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コーチングは、技術者としての未知の能力の可能性を開きます。
本研究所の初期の指導では、体験や知識、テクニックを「教え込む」ことが中心でした。今でもこの手の参考書が多数販売されています。「私はこのようにして合格した。だからあなたもこうしなさい」というものです。しかし、この方法は成果が上がりませんでした。即効性はあるものの、限界もあったのです。
そこで試みたのが受講者様の体験を聞き出して、その中の問題点や課題を探り出すという作業です。つまり「教え込む」ことから「コーチング」への転換です。「相手が知らないから教える」という指導から「相手は知っているはずだから、共に考え、それらを引き出す」ようにしたところ、驚くほど指導がうまくいきはじめました。
このことは理にかなっています。本来、経験豊富な技術者の方々は、知識も豊富なはずです。しかしご自身が知っていることを自覚していないことは多いものです。コーチングは、受講者様が自覚していない潜在的な知識やスキルを引き出し、それらを知恵として結びつけていく作業となります。つまり「知っていること」と「新しい情報」を結びつけ、「技術士にふさわしい知見」を作り出す作業が本研究所のコーチング指導なのです。
コーチングとはどのような指導か
コーチングについては、「コーチングの技術」(講談社現代新書)などに、潜在能力を開放して高めることとしてその定義が書かれています。技術者が行うべきコーチングも共通しています。
技術士合格への道研究所が目指すコーチング指導
さて、当研究所が提案するコーチング指導の分かりやすいたとえとして、仕事上の受注者と発注者にたとえることができます。
すなわち、技術士の試験問題は、試験官が受験者の能力を測る手段ですが、実はそこでの問題は実務の分野で発注者がコンサルタントに求めていることそのものなのです。このため、試験に正解することは実務の場で発注者が求める答えを出すことに他なりません。そこで大事になることは、
発注者は何を考えているか
と言うことです。これがわかれば、問題を解くことは驚くほど簡単になります。たいていの試験での敗因は、この発注者思いが解らないために違うことを考えてしまうことに起因しています。
本研究所のコーチング指導
本研究所ではコーチングを科学的手法として取り入れて指導に役立てています。この指導効果は技術士答案の画期的な改善となって表れます。より詳しく説明するため、具体的な技術士指導におけるコーチングのプロセスをご説明しましょう。概ね次のような流れで段階的にコーチングしながら指導を行います。
1. 見識問題対策
選択科目のような見識問題では、おおよそふさわしい答えが決まっています。このため、問題文を分析して、要求していることを体系的に整理していきます。このとき焦点となることは、
この2つに大別されます。
問題ごとにこれらを読みとって、確実に表現していけば良いということです。この製品や物件の品質を左右する因子とは、経験のある技術者なら常識的に考えてわかるものであり、そう難しいものではありません。日常的にやっている業務の中から考えれば良いだけです。
そして、添削においては、書かれたことをチェックするだけでなく、修正を必要とする場合は、
あなたが書いた文章だと試験官は〜と誤って読みとってしまう。試験官が〜と感じるのは〜という箇所が原因である。本来意図する〜と感じさせるには、どのように表現せねばならないか。
というようなたことをご説明していきます。何通りもの説明を行うため、話言葉での説明が欠かせません。これらを口頭でのコーチングで行うわけです。
2.業績対策
一方、申込書や業務経歴書の仕上げでは、技術者としての効果的な業務への対処が求められます。ここで表現のカギとなるのはコンピテンシーの考え方です。コンピテンシーと言うのは成果につながる仕事の能力の指標です。そこで、製品や物件において、
という3つを明らかとしていきます。
ご自身がなにをされてきたかという業績はじっくり業績についてヒアリングしないとわかりません。このため時間をかけて過去の業績ごとに上記のポイントをヒアリングします。具体的には業績をチェックシートに書きだしていただいて、それをもとに話し合います。
そして、添削においては、やはり書かれたことをチェックするだけでなく、修正を必要とする場合は、
ということをご説明していきます。何通りもの説明を行うため、話言葉での説明が欠かせません。これらを口頭でのコーチングで行うわけです。
3.その他学習指導対応
上記のほか技術士試験全般の対策として日常的には次のような手順でコーチングします。
①現状確認
受講者様が抱えている技術士試験準備における問題点を確認し、それに対して受講者様がどう考えているか確認します。そして指導方針を話合います。
②業務上の成果の確認
論文等においては題材として取り上げる物件について、答案として書ける可能性について確認します。まず、成功例をいくつか挙げて、それに対して受講者様がどの程度情報を用意できるのかを確認します。取り上げたいという願望の強さなども考慮します。
③問題点、課題の特定
受講者の業績をヒアリングし、何が問題点かを特定します。じっくりと話を聞いて現状を正確に把握して、その上で問題点を特定します。問題点が特定できたら、その分析を行い課題を特定します。これらの作業は、チェックシートに書きながら進めます。
④対策の検討
問題点を解決する対策です。論文では「どう考えて、どう対策すべきか」を確認します。
⑤技術応用の確認
技術士の務め、専門分野の技術をどのように効果的に応用したかを確認します。技術応用のモデルを体得してもらいます。
⑦評価と展望
現時点での評価と今後の展望について考えます。将来展望の視点のヒントを与え、見解をご自分でまとめていただきます。
まとめ
技術士指導におけるコーチングとは、いわば受講者の「できる」能力を引き出す魔法のプロセスです。そのやり方は一言で言うと次のような手順です。
という流れを生みます。この①〜③の結果として技術者としての可能性を大きく開発することが可能なのです。
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