AIコア・テクニカルコーチング

AIコア・テクニカルコーチング」とは

それは技術士合格への道研究所が提供する、ChatGPTを活用した先進的な指導方法です。このアプローチの特徴は、受講者の個々のニーズに合わせたカスタマイズされた指導であり、以下のステップで進行します。

1.      問題文の分析とカスタマイズ: 受講者が提出した技術士試験の問題文を詳細に分析し、受講者の経歴や理解度を考慮してカスタマイズします。このステップでは、問題の核心を見極め、受講者に最適な解答のアプローチを導き出すために、専門的な知識と経験が要求されます。

2.      AIとの協働: 分析した内容をもとに、ChatGPTを用いて具体的な課題や解決策を探求します。このプロセスでは、受講者にとって最も適切な指導を提供するため、教師データとして入力された情報が重要となります。

3.      指導者による回答の精査: ChatGPTによって生成された回答を、専門の指導者が精査し、一般論や不適切な内容を取り除きます。こうして、受講者にとって実際に役立つ情報のみを選び出し、カスタマイズされた解答を提供します。

4.      反復練習と深い理解: 適切な解答を得るために、このプロセスを何度も繰り返します。受講者は、反復的な練習を通じて問題への深い理解と効果的な答案作成スキルを獲得します。

この「AIコア・テクニカルコーチング」は、AIの力を活用しつつも、その成果を最大化するためには専門的な指導者の洞察と経験が不可欠であることを強調しています。この方法は、単にAIツールを使用するだけでなく、個々の受講者に合わせた柔軟な指導を可能にし、効果的な学習経験を提供します。

 

 

単なるAI指導ではなぜいけないか

1. 専門指導者によるAI情報のカスタマイズと解釈

AIコア・テクニカルコーチング」では、AIを活用した学習は重要な要素ですが、その単独の活用では目的を達成することは困難です。AIの学習成果を最大化するためには、専門的な指導者の深い洞察と豊富な経験が必要不可欠です。

本研究所指導者は、AIが提供する情報を適切に解釈し、受講者の特定のニーズや背景に合わせてカスタマイズする能力を持っています。AIはあくまでも道具であり、それを最適に活用するためには、その背後に人間の専門知識と判断力が必要です。この指導者の役割がなければ、AIによる学習は表面的なものに留まり、実際の試験や実務で必要とされる深い理解や応用能力の習得には至りません。

一例として、ある受講者がAIから提供された答案案を用いて技術士試験の模擬問題に取り組んだケースでは、AIは一般的な答案の枠組みを提供しましたが、それは受講者の特定の弱点や経験とは一致していませんでした。このため、本研究所指導講師が専門的な見地から介入し、受講者の過去の職歴や理解度を考慮して、AIの答案案を具体的な業界例やより高度な理論に基づいてカスタマイズしました。この結果、受講者は問題の深い理解を得るとともに、試験における適切な応答方法を学ぶことができました。

 

2. 独学の落とし穴:AI学習への専門ガイダンスを利用しないと時間をムダにする

また、受講者が自らAIツールを用いて学習を試みた場合、専門的なガイダンスがなければ、効果的な学習経路を見つけ出すことは非常に困難です。特に、技術士試験のような専門性の高い分野では、試験の要求する特定のスキルや知識を獲得するためには、経験豊かな指導者による指導が不可欠です。AIのみに依存した学習は、方向性を見失い、徒労に終わるリスクが高まります。

 こちらも別の例として、ある受講者が独自にAIツールを用いて技術士試験の準備を試みたケースがあります。この受講者はAIから提供された情報をそのまま学習しましたが、専門的なガイダンスがないため、試験の特定の要求に合った深い正解の習得には至りませんでした。さらに、AIが提供した一般的な情報は受講者の特定の弱点を補うものではなく、結果として試験準備において方向性を見失い、不十分な成果に終わりました。この事例から、AIツールの独立した使用では、専門的なガイダンスと合わせて使用することの重要性が浮き彫りになります。

個別サポートの強化で実現する効果的なAI学習

したがって、「AIコア・テクニカルコーチング」は、AIの潜在的な力を引き出し、個々の受講者に最も適した学習経験を提供するために、専門的な指導者による個別のサポートを重視しています。これにより、受講者はAIの提供する情報を最大限に活用し、技術士試験において必要とされる深い知識と応用能力を効率的に身につけることができます。

 

本研究所の講師がChatGPTを用いてAIコア・テクニカルコーチングを行うことがなぜ受講者の技術士合格に有効か。

1.      研究所の講師による専門的な情報フィルタリング: 研究所の講師がChatGPTに入力を行うことで、受講者にとって最も関連性が高く、具体的な情報を得ることができます。講師はAIからの応答を専門的な視点で解釈し、学習者に最も有効な情報を提供します。

2.      受講者に合わせたカスタマイズ学習: 研究所の講師は受講者の学習履歴、強み、弱点を深く理解しているため、ChatGPTによる応答を受講者に最適化された形で提供することができます。この個別化されたアプローチにより、受講者はより効果的に学びます。

3.      明確な説明と指導: 研究所の講師はAIの応答を明確かつ具体的に説明し、必要に応じて補足情報を提供することができます。これにより、受講者はAIの応答をより深く理解し、適用することが可能となります。

4.      深い理解と応用能力の習得: 研究所の講師はAIとの協力により、受講者に対して複雑な概念や応用スキルを教えることができます。この結果、受講者は技術士試験において必要とされる深い理解と応用能力を効率的に習得することができます。

このように、本研究所の講師がChatGPTを活用することにより、受講者はより高度でカスタマイズされた学習経験を得ることができ、技術士試験の合格に向けて有効に学習を進めることができます。

 

 

AIコア・テクニカルコーチングで解消される技術士受験者の問題

AIコア・テクニカルコーチングを導入することで解消される、技術士受験者が従来の添削指導で直面していた次の問題、悩みが解消できます。

1.      材料選びによる偏りの解消: 従来の指導では、受講者が書きやすい素材や自分が理解しやすい材料を優先してしまう傾向がありました。AIコア・テクニカルコーチングでは、AIの広範な知識ベースと専門家の洞察を活用することで、よりバランスの取れた、客観的で適切な材料の選定が可能になります。

2.      一般論への依存からの脱却: 正解が見えない場合に一般論に走りがちな問題を、AIが提供する具体的かつ多角的な視点を通じて解消します。これにより、受験者は試験官が求める答案趣旨に沿った回答を作成することができます。

3.      個人的経験による偏りの軽減: 受験者が自身の経験に頼りがちな問題を、AIの客観的な情報提供と専門家のガイダンスで解消します。これにより、より幅広い視野での答案作成が可能になります。

4.      時間と労力の削減: 正解にたどり着くための時間と添削回数を大幅に削減できます。AIが迅速に情報を提供し、専門家がその情報を効率的に活用することで、学習プロセスが加速します。

5.      適切な観点と課題選定: AIの広範な情報と専門家の深い洞察により、受験者が自力では見落としがちな重要な課題を適切に選定することが可能になります。このアプローチにより、受講者は試験において求められる高度な専門性や視点を理解し、それを答案に反映させることができます。真の専門家の視点から得られる洞察は、単に学んだ知識を越えた深い理解と応用能力を培います。

6.      専門家による指導の効果: AIコア・テクニカルコーチングでは、専門家が受講者の答案を詳細に分析し、課題や弱点を明確に指摘します。これにより、受講者は自身の考察に依存することなく、専門家の指導を受けて高度な知識と技術を学ぶことができます。

7.      総合的なフィードバックと指導: AIと専門家からのフィードバックを組み合わせることで、受講者はより包括的で具体的な指導を受けることが可能です。これにより、技術士試験の高い要求に対応するための複合的なスキルと知識が身につきます。

 

総じて、AIコア・テクニカルコーチングは、従来の添削指導における多くの問題点を解消し、受講者が技術士試験で求められる深い専門知識と応用能力を効率的に身につけることを可能にします。このアプローチは、受講者が自らの限界を超えて成長するための有効な手段を提供します。

 

AIコア・テクニカルコーチングによる答案の特徴と技術士試験合格

AIコア・テクニカルコーチングによる添削指導を通じて得られる答案の特徴と、それがなぜ技術士試験の合格につながりやすいかについては以下のように説明できます:

答案の特徴:

1.      深い専門知識と理解: AIコア・テクニカルコーチングは、広範な知識ベースを持つAIを活用して、試験で必要とされる専門的な知識を深く理解した答案を作成します。

2.     論理的で構造化された回答: AIの支援により、答案は論理的で整理された形式を持ち、明確な論点と結論が提示されます。

3.      多角的な視点: AIと専門家の指導により、答案には多角的で包括的な視点が組み込まれ、問題に対する幅広い理解を示すことができます。

4.      具体的な例と応用: 答案は、理論だけでなく実際の例やケーススタディを取り入れることで、理論の応用能力を示します。

 

合格しやすい理由:

1.      問題の要点を的確に捉える: 専門家の指導とAIの支援により、受講者は問題の要点を正確に理解し、試験官が求める答えを提供できます。

2.      高度な問題解決スキル: AIによるデータ分析と専門家の洞察に基づく指導は、受講者に高度な問題解決スキルを身に付けさせます。

3.      時間効率の改善: AIの迅速な情報処理能力と専門家の効果的な指導により、学習プロセスが加速し、時間効率が向上します。

4.      適切なフィードバック: 専門家による個別指導とAIの分析に基づくフィードバックは、受講者が自身の弱点を克服し、答案の質を向上させるのに役立ちます。

5.      個別のニーズに対応: それぞれの受講者に合わせたカスタマイズされた指導は、個々の強みを活かし、弱点を改善することを可能にします。

以上の点から、AIコア・テクニカルコーチングによる添削指導は、受講者にとって非常に効果的であり、技術士試験の合格率を高める重要な要素となります。

 

 

AIコア・テクニカルコーチングによる指導例

機械部門 予想問題 Ⅰ練習

「AI・テクニカル・コーチングで倫理と持続可能性も完璧に対応」

 技術士合格への道研究所では、過去問練習を終了された方に対して予想問題練習を行っています。予想問題は過去問の出題傾向をもとに近年の技術動向反映して最新の問題を作成します。今回ご紹介するのは機械部門の必須科目の予想問題練習です。

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問題

 コボット(協働ロボット)は人間と安全に協働できるように設計されたロボットで、センサーやビジョンシステムを搭載し、リアルタイムで環境に対応する。プログラムの柔軟性が高く、簡単再設定できるため、さまざまなタスクに適用可能である。こうしたコボットの特性とその導入のメリットを生かして、現実の工場製造ラインに導入する担当者の立場で考える。

 コボットはユーザーフレンドリーなインターフェースを持っているものの、特定のタスクに合わせた詳細な設定やプログラムのカスタマイズには高度な専門知識が必要である。また、コボットを既存の生産ラインやシステムに統合することは技術的に難しい場合があり、既存の機械や設備との相互運用性を確保するための調整や再設計が必要と言われている。これらを前提にいかの問いに答えよ。

問1 コボットにより、危険な作業や重労働を代替し、労働力不足の解消に大きく貢献し、全体的な生産性と効率を向上させるには機械技術者としてどう対処すべきか。広い視点で観点を挙げた上で課題を述べよ。

問2 前問1で抽出した課題のうち、最も重要と考える課題をその理由とともに1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を具体的に示せ。

問3 前問2で示した全ての解決策を実行しても新たに生じうるリスクとそれへの対策について、専門技術を踏まえた考えを示せ。

問4上記業務を遂行するに当たり、技術者としての倫理、社会の持続可能性の観点から必要となる要件、留意点を述べよ。
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 この問題に対して今回の回答者は、問1,2,3と順調に解かれていましたが、問4で止まってしまいました。そこでAIコア・テクニカル・コーチングです。まずは解答をご覧ください。

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.コボットの生産性、効率向上の課題

1)既存設備との連動性と生産性向上(観点:効率的ライン設計の観点)

・生産プロセスとの制御連携による運用

・周辺設備とのインターオペラビリティの整備

2) 既存システムとのデータ統合・運用(観点:統合運用の観点)

・データフォーマットの統一運用、データベース設計によるデータ統合

・生産・品質管理システムとの連携によるシステム統合

3) 安全性と柔軟性の両立(観点:リスク対策の観点)

・生産システム全体でのリスクアセスメントと残留リスクへの対処

・可搬型コボットなどレイアウトの可用性の高い安全システムの構築

2.重要と考える課題:既存設備との連動性と生産性向上

 コボットは人との協働とともに生産ラインとの連動や関連システムとのシームレスな統合運用により、全体生産性の向上に繋がるため、重要課題と考える。

1) インターオペラビリティの構築 

・共通インターフェース及びプロトコル設計によるシームレスなデータ連携

・リアルタイムフィードバックシステムによるコボットの動作精度向上

2) 生産ラインとの同調性向上による全体システムの生産性向上

・物理的スペースの確保などコボットの適正配置による生産性向上

・コンベアとの同期制御によるサイクルタイムの向上

3) コボットの設備生産性向上 

・動作シーケンスの調整によるコボットの協調動作最適化

・ディープラーニングによる自律的協働作業の実現

3.あらたに生じるリスク:コボット活用に関する安全規制の強化

作業者の労働安全規制高まりにより、コボットとの協働作業条件厳格化し、協働生産ラインの運用が困難になる。

(対策)ハプティクス技術を応用した遠隔操作ロボットを導入し、作業者を現場から隔離し、安全を確保した上で協働生産体制を維持する。

4.(技術者倫理)コボット活用による生産ラインの自動化を推進するとともに、作業者の心理的安全性を高めるため、安全機構の認知教育やソフトカバーの設置を図る。

講師 教育やソフトカバーは余り本質的ではないことです。最低限の安全措置が気休め程度しかなりません。本質的な機械部門技術士の技術応用での対応が欲しいです。

(社会の持続可能性)作業者に生産技術を習得させ、自ら協働ライン設計に携わる現場改善を行うことで単純労働から解放し、付加価値分野への人材教育を図る。

講師 こちらも問2業務と別な新たな仕事を課しています。問1,2,3に書いたことと無関係な内容は好ましくありません。私の創意工夫でできる程度のお金のかからない改善提案は何かです。

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そこで、AIコア・テクニカル・コーチングで、技術者としての倫理、社会の持続可能性の観点から必要となる要件、留意点を考えてみました。
 
まず、技術者としての倫理の観点から必要となる要件、留意点はこうです。

 

1. インターオペラビリティの構築

(技術士倫理綱領 第2条 技術の公共性の保持)

貢献

  • シームレスなデータ連携: 共通インターフェース及びプロトコル設計を通じて、異なるシステム間の円滑なデータ交換を確保します。これにより、生産ライン全体の透明性を高め、問題発生時の迅速な対応を可能にします。これは技術の公共性を保持するために重要です。
  • リアルタイムフィードバックシステム: コボットの動作精度を高めるリアルタイムフィードバックシステムを導入することで、迅速かつ正確な動作が可能となり、製品の品質を一貫して維持することができます。これにより、消費者に対しても信頼性の高い製品を提供できるようになります。

2. 生産ラインとの同調性向上による全体システムの生産性向上

(技術士倫理綱領 第3条 技術の透明性と公正性の確保)

貢献

  • 適正配置による生産性向上: コボットの物理的スペースを最適化することで、無駄な動きを減らし、生産効率を最大化します。この過程では、全ての関係者に対して配置の理由と期待される効果を明示し、透明性と公正性を確保します。
  • コンベアとの同期制御: コンベアとの同期制御を通じて、サイクルタイムを向上させることで、生産ライン全体の効率を高めます。この改善により、生産スケジュールの信頼性が向上し、納期遅延のリスクを減少させます。

3. コボットの設備生産性向上

(技術士倫理綱領 第4条 技術者の社会的責任の遂行)

貢献

  • 動作シーケンスの調整: コボットの動作シーケンスを最適化し、協調動作を効率的に行うことで、生産性の向上を図ります。このプロセスでは、労働者への影響も考慮し、彼らの作業環境が改善されるよう努めます。これにより、労働者の健康と安全を確保し、社会的責任を果たします。
  • ディープラーニングの導入: 自律的協働作業を実現するためにディープラーニングを活用し、コボットがより効率的に作業を行えるようにします。この技術導入に際しては、データのプライバシーやセキュリティについても細心の注意を払い、倫理的な配慮を徹底します。これにより、技術がもたらす社会的影響に対する責任を全うします。

これらの貢献を通じて、技術士としての倫理的責任を果たしながら、コボットの導入と運用において生産性向上を実現すれば、技術士としての資質能力をアピールできます。

 

 次に社会の持続可能性の観点からできる貢献はこのようになります。

1. インターオペラビリティの構築

SDGs 目標9: 産業と技術革新の基盤をつくろう)

貢献

  • データ連携の強化: 共通インターフェース及びプロトコル設計により、異なるシステム間でのデータ連携を強化し、全体の効率を向上させます。これにより、産業全体のデジタル化を推進し、技術革新を加速させる基盤を構築します。
  • 動作精度の向上: リアルタイムフィードバックシステムを導入し、コボットの動作精度を高めることで、製造プロセスの効率化と品質向上を実現します。これにより、持続可能な生産システムを支援し、技術革新を促進します。

2. 生産ラインとの同調性向上による全体システムの生産性向上

SDGs 目標12: つくる責任 つかう責任)

貢献

  • 適正配置による効率化: コボットの物理的スペースを最適化し、生産ラインの効率を最大化することで、資源の無駄を減らし、持続可能な生産システムを実現します。
  • サイクルタイムの向上: コンベアとの同期制御を通じてサイクルタイムを向上させ、生産プロセス全体の効率を高めます。これにより、資源の有効活用を促進し、持続可能な消費と生産のパターンを確立します。

3. コボットの設備生産性向上

SDGs 目標8: 働きがいも経済成長も)

貢献

  • 協調動作の最適化: コボットの動作シーケンスを最適化し、協調動作を効率的に行うことで、労働生産性を向上させます。これにより、働きがいのある職場環境を提供し、経済成長を支援します。
  • 自律的協働作業の実現: ディープラーニングを活用してコボットの自律的協働作業を実現し、労働者の負担を軽減します。これにより、労働環境の改善と経済成長の両立を図り、持続可能な経済発展を推進します。

こうした貢献を通じて、機械部門技術士として社会の持続可能性に寄与しながら、コボットを導入すれば、技術士としての資質能力をアピールできること間違いなしです。

上下水道部門、下水道、R5 Ⅰ-2問題

現場で生かせる実践力 - 技術士倫理と持続可能性を両立!

 

問題文

 東日本大災害では津波により多くの水道施設被害にあったほか、下水道施設における被害は地震動によりものも大きかった。また、平成30年7月豪雨では多くの断水が発生ししたほか、令和元年東日本台風では下水道施設が浸水しその機能停止した。しかし、人々の生活さらには生命の維持のため重要パイプライン施設である上下水道は、災害時においてその機能確保が求められている。そのため洪水・内水・津波・高潮の水害発生時において上下水道施設の機能を維持又は、万が一機能停止を余儀なくされた場合でも迅速に機能回復を可能とするための、ハード及びソフト面での対策が必要となる。このような状況を踏まえ、以下の問に答えよ。

(1)技術者の立場で水害に対し上下水道施設に共通する重要課題を多面的な観点から3つの課題を抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、その課題の内容を示せ。(2)前問(1)で抽出した課題のうち最も重要と考えられる課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の対策を示せ。

(3)前問(2)で示したすべての解決策を実行して新たに生じる課題とそれへの対策について、専門技術を踏まえた考え方を示せ。

(4)前問(1)~(3)の業務遂行において必要な要件を、技術者としての倫理、社会の持続可能性の観点から題意に即して述べよ。

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上記の問題に対して下記のように解答を作成されていました。ほぼ完成段階に近い内容です。
 

(1)上下水道施設の課題とその内容

1)耐水性の強化

河川氾濫での浸水想定の観点から、水害に対する上下水道施設の機能確保するため、耐水性の強化を挙げる。これにより、河川氾濫を想定した浸水深や河川計画にける中高頻度の降雨で想定される浸水深を設定する。電気設備の上階へ移設、防水仕様設備へ変更、建物全体の耐水化を重点区域で適切に進める。また、浄水場等の耐防水壁を設置することで、最小限に抑える。

2)内水氾濫対策

浸水地域の流入量を抑制する観点から、課題は内水氾濫対策を挙げる。東日本台風では、内水氾濫が多く発生し浸水被害を受けて上下水道施設機能停止となる。そのため、雨水を貯留や浸透させる。また、公園や学校等事業連携による雨水貯留浸透促進や保水機能の高い緑農地の確保を図る。河川と連携し、内水氾濫を防ゲートの設置や堤防かさ上げを行う。

3)浸水ハザードマップ作成  

浸水被害の最小化を図る観点から、浸水ハザードマップ作成を挙げる。水害が発生する場所を事前に知ることで被害を最小限に抑える。そのため、想定最大規模降雨153㎜/hに対するハザードマップ作成し被害状況を通達する。住民にルート確認してもらう。

(2)重要と考えられる課題と解決策

1)重要と考えられる課題:内水氾濫対策である。

 

(2)課題「2)内水氾濫対策」の解決策

治水施設の整備

 気候変動で、台風や内水氾濫帯に対応するため、管渠の整備、調整池の新設を行う。これにより、今後の大雨に対応するため、浸水地域における流下能力向上させる。大量の降雨に対応するため、調整池を整備し管渠能力不足を補う。また、河川流下能力を判断し、排水ゲ-トの自動開閉やゲートポンプにより雨水を濃い率的に流下させる。これにより、河川水位が高い場合ゲートを自動で締めて内水被害の発生を抑える。

雨水流出抑制

市街地外は、水田貯留に貯留し農業用水を活用する、市街地は公共施設や民間施設に貯留施設を設置する。これにより、貯留機能で流出を抑制しする。道路に浸透側溝や浸透桝を設置し雨水を地下に浸透させて環境保全を行う。

水防体制

水位の情報収集の提供として、水防災統合情報システムの強化を図る。これにより、市内の観測している降雨量や河川水位情報や注意情報・警報・特別警戒区域をリアルタイムに提供し市民の安全を守る。水門や調整池等の画像もリアルタイムに見えることで、内水氾濫に対する危険度がわかりやすくなる。

(3)新たに生じる課題とその対策

1)新たに生じる課題

 気候変動で、降雨が長期化し雨水の排水先である河川水位が高く、雨水排除されないままで時間を要する。河川の流下能力不足対策が必要となる。

2)対策

既存水路活用

 既存水路等を有効活用し、浸水被害に重要度に応じて、治水整備する。これにより、既設水路を有効活用し、雨水の流下能力向上を図り、浸水の低減を行う。

ポンプ場の整備

水路にポンプ場を整備し、ポンプ圧送により浸水解消する。これにより、浸水箇所の湛水を効率的に解消する。また自動監視することで遠隔操作可能となる。

ネットワーク化

管渠をネットワーク化し、流下能力不足を解消し浸水を抑制する。雨水管渠の流下能力不足を解消するため、雨水管全体で雨水を抑制し河川に流下させる。

4技術者倫理と社会の持続可能性

1)技術者倫理

技術者倫理を高めるために、貯留施設は災害を考慮し二段施設で上段を公園とし耐震を提案する。

このようなプロジェクトの変更は技術士が提案してできることではありません。業務上で工夫してできることはありませんか。

2)社会の持続可能性

在故障中や使用しないポンプ場やゲートなど洗い出し浸水時の稼働の管理法を設定でコストの低減を図

これは問2の業務と関係ない事項です。問1~3の提案と無関係なことは、ここでの解答になりません。

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問4で書くべき「技術者倫理と社会の持続可能性の要件」についてこれではわかりませんので、具体的にAIテクニカルコーチングで指導しました。

まず、「解決策について技術士倫理を高める工夫」はこのようになります。問4に書いた解決策毎に内容を考えました。


治水施設の整備

先進的なモニタリング技術と透明性の確保

  • IoTやセンサー技術を駆使し、リアルタイムで水位や流量のデータを収集するシステムを導入する。このデータを市民や関係者と共有し、透明性を確保することで、信頼性の高い情報提供を通じて地域社会の信頼を得ることを目指す。
  • 技術士倫理綱領: 3条「誠実さ」及び「透明性の確保」

デジタルツインと持続可能性の考慮

  • 実際の治水施設を仮想環境で再現するデジタルツイン技術を活用し、様々な気象条件下での対応策を事前に検証する。この技術を用いて環境への影響を最小限に抑えた設計や運用を実現し、持続可能な社会を目指す。
  • 技術士倫理綱領: 2条「持続可能な発展への貢献」

雨水流出抑制

グリーンインフラの推進と地域住民の参加促進

  • 緑地や都市農地を活用し、自然の保水・浸透機能を高める。具体的には雨水ガーデンや透水性舗装の導入を進める。この取り組みに地域住民の意見を反映させ、共に環境改善に取り組むことで、地域社会との一体感を醸成する。
  • 技術士倫理綱領: 4条「社会との調和」及び「地域社会への貢献」

雨水利用システムの開発とエデュケーションの強化

  • 雨水を貯留し、再利用するシステムを公共施設や民間施設に導入する。例として、トイレの洗浄水や庭の散水に活用するシステムを提案する。また、雨水の利用や浸透の重要性について市民への教育や啓発活動を積極的に行い、地域全体の意識向上を図る。
  • 技術士倫理綱領: 1条「公共の利益の追求」及び「知識の共有」

水防体制

AI予測モデルの活用と公平な情報提供

  • 気象データを基にAIが洪水リスクを予測し、事前に対応策を講じるシステムを開発する。このシステムにより提供される災害情報は、すべての住民に対して公平に伝わるように配慮し、災害時の不公平をなくす。
  • 技術士倫理綱領: 5条「公平性の確保」

コミュニティベースのアラートシステムと連携強化

  • 地域住民が即座に情報を受け取れるアラートシステムを構築し、緊急時の対応を迅速化する。このシステムを通じて地元自治体、住民、企業と連携し、水防体制の強化を図るためのワークショップや訓練を定期的に実施し、地域全体の防災意識を高める。
  • 技術士倫理綱領: 4条「社会との調和」及び「地域社会への貢献」

 

次に「解決策について社会の持続可能性を高める工夫」についても考えてみました。

治水施設の整備

先進的なモニタリング技術と透明性の確保

  • 独自の創意工夫と社会の持続可能性の向上: IoTやセンサー技術を駆使し、リアルタイムで水位や流量のデータを収集するシステムを導入し、そのデータを地域住民や関係者と共有するためのオンラインプラットフォームを構築する。市民からのフィードバックを収集し、システムの改善に役立てることで、透明性を確保し、信頼性の高い情報提供を通じて地域社会の信頼を得ることを目指す。地域住民と協力して情報を共有し、信頼関係を築くことで、持続可能な災害対応を実現する。
  • SDGs目標: 目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」、目標11「住み続けられるまちづくりを」

デジタルツインと持続可能性の考慮

  • 独自の創意工夫と社会の持続可能性の向上: 実際の治水施設を仮想環境で再現するデジタルツイン技術を活用し、災害シナリオごとのシミュレーションを実施。その結果を住民説明会で共有し、住民からの意見を反映させた治水計画を策定する。持続可能な社会のために、地域住民との協力を強化し、環境への影響を最小限に抑えた計画を実現する。
  • SDGs目標: 目標11「住み続けられるまちづくりを」、目標13「気候変動に具体的な対策を」

雨水流出抑制

グリーンインフラの推進と地域住民の参加促進

  • 独自の創意工夫と社会の持続可能性の向上: 雨水ガーデンや透水性舗装の導入を市民と共同で行い、ワークショップや実地研修を通じて住民の理解と参加を促進する。学校や公共施設での実践活動を通じて、地域全体で取り組む体制を構築し、地域全体での環境改善活動を通じて、持続可能な都市づくりを推進する。
  • SDGs目標: 目標6「安全な水とトイレを世界中に」、目標11「住み続けられるまちづくりを」

雨水利用システムの開発とエデュケーションの強化

  • 独自の創意工夫と社会の持続可能性の向上: 雨水利用システムの普及を目指し、地域イベントや学校教育での実演・説明を行い、住民の意識向上を図る。さらに、地域内の企業と協力して雨水利用の成功事例を紹介し、広範な導入を促進する。地域全体での環境改善活動を通じて、持続可能な都市づくりを推進する。
  • SDGs目標: 目標6「安全な水とトイレを世界中に」、目標11「住み続けられるまちづくりを」

水防体制

AI予測モデルの活用と公平な情報提供

  • 独自の創意工夫と社会の持続可能性の向上: 気象データを基にAIが洪水リスクを予測し、事前に対応策を講じるシステムを開発する。このシステムにより提供される災害情報を、すべての住民に対して公平に伝えるためのオンラインプラットフォームを構築する。地域住民と協力して情報を共有し、信頼関係を築くことで、持続可能な災害対応を実現する。
  • SDGs目標: 目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」、目標11「住み続けられるまちづくりを」

コミュニティベースのアラートシステムと連携強化

  • 独自の創意工夫と社会の持続可能性の向上: 地域住民が即座に情報を受け取れるアラートシステムを構築し、緊急時の対応を迅速化する。このシステムを通じて地元自治体、住民、企業と連携し、水防体制の強化を図るためのワークショップや訓練を定期的に実施し、地域全体の防災意識を高める。
  • SDGs目標: 目標11「住み続けられるまちづくりを」、目標13「気候変動に具体的な対策を」

 

​ これらの一体化した取り組みにより、技術的な進歩と倫理的な責任感を両立させることができ、地域社会に対する技術者としての貢献を深めることができます。そうした提案をすることで技術士としての資質能力をアピールできます。

 

機械部門、材料・信頼性、R5 -2-2問題

曖昧な問題もこれで解決!AIが導く技術士試験対策

問題文

使用による劣化や損傷が各所に見られ,安全上の懸念が高まっている。そこで,改修工事を順次計画的に実施することとなった。限られた財源の中で優先順位を付け,効率的かつ効果的な工事を進めることが必要である。あなたが本工事の計画担当責任者として業務を進めるに当たり,下記の内容について記述せよ。

なお,特定の設備や個別の機器や部品に限定せず,一般論として解答すること。

( 1 )当該計画立案に向けて,設備の材料強度・信頼性技術の観点から,主として調査, 検討すべき事項と内容を説明せよ。

( 2 )業務を進める手順を列挙し,それぞれの項目ごとに留意すべき点,工夫を要する点を述べよ。

( 3 )業務を効率的,効果的に進めるための関係者との調整方法について述べよ。

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 このような曖昧系の問題は難解なので、受講者様も残念ながら答案にまだ有効な答えの要素が書かれていないようです。問題文の趣旨が読み取れていないために、何を述べてよいのかとっかかりがつかめていないという感じです。

そこで出題趣旨を考えるよう、次のようなヒントを提供しました。

 

「長年使用している工場生産設備において,定期的な点検や補修は行われていたものの,経年使用による劣化や損傷が各所に見られ,安全上の懸念が高まっている。そこで,改修工事を順次計画的に実施することとなった。」

この「長年使用している工場生産設備において,定期的な点検や補修は行われていたものの,経年使用による劣化や損傷が各所に見られ,安全上の懸念が高まっている。」からわかる事、推論できることは何か。それがわからないと問題が解けません。

 

推論できる点は以下の通りです。

  1. 定期的な保守の実施: 工場生産設備には定期的な点検や補修が行われていたことから、基本的な保守管理はされていたと推測できます。これにより、明らかな障害や故障には対処していたと考えられます。
  2. 経年劣化の影響: しかし、設備が長期間にわたって使用されていたため、経年劣化や磨耗などによる損傷が生じています。これは定期的な点検や補修だけでは対応しきれない深刻な劣化や隠れた損傷があることを示唆しています。
  3. 安全上の懸念の増加: 劣化や損傷が進行していることにより、設備の安全性に対するリスクが高まっていると推論されます。これには、設備の構造的な強度の低下や予期せぬ故障の可能性が含まれます。
  4. 計画的な改修工事の必要性: 問題文から、現在の状態を改善し、さらなるリスクを防ぐためには、計画的な改修工事が必要であると推論できます。これは、劣化した部分の修理や更新だけでなく、全体的な安全性の向上を図るための措置が含まれる可能性があります。
  5. 資源の有効活用: 改修工事を効率的かつ効果的に進めるためには、限られた資源(財源や時間など)の中で、最もリスクが高いと判断される部分から優先的に対応する必要があると考えられます。

これらの点から、技術士としては、設備の安全性を確保しながらもコスト効率的に改修を計画するための詳細なリスク評価と優先順位付けが求められるという課題が明らかになります。これが問題を解くヒントです。

 

次に「特定の設備や個別の機器や部品に限定せず,一般論として解答すること」とはどういう意味か。なぜこんなことを言うのですか。ここから推論される出題者の趣旨は何ですか。

「特定の設備や個別の機器や部品に限定せず、一般論として解答すること」という指示は、出題者が受験者に対して、個別のケーススタディや具体的な例に基づく回答ではなく、より広い範囲で適用可能な原則や理論に基づいた回答を求めていることを意味します。このような指示が与えられる理由と出題者の趣旨は以下の通りです。

  1. 普遍的な知識と原則の理解を確認するため: 出題者は受験者が特定の設備やシナリオに限らず、広く一般的な状況で適用できる材料強度や信頼性技術に関する知識を有しているかを評価したいと考えています。これにより、受験者が異なる状況や未知の問題に遭遇した際にも適切な判断ができるかどうかを見極めることができます。
  2. 抽象的な思考能力の評価: 特定の例や詳細に囚われずに一般論で回答する能力を求めることにより、出題者は受験者の抽象的な思考や概念化の能力を評価します。これは技術士として必要なスキルであり、多様な状況や問題に対して柔軟かつ創造的に対応できる能力を見極めることが目的です。
  3. 広い範囲の問題解決能力の確認: 一般論をもって問題解決のアプローチを説明することは、受験者が学んだ原則を異なる種類の設備や状況に適用できる能力を持っているかを確認するために重要です。これにより、受験者が特定の知識だけでなく、広範な工学的問題に対して効果的に取り組むことができるかどうかを評価します。

以上の点から、出題者は受験者の広い理解と応用能力を測ることを目的としていると推測できます。

これは、技術士としての資質を多角的に評価するための試験法です。

 

では以上のまとめとして、推論から考えられる問1の答えは何かです。

当該計画立案に向けて,設備の材料強度・信頼性技術の観点から,調査, 検討すべき事項は。

 

工場生産設備の改修工事計画を立てる際には、設備の材料強度と信頼性技術を中心に以下のステップで進めることが望ましいです。

  1. 設備の現状評価:
    • 全体的な検査と評価: まず、設備の全体的な状態を把握するために、定期的な点検記録をレビューし、さらに詳細な検査を行います。特に、劣化が顕著な部分や安全上のリスクが高いエリアを特定します。
    • 非破壊検査: 設備の内部損傷や隠れた欠陥を検出するために、超音波検査、放射線検査、磁気探傷検査などの非破壊検査技術を利用します。
  2. 劣化メカニズムの特定:
    • 材料科学の専門知識の活用: 劣化の原因とメカニズムを明らかにするために、化学反応、腐食、疲労、摩耗などの材料の劣化過程を分析します。
    • 環境因子の考慮: 周囲の環境が設備の劣化にどのように影響しているかを評価します。例えば、高温多湿や塩害などの条件が影響している場合があります。
  3. リスク評価:
    • リスクベースの評価: 劣化が安全性や生産性に及ぼす影響を考慮し、リスク評価を行います。最もリスクが高い設備から優先的に修理や交換を行う計画を立てます。
    • 将来のリスク予測: 現在の状態を基に、将来的な劣化の進行とその影響を予測し、予防保全の計画を策定します。
  4. 改修計画の策定:
    • 優先順位の決定: 劣化の程度、安全上の重要性、生産への影響を考慮し、限られた予算内で最大の効果を得られるように改修対象を選定します。
    • 工事計画の詳細化: 改修工事のスケジュール、必要な資材、技術的な要求事項、安全対策などを詳細に計画します。
  5. 継続的なモニタリングと評価:
    • 改修後の定期的な検査と評価: 改修工事後も定期的な検査を続け、新たな問題が発生していないかを監視します。
    • フィードバックの活用: 改修工事の成果と問題点を分析し、次回の改修計画にフィードバックを反映させます。

 講座の指導としては、これをもとに問1の答えを3つ挙げることをお願いしました。

解答は「○○を調査し、○○を検討する。」という文で解答を書くようにとしています。

問1の参考解としては次のようなものが考えられます。

1.        設備の全体的な状態を詳細に調査し、特に劣化が顕著な部分や安全上のリスクが高いエリアを特定するための検査方法と評価基準を検討する。これには、既存の点検記録のレビューと追加の詳細検査の実施が含まれる。

2.        非破壊検査技術を利用して設備の内部損傷や隠れた欠陥を調査し、これらの検査結果から得られるデータを用いて設備の構造的健全性と信頼性を検討する。使用する非破壊検査技術には、超音波検査、放射線検査、磁気探傷検査などがあり、それぞれの適用性と効果を評価する。

3.        設備の劣化メカニズムを特定し、その原因となる材料科学的過程(化学反応、腐食、疲労、摩耗など)と環境因子(高温多湿、塩害など)の影響を調査し、これらの因子が設備の信頼性にどのように作用しているかを検討する。この分析から、劣化の進行を遅らせるための改善策や予防措置を提案する。

材料強度と信頼性技術の観点からのアプローチを具体的に説明し、調査と検討の内容を明確に区分し、技術士としての問題解析と対策提案の能力を示すことです。

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 そして問2の手順としては、このようなことが答えと考えられます。

設備の改修工事計画を策定する際には、材料強度と信頼性技術の観点から以下の手順を踏んで進めることが効率的です。それぞれのステップで留意すべき点や工夫を要する点についても詳述します。

  1. 設備の全体的な状態評価とリスクアセスメント:
    • 留意点: 劣化や損傷の程度を正確に把握するため、視覚的検査だけでなく、非破壊検査技術(例:超音波検査、放射線検査)を活用することが重要です。
    • 工夫: 既存の点検データと比較分析を行うことで、劣化の進行速度やパターンを把握し、将来的なリスクを評価します。
  2. 劣化メカニズムの特定と解析:
    • 留意点: 材料の種類と環境条件(温度、湿度、化学的曝露等)を考慮し、劣化メカニズムを科学的に解析する必要があります。
    • 工夫: 材料科学の専門家と協力し、最新の研究やケーススタディを参照することで、より深い洞察を得ることができます。
  3. 優先順位の設定と改修計画の策定:
    • 留意点: 安全上のリスクが最も高い領域から優先的に改修を行うことが基本ですが、生産活動への影響も考慮する必要があります。
    • 工夫: リスクマトリックスを用いて、劣化の程度とその影響の両方を評価し、経済的な観点からも最適な改修計画を立てます。
  4. 改修工事の実施:
    • 留意点: 改修工事中の安全対策や、生産への影響を最小限に抑えるための工程管理が必要です。
    • 工夫: 段階的に工事を進め、必要に応じて一時的な補強措置を講じながら、常に設備の運用状況をモニタリングします。
  5. 継続的なモニタリングとフィードバック:
    • 留意点: 改修後も設備の状態を定期的に監視し、新たな劣化の兆候が見られた場合に迅速に対応できる体制を整える必要があります。
    • 工夫: IoT技術を利用してリアルタイムで設備のデータを収集・分析し、問題が発生した際には速やかに通知が行くシステムを導入することが効果的です。

 以上のプロセス(手続き)を通じて、設備の安全性と機能性を確保し、(出題者が求める)限られた資源の中で最大限の効果を得ることができます。

 

これをもとに問2を考えることをお願いしました。。

解決策や手順と言うと、ネット上にお手本があってそれを真似ることが多いようです。

非破壊検査やスケジュール見直し、新技術ありきの答えではいけません。

そうではなく、何のために何をするかを明確に意識して書くように指示しています。

 2の参考解としては次のようなものが考えられます。あくまでも例です。

手順 1: 高度な非破壊検査の導入とデータ活用

内容: 設備の損傷や劣化程度を評価するため、超音波探傷検査やデジタル放射線探傷検査を行います。これらの技術を使用して、内部の微細な亀裂や腐食を検出し、設備の構造的完整性を評価します。

技術応用: 超音波探傷ではフェーズドアレイ技術を用いて、検査の速度と精度を向上させます。デジタル放射線検査では、画像のデジタル処理と解析により、従来のフィルム方式よりも詳細な情報を得られるため、より具体的な劣化状態の評価が可能になります。

手順 2: 環境因子に基づく劣化メカニズムの解析

内容: 設備が置かれている具体的な環境条件(温度、湿度、化学的曝露)を精密に分析し、それらが材料の劣化にどのように影響しているかを調査します。

技術応用: 熱サイクル試験や塩霧試験を実施し、特定の環境条件下での材料の劣化挙動を模擬します。これにより、特定の劣化メカニズム(如何に応力腐食割れが進行するか)を明確にし、それに対する最適な保護コーティングや材料選定を行います。

手順 3: 効果的な改修手法の選定とリソース配分

内容: 非破壊検査と環境因子分析の結果を基に、具体的な改修手法(溶接補修、材料交換、表面処理の改善)を選定し、必要な人員と材料を効果的に配分します。

技術応用: レーザークラッディング技術を導入して表面の耐摩耗性を向上させることで、劣化が激しい部分の寿命を延長します。また、設計の改善を通じて、ストレス集中を減少させることで将来の損傷リスクを最小限に抑えます。

手順 4: 改修後の機能回復と予防保守計画

内容: 改修作業後、設備の性能を定量的に評価し、機能が完全に回復したことを確認します。その後、予防保守計画を立て、定期的な検査と保守を行うことで再劣化を防ぎます。

技術応用: 改修作業後には、動的負荷試験と性能評価試験を実施して、設備の機能回復を確認します。また、センサーを設備に統合して継続的なモニタリングを行い、異常が発生した初期段階で対応できるようにします。これにより、設備の信頼性と安全性を維持し、長期的な運用コストを削減します。

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3は難解ですので、ナレッジや模範解答も見て考えるように指導しています。

テキストにもこの対策を説明してあります。

会議や資料作成など、当たり前の事務的な答えになりがちですが、それでは技術士の答えになりません。

建設部門、鋼構造コンクリート、R5 Ⅱ-2-2問題

問題文

老朽化した地上構造物の健全度を評価するに当たり、点検困難部の損傷程度を推定することになった。ここで、点検困難部とは、接近し肉眼で点検出来ない狭隘部(足場を設置すれば損傷を直接目視できるなど容易に点検できる箇所や部材を除く)や直接目視では損傷を点検出来ない密閉部、表面被覆された部材などの不可視部をいう。この業務を担当責任者として進めるにあたり、下記の内容について記述せよ。

1)点検困難部の具体事例と想定される損傷を挙げ、その損傷程度を推定し、地上構造物の健全性を

評価するために調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。

2)業務を進める手順を列挙して、それぞれの項目毎に留意すべき点、工夫を要する点を述べよ。

3)業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。

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この問題の回答として、まず問1について次のように書かれる方がいらっしゃいます。

 

1.調査検討事項

1)事例と損傷

・表面被覆されたRC床版、被覆材の剥離

2)調査と検討

 ・欠陥部は周囲と異なる温度特性をもつため赤外線サーモグラフィーで調査し温度分布から内部の不均一性を検討する

 ・負の電位は腐食リスクが高いため自然電位法で鉄筋の腐食状態を検討する

 ・鉄筋配置把握のため電磁波探査で調査し腐食を考慮した応力状態を検討する。

 

 しかし、「表面被覆されたRC床版」では点検困難部のことであって前提条件にすぎません。ここで書くべきことは以下の項で解答する対象となる「老朽化した地上構造物」であり、具体的に宣言するのです。本研究所では、業績論文作成指導段階でこの受講生様の業務経歴を分析しております。その業務経歴チェックシートをもとに、

業務内容をAIで分析して、候補を挙げてみると、次のように指導できました。

 

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講師による指導: 業務経歴チェックシートで拝見したご経験を踏まえて、点検困難部の具体事例として挙げられる候補と想定される損傷、そしてその損傷程度を推定し、地上構造物の健全性を評価するために調査・検討すべき事項は以下の通りです。

1. 塩分調整堰の堰下部

  • 具体事例: ○○川塩分調整堰のような水門下部
  • 想定される損傷: 塩害による腐食、コンクリートの劣化やひび割れ
  • 調査・検討すべき事項: 塩分濃度の測定、コンクリートの圧縮強度試験、ひび割れの深さと広がりの調査、腐食抑制方法の検討

2. 非合成箱桁橋の床版

  • 具体事例: ○○道○○大橋のようなRC床版
  • 想定される損傷: 床版のひび割れ、浸水による鉄筋の腐食、コンクリートの剥離
  • 調査・検討すべき事項: 浸水範囲の調査、鉄筋の腐食状態の評価、ひび割れのマッピング、防水システムの再設計

3. PCaRC床版を用いた橋梁の上面取替工法

  • 具体事例: 一般○○道○○橋修繕設計におけるPCaRC床版
  • 想定される損傷: 接着不良による層間剥離、PCaRC床版の亀裂、耐荷重性の低下
  • 調査・検討すべき事項: 接着剤の劣化調査、床版内部の非破壊検査による亀裂の検出、荷重試験による耐荷重性能の評価、補修・補強方法の検討

 

 これらの具体事例における損傷程度の推定と健全性評価には、最新の非破壊検査技術や材料科学の知識が必要となります。特に、以下の点が重要です:

非破壊検査技術の活用: 超音波検査、電磁波レーダー検査、赤外線サーモグラフィーなどを用いて、内部損傷や亀裂、腐食の程度を正確に把握します。

材料試験: コンクリートや鉄筋のサンプルを採取し、圧縮強度、引張強度、腐食抵抗性などの材料特性を評価します。

環境条件の評価: 構造物が置かれている環境条件(塩分濃度、湿度、温度変化など)を考慮し、それらが損傷に及ぼす影響を評価します。

 

寿命予測と維持管理計画: 現状の損傷程度と材料特性、環境条件から、構造物の残余寿命を予測し、適切な維持管理計画を策定します。

 これらの調査・検討を通じて、構造物の健全性を維持し、安全性を確保するための具体的な対策を講じることが可能になります。

---------------------------------------------

  このように当研究所では、技術士講座において、AIコア・テクニカルコーチングを駆使した指導法を採用しています。このアプローチは、受講生の個々の業務経歴や問題解決能力を深く理解し、それに基づいたカスタマイズされた指導を提供することに焦点を当てています。例えば、上記では問題文に示されたように、老朽化した地上構造物の健全度評価における点検困難部の損傷程度推定は、高度な技術と専門知識を要する課題です。受講生がこのような複雑な課題に取り組む際、私たちはAIを活用して個人の業務経歴や過去の業績を分析し、最も関連性の高い学習材料や研究事例を提供します。

この指導法のアピールポイントは、以下の通りです:

  1. 個別化された学習経験AI分析により、受講生の過去の経験や知識レベルに合わせた指導が可能になります。これにより、受講生は自分のペースで学習を進めることができ、より深い理解と知識の習得が期待できます。
  2. 実践的な問題解決スキルの強化:具体的な業務経歴に基づいた問題設定を通じて、受講生は実際の業務で直面する可能性のある複雑な問題に取り組むことができます。これは、理論だけでなく、実践的なスキルの向上にも寄与します。
  3. 最新技術の活用:非破壊検査技術や材料科学の最新知識を取り入れた指導を行います。これにより、受講生は常に最先端の技術動向を学ぶことができ、専門性の高い技術者としての競争力を保つことが可能です。

一般的に、AIコアコーチングを用いた当研究所の指導法は、受講生一人ひとりのニーズに合わせたカスタマイズが可能です。これは、受講生が直面する可能性のある様々な技術的課題に対して、最適な学習パスを提供することを意味します。私たちの目標は、受講生が自身のキャリアで直面する実際の問題を解決するための知識とスキルを身につけることを支援することです。

 

このように、AIコア・テクニカルコーチングを通じて、私たちは受講生の皆様が技術士としての専門性を高め、より高い業績を達成するためのサポートを提供しています。

機械部門、機構ダイナミクス・制御、R5Ⅱ-2-2問題

問題文

地球環境保護や温暖化防止を目指して、エネルギー消費量の抑制・削減のため、「エネルギーの使用の合理化等に関する法律」(いわゆる省エネ法)が制定され、さらに、エネルギー消費効率の向上と普及促進を目的として、「トップランナー方式」が導入されている。あなたは「トップランナー方式」に則り、省エネモータを選定し、既存設備の三相モータを省エネモータにリプレースする業務の推進責任者として、以下の内容について記述べよ。

(1)     リプレース対象となる三相モータを具備する具体的な既存設備を示し、その既存の三相モータの省エネモータへのリプレースを行うに当たって、購入する省エネモータの特性の観点で調査、検討すべき事項を3つ挙げ、その内容について説明せよ。

(2)     省エネモータへのリプレースの業務を進める手順を列挙して、その業務で留意すべき点、工夫を要する点を述べよ。

この業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方法について述べよ。

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この問題の考え方、解説

「トップランナー方式」とは、日本の省エネルギー政策の一環で、エネルギー消費効率が最も高い製品や技術を「トップランナー」と定め、その性能を基準として他の製品もそれに追いつくよう促す方式です。この方式により、市場全体のエネルギー効率が向上し、地球環境保護や温暖化防止に貢献することが期待されています。

機械部門の技術士として、省エネモータを選定し、既存設備の三相モータを省エネモータにリプレースする業務を担当する場合、以下の点を考慮すると良いでしょう:

AIコア・テクニカルコーチングでは、どのように解くかという、解答の着目点(課題)を具体的に提案しています。↓

  1. エネルギー消費効率の評価: トップランナー方式に則って省エネモータを選定する際は、単に省エネルギー性だけでなく、現在市場に出ている中で最も効率の高いモデルを基準にすることが重要です。そのため、最新のエネルギー消費効率データや技術の進展を常に把握し、それに基づいて選定を行う必要があります。

  2. 性能と経済性のバランス: 省エネルギー性能が高いモータほど初期コストが高い場合があります。したがって、性能だけでなく、コストパフォーマンスも考慮し、長期的な運用コスト(電力消費量やメンテナンスコストなど)を含めた総合的な評価が必要です。

  3. 適合性と互換性: 既存の設備にリプレースする場合、新しいモータが既存のシステムや機械に適合するかどうか、物理的なサイズや接続規格、操作性などを検討する必要があります。

  4. 法規制と基準の理解: 省エネ法や関連する規制、基準に精通し、それらを遵守する製品選定が求められます。

  5. 市場動向の把握: トップランナー製品は時とともに変化します。市場の最新動向や技術開発の趨勢を把握し、それを選定基準に反映させることが大切です。

トップランナー方式に則って選定する場合と、普通に省エネモータを選定する場合の主な違いは、その基準の厳密さと先進性にあります。トップランナー方式では、常に市場の最前線を走る製品を基準にするため、より高いエネルギー効率と技術革新が求められます。これにより、単に省エネ性能が良い製品を選ぶよりも、より大きな環境負荷の削減が期待できるでしょう。

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問1の解答について考える

機械部門、機構・ダイナミクス制御の技術士としてトップランナー方式に則り、例えばポンプ用の三相モータを省エネモータにリプレースする業務を想定して、これを推進する際には、以下の技術的な要素を検討する必要があります:

AIコア・テクニカルコーチングでは、このような「調査、検討事項」を具体的に受講者の解答に即して提案しています。↓

  1. 負荷特性への適合: ポンプの稼働パターン(連続運転、断続運転)に合わせて、瞬間的な高負荷や低負荷時の効率を考慮したモータの選定。

  2. 変速運転の適用: ポンプの要求に応じて、変速運転が必要な場合、適切な変速ドライブ(VFD)を検討。VFDの使用による電気的ハーモニクスやトルク管理の調整が必要。

  3. 制御システムとの連携: ポンプの制御システムと省エネモータの互換性を確保し、システム全体の効率的な運用を図る。

  4. エネルギー効率の最適化: トップランナー方式に基づく最新のエネルギー効率基準を満たすか、それを上回るモータの選定。

  5. 全体システムの効率評価: モータ単体の効率だけでなく、ポンプシステム全体のエネルギー効率を考慮する。

これらの要素を総合的に検討し、適切な省エネモータを選定することが、トップランナー方式に則った効率的かつ環境に優しいシステムの実現につながります。

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問2の考え方

工場におけるポンプ用三相モータを省エネモータにリプレースするための必須手順は、以下のようになります:

AIコア・テクニカルコーチング指導では、問2「手順」についても、問1の流れ、受講者の経験に即して、具体的に答案作成のヒントとして提案しています。↓

  1. 詳細な市場調査: トップランナー方式に準拠する省エネモータの選択肢を特定します。これには、最新のエネルギー効率基準を満たす製品の特定、製品の技術仕様の比較、およびサプライヤーからの見積もりの取得が含まれます。

  2. 技術的適合性の評価: 選定した省エネモータが既存のポンプシステムに技術的に適合するかを評価します。これには、モーターのサイズ、出力、速度範囲、および電気的特性の確認が含まれます。

  3. 変速運転の対応検討: ポンプの運用パターンに基づき、変速ドライブ(VFD)の適用可能性を検討します。これには、VFDとモーターの互換性、必要な制御機能、および設置スペースの確認が含まれます。

  4. コスト・効果分析の実施: 省エネモータの導入によるコスト削減効果と投資回収期間(ROI)を計算し、経済的な正当性を確認します。

  5. 安全規制と標準の確認: 新しいモータが適用される安全基準、規制、および工場の運用基準を満たしていることを確認します。

  6. 設置と試運転の計画: モータの交換作業の詳細計画を策定し、必要なリソース、時間枠、安全対策を定義します。また、新しいモーターの設置後の試運転とパフォーマンス検証の計画も含めます。

これらの手順に従って、省エネモータの選定から設置、試運転に至るまでのプロセスを効率的かつ効果的に管理することができます。

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問3の考え方

既存設備の三相モータを省エネモータにリプレースする業務の推進責任者として、特にこの現場に特化した効率的かつ効果的な進行方法に焦点を当てて以下の対策を講じると良いでしょう。:

AIコア・テクニカルコーチング指導では、難解な「調整」について受講者の解答内容に即して具体的に提案しています。↓

 

  1. 具体的な技術的適合性の評価: 既存のポンプと予定されている省エネモータの間の具体的な物理的および電気的な互換性を詳細に評価し、必要な改修工事や追加設備について技術チームと綿密に計画を立てます。

  2. 運転特性変更に伴う問題の特定と対策: 新しいモータの運転特性が既存のポンプシステムにどのように影響を与えるかを具体的に分析します。特にキャビテーションやウォーターハンマーのリスクを評価し、流量調整や圧力調整などの具体的な対策を立てます。

  3. 変速運転への対応の具体化: 変速運転の実装を検討する際には、モータとVFDの間の具体的な技術的適合性を確認し、変速運転がもたらす省エネ効果とシステムへの影響を詳細に評価します。

  4. 作業の段階的実施と人員の適切な配置: リプレース作業を段階的に実施し、各段階で必要な技術者や作業者を適切に配置します。特に、設置作業における予期せぬ遅延を避けるため、十分な人員と資源を確保します。

  5. スタッフの特定技術トレーニング: 新しいモータの操作やメンテナンスに関連する具体的なトレーニングプログラムを実施し、作業者が新しいシステムに習熟できるようにします。

これらの措置を通じて、具体的な技術的課題に対処し、プロジェクトを効率的かつ効果的に進めることができます。また、これらの対策を関係者と共有し、積極的なコミュニケーションを行うことで、プロジェクトの進行における理解と支持を得ることが可能です。

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機械部門、材料強度信頼性、R5Ⅲ-2問題

問題文

近年、幅広い製品分野において高性能化、高機能化の要望が高くなっている。例えば、自動車や航空機といった輸送機器などでは、機械的強度を向上しつつ軽量化するといった、設計上相反する仕様が求められている。これらの仕様を満たすため、最適化設計を活用した製品開発が進められている。

(1)具体的な機器、又は製品を想定して、最適化設計を行ううえでの課題を多面的な観点から3つ抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、その課題の内容を示せ。

(2)全問(1)で抽出した課題のうち、材料強度・信頼性の分野において最も重要と考える課題を一つ挙げ、その課題に対する解決策を3つ示せ。

(3)全問(2)で提示したすべての解決策を実行して生じる波及効果と専門技術を踏まえた懸念事項への対応策を示せ。

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この問題の考え方、解説

最適化設計における複合的な課題と解決策を考える際、例として航空機の設計を挙げてみましょう。航空機設計では、高い安全性、効率、およびコスト管理が求められます。これらの要素を最適化するためには、次のような課題が存在します。

AIコア・テクニカルコーチングでは、どのように解くかという、解答の着目点(解答方針)を具体的に提案しています。↓

 

課題と解決策について

  1. 課題: 軽量化と強度のバランス

    • 解決策: 新しい材料技術の採用。例えば、カーボンファイバーやアルミニウムリチウム合金などの高強度かつ軽量な材料を使用する。これらの材料は航空機の重量を減らしつつ、必要な強度を提供します。
  2. 課題: 燃費の最適化

    • 解決策: エアロダイナミクスの改善と先進的なエンジン技術の導入。流体力学に基づく設計の最適化や、より効率的なターボファンエンジンの使用が燃費を改善します。
  3. 課題: コスト管理と製造の複雑さ

    • 解決策: 統合設計とモジュラー化。製造プロセスを簡素化し、コストを削減するために、モジュラー設計を採用し、部品の標準化や共有化を進めます。

 

波及効果と専門技術を踏まえた懸念事項への対応策

  • 波及効果:

    • 環境への影響が減少する(燃料消費の削減によりCO2排出量が減少)。
    • 長期的な運用コストの削減。
    • 航空業界における競争力の向上。
  • 懸念事項と対応策:

    • 新材料や新技術の安全性に関する懸念:徹底した試験と認証プロセスを通じて安全性を確保する。
    • 設計変更に伴うコスト増:効率的な設計とプロトタイピングにより、初期段階でのコスト増を抑制する。
    • 長期的なメンテナンスとサポートの課題:モジュラー設計によりメンテナンスの容易さを確保し、長期的なサポート体制を整える。

 

機械部門材料強度信頼性技術士としての考え方

機械部門材料強度信頼性技術士としては、設計の最適化において、安全性、性能、コストのバランスを常に考慮する必要があります。新しい材料や技術を採用する際は、それらが長期的にどのような影響を及ぼすかを慎重に評価することが重要です。また、持続可能な設計という観点から、環境への影響も重要な要素となります。これらの課題に対処するためには、継続的な研究と開発、厳密なテスト、そして業界標準や規制に準拠することが求められます。

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東京都中央区日本橋中洲2-3 サンヴェール日本橋水天宮605

営業時間

10:00~17:00

定休日

不定期