Q.必須Ⅰは、上下水道全体に共通する抽象的な内容を書く問題だと考えていました。「一般的すぎる」と評価されたのは、この方針が誤っていたのでしょうか。また、ⅠとⅢで似た内容になってしまう場合、どのように書き分ければよいでしょうか。
A.
必須Ⅰで抽象度の高い内容を書くという方針自体は誤りではありません。ただし、「抽象的に考えること」と「一般論を書くこと」は異なります。
Ⅰ問題では、上下水道や社会全体を俯瞰し、どの観点から課題を捉えたのか、その観点がなぜ重要なのか、なぜその課題を優先したのかという、技術士としての考え方と判断軸を示す必要があります。
一方、Ⅲ問題では、下水道分野の具体的な状況に対して、どの専門技術を採用するのか、なぜその技術を選ぶのか、どのように導入し、どのような効果やリスクがあるのかまで具体的に示します。
つまり、Ⅰは社会や事業全体を俯瞰する「考え方と判断の答案」、Ⅲは専門技術を現実の課題に適用する「具体的技術判断の答案」です。両者が同じような内容になる場合は、問題ごとに求められる視座を十分に切り替えられていない可能性があります。
また、答案用紙に収めるためには、書き始める前に要旨・骨子を作成し、何を書くかだけでなく、何を書かないかを決めることが重要です。
Q.Ⅱ-2では、利害関係者の対立を整理し、その調整方法を書けば主体性やリーダーシップを示せると考えていました。この理解は誤りでしょうか。
A.
利害関係者の調整を書くこと自体は必要ですが、それだけでは主体性やリーダーシップを示したことにはなりません。
Ⅱ-2で求められるのは、自ら合理的な技術案を構想し、複数案を技術的な判断基準で比較し、最適案を選定したうえで、その案の実現に向けて関係者を導くことです。
答案では、次の順序で整理する必要があります。
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自らの技術案を示す
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LCC、環境負荷、更新性、安全性などの比較基準を示す
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最適案を選んだ技術的な理由を示す
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その案を実現するための合意形成や関係者調整を示す
「説明する」「意見を聞く」「調整する」といった手続きだけでは、受け身の対応に見えます。技術案の構想と選定判断を軸に、その実現に向けて関係者を動かすことで、初めて技術的リーダーシップが示されます。
技術士合格への道研究所では、再現答案を設問ごとに分析し、ⅠとⅢの視座の違い、技術案と調整方策の順序、主体性が伝わる答案構成まで具体的に指導しています。