R1/2019年 建設・道路 Ⅱ−1−4

問題文

   道路土工構造物の点検において、切土法面の崩壊に繋がる変状事例を1つ挙げて、点検時の着目ポイントを2つ述べよ。また、当該変状が切土法面の崩壊に至るメカニズムについて述べよ。

模範解答1   (簡易答案1)    添削履歴2    作成日2019/12/23    建設部門  科目:道路    専門事項 道路設計

1.切土法面の崩壊に繋がる変状事例について

表層崩壊:山の表面をおおっている土層が、厚さ0.5m〜2.0mの浅い部分だけが崩れるものを言う。崩れる土層は一般的に風化残積土が多い。

2.点検時における着目ポイント

1)切土勾配

切土勾配が安定勾配を確保しているかを確認。急勾配になるほど表層崩壊が生じやすい。

2)排水施設

排水施設の損傷有無を確認。排水施設が損傷することにより、切土のり面内の含水比が増え、表層崩壊を誘発させる。

3.切土法面の崩壊に至るメカニズム

降雨によって表層崩壊のメカニズムを以下に示す。

・表層のゆるい土砂に雨水が多量に浸透する。

・過剰な間隙水圧が発生した表層とその下にある不透水層の上面に水みちを作りながら不透水層上面をすべり面として表層崩壊が発生する。 15行325文字

模範解答1   (簡易答案2)    添削履歴5    作成日2020/1/4    建設部門  科目:道路    専門事項 道路設計

1.変状事例 斜面部におけるはらみだし 

切土表面が乾湿を繰返すことにより、切土部の風化が進展して地山の強度が低下する。それと伴に、切土内に膨潤性粘土が存在すると切土法面の背面に対して土圧が長期間作用する。これにより、切土斜面が凸状となるはらみだしが発生する。

2.点検時の着目ポイント 

1)き裂

はらみだしが生じることにより、地山すべりが生じやすくなる。その際に発生するき裂の有無や、地震による重力作用により斜面に発生する開口き裂の有無、谷側斜面が鉛直方向にズレ落ちる段差き裂の有無を確認する。なお、点検時にはき裂の有無だけでなく、き裂部からの雨水浸透を考慮してき裂の発生位置、き裂幅、き裂深さを確認する必要がある。

2)切土勾配

切土勾配が急なほど切土材が下側に流出し、はらみだしが生じやくなる。そのため、切土勾配が道路土工要綱等に記載されている基準値を満足しているかを確認する必要がある。一般的に軟岩の場合は60度、風化の著しい岩では40度、砂利やマサ土、関東ローム等では35度より緩勾配とすることとなっている。

3.はらみだしが切土法面の崩壊に至るメカニズム 

はらみだしが発生することにより、地山のすべりを誘発して上面部や斜面部にき裂が生じやすくなる。雨水等がき裂の開口部から切土内に浸透することにより地山のせん断力が低下する。これにより、切土法面の安全性が低下して斜面崩壊が発生する。   586字

模範解答1   (完成答案)    添削履歴0    作成日2020/1/6    建設部門  科目:道路    専門事項 道路設計

1.切土法面の崩壊に繋がる変状事例について

 変状事例としては、斜面部におけるはらみだしが挙げられる。切土内に膨潤性粘土が存在すると切土法面の背面に対して土圧が長期間作用する。これにより、切土斜面が凸状となるはらみだしが発生する。

2.点検時における着目ポイント

(1)き裂

はらみだしが生じることにより、地山すべりが生じやすくなる。その際に発生するき裂の有無や、地震による重力作用により斜面に発生する開口き裂の有無、谷側斜面が鉛直方向にズレ落ちる段差き裂の有無を確認する。なお、点検時にはき裂の有無だけでなく、き裂の発生位置、き裂幅、き裂深さを確認する。

(2)切土勾配

切土勾配が急なほど切土材が下側に流出し、はらみだしが生じやくなる。そのため、切土勾配が道路土工要綱等に記載されている基準値を満足しているかを確認する必要がある。一般的に軟岩の場合は60度、風化の著しい岩では40度、砂利やマサ土、関東ローム等では35度より緩勾配とすることとなっている。

3.はらみだしが切土法面の崩壊に至るメカニズム 

はらみだしが生じることにより、地山にき裂が生じやすくなる。雨水等がき裂部を通して切土内に浸透することにより地山のせん断力が低下する。これにより、切土法面の安全性が低下して斜面崩壊が発生する。

解説

(1)問題趣旨に対する考え方、取り組み方などについて

課題、解決策は、客観的に判断して作成する必要がある。

結論ありきで、解答を作成してはいけない。

問題文から現況の状況を想定し、回答する必要がある。

知識があることを特段アピールする必要はない。

本講座の指導方針は、受講生様にはヒントを与えて、自ら考える練習をしていただいております。解答そのものを与えても勉強になりません。これは論理的考察力向上のためです。どうすれば正解できるかを考え、骨組みを立てていくことが大切です。

 (2) 論旨のまとめ方、書き方などについて

自ら一方的に「〇〇を提案する」では調整になりません。

調整相手、調整内容について再確認する必要があります。

技術士としてふさわしい調整内容なのか?

当たり前の事を書いているだけでは点は貰えません。独断も駄目です。

誰のための対策案なのか。その事を理解したうえで留意点や対応策を整理しなければならない。

同じ説明を何度もしない。まわりくどい言い方はダメ。

技術士としての解決能力を有していることを示す必要がある。

回答案の考え方が最後まで一貫しており、途中で発散したり、考えが変わったりしたらいけません。

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