体の機能を保護し維持できることを特徴とする。

2)電気防食

@防食原理 防食原理は、腐食環境下に設置した電極から鋼材に直流電流を通電することにより、鋼材の電位を腐食電位よりも低い電位まで変化させて防食を事実上無視できる程度まで抑制するものである。

A特徴 水中構造物に限定されるものの、新設や既設、規模や形態を問わず適用可能であり、維持管理、更新、補修が容易で、耐用年数の設定も可能であるなど、メリットの多い防食法である。

(2)具体的劣化事例による補修施工計画防食方法は、塗装を選定する。劣化事例は、鋼鈑桁橋桁端部の腐食を挙げる。全体的な腐食は進行しておらず、部分塗替えを実施するものとする。施工計画の概要を以下に述べる。

1)素地調整は塗料の良好な付着性を確保するため、ブラスト法により素地調整程度1種に仕上げる。

2)塗装仕様は優れた耐久性を確保するため、下塗りにジンクリッジペイントを塗布する重防食塗装系とする。

(3)施工計画において重要と思われる事項

1)ブラスト作業時には鋼部材に研削材が衝突することにより激しい騒音が発生することから、市街地や家屋の近傍で施工する際には、適切な防音対策を図る。

2)対象とする部材の角部に面取りや曲面仕上げ行われていない場合は、塗替え塗装時に膜厚が確保されるよう、グラインダー等により2R以上の面取りを行う。

3)部分塗替え塗装を行った場合、旧塗装と新塗装の境界部は弱点となりやすいため、新旧塗装の塗り重ね部を設ける。


解説

 

作成中

H28年 建設・鋼構造コン V-1 模範解答と解説

問題文

 我が国では、現在、高度成長期に整備された社会インフラの老朽化対策が重要な課題となっている。国土交通省では、 所管するあらゆるインフラの維持管理・更新等を着実に推進するための中長期的な取組の方向性を明らかにするため、 平成26年5月に 「国土交通省インフラ長寿命化計画(行動計画)」をとりまとめ、新設から撤去までの、いわゆるライフサイクルの延長のための対策という狭義の長寿命化の取組に留まらず、 更新を含め、 将来にわたって必要なインフラの機能を発揮し続けるための取組を実行することとした。 例えば、 道路分野では、 今後10年間で全国の道路橋約70万橋の40%以上が建設後50 年を超えると見込まれており、 損傷が深刻化してから大規模な修繕を行う事後保全から、 損傷が軽微なうちに修繕を行う予防保全に転換し、 更新 (架け替え) の抑制等によるライフサイクルコストの縮減及び道路ストックの長寿命化が喫緊の課題となっている、 このような状況を踏まえ、以下の問いに答えよ。

(1)インフラの老朽化対策における建設分野における問題点、克服すべき課題について、幅広い視点から概説せよ

(2)上述した課題に対し、鋼構造物の分野において、 あなたが最も重要な技術的課題と考えるものを2つ挙げ、 それぞれにっいて解決するための技術的提案を示せ

(3)あなたの技術提案それぞれについて、これらがもたらす効果を具体的占めると共に、それらの技術的提案を実行する際のリスクや課題について論ぜよ。


模範回答1

 

(1)インフラ老朽化対策に対する建設分野の課題

1)点検作業の省力化

 構造物の維持管理は、点検、診断、補修等の措置、記録の業務サイクルの基に行われる。しかし、対象となる構造物の数量は膨大であるため、点検作業の省力化が必要と考える。

2)効率的な長寿命化計画の策定

 我が国の社会インフラは、1970年代に集中的に整備された。現在、それらが、構造物の寿命といわれる50年を迎え、劣化や損傷を有する構造物が増大することが見込まれる。厳しい財政状況の中、これらの維持管理を進めるためには、計画的で効率的な長寿命化計画を策定し、維持管理費の平準化を図る必要がある。

3)PFIの活用

 厳しい財政状況の中で老朽化対策を進めるために、民間の資金を活用する。特にコンセッション方式の活用が有効であると考える。 コンセッション方式は、国や自治体が施設の所有権を持ち続けたまま民間事業者に施設の運営権を付与するものであり、施設の運営権付与の対価を国や自治体が徴収することで、財政負担を軽減することができる。

(2)技術的課題に対する技術的提案上記課題の1)点検作業の省力化に対して、モニタリング技術の活用を提案する。また、2)効率的な長寿命化計画の策定に対して、記録情報のデータベース化を提案する。

1)モニタリング技術の活用による点検作業の省力化

 点検作業は数年に1回実施される。次回点検や補修予定時期までに劣化が危険な状態に進行する可能性がある場合は、常時観測が必要となる。常時観測作業を人力で行うには、作業やコスト面で困難であるため、センサーを用いたモニタリング技術を活用する。具体的には、疲労亀裂が発生すると予想される箇所へ検知線を貼付け、その電気抵抗をモニタリングすることで、点検を自動化し、省力化を図ることが考えられる。 また、河川部や高所における近接目視点検では、車線規制や大がかりな足場が必要となるため、ロボットを活用して点検作業の省力化を図る。具体的には、無人飛行体(UVA)や鋼桁を自走するロボットなどが考えられる。機器に搭載した小型カメラにより、近接画像を取得することで、近接目視点検を代替する。

2)記録情報のデータベース化による効率的な長寿命化計画の策定

 膨大な量の構造物の維持管理状態を効率的に把握するために、構造物の諸元、点検結果、修繕履歴、設計図書、写真などの記録情報をデータベース化する。これを基に、構造物の重要度、健全度等から補修を実施する優先順位を決めることで、計画的で効率的な長寿命化計画を策定する。 また、データベースのプラットフォームを構築し、オープンデータ化する。これにより、地域住民に対しては、施設の統廃合や維持管理負担に関する合意形成を図り、民間企業や研究機関に対しては、技術開発の推進を促す。

(3)技術的提案がもたらす効果、リスク・課題

1)モニタリング技術の活用による点検作業の省力化

 センサーを用いたモニタリング技術は30mm以下の疲労亀裂等、目視点検では発見できない損傷を検知できるため、損傷の早期発見による効果的な予防保全が可能となる。一方で、50年を超えるモニタリングを想定すると、センサーの耐久性向上に関する技術開発が必要と考える。 ロボットを用いた近接目視は、点検者の安全性向上効果がある。一方で、機器の墜落や落下による第三者被害の懸念がある。

2)物件データ健全度予測

 現状の点検結果に加え、モニタリングにより取得した加速度や応力のデータを蓄積・分析することで、対象構造物の余寿命評価が高精度となる。今後の課題は予測解析手法として、@寿命設定法、A劣化予測式、B点検結果の統計解析、C遷移確率法などがあり、物件の状況に応じて使い分け予測精度の向上を図る必要がある。


解説

 

作成中


模範解答2

 

(1).建設分野の問題と克服すべき課題

(1)-1安全・安心インフラ

 我が国の社会資本を分析すると、高度経済成長期に建てられた社会資本は更新時期を迎えている。現状、維持管理費が3.6兆円であり、10年後には5.1兆円となる。これより、維持管理費の増大が問題である。 我が国の地震発生率を分析すると、世界の地震発生の2割が我が国である。内閣府は、南海トラフ地震が30年以内に70%の確率でおこり、被害額は220兆円、死者は32万人と想定している。これより、脆弱な国土が問題である。 維持管理費の増大と脆弱な国土を克服するには、効率的なアセットマネジメントが課題である。

(1)-2成長インフラ

 経済を分析すると、世界経済は発展し、人・物・金・仕事のダイナミズムが拡大している。経済の発展で、社会資本陳腐化は経済成長の足かせとなることが問題である。国際戦略による競争力強化、民間事業者等との連携強化し、生産拡大効果を高め課題である。

(1)-3. 生活インフラ

 我が国の人口分布を分析すると、現在、高齢化率は25%を超えている。このまま放置すると2050年には40%となる。さらに、現在1億2千万人の人口が、2050年には1億人を切る。これより人口減少が問題である。人口減少に対応する社会として、「コンパクト+ネットワーク」を取り入れることが課題である。

(2)技術的課題と技術的提案

(2)-1安全・安心インフラ(靭性的な構造)

 アセットマネジメントを効率的に行うには、既存構造物は靭性的な構造にすることが、技術的課題である。以下に技術的提案を述べる。

(2)-1-1耐震補強

 阪神・淡路大震災を分析すると、新耐震設計で設計した昭和56年以後の構造物の崩壊はなかった。このことに着目すと、耐震診断を行う。不適格な構造には、フレーム内にブレースを設置する工夫をすることで、地震に強い構造になる。

(2)-1-2免震レトロフィッ

 免震構造物を分析すると、阪神・淡路大震災以降、地震による崩壊がなかった点に着目する。既存構造物は上部構造と下部構造に切り離なす。この間に免震層を挿入し、免震構造にする。アイソレータは、地震エネルギーを吸収し、上部構造を長く揺らす装置である。ダンパーは、アイソレータによる揺れを防ぐ構造である。このことで耐震効果が増大する。

(2)-1-3制振構造

 東日本大震災を分析すると、震源が東北であるが、関東周辺の超高層建築物が大きく揺れた。この原因は、構造物が有する高さによる固有周期と地震による周期が共振したためである。そこで、最上階に重りを設置し、ブランコの原理で、逆に揺らすことで、本来所有する固有周期と共振させないようにする。

(2)-2.成長インフラ(性能設計の導入)

 経済の発展を取り入れるには、新工法、新技術を取り入れることが技術的課題である。性能設計は設計法を問われることはない。使用性、安全性、修繕性を満たせば良い。通常震度7級の地震では、材料性能強度は400N/mm2級の鋼材を使用し、塑性域まで考慮した設計とする。材料性能強度を800N/mm2級を使用すれば、地震時に発生する応力を弾性域で収められ、構造体の重量を減らすことができる。そこで、性能設計を導入することを技術的提案とする。

(3)もたらす効果、リスク、課題

(3)-1. 靭性的な構造

  耐震性が向上することで、不動産価値が上がる効果がある。補強した安心感から地震時に逃げ遅れるリスクがある。そこで、明確な動線が新たな課題となる。
(3)-2. 性能設計

 新しい技術を工夫すれば、耐震性能が向上する効果がある。新技術を取り入れるには、未確定な部分が多いリスクがある。そこで、実験等を取り入れ、性能を表示することが課題である。設計時では不確定要素が多い。応力的、使用せに富んだモデルを提案していきたい。


解説

 

作成中

H28年 建設・鋼構造コン V-4 模範解答と解説

問題文

 高度経済成長以降に集中整備された社会インフラは老朽化が進展し、維持管理上の問題が顕著化している。一方、これに関わる予算や労働力といった資源の投入は今後とも困難なことが予測される。このような状況を考慮し、以下の問いに答えよ。

(1)コンクリート構造物の維持管理の負担を軽減するため、検討すべき項目を多様な観点から記述せよ。ただし、地震などの災害による非常時の維持管理は含まないものとする。

(2)上述した検討すべき項目のうち、あなたが重要であると考える技術的課題を1つ挙げ、実現可能な解決策を2つ提示せよ。

(3)あなたの提示した解決策がもたらす効果を具体的に示すとともに、想定されるリスクやデメリットについて記述せよ。


模範解答1

 

1.維持管理負担軽減するため検討すべき事項

(1) 既設構造物の予防保全

 既設構造物に変状が発生し放置すると加速度的に劣化が進行し、維持管理負担が増加する為、既設構造物の補修補強による予防保全を検討すべき。

(2) 点検作業の効率化

 現状の日常点検は近接目視や打音が基本であり、費用や労働力、時間が膨大となるため、自動計測が可能な非破壊検査による点検作業の効率化を検討すべき。

(3) 官民連携手法の活用

 民間事業者のノウハウや資金を使用して効率的な維持管理を行うため、指定管理者制度や包括的民間委託制度など、官民連携手法の活用を検討すべき。

2. 技術的課題と実現可能な解決策

 (1)の既設構造物の予防保全による課題は、長寿命化を見据えた補修補強である。構造物の長寿命化を実現することでライフサイクルコストを含めたトータルコスト削減により、維持管理負担軽減を実現できる。

1)補修補強による耐久性向上

@塩害や中性化により劣化した構造物を電気化学的補修工法などにより健全性を再生させた後、表面被覆工法により劣化因子浸入を防止する。

Aアルカリ骨材反応が生じている橋脚のひび割れ部撤去と鉄筋の防錆を行って健全性を回復させ、RC巻立て工法により耐震性向上を目的とした補強を行う。

2)ICT技術の活用

@ICT技術により補修補強後供用期間中かぶりコンクリート部の塩化物浸透深さや中性化深さを計測し、鉄筋腐食環境となる前に補修を行う。

A高所における補修材の吹き付け作業を、無人飛行機で行う。

3.解決策がもたらす効果およびリスクやデメリット

1)補修補強による耐久性向上

@効果は、耐久性向上により維持管理頻度が減少し、費用や労働力が削減できる。

  デメリットは、コンクリート表面が被膜される為、以後のモニタリングが困難。

 A効果は、現在の道路橋示方書耐震基準に合わせ、耐震性向上が図れる。

  リスクは、巻立てにより河積阻害率が増えるため、架橋地点上流の水位が上昇。

2)ICT技術の活用

@効果は、対象とした劣化因子に対する供用期間中の劣化進行予測が可能。

  リスクは、単独の劣化因子を対象とするため、複合劣化進行予測が難しい。

A効果は、高所作業車や仮設足場が不要となり、作業員の被災リスクが低減する。

  デメリットは、連続飛行時間や補修材の積載可能重量に限度がある。