Q.これまで約200の技術キーワードについて、原理、特徴、応用例を整理してきました。さらに、一つのキーワードを200~300字でまとめ、繰り返しブラッシュアップする学習を行えば、試験会場での文章表現力や記述力を補えるでしょうか。
A.
キーワードを整理する学習は、基礎知識を確認する方法として有効です。ただし、技術士試験では、覚えているキーワードの数ではなく、設問に応じて必要なキーワードを選び、因果関係をもって説明できるかが評価されます。
今回のⅡ-1-3答案では、SiC、GaN、ダイヤモンドという材料名や、バンドギャップ、絶縁破壊電界、キャリア移動度、熱伝導率などのキーワードは適切に挙げられていました。一方で、設問が求めていた「材料物性からデバイス性能が決まる理由」の説明が十分ではありませんでした。
例えば、「ワイドバンドギャップだからオン抵抗が低い」と書くだけでは不十分です。
「バンドギャップが大きいことで臨界電界が高くなる。これにより、ドリフト層を薄くし、ドーピング濃度を高められるため、オン抵抗を低減できる」という順序で、材料物性、デバイス構造、性能を結び付けて説明する必要があります。
また、答案ではインバータ機器での損失低減など、用途上の効果を中心に説明していました。しかし、この問題の主題はインバータの用途ではなく、デバイス物理です。そのため、移動度、ドーピング濃度、ドリフト層厚、臨界電界とオン抵抗の関係を明確に示すことが必要でした。
したがって、一つのキーワードを200~300字でまとめる学習を大量に行うよりも、重要なキーワードについて、
「物性・原理 → デバイス構造 → 性能・効果」
という技術的なつながりを短く説明する練習の方が、試験対策として効果的です。
技術士合格への道研究所では、キーワードの不足だけを指摘するのではなく、どの言葉を、どの順序で、どの理由を説明するために使うべきかまで具体的に添削します。知識量が十分にある受験者には、暗記を増やすことよりも、知識を答案上の判断と説明へ変換する力を身に付けることが重要です。