R1/2019年 衛生工学部門 必須科目 T-1

問題文 I-1

 2015年9月の国連持続可能な開発サミットで、世界が2016年から2030年までに達成すべき17の環境や開発に関する国際目標が世界193か国が合意して採択され、我が国において様々な取組が進められている。このことを踏まえて以下の問いに答えよ。

(1)あなたの専門分野におけるこれらの目標に関する現状について述べるとともに、目標を達成するために、技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し分析せよ。

(2)抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3)解決策に共通して生じうるリスクとそれへの対応について述べよ。

(4)上記事項を業務として遂行するに当たり、技術者としての倫理、社会の持続可能性の観点から必要となる要件、留意点を述べよ。


模範解答1  (簡易答案1)    添削履歴7    作成日2020/7/6    衛生部門  科目:建築物環境衛生管理    専門事項 ビル空調


 

1)現状、課題抽出と分析 

@少子高齢化社会での持続可能な経済成長

技術者の人手不足問題をICT技術により解決し、持続可能な経済成長を目指す

ロボット、AI活用による施工生産性向上による施工人員の低減。

A再生可能エネ利用率の向上による気候変動対策

クリーンエネルギーにより低炭素社会を形成して、地球温暖化防止をする。

ZEBによる省エネ技術開発によるCO2排出抑制。

Bエネルギーセキュリティー強化による人間居住の持続性維持 

エネルギー多様化による安全な人間居住の確保をする。

災害に強い中圧ガスをエネルギーとし、空調設備の強靭化をする。 

C感染症拡大防止による持続可能な都市居住の確保

ウィルス等有害物質を、空気質改善にて排除し、安全な都市居住を可能にする。

病院の換気システム整備による院内感染防止して感染症拡大を防止する。

(2)少子高齢化社会での持続可能な経済成長

@MR技術による施工生産性の向上

ホロレンズを使用しBIM施工図を現場に重ね合わせて施工並び施工管理する。

手戻り工事の減少による施工精度向上、施工情報の確実な伝達による品質向上

A省資源によるサプライチェーンの合理化

端材利用による省資源にて資材輸送頻度の低減を図る。

同一管種の使用による資材利用率を高めて、廃棄物を抑制する。 

BBIM活用による施工情報伝達精度の向上

施工図の三次元化により、施工情報の早期習得が可能。施工属性情報の一元化による施工効率向上。BIMの多言語化による発展途上国での雇用促進。

(3)共通して生じるリスクとそれへの対応 

リスク;施工技術の進歩により生産性が高まり、資材輸送が合理化されれば、建設業サプライチェーンの従事者が余剰してくる。

対応;今後成長の見込めるアジア市場へITを中心とした施工システムを普及させ、日本の建築市場を拡大し、建設業従事者の雇用を確保していく。

(4)業務遂行上の要件、留意点

技術者倫理をたかめてするには、上記MR技術、サプライテェーン合理化、BIM活用で現場施工省力化をして、近隣住民の生活環境障害低減をする。これは、技術士綱領の「公衆の健康、安全を最優先に考慮する」に相当する。また、持続可能性をたかめてするには、上記MR技術、サプライテェーン合理化、BIM活用で女性技術者を採用していく。これは、SDGs5.b「女性の能力強化促進、ICTをはじめとする実現技術の活用強化」に相当する。


模範解答1   (簡易答案2)    添削履歴0    作成日2020/7/8    衛生部門  科目:建築物環境衛生管理    専門事項 ビル空調


(1)目標達成のための課題抽出と分析

@少子高齢化社会での持続可能な経済成長

 技術者の人手不足問題をICT技術により解決して、持続可能な経済成長を目指す。ロボット、AI活用にて施工生産性向上を図り、必要施工人員の低減をしていく。

A再生可能エネ利用率の向上による気候変動対策

 建物使用エネルギーを再生可能エネ、未利用エネにて賄い、低炭素社会実現にて地球温暖化防止をする。ZEBの実現と普及にて、省エネ技術を発展させてCO2排出抑制をしていく。

Bエネルギーセキュリティー強化による安全な人間居住の確保をする。

 エネルギーの多元化にてBCP対策を行い、安全・安心な居住の確保をする。災害に強い中圧ガスの使用、またコージェネレーション設備などにて空調熱源の強靭化を図る。

C感染症拡大防止による持続可能な都市居住の確保

 病院の院内感染を空気質改善技術にて防止して、感染症拡大を防止する。院内室圧バランスの適正化、適正湿度の調整、フィルターによる除菌にて空気清浄化を行う。

(2)少子高齢化社会での持続可能な経済成長

@MR技術による施工生産性の向上

 ホロレンズを使用して施工図を現場に投影して、施工並び施工管理を行う。施工情報の確実な伝達による手戻り工事の削減、施工品質の向上が図れる。

A省資源によるサプライテェーンの合理化

 端材の有効利用による省資源化を図り、また、モノマテリアル化を進め、同一資材による施工により、廃棄物の抑制をする。資材類輸送頻度を低減して、資材調達の合理化をする。

BBIM活用による施工情報伝達精度の向上

 施工図の三次元化と施工属性情報の一元化により、施工情報の伝達が容易となり、施工効率が向上する。BIMの多言語化をすれば、発展途上国での技術者雇用が促進される。

(3)共通して生じるリスクとそれへの対応

 リスク;施工技術の進歩により生産性が高まり、資材調達が合理化されれば、建設業関連従事者が余剰するようになる。対策;今後成長の見込めるアジア市場へITを中心とした施工システムを普及させ、日本の建築市場を拡大し、建設業従事者の雇用を確保していく。

(4)業務遂行上の要件と留意点

 技術者倫理を高めてするには、上記MR技術、サプライチェーン合理化、BIM活用で現場施工の省力化をし、周辺住民への騒音、振動などの環境負荷を低減させる。これは、技術士綱領の「公衆の健康、安全を最優先に考慮する」に相当する。また、持続可能性をたかめてするには、上記施策での女性技術者の採用をしていく。これは、SDGs5.b「女性の能力強化促進、ICTをはじめとする実現技術の活用強化」に相当する。


模範解答1   (完成答案)    添削履歴1    作成日2020/7/11    衛生部門  科目:建築物環境衛生管理    専門事項 ビル空調


(1)目標達成のための課題抽出と分析

@少子高齢化社会での持続可能な経済成長

 技術者の人手不足問題をICT技術により解決して、持続可能な経済成長を目指す。ロボット、AI活用にて施工生産性向上を図り、必要施工人員を低減する。

 設計データーの精度をたかめ、設計・施工・管理の情報一元化により、建築技術者やメンテナンス要員の省力化を進める。

A再生可能エネ利用率の向上による気候変動対策

 建物使用エネルギーを再生可能エネ、未利用エネ、水素エネにて賄い、低炭素社会実現にて地球温暖化防止をする。ZEBの実現と普及にて、省エネ技術を発展させてCO2排出抑制をして気候変動対策をする。

Bエネルギー継続性強化での安全な人間居住の確保

 エネルギーの多元化にてBCP対策を行い、災害時でも安全・安心な居住の確保をする。地震に強い中圧ガスの使用、またコージェネレーション設備でのエネルギー自立化をして、空調熱源の強靭化を図る。

C感染症拡大防止による持続可能な都市居住の確保

 病院の院内感染を空気質清浄化技術にて防止して、感染症の拡大を防止する。院内室圧バランスの適正化、適正温湿度の調整、フィルターによる除菌にて院内の衛生状態を良好に保つ。また、フィルターの差圧管理を行い、定期的な交換をして捕集した有害細菌、ウィルスの再放出を防ぐ。

(2)少子高齢化社会での持続可能な経済成長

@MR技術による施工生産性の向上

 MR技術でのホロレンズを使用して、施工図を現場に投影し、現場と施工データーを一体化させて施工並び施工管理を行う。配管・ダクト吊り金物用インサート打設位置の墨出し等の手間の掛かる作業に用いれば、施工人員の省力化に繋がり施工生産性が向上する。施工情報の確実な伝達による手戻り工事の削減、施工品質の向上が図れる。

A省資源によるサプライチェーンの合理化

 CADデーターを共有し、配管、ダクトの工場自動加工を進め、端材の有効利用をして資材の省資源化を図る。また、モノマテリアル化による同一資材での施工をして、工事の簡素化を図り、廃棄物の抑制をする。省資源施工による現場資材搬出入要員の低減ができる。調達先、車両ルートの低減をして、サプライチェーンの合理化をする。

BBIM活用による施工情報伝達精度の向上

 施工図の三次元化と施工属性情報の一元化により、施工情報の伝達が容易となり、施工情報伝達精度が向上する。建物管理面でも同一のBIMデーターを使用すれば、引継ぎトラブルによる機器運転不具合での無駄なエネルギー消費が防止される。さらに、BIMの多言語化をすれば、発展途上国での現地技術者雇用が促進される。

(3)共通して生じうるリスクとその解決策

@生じうるリスク

 上記MR技術、サプライチェーン合理化、BIM活用などのICT利用技術が進歩すれば、生産性の向上、資材調達の合理化にて建築工事の少人数化が進行し、建築現場従事者やそのサプライチェーン関連従事者が余剰してくる。

A解決策の提案

 今後成長の見込めるアジア市場へ、ICTを中心とした施工システムを普及させ、日本の建築市場を拡大して余剰となった建築技術者の雇用を確保していく。

(4)業務遂行上の要件と留意点

 技術者倫理を高めてするには、上記MR技術、サプライチェーン合理化、BIM活用にて工事の省力化をし、現場稼働時間の短縮、作業員数や資材輸送車両の低減をしていく。それにより、周辺住民への騒音、振動などの環境負荷を低減する。これは、技術士綱領「公衆の健康、安全を最優先に考慮する」に相当する。

 また、接続可能性を高めてするには、上記施策にて女性技術者を採用し、技術者教育をしていく。現場生産管理業務をICT技術により遠隔地より行なって、女性技術者による知的生産性の向上を図っていく。これはSDGs5.b「女性の能力強化促進、ICTをはじめとする実現技術の活用強化」に相当する。


解説

(1)課題の分析のしかたについて

この受講生様が設定した課題は、その概略がSDGsの目標に表れているので、的を絞りやすかったといえます。言い換えるとSDGsの目標にあるように事項を課題として設定すると正解しやすいです。

SDGs7〜13は特に関係性があるので、暗記しておいてください。

SDGsのターゲットまでは読んで、その概念を覚えるように。

SDGsは、今後技術士試験で出題の可能性が高いので、本を一冊読んで内容理解に努めることをお勧めします。

問題文には「現状記述・課題抽出・分析」となっていますが、現状記述は暗記した知識の確認にすぎず、それよりも応用力の表れとなる、課題抽出に重点を置くようにコーチングで指導申し上げました。

 

(2) 解決策の提案、方策の考え方、書き方などについて

実施効果の高い解決策を述べるよう、受講生様にコーチングで指導申し上げ、だいぶ改善されました。

解決策としてのIT利用は、工事現場では常識的課題ですが、適用範囲を現場以外に広げて、資材サプライチェーンの課題まで抽出されたことは良かったです。このように応用的に広い視点で考えることです。

 

(3)リスクの導き方、解き方についてどうしましたか

解決策が行き過ぎた場合にどの様な事態となるかを考えると分かり易いです。

「人手不足の解消」⇒「仕事の省力化」⇒「関係人員の余剰」と連想でき、リスクがイメージしやすいです。

 

(4)業務遂行に必要な要件について、技術者倫理、社会持続可能性は

「要件」の書き方は発散しがちなので、この受講者様の場合も、2の解決策を書きだして、その施策を実施するにあたっての要件を考えるようコーチング指導いたしました。

技術士綱領の「秘密の保持」は、技術士個人と公衆の関係につての秘密保持を意味しますので、クライアント対公衆の内容と混同しないように指導申し上げました。

技術士綱領と持続可能性それぞれへの提案内容が二つとも持続可能性に関してのものとダブってしまったようです。そこで技術士綱領についての解答は、持続可能性以外の項目から選択し、ダブリのないようにするようコーチングで指導申し上げました。



模範解答2   (簡易答案1)    添削履歴3    作成日2020/7/16    衛生部門  科目:廃棄物・資源循環    専門事項 廃棄物処計画


 

1.温室効果ガス(GHG)削減対策の現状と課題

1)  廃棄物処理場での省エネ推進

処理場は、20年経過し老朽化した設備が多く省エネに取り組む必要がある。

用益の最適化(余裕率、圧力損失見直し等)と、省エネ技術の導入(インバータ、乾式排ガス処理等)。これらを設備に導入・組み合わせ、設備全体を最適化。

2)廃プラスチックの排出抑制と有効利用の促進

廃棄物処理場でGHG排出源は、廃プラスチック焼却が占める。

分別徹底による廃プラの削減と、プラスチック再生利用の拡大に努める。

3)廃棄物発電と再生可能エネルギー技術の導入

廃棄物処理は、単純焼却で有効利用されずGHGが排出されている。

地域の特色に合った処理とGHGに取り組む。都市部は、廃棄物発電を高効率大規模化し電力を供給。地方はメタン発酵を行い、残渣を肥料で農地還元。

2.最も重要な課題と、その解決策

2.1 廃棄物発電と再生可能エネルギー技術の導入

1)廃棄物発電の高効率化

これまで廃棄物焼却は公衆衛生確保が主目的であった。発電がない施設も多く効率も平均12.6%程度。廃棄物発電技術の進展により、高効率化が可能となった。導入拡大とGHG削減を両立する。AIによる燃焼画像制御による低空気比燃焼の安定化、過熱器の新肉盛材料による6MPa×450℃が可能となり導入拡大する。

2)再生可能エネルギー利用の拡大

再生可能エネルギーであるメタン発酵や地域木質バイオマス混焼を行う。残渣の農地還元可能な地方では、食品廃棄物・汚泥をメタン発酵し、また選定枝は廃棄物と混焼し再生可能エネルギーによるGHG代替削減に努める。

3)廃棄物発電技術の輸出

二国間クレジット制度(JCM)を通じて低炭素技術供与する。GHG削減分を国内削減分としてカウントできる。

3.新たに生じうるリスクとその対策

1)リスク 人口減少と高齢化社会 人口減少によりごみ量が減少し、高齢化社会により水分が多い紙おむつが増加しごみ質低下する。現状想定した焼却量、ごみ質が変わってしまい、安定した燃焼と廃棄物発電が困難となる。再生可能エネルギー利用・GHG削減が困難となる。

2)対策 地域での相互協力と地域循環

廃棄物量・質変動に対して、他処理場と相互に廃棄物を柔軟に供給、処理できる体制を構築する。これにより長期的にGHGを削減できる。処理場からでる副産物を産業へ還元し、循環させることで長期的な運営が可能となる。

4.業務を遂行するにあたり必要となる要件

技術者倫理を高めるためには、中立公平に廃棄物処理場の価値評価、数値評価を行い、関係者との理解・協力を得て、地域での相互協力と地域循環を構築する。これは技術士倫理綱領の相互の協力に相当する。

社会持続可能性を高めるためには、地域の様々な産業と廃棄物との循環を構築し、廃棄物処理の安定化と地域での循環を構築する。廃棄物発電での電気・熱を地域供給、発酵残渣の肥料化、灰のセメント原料化等。これはSDGsの15陸の豊かさを守ろうにつながる。

 


模範解答2   (簡易答案2)    添削履歴3    作成日2020/7/23    衛生部門  科目:廃棄物・資源循環    専門事項 廃棄物処計画


 

1.温室効果ガス(GHG)削減対策の現状と課題

1)廃棄物処理場での省エネ推進

処理場は、20年経過し老朽化した設備が多く省エネに取り組む必要がある。

用益の最適化(余裕率、圧力損失見直し等)と、省エネ技術の導入(インバータ、乾式排ガス処理等)。これらを設備に導入・組み合わせ、設備全体を最適化する。

2)廃プラスチックの排出抑制と有効利用の促進

廃棄物処理場でGHG排出源は、廃プラスチック焼却で占める。分別徹底による廃プラの削減と、プラスチック再生利用の拡大に努める。

3)廃棄物発電と再生可能エネルギー技術の導入

廃棄物処理は、単純焼却で有効利用されずGHGが排出されていない設備が多い。

地域の特色に合った廃棄物処理とGHG削減に取り組む。都市部は、廃棄物発電を高効率・大規模化し電力を地域供給。地方ではメタン発酵を行い、残渣を肥料として農地還元する。

2.最も重要な課題と、その解決策

2.1 廃棄物発電と再生可能エネルギー技術の導入

1)廃棄物発電の集約、高効率化   

これまでの廃棄物処理は、中小設備が多く平均効率12.6%程度であった。再生可能エネルギーでのGHG削減量は小規模であった。廃棄物発電の集約化によって、大型化し発電効率を21%以上としてGHG削減を倍増させる。 

AIによる燃焼画像制御による低空気比燃焼の安定化、過熱器の新肉盛材料による6MPa×450℃技術を導入拡大する。

2)再生可能エネルギー利用の拡大

再生可能エネルギーであるメタン発酵や地域木質バイオマス混焼を行う。残渣の農地還元や灰のセメント利用可能な地方では、食品廃棄物・汚泥をメタン発酵し、また選定枝は廃棄物と混焼し再生可能エネルギーによるGHG代替削減に努める。

3)廃棄物発電技術の輸出

二国間クレジット制度(JCM)を通じて低炭素技術である廃棄物発電技術を供与する。日本のGHG削減分を国内削減分としてカウントできる。また省エネに優れ自己消費電力が少なく、排ガス再循環による低空気比燃焼で、排ガス排出量の少ない廃棄物発電により、輸出先でGHG低排出と売電により自立した廃棄物発電を両立する。

3.新たに生じうるリスクとその対策

1)リスク : 人口減少と高齢化社会 人口減少によりごみ量が減少し、高齢化社会により水分が多い紙おむつが増加し、ごみ質低下する。現状想定した焼却量、ごみ質が変わってしまい、安定した燃焼と廃棄物発電が困難となる。再生可能エネルギー利用・GHG削減が困難となる。

2)対策 : 地域での相互協力と地域循環

廃棄物量・質変動に対して、他処理場と相互に廃棄物を柔軟に供給、処理できる体制を構築する。これにより長期的にGHGを削減できる。処理場からでる副産物を産業へ還元し、循環させることで長期的な運営が可能となる。

4.業務を遂行するにあたり必要となる要件

技術者倫理を高めるためには、850℃以上の高温燃焼場によって病原菌やウィルスを死滅させる適正処理による衛生向上を提案する。これは地域住民の安全、健康及び福利につながる。

社会持続可能性を高めるためには、地域の様々な産業と廃棄物との循環を構築し、廃棄物処理の安定化と地域での循環を構築する。廃棄物発電での電気・熱を地域供給、発酵残渣の肥料化は地域資源の循環に相当する。これはSDGsの15陸の豊かさを守ろうに繋がる。

 


模範解答2   (完成答案)    添削履歴1    作成日2020/7/29    衛生部門  科目:廃棄物・資源循環    専門事項 廃棄物処計画

 


 

(1)温室効果ガス削減対策の現状と課題

1) 廃棄物での再生可能エネルギー技術の導入

廃棄物処理は、単純焼却で有効利用されずGHGが削減されていない設備が多い。

地域の特色に合った廃棄物処理とGHG削減に取り組む。都市部は、廃棄物発電を高効率・大規模化し電力を地域供給。地方ではメタン発酵を行い、残渣を肥料として農地還元する。

2) 廃棄物処理場での省エネ推進 

処理場は、20年経過し老朽化した設備が多く省エネに取り組む必要がある。

用益の最適化(余裕率、圧力損失見直し等)と、省エネ技術の導入(インバータ、乾式排ガス処理等)。これらを設備に導入・組み合わせて設備全体を最適化する。

3) 廃プラスチックの排出抑制と有効利用の促進

廃棄物処理場でGHG排出源は、廃プラスチック焼却で占める。分別徹底による廃プラの削減と、プラスチック再生利用の拡大に努める。

(2) 再エネ技術導入の課題と解決策

廃棄物での再生可能エネルギー技術の導入

1) 廃棄物発電の集約、高効率化 

これまでの廃棄物処理は、中小設備が多く平均効率12.6%程度であった。再生可能エネルギーでのGHG削減量は小規模であった。廃棄物発電の集約化によって、大型化し発電効率を21%以上としてGHG削減を倍増させる。 

またAIによる燃焼画像制御による低空気比燃焼の安定化、過熱器の新肉盛材料による6MPa×450℃技術を導入拡大し高効率化する。

2) 再生可能エネルギー利用の拡大

再生可能エネルギーであるメタン発酵や地域木質バイオマス混焼を行う。残渣の農地還元や灰のセメント利用可能な地方では、食品廃棄物・汚泥をメタン発酵し、また選定枝は廃棄物と混焼し再生可能エネルギーによるGHG代替削減に努める。

3) 廃棄物発電技術の輸出

二国間クレジット制度(JCM)を通じて低炭素技術である廃棄物発電技術を供与する。日本のGHG削減分を国内削減分としてカウントできる。また省エネに優れ自己消費電力が少なく、排ガス再循環による低空気比燃焼で、排ガス排出量の少ない廃棄物発電により、輸出先でGHG低排出と売電により自立した廃棄物発電を両立する。

(3)リスクと対策

1) リスク:人口減少と高齢化社会

人口減少によりごみ量が減少、高齢化社会により水分が多い紙おむつが増加し、ごみ質低下する。現状想定した焼却量、ごみ質が変わってしまい、安定した燃焼と廃棄物発電が難しくなり、廃棄物発電施設を含むごみ処理運営が困難となる。

2) 対策 :地域での相互協力と地域循環

廃棄物量・質変動に対して、他処理場と相互に廃棄物を柔軟に供給、処理できる体制を構築する。これまでの市町村単位から県単位で柔軟に対応する。これにより長期的に安定した燃焼と廃棄物発電が可能となりGHGを削減できる。また処理場からでる副産物を産業へ還元し、循環させることで長期的な運営が可能となる。

(4)業務遂行の必要要件

技術者倫理を高めるためには、廃棄物燃焼による850℃以上の高温燃焼場によって病原菌やウィルスを死滅させる適正処理による衛生向上を提案する。ハエの発生や伝染病の防止にもなる。これは技術士倫理綱領の地域住民の安全、健康及び福利につながる。

社会持続可能性を高めるためには、地域の様々な産業と廃棄物との循環を形成し、廃棄物処理の安定化と地域での循環を構築する。廃棄物発電での電気・熱を地域供給、発酵残渣の肥料化は地域資源の循環に相当し地域循環共生圏になる。これはSDGsの15陸の豊かさを守ろうに繋がる。

 


解説

 

(1)課題の分析のしかたについて

タイトルは課題の内容を代表するぴったりの言葉にするようにしてください。

課題は2つの別テーマを抱き合わせにするようなことはせず、1つにするように。両方言いたいのであれば、課題を分けて記載することです。

前置きは書かず直接、核心的なことを表現するように注意してください。

問題のテーマの趣旨を把握し、テーマに整合性が取れた課題を抽出すること。

課題とは、問題に対して技術者が提案する技術応用に相当します。(そのような提案力を測っています)

(2)で最も重要な課題として選定する項目は、(1)の現状と課題で1)番目に挙げたことと対応させると良いでしょう。

また、広い視点を示すため、課題は全く系統の異なる3種類程度を抽出するように。

 

(2) 解決策の提案、方策の考え方、書き方などについて

見出しタイトルの“最も重要な”は、具体的に何の課題を取り上げたかを示すように。解決策は具体的な方針を述べること。

行政サイドや社会情勢の広い観点からの(評論家的)提案は求められていません。

「・・できる」と文末を書きがちですが、ここは目標なので、方策、手段、技術を具合的に提案することです。技術士にふさわしいことを提案するように。

解決策に必要な技術提案は何か。効果的に排出するための留意点を言うように。

解決策は、そのアプローチ(何をすべきか)を説明する必要があります。高効率化、大規模化だけを突然書いてもダメで、なぜその解決策が採用されているにも関わらず拡大していないのか、原因とこれを解決する理由を示すことが必要です。

方策は具体的な技術的応用を活用したものにすること。

できれば数式を使って課題の解決方法を説明するのが良いでしょう。

最も重要と考える課題・解決策の抽出は、自分の専門性を活かした書き方とするように。実際の現場をイメージ(経験がプラス)すると解決に早くたどり着けます。

解決の方策はどのように行うか具体的に記載すること。

解決策は漠然とさせず具体的な技術キーワードで端的に表現するように。

課題と解決策は因果関係を持たせること。

複数の提案をする場合は重複や類似項目は避けねばなりません。そうしないと論理的考察力をアピールできません。

解決策はどうやって効率的、効果的に行うかという提案(これがメイン)を力説するように。

根拠はそこそこで良く、あくまでも解決策のメインは方法論において述べるように。

解決策は課題の直接的な解決に集中し、その内容を発散させないこと、すなわち一貫性を示すこと。

 

(3)リスクの導き方、解き方についてどうしましたか

1番のリスクを解答すし、懸念事項を全部入りにしないことです。

リスクの原因が、単なるトラブルでは×。トラブル発生しないようマネジメントすればいいだけ。

リスクによって、具体的に何がどう変わるかを説明するように。

例えば、人口減少すると廃棄物性状がどうなるか。GDPが減ってごみ質低下?具体的に何が変わるか、何によって発生するかを記入するように。

リスクとその解決策は因果関係を持たせるようにしてください。

問2の「解決策」に由来するリスクであり、新たな原因を考えないことです。

リスクは解決策によって生じるリスクであることがわかるように明確に示す。

リスクは回りくどい言い方をせず、究極的な損害を端的に表現するように。

共通するリスクについて、この受講者様も添削前は、一般論で記述されていたようですが、最終的には解決策に対して実際に発生する具体的なリスクを突き詰めて考えるようにしてもらいました。これは専門性・推測が求められかなり難問なので、コーチングで指導しています。

リスク:提案によって波生的に生じる損害発生頻度が小さく、被害額の大きいもの。ただ悪くなることだけを説明する等、常識的なことをリスクとしては挙げず、予測困難な経済損失事象をリスクとして示せればわかりやすいでしょう。

提案にともない新たに発生する事例を記載することです。

解決策により〇〇が悪化・変化し、新たに〇〇の被害が想定される。というようなイメージです。

 

(4)業務遂行に必要な要件について、技術者倫理、社会持続可能性は

ここはテンプレート「技術者倫理および社会持続可能性を高めるためには、●●を●●する。これは技術者倫理綱領の●●に相当する。これはSDGsの17の目標の●●に相当する。」という書き方で、矛盾のないよう明瞭に記述すると良いでしょう。

矛盾を感じない文章にすることです。

業務はどこまでか。要件は何か。技術者倫理と社会持続可能性の2つの要件を区別するように。

要件を実施することで、SDGsの何が可能になるかを示すように。業務の実施段階で達成しているものは、新たな要件に相当しないので書く必要はありません。

技術者倫理とSDGsでの回答は、技術者倫理にある社会持続可能性を取り上げてダブらないように注意してください。

 

技術者倫理について

例えば、技術者倫理を高めて〇〇業務遂行するには、〇〇を〇〇すれば、

→公衆の安全性が向上し、公益性の高い業務が遂行できる。(技術士倫理綱領 第1項)

→社会持続可能性が向上し、公益性の高い業務が遂行できる。(技術士倫理綱領 第2項)

綱領1と2の解答事例が多く、考えやすいようです。

要注意なのは、技術者倫理綱領の8相互協力であり、この項目では技術士が他の技術士と協力することまでは規定していません。相手が技術士ではない場合、他領域の人まで技術士倫理綱領で縛ることはできませんので、たいていの場合該当しません。

 

社会持続可能性

SDGs の17ゴールと169ターゲットを念頭に、それにつながる方策を提案するように。

その方策がなぜそのゴールを達成できるのかわかるように根拠を記載する。例えば、社会持続可能性を高めて〇〇業務遂行するためには、〇〇を〇〇すれば、

→持続可能な経済成長及び生産的雇用と働きがいある雇用促進できる。(ゴール8)

→強靭なインフラ構築、包摂的で持続可能な産業化の促進できる(ゴール9)

ゴール8とゴール9の解答が多く考えやすいようです。