H29年 電気・情報通信 U−1−1 問題 模範解答と解説

問題文

2020年頃から商用展開が予定されている第5世代移動通信(5G)は、ITU-R勧告(M.2083-0)「IMT Vision」に示されているように、大きく3つの利用シナリオが想定されている。それら3つの利用シナリオそれぞれの概要を記述し、それから総合的に導きだされた5Gへの主な要求条件を5項目挙げよ。


模範解答1 (簡易形式1)  添削履歴 1回 2019.2.2   専門事項 交通運行無線


1.5Gの3つの利用シナリオ

1)モバイルブロードバンドの高度化

 超高詳細ディスプレイ、VR、AR向け大量トラフィックに対応する。

2)超大量接続

 スマートシティ、スマートホーム、スマート工場といった多数のIoTデバイスの接続に対応する。

3)超高信頼低遅延通信

 遠隔医療・自動運転支援といったリアルタイム性を要する通信に対応する。

2.5Gへの主な要求条件

 1)最大伝送速度

  大量トラフィックを処理するため、最大伝送速度 は10Gbpsである。

 2)接続数

  大量の接続を収容するため、100万接続/km2である。

3)遅延時間

 リアルタイム性を維持するため、遅延時間は1 msec程度である。

4)低消費電力

 基地局を大量に設置するため、数W程度とWi-Fi並みとする。

5)対応移動速度

 高速鉄道等の移動体でも利用可能な移動速度500km/h対応とする。

 


模範解答1  (簡易形式2)  添削履歴 0回 2019.2.4  専門事項 交通運行無線


1.5Gの3つの利用シナリオ

1)モバイルブロードバンドの高度化

 超高詳細映像ストリーミング、自由視点映像、VR、AR向け大量トラフィックに対応する。

2)超大量接続

 スマートシティ、スマートホーム、スマート工場といったM2M通信を行う多数のIoTデバイスの接続に対応する。

3)超高信頼低遅延通信

 遠隔医療・自動運転支援といった、ミッションクリティカルでリアルタイム性を要する通信に対応する。

2.5Gへの主な要求条件

1)最大伝送速度

 大量トラフィックを処理するため、最大伝送速度 はLTEの100倍以上で10Gbpsとする。

2)接続数

 大量の端末やセンサの接続を収容するため、接続数はLTEの100倍で100万接続/km2とする。

3)遅延時間

 リアルタイム性を維持するため、遅延時間はLTEの1/10以下で1 msec程度とする。

4)低消費電力

 IoTデバイスの省メンテナンス化のため、電池寿命は10年以上とする。

5)対応移動速度

 高速鉄道等の移動体でも利用可能とするため、移動速度500km/h対応とする。

 


模範解答1  (答案形式)  添削履歴 1回 2019.2.7   専門事項 交通運行無線


1.5Gの3つの利用シナリオ

1)モバイルブロードバンドの高度化

 超高詳細映像ストリーミング、自由視点映像、VR、AR向けの大量トラフィック伝送を可能とする。

2)超大量接続

 スマートシティ、スマート工場といったM2M通信を行う多数のIoTデバイス接続を収容する。

3)超高信頼低遅延通信

 遠隔医療・自動運転支援といった、ミッションクリティカルでリアルタイム性を要する通信を実現する。

2.5Gへの主な要求条件

1)最大伝送速度

 大量トラフィックを処理するため、最大伝送速度 はLTEの100倍以上で10Gbpsが要求される。

2)接続数

 大量のIoTデバイスの接続を収容するため、接続数はLTEの100倍で100万接続/km2が求められる。

3)遅延時間

 リアルタイム性を維持するため、遅延時間はLTEの1/10以下で1 msec程度が必須である。

4)低消費電力

 IoTデバイスの省メンテナンス化のため、電池寿命は10年以上が求められる。

5)対応移動速度

 高速移動体利用のため、500km/h対応が要求される。



H29年 電気・情報通信 U−1−3 問題 模範解答と解説

問題文

 幹線系光伝送システムで広く使われているデジタルコヒーレント光通信方式について、その方式の概要を述べよ。さらに従来方式(強度変調−直接検波方式)と比較して主な利点を3つ挙げ、その内容を説明せよ。


模範解答1  (簡易答案形式1)  添削履歴 7回  完成日2018/3/29 専門事項 通信システム


1.デジタルコヒーレント光通信方式の概要

 コヒーレント光通信は光ファイバで、波長分割多重して同時に複数の光信号を伝送する。この受信情報の復調をデジタル信号処理で行う通信方式のことである。ここでコヒーレントとは複数波の関係で振幅と位相の間の状態にずれが無く互いに干渉が可能であることを意味することである。(光波は振幅、位相が安定でない場合があり、これがずれるとコヒーレントで無くなる。)この性質を利用して複数の通信波を1つの光ファイバで多重化する。

2.従来方式と比較した利点

a)高感度受信

 従来では光強度変調直接検波方式であり、信号劣化の改善ができなかったが、本利点ではS/Nの改善ができ、伝送距離が従来100kmのところ1000kmの長距離通信が可能。

b)波形等化技術

 信号処理で波形等化が可能である事から光増幅中継の構成が大幅に簡素化可能。

c)高信頼偏波多重分離

従来の波長多重による周波数利用効率が向上し40Gbpsの伝送速度が100Gbpsに向上できる。


模範解答1  (簡易答案形式2)  添削履歴 1回  完成日2018/4/5 専門事項 通信システム


1.デジタルコヒーレント光通信方式の概要

 コヒーレント光通信は光ファイバで、波長分割多重して同時に複数の光信号を伝送する。この受信情報の復調をデジタル信号処理で行う通信方式のことである。

ここでコヒーレントとは複数波の関係で振幅と位相の間の状態にずれが無く互いに干渉が可能であることであり、この複数波が共存する性質を利用して1つの光ファイバで多重化する。

2.従来方式と比較した利点

a)高感度受信

 従来では光強度変調直接検波方式であり、信号劣化の改善ができなかった。

本利点では光信号に変復調しデジタル処理する事でS/Nの改善ができ、伝送距離が従来100kmのところ1000kmの長距離通信が可能。

b)波形等化技術

 通信信号の伝送劣化による波形歪をデジタル信号処理で波形等化が可能。従来では伝送路の途中に光増幅中継が必要だが、装置構成が大幅に簡素化。

c)高信頼偏波多重分離

光ファイバでの伝送で偏波モード分散歪により波長多重での干渉の影響から周波数利用効率は40Gbps程度。この分散歪をデジタル信号処理により干渉の影響を低減させ伝送速度が100Gbpsに向上。


模範解答1  (答案形式)  添削履歴 2回  完成日2018/4/30 専門事項 通信システム


1.デジタルコヒーレント光通信方式の概要

 コヒーレント光通信は、1つの光ファイバで波長分割多重により複数の光信号を伝送する。この受信信号の復調をデジタル信号処理で行う通信方式のことである(以下本方式という)。ここでコヒーレントとは、複数波の関係で振幅と位相にずれが無く互いに干渉することである。

2.従来方式と比較した利点

a)高感度受信

 従来では、光強度変調直接検波方式であり、信号劣化の改善ができなかった。本方式は、伝送情報を変復調しデジタル処理する事でS/N改善ができる。その結果、伝送距離は、従来100kmから1000kmに改善された。

b)波形等化技術

 通信信号の伝送劣化による波形歪をデジタル信号処理で波形等化による対策が可能となった。従来では波形歪対策のため伝送路中に光増幅中継が必要であった。本方式は、中継不要で装置構成が大幅に簡素化できる。

c)高信頼偏波多重分離 

光ファイバの伝送で偏波モード分散歪による干渉の影響から偏波多重は40Gbps程度が限界であった。分散歪はデジタル信号処理で干渉の影響を低減可能となった。そのため周波数利用効率が2倍以上向上し、伝送速度が100Gbpsに向上した。



解説 本講座で学べばこのような答案をご自身の知識、体験を下に1から作成することが可能です。考える力をつけて1発合格できるよう支援いたします。(講師より)

H29年 電気・情報通信 U−1−4 問題 模範解答と解説

問題文

 陸上移動通信で今後必要となる超高速・大容量伝送を実現するために、広い帯域を確保できるミリ波を利用することが検討されている。ミリ波を利用するに当たって、克服すべき電波伝搬上の課題を3つ挙げ、その概要を述べよ。これらの課題を克服するために、ミリ波の特徴を活かして高度化したMIMO技術が検討されているが、この高度化したMIMOの概要と特徴を述べよ。


模範解答1  (簡易答案形式1)  添削履歴 5回  完成日2018/3/24 専門事項 通信システム


1.ミリ波電波伝搬上の課題

a)伝送路での信号強度劣化対策:空間上の降雨、塵等で信号強度の減衰が大きいため伝送信号復元が難しくなる。伝送路に応じて変復調方式を決める課題がある。

b)伝送路でのデータ伝送S/N劣化の対策:信号伝送空間損失が大きいことから伝送信号のS/Nの劣化が発生する。そのためデータ誤り訂正方法の課題がある。

c)強い直線性:波長が短いため直線性が非常に強い事から、遮蔽物等で伝送路が遮断される。伝送路確保のため空中線の指向性を可変できる事が課題である。

2.MIMO技術の概要と特徴

 a)MIMOの概要

 Multiple Input Multiple Outputの略。複数空中線を組み合わせて送受信数を増加し、電波の安定化を図りデータ送受信の帯域を広げ高速化する無線通信技術。

b)特徴

ダイバーシチコーディング:複数空中線を使い送受信の信号強度を安定させ、スループットの向上と品質向上を図る。

送信ビームフォーミング:受信側に照準を合わせてフレームを送信することで受信側の信号強度を最大化する。

空間分割多重化:送受信とも複数アンテナで異なった信号を同時送受信して伝送速度を高速化する。


模範解答1  (簡易答案形式2)  添削履歴 1回  完成日2018/4/5 専門事項 通信システム


1.ミリ波電波伝搬上の課題

a)伝送路での信号強度劣化対策

空間上の降雨、塵等で信号強度の減衰が大きいため、伝送信号の復元が難しくなる。伝送路に応じて変復調方式を決める課題がある。

b)伝送路でのデータ伝送S/N劣化の対策

信号伝送空間損失が大きいことから、伝送信号のS/Nの劣化が発生する。そのためデータ誤り訂正方法の課題がある。

c)強い直線性

波長が短いため非常に直線性が強い事から、遮蔽物等で伝送路が遮断される。伝送路確保のため空中線の指向性を可変できる事が課題である。

2.MIMO技術の概要と特徴

 a)MIMOの概要

 Multiple Input Multiple Outputの略。複数空中線を組み合わせて送受信数を増加し、電波の安定化を図りデータ送受信の帯域を広げ高速化する無線通信技術。

b)特徴

@ダイバーシチコーディング

複数空中線の使用で送受信信号強度を安定させ、伝送速度向上と品質向上を図る。

A送信ビームフォーミング

受信側に照準を合わせて信号を送信することで受信側の信号強度を最大化する。

B空間分割多重化

送受信とも複数アンテナで異なった信号を同時送受信して伝送速度を高速化する。


模範解答1  (答案形式)  添削履歴 1回  完成日2018/4/28 専門事項 通信システム


1. ミリ波電波伝搬上の課題

a)伝送路での信号強度劣化対策

空間上の降雨、ちり等で信号強度の減衰が大きい。

信号減衰対策で、伝送路に応じた変復調方式を決める。

b)伝送路でのデータ伝送S/N劣化対策

伝送空間損失が大きいため、伝送信号のS/Nの劣化が発生する。そのため誤り訂正方法を決める。

c)強い直線性

波長が短く、非常に直線性が強いため遮蔽物等で伝送路が遮断される。伝送路確保のため空中線の指向性を可変できる事が必要である。

2.MIMO技術の概要と特徴

a)MIMO (Multiple Input Multiple Output)の概要

複数空中線を組合わせて送受信数増加、電波安定化を図り情報伝送広帯域として高速化する無線通信技術。

b)特徴

@ダイバーシチコーディング

複数空中線の使用で送受信信号強度を安定させ、伝送速度向上と品質向上を図る。

A送信ビームフォーミング

受信側に照準を合わせて信号を送信することで受信側の信号強度を最大化する。

B空間分割多重化

送受信とも複数アンテナで異なった信号を同時送受信して伝送速度を高速化する。



解説 本講座で学べばこのような答案をご自身の知識、体験を下に1から作成することが可能です。考える力をつけて1発合格できるよう支援いたします。(講師より)

 


 


模範解答2 (簡易形式1)  添削履歴 4回 2019.2.7  専門事項 列車管制無線


1. ミリ波利用にあたり克服すべき電波伝搬上の課題

1)障害物への回り込み   

 ホイヘンスの原理より、周波数が高く波長が短い電波は回折しないことによる。       

2)降雨減衰の回避

波長が110mmのミリ波は、最大直径5mm程度となる雨滴に衝突すると散乱し、減衰する。

3)大気による吸収回避

ミリ波の周波数帯(60±3GHz)付近は、酸素分子が持つ双極子の固有周波数に一致し、分子の共鳴によりミリ波のエネルギーが吸収され減衰する。

2.高度化したMIMOの概要と特徴

1)概要

・基地局において数十数百個の超多素子アンテナを利用する。

・各素子アンテナの振幅・位相を、受信端末からのCSIを元に調整し、鋭い指向性を実現するビームフォーミングを行う。

2)特徴

  1. ユーザ接続可能数が大きい。
  2. 伝搬チャネル行列演算により伝搬損失を補償し、セルエリアを拡大可能である。
  3. 空間多重により同一周波数リソースを同時に複数端末に割当可能で、周波数利用効率が高い。

 


模範解答2 (簡易形式2)  添削履歴 4回 2019.2.14  専門事項 列車管制無線


1.  ミリ波利用にあたり克服すべき電波伝搬上の課題

1)伝搬損失補償

 ミリ波は降雨減衰・大気吸収により伝搬損失が発生し、この補償のために電波の効率を高めビーム化する。

2)障害物による反射波への対策

 ホイヘンスの原理より、周波数が高く波長が短いミリ波は回折せず、障害物による反射波は受信側でノイズとなる。これに対処するため、反射波を抑制または活用する処理を行う。

2.高度化したMIMOの概要と特徴

1)概要

・ミリ波は波長が短く素子配置間隔を密にできるため、基地局において数十数百個の超多素子アンテナを利用する。

・各素子アンテナの振幅・位相を、受信端末からのCSIを元に調整する。

2)特徴

・鋭い指向性を実現するビームフォーミングを行う。

・伝搬チャネル行列演算により伝搬損失を補償し、障害物による反射波もノイズではなく情報信号として処理できる。また、セルエリアの拡大も可能である。

・同一周波数リソースを同時に複数端末へ割当でき、多数ユーザが接続可能で周波数利用効率が高い。

・各ユーザに対し複数ストリームを空間多重し、通信速度向上または通信の安定化が可能である。

 


模範解答2  (答案形式)  添削履歴 1回 2019.2.15   専門事項 列車管制無線


1.ミリ波利用にあたり克服すべき電波伝搬上の課題

1)伝搬損失補償

 ミリ波は降雨減衰・大気吸収により伝搬損失が発生し、この補償のために電波の効率を高めビーム化する。

2)障害物による反射波への対策

 ホイヘンスの原理より、周波数が高く波長が短いミリ波は回折せず障害物により反射し、受信側でノイズとなる。このため、反射波抑制処理を行う。

2.高度化したMIMOの概要と特徴

1)概要

@超多素子アンテナの利用

 ミリ波は短波長で素子配置間隔を密にできるため、基地局アンテナに数十数百個の素子を配置する。

A振幅・位相調整

 各素子の振幅・位相について、CSIを元に調整する。

2)特徴

@伝搬損失補償・セルエリア拡大

 伝搬チャネル行列演算によりビームフォーミングを行い、伝搬損失補償とセルエリア拡大が可能である。

A高周波数利用効率

 同一周波数リソースを同時に複数端末へ割当でき、多数ユーザが接続可能で周波数利用効率が高い。

B高品質通信

 各ユーザに対し複数ストリームを空間多重し、通信速度向上または通信の安定化が可能である。

 



H29年 電気・情報通信 U−2−2 問題 模範解答と解説

問題文

 近年、次世代の情報通信ネットワークを用いた新たなユースケースの実現が注目されている。その1つとして、工事現場から数10km以上離れた地点から、オペレータがブルドーザ等の重機をリアルタイムで遠隔操作する土木工事アプリケーションがある。あなたは、そのアプリケーションを実現するプロジェクト担当責任者として技術検討を進めている。このプロジェクトを進めるに当たり、下記の内容について記述せよ。

(1)     上記プロジェクトのフィージビリティスタディを進める際の手順について説明せよ。

(2)     上記の遠隔土木工事アプリケーションを実現する際に必要な、情報通信の観点からのシステム要件を4点挙げ、その内容を説明せよ。

(3)     (2)で挙げたシステム要件のうちの1つを取り上げ、その要件を満足する情報通信インフラにおける技術手段について説明せよ。さらにその技術手段を実施する際に留意すべき事項を述べよ。


模範解答1  (簡易答案形式1)  添削履歴 6回  完成日2018/3/25 専門事項 通信システム


1.重機遠隔操作フィージビリティスタディ手順

a)無線によるアプリケーション動作確認

b)重機監視モニタの手段立案と動作確認

c)遠隔制御/監視の手段立案と動作確認

2.実現に必要なシステム要件

 a)無線通信の所用伝送容量

  重機操作の伝送容量は、操作用データと画像データを考え1Mbpsとする。

b)無線通信方式

 LTE同等と考え、OFDM方式として、周波数帯は700MHz帯とする。

c)通信誤り訂正方式

 リードソロモンとビタビ復号の併用を採用し、誤り訂正を強化する。

d)ストリ−ミング転送方式

無線で取得したデータを数10km離隔した遠隔地との通信をリアルタイムで行う事ため、有線LANを使用する。データ転送はリアルストリーミング方式とする。

3.重機遠隔操作の無線通信システム

a)無線通信方式の技術手段

工事現場に無線基地局を設置しネットワークを構築する。

b)通信方式適用に関する留意点

@工事現場での複数電波による無線通信干渉障害

A有線操作監視でのパケット通信に関わるリアルタイム性の維持


模範解答1  (簡易答案形式2)  添削履歴 7回  完成日2018/4/22 専門事項 通信システム


1.重機遠隔操作フィージビリティスタディ手順

a)アプリケーションの無線通信操作確認

 重機を既存アプリケーションで使用し無線通信で操作が可能であるかを確認する。

b)重機取付監視カメラ取得画像データの無線受信確認

 画像データ再生に途切れが無い様受信処理速度が十分か無線受信状況を確認する。

c)工事現場と遠隔地からの制御確認

 遠隔地からの有線LAN制御信号で工事現場にある重機を動作できるか確認する。

2.実現に必要なシステム要件

 a)無線通信の所用伝送容量

@操作制御用データ(4kbps)とし、A監視カメラ画像データはカメラ台数を前後左右の4台(250kbps/台で4カ所分のデータは1Mbps)とする。

データフレーム同期信号、誤り訂正用冗長符号を含め、合計2Mbpsの伝送容量とする。

b)無線通信方式

 2Mbpsのため、通信方式はLTEの方式同等で、操作制御と画像データのチャネルを分けOFDM方式とする。無線通信通達性を考慮し周波数帯は700MHz帯とする。

c)通信誤り訂正方式

 リードソロモン符号(無線電波が遮断された際のバースト性誤り対策)、ビタビ復号(重機が発生する空間雑音でのランダム性誤り対策)の併用を採用する。

d)ストリ−ミング転送方式

無線で取得したデータを数10km離隔した遠隔地との通信に有線LANを使用する。画像データは、作業記録を残すためプログレッシブストリーミング方式とする。

3.重機遠隔操作の無線通信システム 

a)無線通信方式の技術手段

工事現場無線基地局に適用する通信技術は、重機制御、画像送受信のためOFDM、高速伝送で実績のある4G通信方式技術を適用する。

b)通信方式適用に関する留意点

@無線通信に関して遮蔽物やマルチパスの対策に留意する。工事現場無線基地局の空中線を複数準備し空間ダイバシチ技術で無線信号強度を確保する。

A無線遠隔操作信号に対し受信応答信号を重機側から返信させるように留意する。通常テレメートは一方通行が多いが重機の無線動作を確実とするため必要である。


模範解答1  (答案形式)  添削履歴 1回  完成日2018/4/30 専門事項 通信システム


1.重機遠隔操作フィージビリティスタディ手順

a)アプリケーションの無線通信操作確認

 重機を既存アプリケーションで使用し無線通信で操作が可能であるかを確認する。

b)重機取付監視カメラ取得画像データの無線受信確認

 画像データ再生に途切れが無い様に受信処理速度が十分か無線受信状況を確認する。

c)工事現場と遠隔地からの制御確認

 遠隔地からの有線LAN制御信号で工事現場にある重機を動作できるか確認する。

2.実現に必要なシステム要件

a)無線通信の所用伝送容量

@操作制御用データ(4kbps)とし、A監視カメラ画像データはカメラ台数を前後左右の4台(250kbps/台で4カ所分のデータは1Mbps)とする。

データフレーム同期信号、誤り訂正用冗長符号を含め、合計2Mbpsの伝送容量とする。

b)無線通信方式

伝送速度を2Mbpsとするため、通信方式は、LTE方式同等とする。操作制御と画像データのチャネルを分けマルチチャネル方式とする。画像データは伝送量が多いため、更に複数チャネルで伝送する。

無線通信通達性を考慮し周波数帯は700MHz帯とする。

c)通信誤り訂正方式

誤り訂正は、次の2方式併用を採用する。

@リードソロモン符号(無線電波が遮断された際のバースト性誤り対策)

Aビタビ復号(重機が発生する空間雑音でのランダム性誤り対策)

d)ストリ−ミング転送方式

無線で取得したデータを数10km離隔した遠隔地との通信に有線LANを使用する。画像データは、作業記録を残す事を考慮し、プログレッシブストリーミング方式とする。

3.重機遠隔操作の無線通信システム 

a)無線通信方式の技術手段

工事現場無線基地局に適用する通信技術は、高速伝送で実績のある4G通信方式技術の一部を適用する。

この適用する4G通信技術は、重機制御、画像送受信のため特にマルチチャネルとしてOFDMの採用である。

b)通信方式適用に関する留意点

@無線通信に関して、遮蔽物やマルチパスの対策に留意する。工事現場無線基地局の空中線を複数準備し、空間ダイバシチ技術によって無線信号強度を確保する。

A無線遠隔操作信号に対し、受信応答信号を重機側から無線で返信させるように留意する。通常の無線テレメート装置は、一方通行が多い。ここで、重機の動作を確実とするために、双方向通信とする。操作器からの信号に対して重機から信号受信応答をさせる。



解説 U−2問題ではケーススタディが求められますので、エンジニアが遭遇する実際のマーケットでどのようなニーズがあるか把握しておかねばなりません。本講座で学べば本答案のように、たとえご自身が体験していなくとも、どのようなケースを参照すればよいかを指導します。実際この受講生様も体験が無かったので苦労されました。多少はこのような勉強をされないと、新規のケーススタディーは克服できません。このような指導の結果、実際のビジネスのプレゼンで必要な配慮が出来るようになります。



模範解答2 (簡易形式1)  添削履歴 2回 2019.2.17  専門事項 列車管制無線


1. 情報通信システムに対する主な要求条件

1)観戦者に高詳細ライブ映像を配信可能な高速大容量通信を行う。

2)監視用ドローンや案内ロボットを制御可能な超高信頼低遅延通信を行う。

3)数万人規模の競技場でストレス無く接続できるよう、収容端末密度を高める。

4)DDoS等の攻撃による甚大な被害回避のため、セキュリティを高める。

2.要求条件を満足するシステム構成と概要

1)構成

 マクロ・スモールセル、オフロード先を持つセルラ網、エッジコンピュータを配置したネットワーク、アプリケーション等を保管するクラウドで構成する。

2)概要

  制御と伝送を分離し、高品質な無線伝送を行い、混雑時にはオフロードさせる。また、ネットワークスライシングにより多様な通信ニーズ対応を効率的に行う。

3.業務を進める手順、システム構築における留意点

1)業務を進める手順

 @無線区間のアーキテクチャを構築する。

 Aネットワークのアーキテクチャを構築する。

 Bクラウドを構築する。

 C要求条件への対応を確認する。

2)システム構築における留意点

 ・セルラ網とオフロード先の切替は、ANDSFを用いて効率的に行う。

 ・短期間でのケーブル敷設が困難な場合、空間光無線通信を利用する。

 ・クラウドで統計処理等を行う場合、暗号化は準同型方式を使用する。

 


模範解答2 (簡易形式2)  添削履歴 1回 2019.2.18 専門事項 列車管制無線


1.  情報通信システムに対する主な要求条件

1)観戦者に4K/8K高詳細ライブ映像やVR/ARコンテンツを配信可能な、10Gbps超の高速大容量通信を行う。

2)監視用ドローンや案内ロボットを制御可能な、1ms以下の超高信頼低遅延通信を行う。

3)数万人規模の競技場でストレス無く接続できるよう収容端末密度を高め、100万デバイス/km2とする。

4)DDoS等の攻撃による甚大な被害回避のため、セキュリティを高める。

2.要求条件を満足するシステム構成と概要

 2020年に実現可能な技術として、5Gの利用を前提とする。

1)構成

 マクロ・スモールセルからなるセルラ網、オフロード網、エッジコンピュータを配置したネットワーク、アプリケーション等を保管するクラウドで構成する。

2)概要

 制御と伝送を分離し、マクロ・スモールセルのキャリアアグリゲーションやスモールセル間のシームレスなハンドオーバを行い、高速大容量の無線伝送を提供する。また、超高信頼低遅延通信にはエッジコンピュータを含むスライスを割り当てる等、ネットワークスライシングにより多様な通信ニーズ対応を行う。そして、混雑時にはWi-Fi等のオフロード網へ誘導を図り、収容端末密度を高める。さらに、RADIUSサーバを用いた認証やWPA2による暗号化を行い、セキュリティを高める。

3.業務を進める手順、システム構築における留意点

1)業務を進める手順

@無線区間のアーキテクチャ構築

 ライセンス・アンライセンスバンドを組み合わせ、限られた周波数帯で効率性を高める。

Aネットワークのアーキテクチャ構築

 自営回線・事業者回線を組合せ、両者でボトルネック箇所が出ないよう構築する。

Bクラウドの構築

 プライベートクラウド・パブリッククラウドを組合せたインタークラウドで構築する。

C要求仕様の確認

 擬似的に大量接続・トラフィックを発生させ、End-to-End通信で要求条件への対応を確認する。

2)システム構築における留意点

・無切断でユーザにストレスのない通信環境を提供するため、セルラ網とオフロード網の切替は、ANDSFを用いて効率的に行う。

・短期間でのケーブル敷設が困難な場合、施工が容易でセキュリティ性の高い空間光無線通信を利用する。

・観戦者の個人属性データ集計等、クラウドで処理を行う場合、暗号化は準同型方式を使用する。


模範解答2  (答案形式)  添削履歴 1回 2019.2.21   専門事項 列車管制無線


1.情報通信システムに対する主な要求条件

1)観戦者に4K/8K高詳細ライブ映像やVR/ARコンテンツを配信可能な、10Gbps超の高速大容量通信を行う。

2)監視用ドローンや案内ロボットを制御可能な、1ms以下の超高信頼低遅延通信を行う。

3)数万人規模の競技場でストレス無く接続できるよう収容端末密度を高め、100万デバイス/km2とする。

4)DDoS等の攻撃による甚大な被害回避のため、セキュリティを高める。

2.要求条件を満足するシステム構成と概要

 2020年に実現可能な技術として、5Gの利用を前提とする。

1)構成

 マクロ・スモールセルからなるセルラ網、オフロード網、エッジコンピュータを配置したネットワーク、アプリケーション等を保管するクラウドで構成する。

2)概要

 制御と伝送を分離し、マクロ・スモールセルのキャリアアグリゲーションやスモールセル間のシームレスなハンドオーバを行い、高速大容量の無線伝送を提供する。また、超高信頼低遅延通信にはエッジコンピュータを含むスライスを割り当てる等、ネットワークスライシングにより多様な通信ニーズ対応を行う。そして、混雑時にはWi-Fi等のオフロード網へ誘導を図り、収容端末密度を高める。その際、RADIUSサーバを用いた認証やWPA2による暗号化を行い、セルラ網と同等のセキュリティを実現する。

3.業務を進める手順、システム構築における留意点

1)業務を進める手順

@無線区間のアーキテクチャ構築

 ライセンス・アンライセンスバンドを組み合わせ、限られた周波数帯で効率性を高める。

Aネットワークのアーキテクチャ構築

 自営回線・事業者回線を組合せ、両者でボトルネック箇所が出ないよう構築する。

Bクラウドの構築

 プライベートクラウド・パブリッククラウドを組合せたインタークラウドで構築する。

C要求仕様の確認

 擬似的に大量接続・トラフィックを発生させ、End-to-End通信で要求条件への対応を確認する。

2)システム構築における留意点

@セルラ網/オフロード網切替:無切断でユーザにストレスのない通信環境を提供するため、ANDSFを用いて効率的に行う。

A有線代替通信:短期間でケーブル敷設が困難な場合、施工が容易で高秘匿性の空間光無線通信を利用する。

Bクラウド暗号方式:観戦者の個人属性データ集計等を行う場合、クラウド側で計算処理を行うため、暗号化は準同型方式を使用する。

 



H29年 電気・情報通信 V−1 問題 模範解答と解説

問題文

 世界中の様々なモノと人を含むあらゆる存在がインターネットにつながるIoTが進展しており、従来にない価値創造や課題解決に資する事例も現れつつある。そのIoTの適用分野の中でネットワークの果たす役割は大きく、IoTの進展に関わる課題として、各国が共通して認識している課題に「ネットワークインフラ整備」及び「ネットワークの高度化・仮想化」が挙げられている。このような状況を踏まえて、情報通信ネットワーク分野の技術者として、以下の問いに答えよ。

(1)IoTの適用分野を代表的な産業・用途にカテゴライズして記述せよ。その上で、IoTの適用分野におけるネットワークシステムとして、様々な産業・用途をカバーするために考慮すべき代表的な、IoT固有の要件を3つ挙げ、それぞれに対する課題について説明せよ。

(2)(1)で挙げた3つの課題すべてに対して、それらを解決するための情報通信分野としての具体的な技術的対策を提案せよ。

(3)(2)で提案した技術的対策がもたらす効果、及び新たに浮かび上がってくるリスクについて説明せよ。


模範解答1  (簡易答案形式1)  添削履歴 11回  完成日2018/4/28 専門事項 通信システム


1.ネットワーク整備でのIoTについて

a)IoT適用分野の用途別カテゴライズ

1)工場の工程管理

2)道路の交通量監視

3)家庭のエネルギー管理

b)IoT適用分野での固有な要件と課題

1)工場の製品組立進捗情報収集 ・課題:進捗確認のため工程別で多様な組立状況取得器のデータを収集する通信方法。多様なデータが輻輳する問題がある。

2)道路の自動車混雑状況情報収集 ・課題:自動車台数情報取得器のデータを収集する通信方法。自動車台数により情報送受する電波干渉が問題になる。

3)家庭の商用電源使用状況収集 ・課題:使用状況取得機器をネットワーク化し通信する方法。機器の配置により無線通信信号が遮断される問題がある。 

2.IoTを有効活用に関する技術的提案

a)無線通達性の技術的対策

IoTで使用される周波数は900MHz帯であり、IEEE 802.15.4や電波法で間欠運用(連続送信は400ms以下)を義務づけられている。ここで、IoT機器空中線の位置関係では無線通達性が悪い可能性がある。そこで、通達性を改善する方法として、空中線だけでなく、電波漏洩ケーブルを併用する事を提案する。これにより最も強い電波強度を捕捉できる。

b)具体的な施策

間欠運用は擬似的にTDM方式(時分割多重)と考え、IoTユースケースではデータ量が少ないため、同じデータを数回送出する。間欠運用、電波漏洩ケーブルを併用し安定した信号確保でデータ輻輳対策、電波干渉回避、ネットワーク構築を実施。

3.技術的対策の効果とリスク

a)電波通達性向上の効果

提案した技術対策の効果は、無線電波の通達性が改善され、電波送受信安定化を図ることが可能となる。その結果、情報伝送の確達率が向上する。

b)浮かび上がるリスク

IoT機器は各々ランダムでデータを送信することがあり、発射電波が衝突し、受信不能のリスクがある。同じデータを数回送出することで、リスクを回避する。


模範解答1  (答案形式)  添削履歴 2回  完成日2018/5/5 専門事項 通信システム


1.ネットワーク整備でのIoTについて

a)IoT適用分野の用途別カテゴライズ

1)工場の工程管理

工程毎に各種製造装置があり、装置稼働による取得データで進捗を可視化する。

2)道路の交通量監視

道路路線にある自動車台数の測定を行い、交通量を監視する。

3)家庭のエネルギー管理

代表的な家庭用エネルギーである商用電源の使用状況を監視・管理する。

b)IoT適用分野での固有な要件と課題

1)工場の製品組立進捗情報収集の課題

進捗確認のため工程別で多様な情報データがある。そのため、多様なデータ輻輳の可能性があり、組立状況取得器のデータを収集する通信方法に課題がある。

2)道路の自動車混雑状況情報収集の課題

自動車台数が多くなると情報送受する電波干渉の可能性がある。自動車台数情報取得器のデータを収集する通信方法に課題がある。

3)家庭の商用電源使用状況収集の課題

使用状況機器の配置により無線通信信号の通達性が劣化し場合によって電波遮断される可能性がある。使用状況取得機器をネットワーク化によって通信する方法に課題がある。 

2.IoTを有効活用する技術的提案

a)安定した無線通達性対策

IoTで使用される周波数は900MHz帯であり、IEEE 802.15.4や電波法で間欠運用(連続送信は400ms以下)が義務づけられている。ここで、カテゴライズした3つの各課題は無線通達性に集約される。中でもIoT機器空中線の位置関係では無線通達性が悪い可能性がある。そこで、電波漏洩ケーブル自体が電波を送受できる事に着目した。通達性を改善する方法として、空中線だけでなく、電波漏洩ケーブルを併用する事を提案する。これにより電波遮断を防止し、安定した電波強度で受信可能となり、通達性が確保できる。

b)間欠送信による電波輻輳回避

IoT機器は通常ランダムに送受信している。ランダム送受信はTDM(時分割多重)方式とほとんど同義の技術と言える。これにより間欠運用は擬似的にTDM方式と考え、この点を利用して、電波送受信システムを考案する。IoTユースケースでは送信データ量が少ないことから、同じデータを間欠的に数回送出する方法とする。無線電波が輻輳し異なるIoT機器が同時送信して受信が不能になる場合がある。その際は、次の送信で受信することが可能である。これらのことから、擬似的TDM方式と見なすことができる。その結果、複数IoT機器を使用した、無線伝送システムを構築することが可能である。

3.技術的対策の効果とリスク

a)電波通達性向上の効果

提案した技術対策は、無線電波の通達性が改善され、電波送受信安定化を図ることが可能となる効果がある。  

このことから、障害が改善され、無線情報伝送の確達率が向上する。また、安定化された電波状況からネットワークを構成することも可能である。

b)浮かび上がるリスク

IoT機器は各々ランダムでデータを送信する。そのため電波強度が安定であっても、各々IoT機器間は、通常運用では個々で動作している。同じデータを数回送信してもIoT機器が複数台ある事を考慮すると、同時期に電波を送信する可能性もある。その際、受信不能になる可能性がある。そのため受信不能のリスクの可能性がある。ここで同じデータを送信する間隔もランダムとして、間欠的に数回送出することを採用する。その結果、擬似的に無線LANのCSMA/CAの効果を得られる。このことから、受信不能となるリスクを回避することができる。 


解説 V問題では、技術経営的な判断が重視されます。提案内容が実社会で整理するような経済性、市場性を持っているか否かの判断が必要です。本講座ではこのような場合に、日経新聞などを元にビジネス的に需要の高い提案を参考として、実際に提案しても無理の無いプレゼントしてまとめるように指導しています。技術者が毎日、経済新聞に目を通すことは困難かと思います。そのような、経済情勢面での知見は講座のほうでウォッチングして必要に応じて、新聞記事などから問題で要求される提案に必要な知見を提供して支援しております。


 


模範解答2 (簡易形式1)  添削履歴 1回 2019.2.24  専門事項 列車管制無線


1. IoT適用分野と考慮すべきIoT固有の要件とその課題

(1)IoT適用分野

@自動車分野:車載センサやカメラにより情報収集・解析し、自動運転を制御する。

A工業分野:機器に取付けたセンサでデータを取得し、制御・保守を行う。

B農業分野:温度・湿度センサを農地に配置し、点滴灌漑等を行う。

C医療分野:ウェアラブル機器で患者の健康データを自動収集し、体調を管理する。

(2)考慮すべきIoT固有の要件とその課題

@高いセキュリティ性:IoTデバイス発信情報の盗聴を回避する。

A情報通信の信頼性:通信品質劣化に伴う制御誤りによる人的・物的被害を防ぐ。

B低消費電力:通常の小型電池で数年程度動作できる通信方式を採用する。

2.課題に対する具体的な情報通信分野の技術的対策

@AES128

 SPN構造のため少段数で高撹拌性を持ち、少計算量で強力に暗号化可能である。

A耐干渉・耐障害技術

 複数回フレーム伝送、周波数・空間ダイバーシティを行い、信頼性を高める。

BLPWA

 伝送速度を数百kbps程度に抑え、eDRXを用いて消費電力を抑える。

3.技術的対策がもたらす効果、新たに浮かび上がるリスク

@IoTデバイスのジャックを回避できるが、処理量が大きくスペックの低いデバイスでは対応できず、ジャックリスクがある。このため軽量暗号が必要である。

A通信についての信頼性は高まるが、複数回伝送やダイバーシティにより干渉や障害が発生するリスクがある。このためキャリアはUNBである必要がある。

B低消費電力を実現できるが、通信速度が遅いためソフトのアップデートが困難なため、セキュリティホールが攻撃されるリスクがある。このため、CoAPを用いて限られた通信速度で伝送効率を高める必要がある。

 


模範解答2 (簡易形式2)  添削履歴 0回 2019.2.26  専門事項 列車管制無線


1.  IoT適用分野と考慮すべきIoT固有の要件とその課題

(1)IoT適用分野

@自動車分野:車載センサやカメラにより情報収集・解析し、自動運転を制御する。

A工業分野:機器に取付けたセンサでデータを取得し、制御・保守を行う。

B農業分野:温度・湿度センサを農地に配置し、点滴灌漑等を行う。

C医療分野:ウェアラブル機器で患者の健康データを自動収集し、体調を管理する。

(2)考慮すべきIoT固有の要件とその課題

@高いセキュリティ性:監視カメラ映像や機密情報・個人情報等、IoTデバイス発信情報の盗聴や漏洩を回避する。

A情報通信の信頼性:通信品質劣化に伴う制御誤りにより、自動運転車や工場機器類が意図しない危険な動作をすることによる、人的・物的被害を防ぐ。

B低消費電力:安定的に電力を供給できない環境下での使用を考慮し、通常の小型電池で数年程度動作できる通信方式を採用する。

2.課題に対する具体的な情報通信分野の技術的対策

@AES128

 SPN構造でブロック全体を対象に繰り返し処理を行うため、少段数で高撹拌性を持ち、少計算量で小型IoTデバイスにも実装可能な上、128ビットの鍵長により強力に暗号化可能である。

A通信信頼性向上技術

 IoTでバイスから異なる周波数にて複数回連続で同一データを送信する周波数ダイバーシティを行い、あるタイミングで送受信が失敗するケースをカバーする。また、複数の基地局で同一データを受信する空間ダイバーシティを行い、ある基地局とIoTデバイス間に干渉源があり、通信障害を受け送受信が失敗するケースをカバーする。

BLPWA

 ペイロードを数百バイト程度以下に抑え、eDRXを用いて送信間隔を最大40分程度まで拡大することにより、消費電力を抑える。

3.技術的対策がもたらす効果、新たに浮かび上がるリスク

@IoTデバイスのジャックを回避できるが、処理量が大きくスペックの低いデバイスでは対応できず、ジャックリスクがある。このため、軽量暗号が必要である。

A通信についての信頼性は高まるが、周波数・空間ダイバーシティ自体により干渉や障害が発生するリスクや、スペクトラム密度を向上出来ないリスクがある。このためキャリアは100Hz程度のUNBである必要がある。

B低消費電力を実現できるが、通信速度が遅いためソフトのアップデートが困難なため、セキュリティホールが攻撃されるリスクがある。このため、M2M通信向け軽量プロトコルであるCoAPを用いて、限られた通信速度で伝送効率を高める必要がある。

 


模範解答2  (答案形式)  添削履歴 1回 2019.3.1   専門事項 列車管制無線

 


1.IoT適用分野と考慮すべきIoT固有の要件と課題

(1)IoT適用分野

@自動車分野

 車載センサやカメラにより情報収集・解析し、自動運転を制御する。

A工業分野

 機器に取付けたセンサでデータを取得し、制御・保守を行う。

B農業分野

 温度・湿度センサを農地に配置し、点滴灌漑等を行う。

C医療分野

 ウェアラブル機器で患者の健康データを自動収集し、体調を管理する。

(2)考慮すべきIoT固有の要件とその課題

@高いセキュリティ性

 監視カメラ映像や機密情報・個人情報等、IoTデバイス発信情報の盗聴や漏洩を回避する。

A情報通信の信頼性

 通信品質劣化に伴う制御誤りにより、自動運転車や工場機器類が意図しない危険な動作をすることによる、人的・物的被害を防ぐ。

B低消費電力

 安定的に電力を供給できない環境下での使用を考慮し、通常の小型電池で数年程度動作できる通信方式を採用する。

2.課題に対する具体的な情報通信分野の技術的対策

@AES128

 SPN構造でブロック全体を対象に繰り返し処理を行い、少段数でも十分な撹拌力を持つことにより、秘匿性を向上する。これにより、128ビットの鍵長による強力な暗号化を少計算量で限られたリソースしか持たない小型IoTデバイスに実装する。

A通信信頼性向上技術

 IoTデバイスから異なる周波数にて複数回連続で同一データを送信する周波数ダイバーシティを行い、あるタイミングで送受信が失敗するケースをカバーする。また、複数の基地局で同一データを受信する空間ダイバーシティを行い、ある基地局とIoTデバイス間に干渉源があり、通信障害を受け送受信が失敗するケースをカバーする。

BLPWA

 ペイロードを数百バイト程度以下に抑えた上で、通常のセルラ網で用いられる全二重通信ではなく、半二重通信を用いる。また、eDRXを用いて送信間隔を最大43分程度まで拡大し、PSMを用いてキャリアセンスを最大13日程度停止することにより、消費電力を抑える。

3.技術的対策の効果、新たに浮かび上がるリスク

@小型センサ等のIoTデバイス

 IoTデバイスのジャックを回避できるが、小型センサ等ではリソース制約条件が特に厳しく、AES128を実装できない場合がある。その際、ジャックを回避できないリスクがある。このため、ハードウエア回路規模・消費電力量・処理速度・メモリサイズを考慮し、十分な耐攻撃性と実装性を持つ軽量暗号が必要である。また、IoTデバイス製造時に書き込まれる固有IDによる認証フィルタリングも有効である。

Aダイバーシティによる干渉・障害、電波効率性

 通信についての信頼性は高まるが、周波数・空間ダイバーシティ自体により干渉や障害が発生するリスクや、スペクトラム密度を向上出来ないリスクがある。このためシングルキャリアは100Hz程度のUNBとし、920MHz帯における200kHzチャネル幅でホッピングさせることにより、干渉・障害を防ぎつつスペクトラム密度を向上する。

Bソフトウエアのアップデート

 低消費電力を実現できるが、通信速度が遅いためソフトウエアのアップデートが困難である。そのため、セキュリティホールが攻撃され、情報漏洩や改ざん等のリスクがある。このため、M2M通信向け軽量プロトコルであるCoAPを用いる。これにより、パケットヘッダを短い4byteとし、TCPではなくUDP上で3-Way-Handshake不要のコネクションレス通信とすることで、限られた通信速度で伝送効率を高める必要がある。