R1/2019年 建設・都市及び地方計画 U−1−1

問題文 2-1-1

 我が国において、エリアマネジメント(地域における良好な環境や地域の価値を維持・向上させるための、住民・事業主・地権者による主体的な取組)の展開が期待されるようになった背景を述べよ。また、エリアマネジメントの推進に資する都市再生特別措置法に基づく制度のうち、都市再生整備計画の計画事項に位置付けることによって効果を発揮する制度又は都市再生整備計画を提案できる主体に関する制度について、1つを挙げ、その概要(目的、要件等)及び制度活用のメリットを述べよ。


模範解答1  (答案形式)  添削履歴 1回 2019.07.19  専門事項 交通計画


1. エリアマネジメントの背景

人口減少や地域経済の縮小に伴い、地方都市を中心に衰退が進行し、その影響は都心部にも広がってきており、東京都内の豊島区も消滅可能性都市に含まれるほどである。また、人口減少に伴い財源が不足して行政の人手が不足している。これを受けて、地域住民等が危機感を覚えて、民地や道路、河川等を活用しオープンカフェや市民市場、イベント等を行い、交流人口を増やすような地域主体の施策を行っている。

 2. 都市再生推進法人制度

行政に代わり、地域のまちづくり団体が地権者や道路管理者と連携して、民地や道路、河川等を使って広 告や市民市場、イベント等を行い、地域活性化する目 的で様々な事業を行うことができる制度。

メリット

@都市再生整備計画の提案ができる

A都市利便増進協定への参画ができる

B市町村や国等による支援を受ける

C土地譲渡にかかる税制が優遇される

Dエリアマネジメント融資

E民間まちづくり活動促進事業による支援

F民間都市開発推進機構によるファンド


 

 

R1/2019年 建設・都市及び地方計画 U−1−4

問題文 U-1-4

都市における公園緑地の多面的な機能を4つに区分して説明せよ。


模範解答1   (簡易答案1)    添削履歴1    作成日2020/4/29    建設部門  科目:都市・地方計画    専門事項 公園緑地


1.防災性を高める機能

 ・災害時に共助で身を守るための一時集合場所とする。

 ・炊き出しや防災資機材の保管など、救急・救助活動の拠点とする。

2.環境の維持・改善する機能

 ・高木を大きく育てたり植栽によるCO2削減の効果がある。

 ・緑の蒸発散効果によるヒートアイランド現象を緩和する。

3.健康・レクレーションとしての機能

 ・幅広い年齢層の自然へのふれあいや心身のリフレッシュの効果がある。

 ・ハイキングやスポーツによる健康づくりに効果がある。

4.子育て・教育効果としての機能

 ・遊びの場を提供することで子どもの健全な発育に効果がある。

 ・スポーツを通じた子どもの育成に寄与できる。

 


模範解答1   (簡易答案2)    添削履歴1    作成日2020/4/30    建設部門  科目:都市・地方計画    専門事項 公園緑地


1.防災性を高める機能

災害が発生した際の都市住民の安全を確保する機能がある。

 都市において気軽に立ち寄れるため、災害発生時に地域の集合場所や身を守るための一時集合場所となる。

 さらに、炊き出しや防災機材の保管など、救急・救助活動の拠点となる。

2.環境の維持・改善する機能

都市環境を維持・改善する機能がある。

 公園内の高木を大きく育てたり植栽をすることで、都市のCO2削減効果がある。

さらに、緑の蒸発散効果によるヒートアイランド現象を緩和する。

3.健康・レクレーションとしての機能

都市住民の健康づくりやレクレーション空間としての機能がある。

 幅広い年齢層の自然へのふれあいや心身のリフレッシュ効果がある。

 さらに、園内でのハイキングやスポーツによって都市住民の健康づくりに寄与できる。

4.子育て・教育効果としての機能

 都市住民の子育てや教育効果としての機能がある。

 遊具などの遊びの場を提供することで、子どもの健全な発育への効果がある。

 スポーツを通じた子どもの成長や情操教育に寄与できる。


模範解答1   (完成答案)    添削履歴1    作成日2020/5/3    建設部門  科目:都市・地方計画    専門事項 公園緑地


1.防災性を高める機能

 災害が発生した際の都市住民の安全を確保する機能がある。都市において気軽に立ち寄れるため、災害発生時に地域の集合場所や身の守るための一時避難場所となる。さらに、炊き出しや防災機材の保管など、救急・救助活動の拠点となる。地域の防災意識の向上によって、自主防災力が高まる。

2.環境の維持・改善する機能

 都市環境を維持・改善する機能がある。公園内の高木を大きく育てたり植栽をすることで、都市のCO2削減効果がある。さらに、緑の蒸発散効果によるヒートアイランド現象を緩和する効果がある。都市の住み易さの改善につながる。

3.健康・レクレーションとしての機能

 都市住民の健康づくりやレクレーション空間としての機能がある。幅広い年齢層の自然へのふれあいや心身のリフレッシュ効果がある。さらに、園内でのハイキングやスポーツによって都市住民の健康づくりに寄与できる。医療費の削減効果が期待できる。

4.子育て・教育効果としての機能

 都市住民の子育てや知育発達の教育効果としての機能がある。遊具などの遊びの場を提供することで、子どもの健全な発育への効果がある。さらに、スポーツを通じ、子どもの成長や情操教育に寄与できる。子どもの体力・運動能力向上の環境づくりに貢献できる。

 


解説

 

(1)問題趣旨に対する考え方、取り組み方などについて

取り組み方としては、まず最初に何が問われているのかを正確に捉えるように。

「公園の機能を説明せよ」ですから、公園の能力・効果・利用者に役立つことを考えると良いでしょう。

国土交通省のホームページには、多面的な機能について書かれているので、そこから引用すると良いでしょう。

身の回りで起こったり、考えられている行為を思い浮かべ、具体的に表現すると説得力を増します。

1つの見出し・項目について、行数をバランス良く収まるようにすると、全体が整然とします。

 

 (2) 論旨のまとめ方、書き方などについて

簡潔に、長くならないよう箇条書き・一文でまとめること。

本質的な内容となるよう、そもそも論を見いだすようにして、出来るだけ掘り下げると良いでしょう。

大まかな要旨を簡易答案1で書くと、簡易答案2では文章の流れが作れます。その後の解答作業が途中でぶれないようにすれば、とぎれず、最後までスムーズに書けます。

レジュメで意味不明になったり、突拍子にならないよう、正確に、求められていることを書くことを注意してとりまとめてください。

チェックシートは、見出しをつけて、その内容を説明する気持ちで、簡潔に書くと良いでしょう。

添削ごとに講師から意見を申し上げますので、その音声ガイドを聞くことで、問われているねらいや、何が不足しているのかを、直ちに自己評価できます。



 

R1/2019年 建設・都市及び地方計画 U−2−1

問題文 U-2-1

 防災・減災対策と並行して、事前に被災後の復興まちづくりを考えながら準備しておく復興事前準備の取組を進めておくことが重要となっている。このため平時から災害が発生した際のことを想定し、ソフト的対策を含む防災・減災対策も並行しつつ、それとは別に、被災市街地の復興に資するソフト的対策を事前に準備しておくことが必要である。大地震による被災の懸念がある地方公共団体において、復興前事前準備の取組を行うことになり、あなたがこの業務を担当責任者として進めることになった。下記の内容について記述せよ。

(1)調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。

(2)業務進める手順について、留意すべき点、工夫を要する点を含めて述べよ。

(3)業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。


模範解答1  (答案形式)  添削履歴 1回 2019.07.19  専門事項 交通計画


(1)調査、検討すべき内容

(1)-1既存建物の耐震性、耐火性、空き状況

既存建物の耐震性等や空き家の状況を調査し、建て替え促進範囲を検討する。

(1)-2きょうあい道路の状況

2項道路や私道等きょうあい道路を緊急輸送道路等に接続し、避難路を確保するよう検討する。

(1)-3医療施設の状況

平時の医療施設の配置状況を調べることで、被災時に生活弱者が避難できる場所を検討する。

(1)-4地域のコミュニティの状況

地域住民同士のコミュニケーションがとられているか調査し、被災時の連携の仕方を検討する。

(2)手順

( 2 ) -1 復興まちづくりトレーニングで課題明確化

住民が主体的に生活再建シナリオと市街地復興シナリオを作成する。この際、住民同士のワークショップを通じて、市街地と住民のシナリオのバランスをとった上で復興のための課題を明確にする。

( 2 ) -2 共同建物移転で密集市街地解消

防災街区整備地区計画で行政機能を含む防災施設建築物へ住民を移転させる。この際、立体換地制度を活用し、都市計画決定を要しない早期の移転を促す。

( 2 ) -3戸建への移転で避難路確保

共同建物移転を望まない住民を個別利用区に移転さ せ、避難路を拡幅する。この際、準耐火建築物以上と して道路沿いの建物を不燃化し、倒壊防止のため耐震化する。

( 2 ) -4地 域 医 療 拡 充

防災施設建築物に行政機能が移転し、空き地となっ た公的不動産を民間の医療施設に転用する。この際、地域のイベントを活用し医療施設を活用した住民同士の防災訓練を定例化する。

(3)調整方策

( 3 ) -1 復興まちづくりリーダーを育成

両者のバランスを取り、食い違いを抽出できるリーダーを育成する。

( 3 ) -2保留床で移転者への補償確保

 立体換地制度に伴う保留床を売却して、共同建物移転者の移転保証を捻出する。

( 3 ) -2 容積売却で建て替え資金確保

個別利用区建物整備の際、容積適正配分型地区計画で容積率売却により戸建移転者の建て替え資金を確保する。

( 3 ) -4小規模連鎖型の土地収用で屋外防災施設整備

周辺の空き地をNPO が譲り受け、小規模連鎖型の土地収用で行政が土地を安く買い取り、屋外スペースを防災訓練やコミュニティスペースとして活用する。



模範解答2   (簡易答案1)    添削履歴7    作成日2020/6/25    建設部門  科目:都市・地方計画    専門事項 公園緑地

1. 調査、検討すべき事項

・津波の浸水想定を調査し、高台地域へ公的住宅や宅地を用意して移転を検討する。

・延焼エリアを調査し、避難路となる骨格道路の確保と沿道建物の不燃化を検討する。

・独居高齢者の居住場所を調査し、支援組織体制の検討を行う。

2.業務を進める手順

@被災世帯の収容準備をする。被災世帯の主要規模から仮設住宅建設のほか、安全性が高い民間住宅を借り上げるなど、被災世帯の収容準備を行う。

A延焼火災の拡大を一定の時間遅延をさせるため、避難場所と連絡する骨格道路の整備と沿道建物の不燃化を進める。

B要支援対象者を割り出し、日常から声掛けを行うなど、信頼関係を図る。

C町内会を活用した自主防災組織による支援訓練を行い、活動拠点場所や救援体制の具体的な取り決めを行う。

3.関係者との調整

・住民は、海の近くに住んで生業をしたいため、住み慣れた地に永住を主張する。

・水産業者は、海岸施設の利便性や運送手段が失われ、経済損失を訴える。

・行政は、伝統的政策から高台移転による住民の安全を主張する。

私は、高台への移転は高齢化社会での確実な安全安心に避難する正攻法であって、個別毎ではなく地域コミュニティ単位で移転したり、鉄道や交通も一緒に移転することで利便性を確保することができることを提案し、生活拠点の移転の問題を解決して3者をとりまとめた。


この答案での添削指摘事項

●調査検討すべき事項

・調査することと、検討(考察)することをそれぞれ分離して掘り下げて、多面的視点を表すため、ダブらないように3つ程度挙げるように。

・抽象化過ぎたり、検討の内容が曖昧すぎると分からないから、検討事項を言ったことにはなりません。

・「を調査し、を検討する」と単刀直入に言う。検討は解決策の文で述べてOKです。

 

●業務を進める手順

・手順とは、業務を実施すること、その仕方を言うことです。

・調査することと検討することをそれぞれ分離して掘り下げる。多面的な視点を表すためダブらないよう3つ程度挙げるように。

・曖昧に考えているだけでは何を言っているのか意味がわかりません。そうなるのは行動が見えないからで、目標レベルでとどめないで行動形式でちゃんと示すことが大事です。

・上の調査、検討すべき事項に連動した答えとなればOKです。

 

●関係者との調整

・調整とは、「人と人のあいだの対立や、意見の相違をうまく調整する」のことを指します。

そして、企業で求められる調整とは、もう少し具体的に「利害の対立する人たちを、ある目的のために協力させる」ことです。

・調整の仕事とは「(各組織の利害関係や利益を踏まえ)一つの目的を達成する為に、組織(例えば部署や部局間)をつなぎ、ある方向に関連の部署や人たちが動き出す為のコミュニケーションと政治的な仕事」です。

・求められる調整力とは人と人の間に立って意見や主張の整理、すり合わせをし、グループ全体をまとめる力です。 単にコンセンサス(意思の一致)を得るだけでなく、そのことにより何らかの成果へと結びつけることを目的とします。

・関係者3者の意見がテンでばらばらに主張する違いを明確に食い違って絶対にまとまりません。三者の要求、意見の不一致問題を満足してとりまとめるイメージをもって下さい。

 


模範解答2   (簡易答案2)    添削履歴1    作成日2020/6/27    建設部門  科目:都市・地方計画    専門事項 公園緑地

1.調査、検討すべき事項

(1)高台への移転

津波の浸水深や予測範囲を調査し、高台地域へ公的住宅や住宅地を用意して移転を検討する。災害リスクが低いエリアでの安全な居住環境づくりを検討する。

(2)避難路確保と不燃化の促進

延焼エリアを調査し、安全性を高めるための避難路となる骨格道路の確保と延焼防止策としての沿道建物の不燃化を検討する。

(3)要支援援護者の支援体制づくり

独居高齢者などの要支援援護者の居住場所を調査し、行政・町内会・民生委員など多様な主体との協働体制の構築を図った迅速かつ的確な支援組織体制の検討を行う。

2.業務を進める手順

(1)被災世帯の収容準備

被災世帯の主要規模から仮設住宅建設の他、安全性が高い民間住宅を借り上げるなど、被災世帯の収容準備を行う。

(2)延焼火災の拡大防止

延焼火災の拡大を防ぐ準備をする。延焼火災の拡大を一定の時間遅延させる効果を期待するため、避難場所と連絡する骨格道路の整備と沿道建物の不燃化を進める。

(3)支援組織の体制づくり

地域の要支援対象者を割り出し、日常から見守りや声かけを行うなど安心して生活するための信頼関係を図る。要援護者とのコミュニケーション化につながり、地域を巻き込んだ体制づくりの実現性を高めていく。

(4)支援訓練の実施

町内会を活用した自主防災組織による支援訓練を行い、集合場所や避難体制の具体的な取り決めを行うなど、地域で支え合う体制づくりに取り組む。地域住民の意識啓発や災害リスクの情報の共有化により、共助の強化につなげていく。

3.関係者との調整方策

 高台への移転にあたって、関係者の意見に食い違いがあった。地域住民は、海の近くに住んで生業をしているので住み慣れた地に永住を主張する。水産業者は、海岸施設の利便性や運送手段が失われ経済損失を訴えていた。行政はこれまで同様、持続可能な伝統的政策から高台移転による住民の安全を主張していた。

 私は、高台への移転は個別毎の移転でなく地域コミュ二ティ単位で移転すること。さらに、物流や交通も一緒に移転することで利便性を確保できることを提案し、生活拠点や経済活動の移転の問題を解決して3者のとりまとめを行った。


この添削での指摘事項

●全般

・簡易答案2は答案としての表現型をチェックするので、指定文字数に留意して積極的に表現すること。

 

●調査検討すべき事項

・調査することと、検討(考察)することをそれぞれ分離して掘り下げて、多面的視点を表すため、ダブらないように3つ程度挙げること。

・抽象化過ぎたり、検討の内容が曖昧すぎないように単刀直入に言うように。

・「を調査し、を検討する」と端的に言うと良いでしょう。

・住民の安全を高めていくためにはハード整備の効果を120%高めるようなことを考えると良いでしょう。

・具体的にどのような業種とか、集団なのか、「多様な主体」の補足説明するように。

 

●業務を進める手順

・手順とは、業務を実施すること、その仕方を述べることです。

・調査することと検討することをそれぞれ分離して掘り下げる。多面的な視点を表すためダブらないよう3つ程度挙げる。

・調査、検討と論理的につながる一貫した答えとなれば良い。

 

●関係者との調整

・調整とは、「人と人のあいだの対立や、意見の相違をうまく調整する」のことを指します。

そして、企業で求められる調整とは、もう少し具体的に「利害の対立する人たちを、ある目的のために協力させる」ことです。

・調整の仕事とは「(各組織の利害関係や利益を踏まえ)一つの目的を達成する為に、組織(例えば部署や部局間)をつなぎ、ある方向に関連の部署や人たちが動き出す為のコミュニケーションと政治的な仕事」です。

・求められる調整力とは人と人の間に立って意見や主張の整理、すり合わせをし、グループ全体をまとめる力です。 単にコンセンサス(意思の一致)を得るだけでなく、そのことにより何らかの成果へと結びつけることを目的とします。

・関係者3者の意見がテンでばらばらに主張する違いを明確に食い違って絶対にまとまりません。そこで、三者の要求、意見の不一致問題を満足してとりまとめることです。


模範解答2   (完成答案)    添削履歴0    作成日2020/6/30    建設部門  科目:都市・地方計画    専門事項 公園緑地


1.調査・検討すべき事項

(1)高台への移転

 津波の浸水深や予測範囲を調査し、高台地域へ公的住宅や住宅地を用意して移転を検討する。災害リスクが低いエリアでの安全な居住環境づくりを検討する。

(2)避難道路の確保と不燃化の促進

 延焼エリアを調査し、安全安心を高めるための避難路となる骨格道路の確保と延焼防止策としての沿道建物の不燃化を検討する。

(3)要支援援護者の支援体制づくり

 独居高齢者などの要支援者の居住場所を調査し、行政・町内会・民生委員など多様な主体との協働体制の構築を図った、迅速かつ的確な支援組織体制の検討を行う。

2.業務を進める手順

(1)被災世帯の収容準備

 被災世帯の主要規模に見合った仮設住宅の用地確保や資材調達などの建設準備のほか、安全性が高い民間住宅を借り上げるなど、被災世帯の収容準備を行う。

(2)延焼火災の拡大防止

 延焼火災の拡大を一定の時間遅延させる効果を期待しつつ、避難場所と連絡する骨格道路の整備と沿道建物の不燃化を進める。

(3)支援組織の体制づくり

 地域の要支援対象者を割り出し、日常から見守りや声かけを行うなど、安心して生活するための信頼関係を図る。要援護者とのコミュニケーション化につながり、地域を巻き込んだ体制づくりの実現性を高めていく。

(4)支援訓練の実施

 町内会を活用した自主防災組織による支援訓練を行い、集合場所や避難体制の具体的な取り決めを行うなど、地域で支え合う体制づくりに取り組む。地域住民の意識啓発や災害リスクの情報の共有化により、共助の強化につなげていく。

3.関係者との調整方策

(1)関係者の意見

高台への移転にあたって、関係者の意見に食い違いがあった。

地域住民は、海の近くに住んで生業をしているので住み慣れた地に永住を主張する。水産業者は、海岸施設の利便性や運送手段が失われ経済損失を訴えていた。行政は、これまで同様、持続可能な伝統的政策から高台移転による住民の安全を主張していた。

(2)意見の調整方策

 私は、高台への移転は個別の移転でなく地域コミュ二ティ単位で移転すること。さらに、物流も交通も一緒に移転することで利便性を確保できることを提案し、生活拠点や経済活動の移転の問題を解決して3者のとりまとめを行った。


解説

(1)課題の分析のしかたについて 

提案内容を、抽象化すぎたり、検討内容が曖昧すぎると、何をしようとしているのか分からなくなり、検討事項を言ったことになりません。

「を調査し、を検討する」と単刀直入に言うこと。

1調査することと、2検討することを、それぞれ分離して掘り下げて言う。

設問の趣旨から考えると、事前復興準備に取りかかることが解答の主題であり、これをどんどんやっていくこと。

ただし、作業内容そのものを記述するのではなく、技術士として本質的な問題にどう対処するかという記述に専念すること。

 

(2) 解決策の提案、方策の考え方、書き方などについて

手順とは、業務を実施することで、その仕方を言うことです。

曖昧に考えているだけでは、意味不明です。これは行動が見えないからで、そこで目標レベルにとどめないで行動形式を示すことが役立ちます。

 

(3) 留意点などの考え方、書き方などについて

業務手順は、上の問いの調査、検討すべき事項と関連づけるように。

調査検討すべき事項は「するため、を調査し、を検討する」、業務手順は「をする」という文で表すと良いでしょう。

曖昧な表現や一般的なことは、技術提案として伝わらないのでカットしてください。

 

(4) 調整の考え方、書き方などについて

「調整」とは、「人と人のあいだの対立や意見の相違をうまく調整する」ことを意味します。

この問題で求められる調整力とは、人と人のあいだに立って、意見や主張の整理、摺り合わせをし、グループ全体をまとめる力です。

関係者三者の意見がテンでばらばらに主張する違いがあり、このままでは明確に食い違って絶対にまとまらない・・・。そんな前提に対して、三者の要求や意見の不一致問題を満足してとりまとめるイメージを明確に打ち出すことです。



R1/2019年 建設・都市及び地方計画 V−2

問題文 

 鉄軌道を含む公共交通の分担率がある一定程度ある地方の都市圏において、都市圏全体を俯瞰する視点から、人口減少・少子高齢化を踏まえた都市の持続的経営を目的として都市構造の再編を進めることとなった。あなたがその計画策定を担当責任者として進めるに当たり、以下の問いに答えよ。

 なお、都市構造の再編を進めるに当たっては、公共交通が都市の形成に影響を及ぼすことに着目し、公共交通の利用を前提とするものとする。

(1)都市計画の技術者としての立場で多面的な観点から計画策定に係る課題を抽出し、その課題を分析せよ。

(2)抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3)解決策に共通して新たに生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。

 


模範解答1  (答案形式)  添削履歴 1回 2019.07.16  専門事項 交通計画


( 1 ) -1 駅前拠点への集約化

インフラのメンテナンスを低減して、人口減少社会に対応したまちづくりが求められている。そのため、都市の持続的経営を目指してコンパクトプラスネットワーク化を図るため、駅や道路等のインフラを集約する必要がある。

具体的には、駅前密集市街地等を更新しつつ公共交通ネットワークを整備し、様々な拠点へ機能を集約化する。

( 1 ) -2 地域医療ネットワークの拡充

高齢化社会で高齢者の増加により、地域医療ネットワークの拡充が求められている。そのため、駅前を中心とした地域包括ケア医療のネットワークを拡充する。  

具体的には、都市機能誘導区域内に特定用途誘導区域を設定して容積緩和した医療拠点を整備する。

( 1 ) -3 エリアマネジメントの充実

人口密度の低下に伴う財政制約により、行政の人出が不足していることから、官民連携して地域活性化が求められている。そのため、地域と連携したエリアマネジメントを充実させる。

具体的には、誘導区域内の民地や道路等を活用したイベント等により交流人口を増加させて、地域の価値を向上させる。

(2)駅前拠点への集約化の解決策

(2)-1民間の力を活用した再開発

駅と接続した駅ビルに行政、商業、医療等の機能を含む民間の力を活用したBTO 型の再開発を行う。この場合、再開発の整備費を民間が負担し、維持段階で行政が返済することで財政状況の低下を抑制することができる。

(2)-2公共交通沿線居住施設推進地区で居住誘導

居住誘導区域にある駅周辺を、公共交通沿線居住推進地区に設定し、バスの停留所等を半径300m以内に配計画することで地域住民が移動しやすくする。この場合、バス事業者と住民が連携してダイヤを変更するサポーターズクラブで、住民の利便性を確保し、空車率を低減し公共交通の無駄を無くす。

(2)-3駅前の歩行空間整備で駅周辺へ誘導

駅から周辺への来街者を増やすよう、駅前にペデストリアンデッキを整備し安全な歩行空間を整備する。この場合、駅周辺にトランジットモールを併設し市民の歩行の機会を増やして交流人口を増やす。

(3)リスクと対策

(3)-1駅の混雑

駅に機能が集中しすぎて駅が混雑する。そのため、都市機能誘導区域間を結ぶ公設民営型のBRTを整備する。この際、トランジットモールやバスターミナルと連動させて駅とバスの動線を明確に分ける。また、駅とバスをつなぐペデストリアンデッキには高齢者等の移動のためバリアフリールートを整備する。

(3)-2周辺地域に人が集まらない

駅周辺のみに人が集まるが、周囲の地域に人が集まらない状況となる。そのため、駅前、周囲の商業地、商店街等を公民連携開発区域に設定して公共用歩廊等を整備し、人の流れを作る。この際、周辺地域同士がまちなみ協定を締結し、統一感のある街並みを活かして駅前からの道路上にエリアマネジメントによる広告や休憩施設を整備し地域活性化する。

(3)-3駅から離れた居住誘導区域への公共交通不足

駅から離れた居住誘導区域にデマンド交通を整備する。この際、地域に合った運行方式とすることが重要である。例えば高齢者が多い地域では電話による運行、又は事前に試験設置でITS等に慣れている場合はネットワーク型とする。都市部での相乗りタクシーの場合は、法制度が整っていないため法整備が重要である。

 



模範解答2   (簡易答案1)    添削履歴3    作成日2020/7/16    建設部門  科目:都市・地方計画    専門事項 公園緑地


 

 1.都市構造再編の課題抽出

(1)公共交通沿線への居住の誘導:公共交通沿いに日常生活に必要な商店や医療・福祉施設などの都市機能を集約し、生活利便性を高めるため、歩いて暮らせる都市のコンパクト化を図る。

(2)安全な歩行空間の整備:高齢者をはじめ地域住民が自家用自動車に頼ることなく生活できる環境を推進し、都市景観などの地域固有の街並みを活かしながら、安全で快適な人優先の歩行空間を整備する。

(3)公共交通空白地域におけるデマンド交通の導入:交通不便地域においては、交通弱者など公共交通期間利用者のストレスを軽減し、誰もが利用しやすい交通環境を図るため、公共交通機関の利用度を高める。

2.最も重要な課題と解決策

(1)課題:@公共交通沿線への居住の誘導

(2)解決策@交通機能を高めた生活利便性の向上:市街地拠点へのアクセス手段や拠点間を結ぶ交通サービスを充実するなど、交通ネットワーク機能を高めることで、高齢者なども含めた地域の生活利便性を高める。

A中心市街地の回遊性を高める:中心市街地で観光や買い物での回遊性を高め、賑わいを創設する。日常生活とあわせ観光や買い物などで利用しやすい循環ミニバスを運行し、郊外も含めたアクセス利便性を高める。

B安全で快適な歩行空間の確保:まちなかの自動車交通をさばきながら、歩行者と公共交通中心としたトランジットモールの導入を図り、人々の移動範囲の拡がりとユニバーサルデザインによる、安全で快適な歩行者にやさしい空間を確保する。

3.解決策の新たなリスクと対策

(1)リスク:都市のコンパクト化によって都市機能を集約することで暮らしやすいまちになる一方で、域内の多くの住民が集中するだけに、土砂災害や地震・津波等の災害時の防災機能を高めていくことが求められる。

(2)解決策:土砂災害を防ぐ工事や沿岸部では津波の襲来に備え避難タワーを設ける等のハード対策のほか、住民にハザードマップを配布し災害の危険度や避難場所の周知を徹底する。併せて、自然災害を念頭に置いた複数の自治体と連携した災害対策など、中長期的な視点に立って都市機能の効率化と災害に強いまちづくりの両立を目指していく。

 


 この答案添削での指摘事項

 

●都市が縮小し乗客がだんだん減っていくと言っているのですから、あえて乗り換え施設などの新設投資は趣旨に逆行しています。直観的に、方向違いに気づくべきです。

●「問い2」は、課題の何番目かを冒頭に宣言すること。3項目ほどあれば結構です。

●「問い3」のリスクの考え方は、「2の対策」で挙げた3点を、やればやるほど危険性が高まること(リスク)は何か、というように考えると良いでしょう。

併せて、解決策に共通して新たに生じ得るリスクを求めています。自ら提案した方策の結果を正しく見通して、解決策の結果より生じうるリスクを論理的に考えて挙げるように。

 


模範解答2   (簡易答案2)    添削履歴0    作成日2020/7/17    建設部門  科目:都市・地方計画    専門事項 公園緑地


 

1.都市構造の再編計画の課題抽出と分析

(1)公共交通沿線への居住の誘導

 公共交通沿いに日常生活に必要な商店や医療、福祉施設などの都市機能を集約し、生活利便性を高めるため、歩いて暮らせる都市のコンパクト化を図る。

(2)安全な歩行空間の整備

 高齢者をはじめ地域住民が自家用自動車に頼ることなく生活できる環境を推進し、都市景観などの地域固有の街並みを活かしながら、安全で快適な人優先の歩行空間を整備する。

(3)公共交通空白地域におけるデマンド交通の導入

 交通不便地域においては交通弱者など公共交通機関利用者のストレスを軽減し、誰もが利用しやすい交通環境を図るため、デマンド型乗合タクシー交通の導入を図るなど公共交通機関の利用度を高める。

2.もっとも重要な課題と解決策

(1)課題:1−(1)公共交通沿線への居住の誘導

(2)解決策

@交通機能を高めた生活利便性の向上

 市街地拠点へのアクセス手段や拠点間を結ぶ交通サービスを充実するなど、交通ネットワーク機能を高めることで、高齢者なども含めた地域の生活利便性の向上を図る。これにより、地域で生活を続ける継続性や住みやすさの向上につながる。

A中心市街地の回遊性を高める

 中心市街地で観光や買い物での回遊性を高め、賑わいを創設する。日常生活とあわせ観光や買い物などで利用しやすい循環ミニバスを運行し、郊外も含めたアクセス利便性を高める。これにより、誰もが訪れやすく住みたくなるなど、まちの魅力が高まる。

B安全で快適な歩行空間の確保

 まちなかの自動車交通をさばきながら、歩行者と公共交通を中心としたトランジットモールの導入を図り、人々の移動範囲の拡がりとユニバーサルデザインによる、安全で快適な歩行者にやさしい空間を確保する。これにより、安全に歩ける環境が整備され、健康寿命の延伸につながる。

3.解決策に共通して生じうる新たなリスクと対策

(1)リスク

 都市のコンパクト化によって都市機能を集約することで暮らしやすい都市になる一方で、域内の多くの住民が集中するだけに、土砂災害や地震・津波などの災害時の被災リスクが高まる。

(2)解決策

 土砂災害を防ぐ工事や沿岸部では津波の襲来に備え避難タワーを設けるなどのハード対策のほか、住民にハザードマップを配布し、災害の危険度や避難場所の周知を徹底する。併せて、自然災害を念頭に置いた複数の自治体と連携した災害対策など、中長期的な視点に立って都市機能の効率化と災害に強いまちづくりの両立を目指していく。

 


模範解答1   (完成答案)    添削履歴0    作成日2020/7/19    建設部門  科目:都市・地方計画    専門事項 公園緑地

 


1.都市構造の再編計画の課題抽出と分析

(1)公共交通沿線への居住の誘導

 公共交通沿いに日常生活に必要な商店や医療、福祉施設などの都市機能を集約し居住の誘導を図ることで、歩いて暮らせる集約型都市構造への再編を行う。

生活利便性の高い都市のコンパクト化によって、人口密度が適度に維持された市街地形成により都市の持続可能性が向上する。

(2)安全な歩行空間の整備

 高齢者などをはじめ地域住民が自家用自動車に頼ることなく、安全で・安心して、生活・交流ができる環境を整備する。

最も身近な公共空間としての役割を担いながら、都市景観などの地域固有の街並みを活かしつつ、安全で快適な人優先の歩行空間を確保できる。

(3)公共交通空白地域におけるデマンド交通の導入

 交通の不便な地域においては、交通弱者など公共交通機関の利用者のストレスを軽減し、誰もが利用しやすい交通環境を導入する。

自宅から目的地まで利用者の希望に応えるデマンド型乗合タクシー交通等の移動サービスを行うことで公共交通機関の利用度を高めることができる。

2.もっとも重要な課題と解決策

(1)課題:

都市構造の再編計画においてもっとも重要な課題は、上記1−(1)公共交通沿線への居住の誘導である。  

公共交通を軸として居住地や都市機能を集約することで地域の利便性が高まり、車がなくても地域住民の外出機会を増やすなど、歩いて暮らせるまちづくりの実現につなげていくことができる。

(2)解決策:

@交通機能を高めた生活利便性の向上

 市街地拠点へのアクセス手段や拠点間を結ぶ交通サービスを充実するなど、交通ネットワーク機能を高めることで、高齢者などの交通弱者も含めた地域生活の快適性や利便性の向上を図る。

これにより、まちなか拠点の価値が高まるとともに、地域における快適な生活を続ける継続性や暮らしやすさにつながる。

A中心市街地の回遊性を高める

 中心市街地で観光や買い物、飲食などでの回遊性を高め、賑わいを創設する。日常生活とあわせ観光や買い物などで利用しやすい循環ミニバスを運行し、郊外も含めたアクセスの利便性を高める。

これにより、訪れる人を魅了し、地域住民の住みやすさにつながるなど、まちの魅力が高まり都市の持続的な発展を支える活力となる。

B安全で快適な歩行空間の確保

 まちなかの自動車交通をさばきながら、歩行者と公共交通を中心としたトランジットモールの導入を図り、人々の移動範囲の拡がりとユニバーサルデザインによる、安全で快適な歩行者にやさしい空間を確保する。 

これにより、賑わいづくりと交流による地域活性化につながるとともに、安全な歩行空間が整備されることで健康寿命の延伸につなげることができる。

3.解決策に共通して生じうる新たなリスクと対策

(1)リスク

 都市のコンパクト化によって居住地や都市機能を集約することで、暮らしやすい都市になる一方で、域内の多くの住民が集中するだけに、土砂災害や地震・津波などの災害時の被災リスクが高まる。

(2)解決策

@ハード対策とソフト対策

土砂災害を防ぐ工事や河川・下水道の整備を重点的に推進する。さらに、沿岸部では津波の襲来に備え避難タワーを設けるなどのハード対策のほか、住民にハザードマップを配布し、災害の危険度や避難場所の周知を徹底する。特に、災害リスクの低い地域へ居住や都市機能の誘導は有効策である。

A防災施策の連携

自然災害を念頭に置いた複数の自治体と連携した防災・減災対策など、中長期的な視点に立って都市機能の効率化と災害に強いまちづくりの両立を目指していく。

 


解説

(1)問題趣旨に対する考え方、取り組み方などについて

 都市が縮小して乗客が減るときに、あえて乗り換え施設を整備する投資は、何か逆行しています。

調査することや検討することを、それぞれ分離して掘り下げて言うこと。

問題文に要求されているとおり、具体的な対策を記載するように。

 

(2) 論旨のまとめ方、書き方などについて

前置きは不要で、課題として要求されていることを端的に書き出す。

最初から最後までのひととおり、一読して理解できる構成・表現方法を意識するように。(技術者の文章はそこまでわかりにくいのです)

見出しは、新聞の見出しのように、見出し・タイトルを見れば内容が分かるように書くと良いでしょう。

解決策で取り上げる課題は、何番目かを冒頭に宣言するように。解決策は3項目ほどあれば結構です。

一般論、抽象的な表現ではなく、その対策がどう課題の解決につながるのか具体的に提案してください。

リスクの考え方は、解決策に由来することに限ります。ここがぶれないようにするため、問2の対策で挙げた3点を、やればやるほど危険性が高まることは何か、と考えて答えてください。

自ら提案した方策の結果を正しく見通して、解決策の結果により生じうるリスクを論理的に考えて挙げることです。またリスクの文末の書き方は、「〇〇を〇〇する」という対策の文にならないようにしてください。

3つ挙げた解決策の実施に伴い、その解決策の全てに共通して、直接的に生じるリスクを挙げることです。実際に起こりうるもの考えるように。