良くある減点ポイントと高得点の書き方 1 「要求趣旨にないことを書いたら大幅減点」
2017.01.17
技術士試験ではどうやったら高得点が取れるか、一般的には
高度な内容を披露すれば点は取れる
と考えられている節があります。しかし実態はそうでは無く、高度な内容以前に、多くの稚拙な書き方によって大きく減点されています。まずはこうした減点要因をなくしていくことが先決です。そうすれば自然と技術内容を読んでもらえて、技術士にふさわしい答案ができていくというものです。
今回は添削答案や試験当日の再現答案より、減点につながった答案の書き方と本来どうあるべきかという高得点を狙える書き方についてご説明します。今回は9回シリーズの第一回目で
「要求趣旨にないことを書いたら大幅減点」
です。 平成28年衛生工学部門建築環境II-2-1問題は
「超高層集合住宅における給水方式の決定の考え方と給水配管跡の留意点を述べよ」
という問題でした。この問題ではまず最初に給水方式決定の考え方を述べ、次に給水配管設計の留意点を述べます。
出題趣旨とは超高層集合住宅での設備について求めていますので、給水配管にかかる鉛直方向の水圧が主要課題となり、この圧力をどう緩和するかということが課題となり、求められる考え方は高さ方向に2〜3の系統に分けて給水し、各系統ごとに最大圧力を緩和するということが表現できれば正解です。
次に留意点は、上下方向の配管に生じる高い水圧をどう解消するかということ1点に焦点を絞って留意点を述べでは正解です。ところが添削でよく見かけるのは、一般的な配管設計に関する工夫、例えば防錆や施工法などです。これでは減点されても仕方ありません。なぜなら出題者の要求は超高層集合住宅の配管だからです。
技術士試験は答えのない問題であって、だれでもご自分の体験に沿って考えて正解を造り出すことが可能です。ただし出題意図に反してしまうと大幅減されますのでこうした大きな出題の狙いを間違えずに読み取ることが合格のポイントとなります。
今回は衛生工学部門の事例を挙げましたが、出題趣旨を読み取る作業は、建設部門でも機械部門でも何部門でも変わりはありません。技術知識に没頭せずに、部門の技術を越えて、こうした技術経営や市場動向を感じ取ることが正解の早道なのです。
当研究所の指導では、マンツーマン個別指導により出題意図を間違えずに読み取って、確実に高得点を狙い、楽勝で合格出来るように指導しています。関心のある方は是非お問い合わせください。