Q.環境部門・環境測定で受験し、必須ⅠがB、選択ⅡがA、選択ⅢがBでした。ⅡではA評価を得られたのに、ⅠとⅢがB評価にとどまったのはなぜでしょうか。
A.
技術士合格への道研究所では、必須Ⅰ、選択Ⅱ-1、Ⅱ-2、選択Ⅲの再現答案を確認し、実際の評価結果と照合しました。その結果、Ⅱは実務経験と文章構成力が十分に表れていた一方、ⅠとⅢでは、専門知識を出題意図に結び付ける説明が不足していたと判断しました。
必須Ⅰでは、騒音や振動を適切に把握し、環境基準と比較するといった基本的な内容は書けていました。しかし、例えば「騒音を適切に把握して評価する」という記述だけでは、環境測定の専門家としての判断が伝わりません。
道路交通騒音であれば、交通量、走行速度、大型車混入率、走行状態などが騒音を左右します。航空機騒音であれば、単発騒音が繰り返される特性を踏まえ、時間帯補正等価騒音レベルで評価する理由を示す必要があります。新幹線騒音であれば、通過回数、最大騒音レベル、測定位置など、音源特性に応じた支配因子を明確にしなければなりません。
例えば、単に「航空機騒音を測定し、環境基準と比較する」と書くのではなく、
「航空機騒音は単発騒音が間欠的に繰り返されるため、騒音レベルだけでなく、発生回数や時間帯を考慮した時間帯補正等価騒音レベルで評価する」
と記述することで、評価量を採用する技術的理由が明確になります。
選択Ⅱでは、実務に即した調査内容や手順が具体的であり、答案構成も明確であったため、A評価につながりました。これは、環境測定に関する実務経験を、設問要求に沿って表現できていたためです。
一方、選択Ⅲでは、課題、解決策、リスクの方向性は適切でしたが、観点と課題の関係が明確ではなく、行政計画や政策とのつながりも十分に示されていませんでした。
課題は、単に「人材不足が課題である」「技術開発が必要である」と書くのではなく、
「測定結果の信頼性確保の観点から、測定・分析技術の標準化と精度管理体制を構築する」
のように、判断基準と実現すべき方向を一体として示す必要があります。
また、解決策を実行した結果として新たに生じるリスクについても、一般的な問題ではなく、自らの提案との因果関係を示す必要があります。例えば、遠隔監視や自動測定を推進するのであれば、機器異常の見逃し、通信障害、ブラックボックス化などを懸念事項として挙げ、現地確認、校正、二重監視、異常値判定基準などの対策まで示します。
今回の評価は、知識不足や実務経験不足によるものではありません。選択ⅡでA評価を得ていることからも、専門的な基礎力と文章構成力は十分にあります。
今後は、
「観点 → 課題 → 解決策 → 効果 → 新たなリスク」
のつながりを明確にし、各音源や測定対象の特性に応じて、なぜその測定方法や評価量を用いるのかを具体的に説明することが必要です。
技術士合格への道研究所では、一般的な表現を専門家の判断が伝わる記述へ修正し、出題意図と専門技術を結び付けた答案へ仕上げる指導を行っています。