Q.情報工学部門・ソフトウェア工学を受験しています。論文では、どのような点を意識して書けばよいでしょうか。また、そのためには、どのような勉強や訓練が必要ですか。
A.
まず大切なのは、「文章をうまく書くこと」よりも、問題文が何を求めているのかを正しく理解することです。
技術士試験では、自分が知っている技術や経験を多く書けば評価されるわけではありません。出題者が示した主題に対して、
-
何が課題なのか
-
なぜそれが課題なのか
-
どの技術を使って解決するのか
-
なぜその方法を選ぶのか
-
どのような効果やリスクがあるのか
を、一貫した流れで説明する必要があります。
情報工学部門では、DX、クラウド、API、AI、ソフトウェア品質、セキュリティ、分散開発など、幅広い技術が扱われます。しかし、専門用語を並べるだけでは十分ではありません。
例えば、AIを導入すると書くのであれば、
「どの業務課題に対して導入するのか」
「学習データの品質をどう確保するのか」
「誤判定や説明可能性の問題にどう対応するのか」
「既存システムや業務プロセスとどう統合するのか」
まで考える必要があります。
同じように、クラウド化を提案する場合も、「クラウドを使う」と書くだけではなく、可用性、拡張性、情報セキュリティ、既存システムとの連携、運用体制などを比較し、採用理由を示すことが重要です。
また、「書き方の型」を覚えるだけでも十分ではありません。設問ごとに、何を書くべきかを自分で判断する力が必要だからです。
そのため、学習では次の順序を意識してください。
1.問題文の主題を一文で整理する
2.求められている課題を複数挙げる
3.最重要課題を選び、その理由を示す
4.複数の解決策を技術的根拠とともに整理する
5.自らの提案によって生じるリスクと対策を考える
6.答案を書き、第三者の講評を受けて修正する
技術士試験の答案には、唯一の正解があるわけではありません。ただし、どの案でもよいということでもありません。問題の条件に合い、技術的な理由があり、実現性のある提案になっていることが必要です。
独学では、自分の答案がなぜ評価されないのか、どこで主題から外れたのかに気づきにくいものです。まずは過去の答案を振り返り、「主題の読み方」「課題の立て方」「解決策の理由付け」を一つずつ整理していくことが大切です。
技術士合格への道研究所では、受講者の業務経験を確認しながら、答案を単なる技術説明ではなく、技術士としての判断と提案が伝わる形へ組み直します。
これまで2回受験されている場合も、その経験は決して無駄ではありません。過去の答案に残っている考え方の癖を確認し、正しい方向へ修正していけば、合格に必要な力は十分に身につけられます。