Q.必須Ⅰでは、思いついた課題や解決策を書いても、「AI活用」「通信」「標準化」などの一般論にとどまってしまいます。技術的な困難性をどのように捉え、課題として整理すればよいでしょうか。
A.
まず、問題文に書かれた社会的な目的を、そのまま課題として繰り返さないことが重要です。
例えば、
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老朽化対策を推進する
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災害対応力を向上させる
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担い手不足に対応する
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ネットワークを広域化する
といった表現は、問題文で既に与えられている目的であり、技術課題そのものではありません。技術を適用した結果として、何を改善し、何を実現するのかまで具体化する必要があります。
特に「顕在化していないエンジニアリング問題」を問う問題では、現在起きている表面的な問題を挙げるだけでなく、
なぜ、それが自分の専門技術において難しいのか
を考えます。
例えば、電気設備のネットワーク化であれば、単に「通信方式やデータ形式を標準化する」と書くのではなく、
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異種設備間の相互運用技術の確立
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分散制御系のリアルタイム同期制御技術の確立
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既設設備との段階的相互運用基盤技術の確立
のように、解決すべき技術テーマとして課題を表します。今回の問題でも、一般的な通信、AI、標準化ではなく、接続、制御、社会実装の各段階に固有の技術的困難性を明確にすることが求められていました。
課題設定は、次の順序で整理すると分かりやすくなります。
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観点を決める
安全性、信頼性、事業継続性、制御安定性、保守性など、何を重視して判断するのかを示します。 -
技術的な困難性を考える
規格の違い、通信遅延、時刻同期のずれ、既設設備との互換性など、実現を妨げる工学的要因を整理します。 -
技術課題として表現する
「○○技術を確立する」「○○制御を実現する」など、解決すべき技術テーマとして言い切ります。 -
解決策を一対一で対応させる
課題に直接効く技術を選び、なぜそれによって課題を解決できるのかを工学的に説明します。
例えば、
レジリエンス向上の観点から、通信方式及び閉域網を冗長化し、通信途絶リスクを低減する。
とすれば、観点、技術、改善内容が一つの流れでつながります。
必須Ⅰでは、知っている技術を数多く挙げることよりも、問題文の意図を読み、技術的な困難性を見抜き、それを専門技術者として解決すべき課題へ変換する力が重要です。一般論になった場合は、まず解決策を増やすのではなく、課題設定を一段深く掘り下げるところから見直します。