H26年、2014年 電気・電子部門、電気設備 Ⅱ-1-2
問題文
電気設備の低圧側において地絡の故障が生じた際に、感電するメカニズムを述べ、有効となる感電保護対策を2例挙げ、それぞれの対策について述べよ。
1)感電のメカニズム
電気機器で地絡事故が発生した場合、地絡電流が電気機器内部から接地極と接続された電気機器筐体に流れる。その筐体に接触した場合に、筐体の抵抗値と接触した者の抵抗値により、地絡電流が分流されて流れることで接触した者が感電する。
(電気機器の筐体接地抵抗値(10Ωもしくは100Ω)と接触した者の抵抗値(500〜2000Ω)で並列回路となり分流された地絡電流が流れる)
(2) 感電対策
(2.1)接地抵抗値を小さくする
電気機器には筐体接地が行われているため、筐体接地の接地抵抗値を小さくすることにより、地絡電流を筐体接地に多く分流出来し、接触した者に流れる地絡電流値を小さくする。したがって有効な感電保護対策である。
(2.2) 漏電ブレーカーの設置
電気機器の回路に漏電ブレーカーを設置することにより、漏電ブレーカー内部のZCTで地絡電流を検出し、短時間で回路を遮断することが出来る。(15mA・30 mA以上の零相電流を検出し、0.1秒以内で遮断する)したがって地絡発生後、すぐに回路が遮断されるため、有効な感電保護対策である。
1.感電するメカニズム
地絡故障が生じると漏れ電流が発生し、人が触れると人体から対地に流れる。
2.感電保護対策
①分電盤の分岐ブレーカーをELBにする。
地絡故障が起きるとELB(漏電遮断機付き)が動作し、回路への電源供給を止める。電源供給が無いため感電しない。
②低圧絶縁監視装置を低圧幹線毎に設置する。
地絡故障は、ケーブルや機器の絶縁抵抗が低下すると発生する。低圧絶縁監視装置を設置することにより
常時、絶縁抵抗の監視を行うことができる。