H29年 機械・流体力学 V-2 模範解答と解説

問題

 製造業では、製品のコストダウンや開発期間の短縮などのために、標準化が重視されている。あなたが担当している流体機械について、その設計の標準化を進める社内プロジェクトのリーダーを任じられた。流体機械の設計者として以下の問いに答えよ。

(1)設計の標準化の対象とする流体機械を1つ選び、標準化の目的とともに、どのような設計の標準化が考えられるかを説明せよ。

(2)(1)で考えた標準化を進めるにあたり、解決すべき技術的課題の中から重要と考えられるものを3つ選び、それらに対する解決策を提示せよ。

(3)(2)提示した3つの解決策に潜むリスクと対策を述べよ。

 


模範解答(簡易答案形式)  専門とする事項 高温反応装置設計

(1)1)排煙脱硝装置:火力発電所における排ガス処理装置。脱硝装置内の流れは、層流で排ガスの気体と石炭灰の固体の2相流。NH3エアロゾルを注入し、一度乱流を作り、NH3を撹拌後、層流に戻す。

2) 標準化の目的

 a)短納期の製品納入の対応。

  b)規格化によるブランド強化と信頼度の向上

 c)設計ミスの低減

 d)製造コストの低減

3) 具体的な標準化の例

  a)石炭熱量等の因子条件からなる触媒量導出計算式を標準化する

 b)排ガス流の乱流の流れ条件を標準化する

 c)触媒ブロックの形状や性能を標準化する

 d)脱硝装置の性能を標準化し、性能規定とする。

(2)a)触媒量導出において、計算式に表現が困難な変異する要素が複数存在

    対策:各要素の係数を算出する近似計算を組み合わせ、実機と比較。

 b) NH3注入管のエロージョン磨耗と分散率との兼ね合い

 対策:摩耗式により導出した摩耗量、分散率の算出と実機と比較。 

 c) 乱流、渦が発生しない層流の境界値のレイノルズ数の設定

対策: CFD解析により数値化

(3) a) ポップコーンアッシュの発生による損傷

対策: 上流側で網目状の金網を設置

b)余分なNH3の後流機器への故障原因の低減

対策: 定期な確認後、異常があれば、NH3注入量の調整と追加の整流板を設置