H30/2018年 応用理学・地質 U−1−1 問題 模範解答と解説

問題文  U−1−1 軟岩とは、硬い岩石からなる(硬岩)と土質地盤の中間領域に位置するもので、特有の工学的性質をもつ岩盤である。我が国における軟岩を岩種や成因に基づいて3つに分類し、それぞれの特徴について述べよ。次に軟岩の室内試験を行うに当たって6つの事項(@試料の採取、A試料の保存、B試料の運搬、C供試体の作成、D供試体の調整、E試験前の供試体観察)から2つを選択し、それぞれの留意点について説明せよ。


模範解答1 (簡易形式1)  添削履歴 1回 2019.5.1   専門事項 土木構造物地質


1. 軟岩の分類

@堆積岩

 堆積岩の特徴:新第三紀以降の堆積年代では粒子同士の結合力が弱く、一般的に軟質になることが多い。  

A風化岩

 風化岩の特徴:地表面付近に露出した岩が大気との接触による化学的変化により、風化作用が起こりやすい。

B蛇紋岩

 蛇紋岩の特徴:応力解放するともともと蛇紋岩が持つ葉片状の剥離性に富む構造が原因で、結合度が下がり脆弱になる性質をもつことが多い。また、スメクタイトが多く含有する場合は膨潤化する。

2-1 @試料採取の留意点

1)軟質であるため試料破壊しないように、過大な振動を与えないために掘進速度を遅くする。

2)破砕帯はコアの硬さが不均一であり、送水が多い場合は極軟質部が選択的に流出するため、送水を極力少なくする。

2−2 A試料の保存の留意点

1)泥岩は含水率が低下するとスレーキングに伴う潜在亀裂が生じ、本来の強度より大幅に低下するため、含水比を維持する必要があり、試験試料をラッピングする。


模範解答1  (簡易形式2)  添削履歴 0回 2019.5.1  専門事項 土木構造物地質


1.   軟岩の分類

@堆積岩

 堆積岩の特徴:新第三紀以降の堆積年代では粒子同士の結合力が弱く、一般的に軟質になることが多い。  

A風化岩

 風化岩の特徴:地表面付近に露出した岩が大気との接触による化学的変化により、風化作用が起こりやすい。

B蛇紋岩

 蛇紋岩の特徴:応力解放するともともと蛇紋岩が持つ葉片状の剥離性に富む構造が原因で、結合度が下がり脆弱になる性質をもつことが多い。

2−1 @試料採取の留意点

1)軟質であるため試料破壊しないように、過大な振動を与えないために掘進速度を遅くする。

2)破砕帯は通常の清水や泥水を使用した場合、コアの細粒分が混在し流出するため、コア形状を保てない。対処方法としてポリマー系の泥水を使用することにより細粒分の流出を防ぐことができる。

2−2 A試料の保存の留意点

1)新第三紀以降の泥岩は含水率が低下するとスレーキングに伴う潜在亀裂が生じ、本来の強度より低下するため、含水比を維持する必要がある。このため、試験試料をラッピングする必要がある。

 


模範解答1  (答案形式)  添削履歴 1回 2019.5.3   専門事項 土木構造物地質


1.軟岩の分類

@堆積岩

 堆積岩の特徴:新第三紀以降の堆積年代では粒子同士の結合力が弱く、一般的に軟質になることが多い。  

A風化岩

 風化岩の特徴:地表面付近に露出した岩が大気との接触による化学的変化により、風化作用が起こりやすい。

B蛇紋岩

 蛇紋岩の特徴:応力解放するともともと蛇紋岩が持つ葉片状の剥離性に富む構造が原因で、結合度が下がり脆弱になる性質をもつことが多い。

2−1 @試料採取の留意点

1)軟質であるため試料破壊しないように、過大な振動を与えないために掘進速度を遅くする。

2)破砕帯は通常の清水や泥水を使用した場合、コアの細粒分が混在し流出するため、コア形状を保てない。対処方法としてポリマー系の泥水を使用することにより細粒分の流出を防ぐ。

2−2 A試料の保存の留意点

1)新第三紀以降の泥岩は含水率が低下するとスレーキングに伴う潜在亀裂が生じ、本来の強度より低下するため、含水比を維持する必要がある。このため、試験試料をラッピングする。



H30/2018年 応用理学・地質 U−1−4 問題 模範解答と解説

問題文  U−T−3 地下水環境の保全を検討する上で、地下水の流向・流速の把握が必要となる場合がある。地下水の流向・流速を把握する調査について以下の問いに答えよ。

(1)     調査範囲を明記し、現地での調査手法を説明せよ。

(2)     上記で挙げた調査手法について、調査を実施する上で留意すべき点を2つ挙げて説明せよ。

 


模範解答1 (簡易形式1)  添削履歴 3回 2019.5.10   専門事項 土木構造物地質


1−1.調査範囲

沖積平野。

1−2.調査手法

  単孔式地下水流向流速測定。

2.単項式流向流速測定を実施する上での留意点

1)流速の低い箇所で測定した際に正確なデータが得られないため、帯水層を把握する。

 測定深度を決定するためには地下水の流動状況を把握することができる地下水の地下水検層を実施する。

2)本試験は点としての試験であり、現場全体の流向を把握できないため、面的な調査を補完する。 

 直接的に計測する流向流速測定結果を活用するためには、現場内の地下水モニタリング井戸の計測された水位を用いた水位等高線の作成や、帯水層の平面的な把握のため電気探査のように面的な調査を組み合わせることが必要である。


模範解答1  (簡易形式2)  添削履歴 0回 2019.5.11  専門事項 土木構造物地質

 


1−1.調査範囲

沖積平野。

1−2.調査手法

  調査範囲内の井戸および観測井において単孔式地下水流向流速測定を行う。

2.単項式流向流速測定を実施する上での留意点

1)流速の低い箇所で測定した際に正確なデータが得られないため、帯水層を把握する。

 測定深度を決定するためには地下水の流動状況を把握することができる地下水検層を実施する。帯水層が明瞭でないことが予想される場合はある深度ごとに、地下水位が一定となるように地下

水を汲み上げ、その揚水量を求める簡易揚水試験を併用すると地下水の多少が把握できる。

2)本試験は点としての試験であり、現場全体の流向を把握できないため、面的な調査を補完する。 

 直接的に計測する流向流速測定結果を活用するためには、現場内の地下水モニタリング井戸の計測された水位を用いた水位等高線の作成や、帯水層の平面的な把握のため電気探査のように面的な調査を組み合わせることが必要である。なお、工事等で地下水の流動が大きく変わることが予想される場合は三次元浸透流解析を実施し、工事後の地下水流動状況をシュミレーションし、変動が激しい予想される箇所において流向流速測定を行うことが多い。


模範解答1  (答案形式)  添削履歴 0回 2019.5.12   専門事項 土木構造物地質


1−1.調査範囲

沖積平野。

1−2.調査手法

 調査範囲内の井戸および観測井において単孔式地下水流向流速測定を行う。

2.単項式流向流速測定を実施する上での留意点

1)流速の低い箇所で測定した際に正確なデータが得られないため、帯水層を把握する。

  測定深度を決定するためには地下水の流動状況を把握することができる地下水検層を実施する。帯水層が明瞭でないことが予想される場合はある深度ごとに、地下水位が一定となるように地下水を汲み上げ、その揚水量を求める簡易揚水試験を併用すると地下水の多少が把握できる。

2)本試験は点としての試験であり、現場全体の流向を把握できないため、面的な調査を補完する。

  直接的に計測する流向流速測定結果を活用するためには、現場内の地下水モニタリング井戸の計測された水位を用いた水位等高線の作成や、帯水層の平面的な把握のため電気探査のように面的な調査を組み合わせることが必要である。なお、工事等で地下水の流動が大きく変わることが予想される場合は三次元浸透流解析を実施し、工事後の地下水流動状況をシュミレーションし、変動が激しい予想される箇所において流向流速測定を行うことが多い。



H30/2018年 応用理学・地質 U−2−1 問題 模範解答と解説

問題文   

U-2-1 自然斜面の崩壊による斜面災害が頻発している。このような崩壊による災害は災害発生前にその発生箇所を把握することが重要である。今回、崩壊箇所を事前把握する調査業務を行うことになった。あなたが責任者としてこの業務をすすめるに当り、以下の問いに答えよ。

(1)崩壊はすべり面の深度によって表層崩壊と岩盤崩壊(深層崩壊)とに分類することができる。それぞれの崩壊について、発生場と発生機構の特徴を述べよ。

(2)(1)で述べた崩壊のうち、いずれかの崩壊について、その特徴を踏まえた上で調査手順と調査内容を述べよ。

(3)(2)の調査を実施するうえでの留意点を複数述べよ。

 


模範解答1 (簡易形式1)  添削履歴 8回 2019.5.30   専門事項 土木構造物地質


1−1.表層崩壊

1)発生場

 表層崩壊は表層のみが崩壊する現象であり、斜面表層に分布する崩積土、崖錐堆積物及び土砂化した強風化岩が発生場となる。

2)発生機構

 基盤岩が風化により劣化し、土砂化する。豪雨により水位が上昇し、基盤岩の部分と土砂化した部分との境界部が不安定化し、すべり面となり崩壊する。

1−2.深層崩壊

1)発生場

 深層崩壊は土壌、崩積土及び岩盤も含む斜面の深い深度に崩壊面が分布する。

2)発生機構

  素因として、岩盤深部の断層により岩盤深部が劣化、亀裂面が斜面方向に卓越、風化しやすい岩盤が挙げられる。誘因は豪雨や地震が挙げられる。

2.表層崩壊の特徴を踏まえた上での調査手順及び調査手法

1)調査手順および調査手法   

@ 弾性波探査を行い、崩積土と基盤層の境界部を捉える。

A ボーリング調査で表層崩壊の地質構成やや基盤層の風化状況を調べる

B 基盤層の境界や地質状況の詳細を確認することによりすべり面を判断する。

C @〜Bの調査で明確なすべり面が確定されない場合は動態観測を行う。

3.調査実施する上での留意点

1)調査地は急傾斜のため、弾性波トモグラフィーを実施し解析精度を上げる。

急斜面では、十分な探査精度が得られないことが多いため、地表面とボーリング孔を起振点及び受信点とする弾性波トモグラフィーを実施すると解析精度が向上する。

2)すべり面を確定するためボーリング調査を実施する。

 採取されたコアを観察し、地すべり粘土を確認する。地すべり粘土が明確でない場合はボアホールスキャナー観測を実施し、地層の層理面や亀裂の傾向を捉え、基岩層と地すべり土塊を区分する。

3)移動速度を把握するため、動態観測を行う。

掘進後の孔に孔内傾斜計のガイドパイプを設置して観測を行い、地すべりの移動速度を把握することで、警戒基準に従い、道路通行止め等の対策を講じる。緊急性が高い場合はWEB 常時モニタリングシステムを適用する必要がある。

 


模範解答1  (簡易形式2)  添削履歴 2回 2019.6.1  専門事項 土木構造物地質

 


1−1.表層崩壊

1)発生場

 表層崩壊は表層のみが崩壊する現象であり、斜面表層に分布する崩積土、崖錐堆積物及び土砂化した強風化岩が発生場となる。

2)発生機構

 基盤岩が風化により劣化し、土砂化する。豪雨により水位が上昇し、基盤岩の部分と土砂化した部分との境界部が不安定化し、すべり面となり崩壊する。

1−2.深層崩壊

1)発生場

 深層崩壊は土壌、崩積土及び岩盤も含む斜面の深い深度に崩壊面が分布する。

2)発生機構

 素因として、岩盤深部の断層により岩盤深部が劣化、亀裂面が斜面方向に卓越、風化しやすい岩盤が挙げられる。誘因は豪雨や地震が挙げられる。

2.表層崩壊の特徴を踏まえた上での調査手順及び調査手法

1)調査手順および調査手法   

@弾性波探査を行い、崩積土と基盤層の境界部を捉える。

Aボーリング調査で表層崩壊の地質構成や基盤層の風化状況を調べる。

B基盤層の境界や地質状況の詳細を確認することによりすべり面を判断する。

C@〜Bの調査で明確なすべり面が確定されない場合は動態観測を行う。

3.調査実施する上での留意点

1)調査地は急傾斜のため、弾性波トモグラフィーを実施し解析精度を上げる。

急斜面では、十分な探査精度が得られないことが多いため、地表面とボーリング孔を起振点及び受信点とする弾性波トモグラフィーを実施すると解析精度が向上する。

2)すべり面を確定するためボーリング調査を実施する。

 採取されたコアを観察し、地すべり粘土を確認する。地すべり粘土が明確でない場合はボアホールスキャナー観測を実施し、地層の層理面や亀裂の傾向を捉え、基岩層と地すべり土塊を区分する。

3)移動速度を把握するため、動態観測を行う。

掘進後の孔に孔内傾斜計のガイドパイプないしはパイプ歪計を設置して観測を行い、地すべりの移動速度を把握することで、警戒基準に従い、道路通行止め等の対策を講じる。緊急性が高い場合はWEB 常時モニタリングシステムを適用する必要がある。


模範解答1  (答案形式)  添削履歴 2回 2019.6.4   専門事項 土木構造物地質


1−1.表層崩壊

1)発生場

 表層崩壊は表層のみが崩壊する現象であり、斜面表層に分布する崩積土、崖錐堆積物及び土砂化した強風化岩が発生場となる。

2)発生機構

 基盤岩が風化により劣化し、土砂化する。豪雨により水位が上昇し、基盤岩の部分と土砂化した部分との境界部が不安定化し、すべり面となり崩壊する。

1−2.深層崩壊

1)発生場

 深層崩壊は土壌、崩積土及び岩盤も含む斜面の深い深度に崩壊面が分布する。

2)発生機構

 素因として、岩盤深部の断層により岩盤深部が劣化、亀裂面が斜面方向に卓越、風化しやすい岩盤が挙げられる。誘因は豪雨や地震が挙げられる。

2.表層崩壊の調査の手順及び内容

@弾性波探査を行い、弾性波速度値を得る。弾性波速度値はN値や一軸圧縮試験等の工学的諸量との相関性が良く、崩積土と基盤層の境界部を明瞭に捉える。

Aボーリング調査で地質試料を採取することで表層崩壊の地質構成や基盤層の風化状況を確定する。

B基盤層の境界付近や崩積土内の脆弱部をボーリングコアで詳細に観察することによりすべり面を判断する。

C@〜Bの調査で明確なすべり面が確定されない場合は動態観測で地盤の変動深度及び変動量を把握する。

3.調査実施する上での留意点

1)弾性波トモグラフィーによる高精度解析

調査地は急傾斜のため、弾性波トモグラフィーを実施し解析精度を上げる。急斜面では、地層が複雑であることが多く、はぎとり法では局所的な地層の変化を捉えることがでない。このため、地表面とボーリング孔を起振点及び受信点とし、狭い箇所で観測点を多くできる弾性波トモグラフィーを実施する。この結果、高密度にデータを採取でき、解析精度が上がる。

2)境界粘土層確認による地すべり深度の決定

 地すべり深度決定のため採取されたコアを観察し、地すべり粘土を確認する。地すべり粘土は高含水の軟質な粘土に伴って鏡肌や擦痕が認められる場合はすべり面である可能性が高い。このため、変質等地すべりと関係ない粘土との違いを判別するため、コアの表面だけではなく、断面についても観察する必要がある。

3)動態観測により崩壊を予測

掘進後の孔に孔内傾斜計のガイドパイプないしはパイプ歪計を設置して観測を行い、地すべりの移動速度を把握する。崩壊を予測し、警報することで道路通行止め等の対策を講じる。危険性が高く、大規模災害が予想される場合はWEB 常時モニタリングシステムを適用する必要がある。



H30/2018年 応用理学・地質 U−1−1 問題 模範解答と解説

問題文 V-1 道路、鉄道等の社会資本の整備や、大規模建築物等の立地などの地下空間の利活用に関しては、地質や地下水等の状況を詳らかに把握することが不可欠で、そのための手段の1つとして、ボーリング柱状図、N値、土質試験結果、物理探査データ等の地盤情報等の集積と利活用が重要である。このような状況を考慮し、以下の問いに答えよ。なお、回答の目安は(1)で1枚程度、(2)及び(3)で2枚程度とする。

(1)地盤情報等を集積と利活用するために、地質調査に携わる技術者として検討すべき課題を多様な視点から挙げ、その理由を述べよ。

(2)上述した検討すべき課題から1つを選択し、それを解決するための技術的提案を示せ。

(3)あなたの技術的提案を実施した場合の国民への効果と弊害について論述せよ。

 


模範解答1 (簡易形式1)  添削履歴 10回 2019.6.26   専門事項 土木構造物地質


1. 地盤情報等を集積と利活用するために、検討すべき課題

1)使用者にとって利用価値の高い加工データの提供

 地盤情報の三次元データ整理や各種地盤のハザード情報が必要である。その理由として、災害時の対策が明確になるため、経済的価値が高い。

2)地盤情報データ形式の統一

各事業団体の地盤情報の保存形式が統一化されていないため、データを既存検索サイトに連携してデータを相互流通出来るようにする。理由は、地質情報の汎用性を高め、支持層深度マップ等のデータの二次利用を普及させるためである。

3)集積した地盤情報の品質管理

 提供する地盤情報を信頼性の高いものとするため、1次データについて品質管理を行う。理由は、加工データ作成時に地層の整合性がとれなくなるからである。

2.使用者にとって利用価値の高い加工データの提供に対する技術的提案

1)3次元地盤モデルを複数の属性データも扱えるようにする。

 3次元地盤モデルは地層のみを扱うのではなく、弾性波探査等の連続性の高いデータも扱えるように検討し、モデルの精度を高める。

2)建築費用の概算算定システムの構築

建築に関する基本データ(建築面積・延べ床面積他)を入力し、3次元地盤モデルとリンクさせ、概算の工事費を作成できるシステムを構築する。

3)ハザードマップの適用性を広げる

 ハザードマップは洪水・土砂災害・火山等の自然災害については整備が進んでいるが、土壌汚染や水位低下に伴う地盤沈下予測等の人為的なリスクについても整備を進める必要がある。

3.技術的提案を実施した場合の国民への効果と弊害について

a)国民への効果

 T)不要な地質調査を防ぎ、調査経費を抑制する。

   調査必要箇所と既往データが比較的近い場合は、3次元データを入手することで地質の傾向を捉えることができるため、調査の可否を決定できる

U)土壌・地下水汚染対策の対策が容易になる。

  地質が三次元データ化されることにより地下水汚染挙動予測を行うにあたり、水理地質構造図の作成が容易になり、事業予算を縮減することができる。

b)国民への弊害

 T)軍事機密情報として悪用される。

   秘匿性の高い地域周辺の地盤データを三次元データ化することで地盤構造が視覚化しやすくなり、軍事機密情報などに悪用される可能性が高くなる。


模範解答1  (簡易形式2)  添削履歴 1回 2019.6.28  専門事項 土木構造物地質


 

1.地盤情報等を集積と利活用するために、検討すべき課題

1)使用者にとって利用価値の高い加工データの提供

 地盤情報の三次元データ整理や各種地盤のハザード情報が必要である。その理由として、災害時の対策が明確化や公共事業の広域調査計画の効率化が図れるため、経済的価値が高い。

2)地盤情報データ形式の統一

各事業団体の地盤情報の保存形式が統一化されていないため、各事業団体のデータを収集し、データ量の多い国土検索地盤サイトkunijibanに連携してデータを相互流通出来るようにする。理由は、地質情報の汎用性を高め、支持層深度マップ等のデータの二次利用を普及させるためである。

3)集積した地盤情報の品質管理

 提供する地盤情報を信頼性の高いものとするため、ボーリング柱状図やサウンディングデータ等の1次データについて品質管理を行う。その理由は、加工データ作成時に地層の整合性がとれなくなるからである。

2.使用者にとって利用価値の高い加工データの提供に対する技術的提案

1)3次元地盤モデルを複数の属性データも扱えるようにする

 3次元地盤モデルはボーリング柱状図データのみを扱うのではなく、弾性波探査・レーザー探査・電気探査等の連続性の高いデータも扱えるように検討し、モデルの精度を高める。

2)建築費用の概算算定システムの構築

建築に関する基本データ(建築面積・延べ床面積他)を入力し、3次元地盤モデルの支持層深度データとリンクさせ、概算の工事費を自動的に作成できるシステムを構築する。

3)ハザードマップの適用性を広げる

 ハザードマップは洪水・土砂災害・火山等の自然災害については整備が進んでいるが、土壌汚染や水位低下に伴う地盤沈下予測等の人為的なリスクについても整備を進める必要がある。

3.技術的提案を実施した場合の国民への効果と弊害について

a)国民への効果

 T)不要な地質調査を防ぎ、調査経費を抑制する。

  調査必要箇所と既往データが比較的近い場合は、3次元データを入手することで地質の傾向を捉えることができるため、調査の可否を決定できる。

U)土壌・地下水汚染対策の対策が容易になる。

  地質が三次元データ化されることにより地下水汚染挙動予測を行うにあたり、水理地質構造図の作成が容易になる。このため、予測ニーズの多い地域において水理地質構造図の作成を発注することが不要になり、事業予算を縮減することができる。

b)国民への弊害

 T)軍事機密情報として悪用される。

  秘匿性の高い地域周辺の地盤データを三次元データ化することで地盤構造が視覚化しやすく、地質状況を予想することができるため、軍事機密情報などに悪用される可能性が高くなる。