H28年 電気電子部門・電気設備 T-1問題 模範解答と解説 (ケーブルを使用した地中電線路)

問題文

 電線にケーブルを使用した地中電線路の施設方式を挙げ、その中から2方式を選び、その方式の概要(構造、適用場所、所要性能等)と施設上の留意点を説明し、それぞれの特徴を比較せよ。


 

模範解答

1.管路式

1)管路式の概要

・熱伸縮を吸収できる管路構造

・ケーブルの引入れ・引抜のマンホール

・重量物の圧力を受ける箇所も敷設可能

 

2)管路式の施設上の留意点

・水が浸入しにくい構造にする

・地震による管路の突き抜け防止

・管路切断防止用の明示措置

 

2.暗渠式

1)暗渠式の概要

・線間の余裕により送電容量低下少ない

 ・照明、換気設備があり保守点検が容易

 ・架空電線路の地中化に多く利用される

 

2)暗渠式の施設上の留意点

・保守用照明、換気設備の設置

・排水のための水勾配の設定

・関係者以外の侵入に対する防護措置

 

3)それぞれの特徴の比較

・暗渠式のほうが将来の増設が容易

・暗渠式のほうが保守点検が容易

・暗渠式はシールド工法が利用可能

H28年 電気電子部門・電気設備 T-2問題 模範解答と解説 (コージェネレーションシステムの電主運転)

問題文

コージェネレーションシステムにおいて電力を主とした運転方式には、ピークカット運転、ベースロード運転、負荷追従運転の3種類がある。そのうち2種類を選び、各々の概要、特徴および適用を述べよ。


 

模範解答

1.ピークカット運転

 

1−1 ピークカット運転の概要

(1)需要ピーク時に電力を供給

(2)発電に伴う排熱を他の熱機器に利用

1−2 ピークカット運転の特徴

(1)発電設備への投資を低減させる

  (2)契約電力引き下げ効果

1ー3 ピークカット運転の適用

  (1)蓄電設備と組合せ需要急増に備える

  (2)電力使用ピークの時間帯に稼働する設定

  (3)重要度の高い機器に優先的に供給

2.ベースロード運転

 

2ー1 ベースロード運転の概要

  (1)負荷変動に関係なく一定出力で運転

  (2)最小需要電力を高効率に継続的に発電

2ー2 ベースロード運転の特徴

  (1)設備コストは高いが高効率運転可能

  (2)負荷追従性が悪い

  (3)ピーク効率に近い値で継続的に運用

2ー3 ベースロード運転の適用

  (1)排熱利用したコンバインドサイクル発電

 (2)夜間の排熱を蓄熱式暖房に利用

H28年 電気電子部門・電気設備 U-2-2問題 模範解答と解説 (総合的な雷保護システム)

問題文

一般のビルを建設するに当たり、建物や人命を雷の被害より保護する建築物などの雷保護システム(外部雷保護システムと内部雷保護システム)と、建物内の電気及び電子システムの雷保護対策(雷サージ低減対策とSPDによる雷過電圧制御)から構成される総合的な雷保護システムを、電気設備の責任者として設計するにあたり、下記の問いに答えよ。

(1)     検討する雷保護システムや雷保護対策のうちから2項目をあげ、具体的な内容を説明せよ。

(2)     各業務を進めるにあたり、留意することを挙げ説明せよ


 

模範解答

(1)

 

1)接地システム

・等電位ボンディングによる電位均等化

 ・引き下げ導線と機器電源線の離隔

・回転球体法による保護エリアの設定

 

2)サージ防護対策

・サージ侵入経路ごとのSPD設置

・絶縁トランスによる電気的絶縁

・鉄筋から誘導される雷サージ抑制

 

(2)

 

1)留意事項

 

・直撃雷、誘導雷に応じたSPD設置

・被保護空間を電磁的影響度に応じて分割

・種類、需要度に応じた保護レベルの設定

・SPDと電子機器の連接接地

H28年 電気電子部門・電気設備 V−1問題 模範解答と解説 (集合住宅における感電保護)

問題文

 電気設備に求められる安全・安心環境の構築を阻害する要因として、過電流、過電圧、感電など多くの事項が考えられる。これらの事項のうち、地絡などに起因する感電は、甚大な影響を与えることから、その対策は重要な事項である。ことに、老若男女が起居する集合住宅においては、感電保護は最も重要な事項の1つであることから、慎重な対応が求められている。

(1)集合住宅における感電保護として電源の自動遮断による方法を選定した場合において安全、安心環境の構築に当たりその阻害要因になる事項を列挙せよ。

(2)上述した阻害要因事項について、あなたが重要と考える事項を2項目選定し、それを解決するための技術的提案を示せ。

(3)あなたの技術的提案がもたらす効果・リスクを述べよ。

 


模範解答

 

1.安全安心の阻害要因

1-1内部の絶縁機能が雨水で劣化する

 ベランダ等の屋外に設置した洗濯機などの電気機器の絶縁抵抗値が雨水により低下し、金属部分に触れた時に感電する。

 昨今の住宅事情の変化により、本来は室内で使用するはずの洗濯機などの電気製品を室内ではなく、ベランダなどの屋外において使用する場合があり、本来接続されるはずのアース線が未接続だった場合、電気製品本体に絶縁不良が発生すると使用する人に感電の危険性が発生する。

1-2床面が濡れた状態で電化製品を操作

 風呂の残り湯を洗濯に用いる際、ポンプを使って洗濯機に移動する時に風呂場の床面が濡れている場合、絶縁抵抗が低下したポンプに触れ感電する。

 洗濯機に風呂の残り湯を使用する場合がある。しかし、使用者が水の移動に使用するモーターを充電した状態で持って風呂場に移動した場合、床面が水分で濡れていると使用者に感電の危険性が高まる。

1-3コンセントに挿したままの電気器具を子供が触る

 乳児は無意識に自分が手にした物を口に持っていく場合が多く、電気器具の充電部や延長コードの差し込み穴の部分を舐め、唾液により感電する場合がある。

 乳児は物を口で確認しようとするため、乳児が手を触れる場所に電気製品や電気器具を置く事で危険性が高まる。

2.技術的提案

2-1屋外の電気製品は外装を電気伝導度の小さい樹脂製にする(1-1に対応)

 電気製品の人が接触する部分を樹脂製に変更することで、直接金属部分に触れることを防ぎ使用する人の感電を防止する。

 屋外に設置した電気製品で感電の危険性を除去するため、アース線を確実に接続する以外に接触する部分を樹脂製にすることで、雨に濡れた状態でも感電を防止することが可能になる。

2-2ポンプの電源をDC12VからDC6Vに降圧(1-2に対応)

 使用する電圧の降圧により使用電流を下げ、感電の危険性を減少させ、風呂の床が濡れた状態でもポンプを使用中に漏電による感電を防止する。

 洗濯機の水の移動に用いられるポンプは、DC12Vが主流だが、風呂場での使用のため、水分による感電の危険性がある。このため、電圧の低いDC6Vのポンプを使い使用電流を下げ、感電の危険性を低下させる。

3.技術的提案がもたらす効果、リスク

3-1提案1:外装を樹脂製に

3-1-1効果

 屋外で使う電気製品の外装を樹脂製にすることで使用者が触れる部分の絶縁抵抗を高く保つことが可能となる。これにより感電の危険性を低下させることが可能となる。

使用者が電気器具を使用する際、感電を防止する目的の手段として非常に有効である。

3-1-2リスク

 樹脂製の採用により外装の絶縁抵抗は保てるが、洗濯機の場合、洗濯機内部の洗濯槽には水分があり、絶縁抵抗が低くなる恐れがある。使用者が脱水後の洗濯物を取り出す際にモーターや配線からの漏洩電流により洗濯機内の濡れた洗濯物に直接触れた際に感電する恐れがある。

 3-2提案2:ポンプ電源をDC6Vに

3-2-1効果

 使用電圧をDC12VからDC6Vに降圧することによって使用電流を小さくすることが可能となる。仮に絶縁抵抗が低下した場合でも使用者の感電の危険性を非常に低くすることにより安全確保する事が可能となる効果がある。

 3-2リスク

直流が漏電すると、付近に人がいた場合、漏電による危険性が発生するばかりでなく、直流による漏電は地中に漏れ続けると、風呂場の床面にある水を通して通電し、地下にある抵抗の小さな金属製の電線管や水道管に電食が発生し、腐食を発生させる恐れがある。