技術士二次試験模範解答と解説 R2年、2021年 建設部門、河川、道路、施工、建設環境

R2年、2021年 建設・河川 T−1 問題 模範解答と解説

T-1 我が国の総人口は、戦後増加を続けていたが、2010年頃ピークに減少に転じ、国立社会保障・人口問題研究所の将来推計(出生中位・死亡中位推計)によると、2065年には8,808万人に減少することが予測されている。私たちの暮らしと経済を支えるインフラ整備の担い手であり、地域の安全・安心を支える地域の守りでもある建設産業においても、課題の1つとしてその担い手確保が挙げられる。

(1)     それぞれの地域において、地域の中小建設業が今後もその使命を果たすべく担い手を確保していくうえで、技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し、その内容を観点とともに示せ。

(2)     抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3)     すべての解決策を実行として上で生じる波及効果と、新たな懸案事項への対応対策を示せ。

(4)     上記事項を業務として遂行するに当たり、技術者としての倫理、社会の持続性の観点から必要となる要件・留意点を述べよ。


模範解答1簡易答案形式1 建設部門 河川、砂防 専門:治水利水  2021/5/3


1.  担い手確保に関する課題

 

@  地方独自の技術者育成システムの構築 

技術者や人材確保のため、地方或いは企業独自の人材育成システムの構築が課題である。

A  地元企業の収益改善   

複数年安定した受注量を確保し、企業の経営や技術者の処遇改善。技術者の流出を防ぐ。

B  公共施設の維持管理頻度・規模の収縮  

公共施設の点検や維持管理について、存続させるインフラを絞り、維持管理業務を最小限とする。

2.最も重要と考える課題と解決策  

  最も重要な課題は、地方(企業)独自の人材育成システムの構築と考えられる。

@  地元人材育成の職業訓練:地域の人材として、公務員や一般人を育成、技術継承する。民間人を活用し、短期間の技術訓練により点検、施設監視、モニタリング調査など作業を委託できるシステムの構築。

A 地元企業にPFI、PPPの一環として委託し、地元企業の技術力向上や安定した企業収益の確保が来出る。

B 地方独自の技術開発(改良法の整備):地方独自のインフラ整備対策の知識の整理、マニュアルの作成。

3.波及効果と新たな懸案事項への対応策

 @波及効果:地方独自インフラ整備対策の環境、体制が整い、地方で地元企業への受注が多くなり、経済への波及効果が起こる。地方の技術者がインフラ整備技術を学んで、事後保全から予防保全へ転換し、コストの低減となる。

A新たな懸案事項への対応策:地元の人材育成システムの導入により、せっかく育った人材が都会に流出される懸念がある。対応策として、技術力や業務経験に対応して処遇が改善システムを導入する。

4.必要となる要件・留意点

 @技術者倫理の観点:技術者倫理を高めるするには、PFI、PPPを検討する際に、施設の安全性、公益性を確保した上で企業の収益を検討する。これは技術士倫理綱領の公衆の利益の優先に相当する。

A社会持続可能性の観点:社会持続可能性を高めてするには、女性の育児環境、働く環境を整備し、女性の雇用を増やす。これはSDGsの第8番目「働きがい」に相当する


解説

 「1. 担い手確保に関する課題」においては、例えば課題として「企業経営の健全化」や「休日の確保」、「3Kの解消」を挙げる方がいらっしゃいます。しかし、それでは目的、目標に近く、すぐには実現困難です。常識的に「健全化」や「休日確保」ができればよいということは解っていますが、実はそれが困難でできないから、今の問題を招いているわけです。

 そこで、課題とは解決に至るための方針と考えて、では「企業経営の健全化」や「休日の確保」するには建設技術として何をすればよいかを考えてください。技術コンサルタントとして実現可能な提案があれば課題として認められます。

 「課題」の問いでは、このように社会ニーズから、技術的貢献によって問題解決が可能な解決プロセスを組み立てることが求められています。


模範解答1簡易答案形式2 建設部門 河川、砂防 専門:治水利水   2021/5/6


 

(1) 担い手確保に関する課題

@ 地方独自の技術者育成システムの構築

地方の人口減少や技術者が不足している背景の中で、技術者や人材確保のため、地方自治体或いは企業独自の人材育成システムの構築が課題である。

A 地元企業の収益改善

地方企業の複数年安定した受注量を確保し、企業の経営や技術者の処遇・安定した生活の改善により、技術者の流出を防ぐ。

B 公共施設の維持管理頻度・規模の収縮

人口の減少、町の規模が縮小している中で、現存公共施設の点検や維持管理について、存続させるインフラを絞り、維持管理業務を最小限とする。

(2) 最も重要と考える課題と解決策

最も重要な課題は、地方(企業)独自の人材育成システムの構築と考えられる。

@地元人材育成の職業訓練

地域の人材として、公務員や一般人を育成し、技術継承する。公務員や民間人を活用し、短期間の技術訓練により点検、施設監視、モニタリング調査など作業を委託できるシステムを構築する。

APFI、PPPの導入

地元企業の収益の改善、技術者の雇用、技術力の向上などをメリットがあるため、地元企業にPFI、PPPの一環として委託する。

B地方独自の技術開発(改良法の整備)

自治体や施設管理企業として、地方独自のインフラ整備対策の知識の整理、マニュアルの作成。

(3) 波及効果と新たな懸案事項への対応策

@波及効果:地方独自インフラ整備対策の環境・体制の整いにより、地方で地元企業への受注が多くなり、経済への波及効果が起こる。また、地方の技術者がインフラ整備技術を学んで、事後保全型から予防保全型へ転換し、コストの低減となる。

A新たな懸案事項への対応策:地元の人材育成システムの導入により、せっかく育った人材が都会に流出される懸念がある。対応策として、複数年受注やPFI、PPP等により企業の収益確保し、技術者の技術力や業務経験に対応して処遇が改善システムを導入する。

(4) 必要となる要件・留意点

@技術者倫理の観点:

技術者倫理を高めるするには、PFI、PPPを検討する際に、施設の安全性、公益性を確保した上で企業の収益を検討する。これは技術士倫理綱領の公衆の利益の優先に相当する。

A社会持続可能性の観点:

社会持続可能性を高めてするには、女性の育児環境、働く環境を整備し、女性の雇用を増やす。これはSDGsの第8番目「働きがい」に相当する。


模範解答1答案形式 建設部門、河川 砂防  専門:治水利水   2021/5/11


 

1. 担い手確保に関する課題

@地方独自の技術者育成システムの構築

地方の人口減少や技術者が不足している背景の中で、技術者や働き手を確保するため、地方自治体或いは地元企業の独自の人材育成システムの構築が課題である。

A地元企業の収益の改善

技術者に対して、地方と都会の安定した収入の格差があるため、地方の技術者が都会へ流出している現状である。地方企業の複数年安定した受注量を確保し、企業の経営状況の改善や技術者の処遇・安定した生活等の改善により、技術者の流出を防ぐ。

B公共施設の維持管理頻度・規模の収縮

人口の減少、町の全体規模が縮小している中で、コンパクトシティの形成を促進するため、現存の公共施設の存続の必要性を再検討する。必要最小限のインフラ施設の運営を絞り出す。また、存続させる施設の点検・維持管理の頻度・規模も最小限に抑える。

2. 最も重要と考える課題と解決策

 最も重要な課題は、地方(企業)独自の人材育成システムの構築と考えられる。

@ 地域人材育成のための職業訓練

地域の人材として、公務員や一般人を育成し、技術継承する。地方の公務員や民間人を活用し、短期間の技術訓練により点検、施設監視、モニタリング調査など作業を委託できるような人材育成システムを構築する。また、育成された人材を人材バンクに登録し、登録者に対して、ステップアップ研修を行う。人材の活用し易くするためには、派遣システムを明確して、関係機関に周知徹底する。

A PFI、PPPの導入

公共施設の運営・維持管理について、地元の民間企業にPFI、PPPの一環として委託する。PFI、PPP方式の導入により、地元企業に長期的な収益、技術者の雇用、技術力の向上などにつながる。

B 地方独自の技術開発(改良法の整備)

自治体や施設管理企業として、地方独自のインフラ整備対策の知識を整理し、マニュアルを作成する。

また、地域課題解決の自主活動団体として育つように支援し、発見した地域課題を解決する自主的な活動団体・グループを育成する。

3. 波及効果と新たな懸案事項への対応策

@ 波及効果

地方独自インフラ整備対策の環境・体制の整いにより、地元企業への受注が多くなり、経済への波及効果が起こる。また、地元の技術者がインフラ整備技術を習得したことにより、インフラ施設管理の事後保全型から予防保全型へ転換し、事業コストの低減になる。

A 新たな懸案事項への対応策

地元の人材育成システム、人材バンクの導入により、せっかく育った人材が都会に流出される懸念がある。対応策として、複数年受注やPFI、PPP等により地元企業の収益確保し、技術者の技術力や業務経験に対応して処遇が改善システムを導入し、人材の流出を阻止する。

4. 技術者倫理、社会持続性の観点からの要件・留意点

@ 技術者倫理の観点

技術者倫理を高めてするには、地域の人材育成・職業訓練する際に、点検や維持管理箇所、地域周辺の災害時のシミュレーション予測結果を動画として伝達し、臨場感を高め、地元住民の防災意識まで強化してあげる。これは技術士倫理綱領の公衆の利益の優先に相当する。

A 社会持続可能性の観点

地方企業では未だに男尊社会の制度風習が根強く残っており、女性が働きにくい。社会持続可能性を高めてするには、企業管理者の意識を男性主流とする社会が男女平等となるよう転換して、女性労働者の参入を促す。これはSDGsの第5番目「ジェンダー平等を実現しよう」に相当する。


解説

 

「社会持続可能性の観点」として、「社会持続可能性を高めてするには、女性の育児環境、働く環境を整備し、女性の雇用を増やす。これはSDGsの第5番目「ジェンダー平等を実現しよう」に相当する。」といった解答があり得ます。

 しかし、SDGs5は立派ですが、しかしこれでは一般論の追認にすぎません。問題文は「上記事項を業務として遂行するに当たり・・」とあるのですから、解答は上記事項、業務の何をするかを前提に具体的に「私が行う要件」を定義しなければなりません。体験論文ではないので、個人の信条では答えになりません。そこで女性の育児環境を整備したら、問2で提案している業務はどう改善されますか。

 または、問2で自身が提案した解決策の遂行途中で、女性従事者の育児環境を整備するには業務をどう改善するかです。これが求められている要件です。



模範解答2簡易答案形式1 建設部門 河川、砂防 専門: 2021/5/18


 

(1)課題

a) 生産性の向上

維持管理問題、災害の増加。大量の需要に答えるため生産性の向上。

b) 健全な経営環境の確保

建設投資の減少、価格競争の激化で環境悪化。建設業の活力維持のため、安定した経営環境の確保

c) 入職者の確保

建設業のイメージ悪化、離職者の増大。担い手確保のため入職者の確保。

(2)a)生産性の向上の解決策

a)生産方法の改善

現地生産が主体。i-constructionによる取組。@ICT土工の全面的活用 Aコンクリート工規格の標準化 B新技術の導入促進

b) 建設業技能者の待遇改善

就労者の待遇の低下、CCUSの活用。@建退共のCCUS活用 A社会保険加入確認のCCUS活用 B技能者のキャリアアップシステムの構築

c)データ連携の推進

働き方改革、災害形態の多様化に対応。データ連携の推進。@建設生産プロセス全体の3次元化 A他データとの連携から、AI活用によって高度化

(3)波及効果と新たな懸念事項

a)更なる技術展開(波及効果)

現場で得られる知識から、ロボット技術の開発や自動運転に応用

b)(懸念事項)

人口減少社会、労働者不足。IT技術者の不足。

c)対応策

就労形態に変化、多様な人材を獲得

(4)倫理

a) 生産方法の改善

普及を促進、研修・人材育成。「継続研鑽」に相当。

b) 建設業技能者の待遇改善

処遇改善・意欲向上、技能に応じた賃金体系。「あらゆる人が活躍する社会の実現」に相当。

c) データ連携の推進

イノベーション促進、他機関との連携る。「相互の協力」に相当。



R2年、2021年 建設・河川 T−2 問題 模範解答と解説

T-2 我が国の社会インフラは高度経済成長期に集中的に整備され、建設後50年以上を経過する施設の割合が今後加速度的に高くなる見込みであり、急速な老朽化にともなう不具合の顕在化が懸念されている。また、高度経済成長期と比べて、我が国の社会・経済情勢も大きく変化している。

こうした状況下で、社会インフラの整備によってもたらされる恩恵を次世代への確実に継承するためには、戦略的なメンテナンスが必要不可欠であることを踏まえ、以下の問いに答えよ。

(1)社会・経済情勢が変化する中、老朽化する社会インフラの戦略的なメンテナンスを推進するにあたり、技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し、その内容を観点とともに示せ。

(2)(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3)(2)で示した解決策に共通して新たに生じるリスクとそれへの対策についてのべよ。

(4)(1)〜(3)を業務として遂行するにあたり必要となる要件を、技術者としての倫理、社会の持続可能性の観点からのべよ。


模範解答1簡易答案形式1 建設部門 河川、砂防 専門:ダム  2021/6/16


1)戦略的メンテナンスの推進における課題

@予防保全型メンテナンスへの移行

 限定された予算制約下で急速な施設の老朽化に対応するために、AI技術による管理データの高度活用や施設の管理サイクル構築等により、劣化に予測的に対処する予防保全型のメンテナンスに移行する必要がある。

A施設の集約・再編

 施設の利用状況や少子高齢化を踏まえ、複数のインフラ施設を集約・再編し、一括管理。管理対象となるインフラ施設を合理化し、管理に要する費用・時間を縮減。

Bメンテナンスの生産性向上:メンテナンスに、ロボットやセンサ、3次元データ等を活用。維持管理のスマート化を図り、コスト縮減・合意形成の円滑化を実現。

(2)「予防保全型メンテナンスへの移行」に対する解決策

@PDCAサイクルの構築:点検・診断・修繕・記録といった管理サイクルを基に、インフラ施設の計画的な管理を実施。

Aデータの高度活用:管理データの電子化・プラットフォームを構築。当該データにAI技術を応用し、劣化予測の精度向上や異常判断支援を実施。これにより、劣化に対する予測的な対処、点検・分析の効率化を図る。

B非破壊検査導入によるメンテナンスの迅速化:従来の目視点検や破壊検査から、非破壊検査へ移行することで、点検・補修を迅速化し管理の効率化を図る。

(3)解決策により新たに生じるリスクと対策

リスク:AIや非破壊検査といった異常診断の自動化・高度化で、構造物の設計・管理に関する知識不足により技術力低下のリスク。

対策:熟練技術者による技術指導の充実で対応。/PPPの導入で、自治体管理が主なインフラ施設の維持管理に、民間事業者の技術力やノウハウを応用するとともに官民連携した学習会の開催や現場研修等で、技術力の維持・向上を図る。

(4)業務遂行における必要要件

・技術者倫理も高めて遂行するには、業務内容の説明責任を果たし、最新技術の研さんに努める。これは公衆の利益の優先に相当。

・社会の持続可能性を高めて遂行するには、環境負荷低減も考慮した新技術や新材料を積極的に活用し環境保全を図る。これはSDGsの9.4「環境に配慮したインフラ改良」に相当。


解説

 問題文をよく読んで、出題意図を踏まえた回答にするようにしてください。書かれている要求を正確に把握することが大切です。目的は何の便益を高めるか?社会資本維持管理の大事な狙いを記載するように。また、問題文と重複するような記載はしないことです。従来は問題部の趣旨を読み砕いて、それを追認するような回答も許されましたが、近年は出題が具体的となりそうした戦略は通用しません。

 技術的留意点とは、小さな手段的なことにこだわるのではなく、河川砂防技術の視点で大きく貢献できることを示す。あまり一般的なことや、常識的にわかることは好ましくありません。(得点しにくいです)

 技術的留意点では、独創性が求められるため自身の業務経験から得られるものを記載するのが良いでしょう。そして、提案の趣旨を明確に示すことです。特に、工夫・独創的提案・技術応用がわかるように記載してください。事業主が求めている、価値のある提案をするのがベストです。

 リスクは一般的に事業者などが想像できないような、技術士ならではの推論による提案をするのが良いでしょう。


模範解答1 答案形式 建設部門 河川、砂防 専門:ダム   2021/6/19


1. 戦略的なメンテナンスの推進における課題

(1)予防保全型メンテナンスへの移行

 限定的な予算制約下で、急速な施設の老朽化に対応することが求められる。そのため、AI技術による管理データの高度活用や施設の管理サイクルの構築等により、劣化に予測的に対処する予防保全型のメンテナンスに移行する必要がある。これにより、点検を効率的に実施する計画的な管理体制を構築するとともに、施設の長寿命化による既存施設の有効活用を図るものである。

(2)施設の集約・再編

 施設の利用状況や少子高齢化を踏まえ、複数のインフラ施設を集約・再編する。管理対象となる複数のインフラ施設を一括して管理することで、インフラ施設の過剰を合理化する。これによって、管理に要する費用・時間を縮減する必要がある。

(3)メンテナンスの生産性向上

 インフラ施設のメンテナンスにおいて、ロボットやセンサ、BIM/CIMモデル構築をはじめとする3次元データ等を活用する。これにより、維持管理のスマート化を図り、コスト縮減・合意形成の円滑化を実現する必要がある。

2. 「予防保全型メンテナンスへの移行」の解決策

(1)PDCAサイクルの構築

インフラ施設の急速な老朽化に対応するために、点検・診断・修繕・記録といった管理サイクルを基にした、施設の長寿命化計画を策定する。これにより、被災履歴を反映した管理を実現し、インフラ施設の計画的な管理を実施する。

上記管理サイクルの中で、日々の管理データを記録し、確実に知見を蓄積する。これにより、今後の管理における重点監視箇所の抽出や補修工法の選定で、有用な知見として活用する。

(2)データの高度活用

 管理データを今後の維持管理に活用するために、管理データの電子化・プラットフォームを構築する。当該データにAI技術を応用し、劣化予測の精度向上や異常判断支援を実施する。これにより、劣化に対する予測的な対処、点検・分析の効率化を図る。

また、管理データについてプラットフォームを構築することで、当該施設の管理記録だけでなく、類似構造物の知見や気候変動等を反映した劣化予測を実施することが可能となり、管理の高度化を図る。

(3)非破壊検査の導入によるメンテナンスの迅速化

 従来の目視点検や破壊検査を主体とした管理に対し、非破壊検査を導入する。非破壊検査の導入により、点検・補修の迅速化や点検に要する技術職員数の削減が可能となる。この結果として、施設の維持管理の効率化を図るものである。

ただし、非破壊検査は測定箇所(位置や内部性状)や測定方法(角度や向き)等によって、結果が変動する可能性がある。そのため、測定上のルールをあらかじめ規定・共有し、測定者によらず精度よく測定できる体制も併せて整備する。

3.解決策により新たに生じるリスクと対策

予防保全型のメンテナンスへの移行を促進・拡大していくために求められる、AI技術や非破壊検査に精通した専門技術者が不足し、技術展開が促進されない可能性がある。これにより、管理の合理化・効率化が実現しないリスクがある。

この対策として、専門技術者の育成および新規採用を実施する。これに加えて、ICT機器を更新し、AI技術や非破壊検査への移行に対応できる技術者・体制を確保する。

4.業務遂行における必要要件

 技術者倫理も高めて業務遂行するために、公平性・真実性をもち、業務内容の説明責任を果たし、最新技術の研さんに努める。これは公衆の利益の優先に相当する。

 社会の持続可能性を高めて業務遂行するために、環境負荷の低減に考慮した新技術や新材料を積極的に活用することで、自然環境の保全に努める。これはSDGsの9.4「環境に配慮したインフラ改良」に相当する。


解説

キーワードを強調する「」等の記号はできるだけつけないでシンプルに文章を作成しましょう。

主語や文末、言い回しは簡潔に。評論家的ではなく、対策、提案を言うことです。評論とは、物事の価値・善悪・優劣などを批評し論じることであり、問題では求められません。

 解決策としては、「問題点」を表す文章ではなく、解決方法を記述するようにしてください。例えば、問題点の「〇〇ができない」は、目的「〇〇のため〇〇化する」と前向きに表現するようにです。そして、対策の末尾には、留意点、すなわち性能を高める具体的で独創的な工夫を2〜3行加えると、技術者としてのコンピテンシーが高まるでしょう。



R2年、2021年 建設・河川 U−1−1 問題 模範解答と解説

U-1-1 河川改修により確保された流下能力を維持するための河道流下断面の維持管理についてその手順を説明するとともに、河川改修後に低下した流下能力を回復させる対策を検討する際の技術的留意点を2つ以上述べよ。


模範解答1簡易答案形式1 建設部門、河川・砂防 専門:河川構造 2021/5/17


1.河道流下断面の維持管理の手順

@縦横断測量及び河道内樹木調査 

 A調査結果と計画(改修後)断面と比較し、流下能力を算定する。

 B河道内低水路部の土砂撤去、低水路部や高水敷の樹木を伐採する。

2.低下した流下能力を回復させる対策を検討する際の技術的留意点

 @勾配の急変箇所などの流速変化があり河床変動が生じやすい箇所は土砂堆積が発生しやすいため重点的に対策する。

 A樹木の経年変化を踏まえて、伐採後1年間隔で踏み倒しなどによる再繁茂抑制を行うなどの対策実施後の伐開計画を作成する。

 B低々水路の形成などによる低水路への植生侵入を抑制する対策を行う。


模範解答1 答案形式 建設部門、河川・砂防 専門:河川構造  2021/5/26


1.河道流下断面の維持管理の手順

@縦横断測量及び河道内樹木調査

 改修後の計画河道から、低水路部の土砂洗堀・堆積状況および樹木繁茂状況の経年的な変化を、縦横断測量や巡視点検にて記録する。

A流下能力評価

 調査結果と改修後の計画断面を比較し、計画流量が流下可能か、流下能力を算定する。

B流下能力回復対策の実施

 河道内低水路部の土砂撤去、低水路部や高水敷の樹木の伐採により、流下能力を回復する。

2.流下能力回復対策を検討する際の技術的留意点

@流況変化区間を重点的に対策

 勾配急変箇所のような流速変化がある区間では河床変動が生じやすく土砂堆積が発生しやすいため、重点的に河道掘削などの対策を実施する。

A再繁茂抑制対策を踏まえた伐開計画

 樹木は伐採後も、経年的に繁茂するため、伐採後1年間隔で踏み倒しなどによる再繁茂抑制を行うなどの対策後の伐開計画を作成する。

B低々水路の形成による植生侵入対策

 改修時に拡幅した低水路部には植生繁茂が発生するため、澪筋となる低々水路を形成し、植生侵入を抑制し、維持管理の頻度を下げることが有効である。



 

R2年、2021年 建設・河川 U−1−2 問題 模範解答と解説

U-1-2 将来にわたり貯水池機能が確実に発揮されることを可能とするために実施する、適正な貯水池土砂管理のための調査・観測の目的を説明したうえで、調査・観測の項目とその内容について各々説明せよ。また、貯水池土砂管理のための調査・観測における技術的留意点を2つ以上のべよ。


模範解答1簡易答案形式1 建設部門、河川、砂防 専門: ダム 2021/4/30


1.適正な貯水池土砂管理のための調査・観測の目的

・  堆砂の現状及び履歴から、ダム堆砂による必要容量の損失の程度を把握し、流入土砂低減策等の堆砂対策工の実施判断・実施をすること。

・  ダムによる土砂遮断が及ぼす下流環境への影響を把握し、ダム貯水池の下流域のために必要な土砂の供給を実現すること。

 

2.調査・観測の項目と内容

・  堆砂状況調査:堆砂量及び堆砂の特徴となる縦断形状・平面分布を把握

・  水文・水質調査:雨量・流入量・貯水位等から、影響因子、堆砂進行度を分析

・  土砂生産域調査:ダム上流の地形・地質から流入土砂の特徴を把握

 

3.調査・観測における技術的留意点(2つ以上)

@   堆砂測量結果から年堆砂量が増加傾向を示した場合、上流の土砂生産域での土砂崩壊度の変動等が想定される。そのため、放射性同位体法を活用し、土砂生産域の特定及び特定域での法面対策を実施し、流入土砂量の低減を図る。

A   ダムへの堆砂が進行し、ダム治水機能への影響が懸念される場合、ダム堆砂の形状をT〜W型に分類したうえで、「n-1」ruleに基づきゲート機能低下を考慮した洪水リスク評価を実施する。閉塞リスクが高い場合、浚渫や掘削による土砂処理を実施する。


模範解答1簡易答案形式2 建設部門、河川、砂防 専門: ダム  2021/5/4


(1) 目的

・ダムの堆砂履歴から、堆砂による損失容量を把握し、堆砂対策を実施する。

・ダムによる土砂遮断が及ぼす下流環境への影響を把握し、貯水池下流域に必要な土砂の供給を実現する。

(2) 調査・観測項目と内容

@堆砂状況調査

貯水池の縦横断方向で測量を行い、堆砂の平面分布を把握する。年毎の河床高差分から、平均断面法で堆砂量を算出する。

A水文調査

 雨量・流量・貯水位等水文データと堆砂量の相関分析を行い、ダム堆砂の影響因子及び堆砂の将来挙動を推察する。

B土砂生産調査

ダム上流域の地質等の収集データと堆砂量の相関分析から、流入土砂特性を把握する。

(3) 技術的留意点

@放射性同位体による生産源特定

 土砂流出量はダムに堆積した砂礫を基に推定するため、浮遊砂の把握が困難である。当該調査に放射性同位体を応用することで、浮遊砂も含めた土砂生産源の特定が可能になる。

A「n-1」ruleによる治水機能評価

 堆砂等で生じるゲート閉塞に伴う治水機能を評価する手法は少ない。当該評価に「n-1」ruleを応用することで、ゲート閉塞を考慮した治水機能評価が可能となる。


模範解答1答案形式 建設部門、河川、砂防  専門: ダム  2021/5/7


1.調査・観測の目的

 堆砂による容量損失の程度を把握することと、ダムによる土砂遮断が及ぼす下流河道環境への影響を把握することである。

2.調査・観測項目と内容

@堆砂状況調査:貯水池の縦横断方向で測量を行い、堆砂の平面分布を把握する。また、年毎の河床高差分をもとに、平均断面法により堆砂量を算出する。

A水文調査:雨量・流量・貯水位等水文データと堆砂量の相関分析を行い、堆砂の影響因子および堆砂の将来挙動を推察する。

B土砂生産調査:ダム上流域の地質等の収集データと堆砂量の相関分析から、流入土砂の特性を把握する。

3.調査・観測における技術的留意点

@放射性同位体を応用した浮遊砂量の調査

 浮遊砂はダムに堆積しにくく、生産量の推定が困難である。そこで、放射性同位体を応用し、浮遊砂の動態を分析することで、全粒径の土砂生産源を特定できる。この結果、土砂生産量の予測精度が高められる。

A「n-1」ruleを応用した治水機能の評価

 通常の治水機能評価手法は、過剰な堆砂によるゲート閉塞を考慮できない。そこで「n-1」ruleモデルを応用することで、ゲート閉塞の程度を反映した治水機能評価を実施する。必要な放流能力を確保できないと判定される場合、掘削等で堆砂除去を実施する。



R2年、2021年 建設・河川 U−2−1 問題 模範解答と解説

U-2-1


模範解答1 簡易答案形式1 建設部門、都市地方計画 専門: 2021/4/25


 


R2年、2021年 建設・河川 U−2−2 問題 模範解答と解説

U-2-2 近年、激甚な災害が各所で発生しているが、被災地の復旧に当たっては再度災害防止の取り組みが重要となる。あなたが水害・災害の被災地における再度災害防止対策に関するプロジェクトの企画・立案を担当することとなった場合、河川、砂防及び海岸・海洋のいずれかの分野を対象として、下記の内容について記述せよ。

(1)調査、検討すべき事項とその内容について、説明せよ。

(2)業務を進める手順について、留意すべき点、工夫を要する点を含めて述べよ。

(3)業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方針について述べよ。


模範解答1 簡易答案形式1 建設部門、河川・砂防 専門:河川構造 2021/6/9


1)河川分野での被災地の再度災害防止対策にて、調査、検討すべき事項と内容

@堤防高の見直し:被災地の痕跡水位調査より余裕高を考慮した計画堤防高を設定する。

A河道改修:改修による流下能力の向上や河道内流況の改善を目的とした河道掘削や低水路部の拡幅を検討

B堤防越水対策:堤防嵩上げや高規模堤防、法面被覆工や川裏法尻保護工の設置などの粘り強い構造を検討

(2)業務を進める手順と、留意すべき点、工夫を要する点

 @計画堤防高の見直し:痕跡水位時の流量に対して河川構造令で設定されている余裕高に加え、築堤後の沈下量を考慮した高さで堤防の計画高を設定する。

 A対策範囲の設定:最大水位に対して浸透流解析および堤防高調査により安全性を調査し対策範囲を設定する。

 B対策工法の検討:実施可能か用地などの土地利用状況を確認し、堤防嵩上げや拡幅などの災害防止対策が効率的かどうかを検討する。

 C施工計画の検討:被災箇所では早期復旧が望まれるため、出水期施工を考慮し洪水時高さを想定した仮締切を検討する。

(3)業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方針

  @セットバックなど民間の用地に影響がある対策は避ける。

  A築堤土に掘削土を流用するなどコスト縮減、早期復旧案を検討する。

  B工事用道路などの仮設備は各機関と共有できる施工計画を提案する。


模範解答2簡易答案形式1 建設部門、河川・砂防 専門:ダム  2021/4/25


1)再度災害防止対策のための調査、検討すべき事項と内容

@ 洪水履歴の調査:被災位置や原因を検討(分析)。

A 洪水予測解析:災害履歴も考慮し、外力の見直しをした洪水予測モデルを構築

B 対策工検討:想定外災害にも耐えるレジリエンスのある対策工の検討

(2)業務を進める手順と留意点・工夫点

@ 洪水履歴の調査: 調査結果から、被災箇所の要因分析や外力の見直しを実施。

A 降雨・流出解析による洪水予測の実施:地球温暖化や線状降水帯等を考慮した計画外力の見直しを実施し、予測モデルの精度向上を図る。

B 施設増強策の検討:越水しても壊れにくい河川堤防(被覆型堤防等)を設計する等、被災要因に応じてレジリエンスのある施設検討を実施。

C AIを活用した避難勧告等発令判断支援システムの導入:河川水位の観測データや気象警報等のデータから、警戒レベルを算出し、避難判断の支援情報を提供。

(3)関係者との調整方策

@維持管理の効率化に向けた調整:被覆型堤防を構築した場合、沈下による空洞化が生じ機能低下の危険性がある。そこで、空洞調査は赤外線カメラを搭載したドローンを活用する手法を提案する。従来の画像撮影法に対し、専門操縦士が必要になるものの、点検の効率化や省人化効果があることを説明し、当該手法の導入を促す。

Aデータベース使用による業務効率化に向けた調整

河川堤防で被災箇所・補修履歴等をクラウド上で一元管理し、点検・補修業者に対して、情報を共有し業務効率化を図る。この際、情報漏洩リスクもあるが、過去の経緯を反映した補修工選定ができる点を説明し、システム管理者に許諾を促す。


解説

 調整方策では「調整」として求められる3要件を満たすように書くように。

3要件とは

  1. 「〇〇の過剰から〇〇の不足へ移して最適化する」という「調整」の本来の趣旨にかなっている。
  2. 関係者を取りまとめて、行動変容を促している。
  3. 技術士にふさわしい河川技術の応用が読み取れる。

模範解答2簡易答案形式2 建設部門、河川・砂防 専門:ダム  2021/4/27


(1)再度災害防止対策のための調査、検討すべき事項とその内容

@洪水履歴の調査:被災箇所と被災当時の水位等観測データを収集する。収集データをもとに、被災要因を検討する。

A洪水予測解析:予測における基本データとなる降雨や水位データの量や質の向上を図るとともに、計画・設計上の外力の見直しを実施する。併せて、気温上昇や線状降水帯予測等の気候変動を反映した予測モデルを構築・検討する。

B対策工の検討:想定外力にも耐えることができる、粘り強い堤防等レジリエンスのある対策工を検討する。

(2)業務手順と留意点・工夫点

@洪水履歴調査:洪水履歴を含め、水位や流量データ等から流況を調査する。この結果を踏まえたうえで、被災要因の分析を実施する。

A降雨・流出解析による洪水予測の実施:収集データ及び地球温暖化や線状降水帯等を考慮し、計画外力を見直す。その上で、気候変動を反映した予測モデルの構築やAIモデルの導入を検討し、分析モデルの高度化・精度向上を図る。

B施設増強策の検討:被災要因に応じ、レジリエンスのある施設改良・増強策を検討する。例えば、越水しても壊れにくい河川堤防として、被覆型堤防を設計する。

C避難勧告発令等判断支援システムの導入検討:河川水位の観測データや気象データから、警戒レベルを算出するAIモデルを導入する。警戒レベルに応じて、避難判断の支援となる情報を住民にSNSやメールで提供するシステムを導入する。

(3)関係者との調整方策

@維持管理の効率化に向けた調整:

被覆型堤防を構築した場合、堤防内部の沈下により機能低下の危険性がある。そこで、空洞部の有無の調査は赤外線カメラを搭載したドローンを活用する手法を提案する。従来の画像撮影法に対し、専門操縦士が必要になるものの、点検の効率化や省人化効果があることを説明し、当該手法の導入を促す。

Aデータベース使用による業務効率化に向けた調整:

河川堤防で被災箇所・補修履歴等をクラウド上で一元管理し、点検・補修業者に対して、情報を共有し業務効率化を図る。この際、情報漏洩リスクもあるが、過去の経緯を反映した補修工選定ができる点を説明し、システム管理者に許諾を促す。


模範解答2答案形式 建設部門、河川・砂防  専門:ダム  2021/5/5


(1)調査・検討すべき事項とその内容

@洪水履歴:

洪水による被災箇所や被災当時の観測データを収集する。収集データを基に、被災要因について調査・分析する。

A洪水予測解析:

洪水予測における基本データとなる雨量や水位データについて、現行の測定方法を調査するとともに、当該データの量や質の向上策を検討する。併せて、被災要因分析や気候変動を反映した予測モデルを検討する。

B対策工の検討:

災害激甚化傾向を考慮し、想定外力にも対応した、粘り強い堤防等レジリエンスのある対策工を検討する。

(2)業務手順と留意点・工夫点

@洪水履歴調査:

洪水履歴を含め、水位や流量データ等から流況を調査する。この結果を踏まえ、被災要因の分析を実施する。併せて、地球温暖化や季節変動等の外生変数の影響の程度を分析する。

A降雨・流出解析による洪水予測の実施:

収集データ及び地球温暖化、線状降水帯等を考慮し、計画外力を見直す。その上で、気候変動を反映した予測モデルの構築やAIモデルの導入を検討し、分析モデルの高度化・精度向上を図る。

B施設増強策の検討:

被災要因に応じ、レジリエンスのある施設改良・増強策を検討する。例えば、越水しても壊れにくい河川堤防として、被覆型堤防を設計する。

C避難勧告発令等判断支援システムの導入検討:

河川水位の観測データや気象データから、発生した洪水について警戒レベルを算出するAIモデルを検討する。算定した警戒レベルに応じて、避難判断の支援となる情報を住民にSNSやメールで提供するシステムを導入する。

(3)関係者との調整方策

@維持管理の効率化に向けた調整:

被覆型堤防を構築した場合、堤防内部の沈下により機能低下の危険性がある。そこで、空洞部の有無の調査は赤外線カメラを搭載したドローンを活用する手法を提案する。従来の画像撮影法に対し、専門操縦士が必要になるものの、点検の効率化や省人化効果があることを説明し、当該手法の導入を促す。

Aデータベース化による業務効率化に向けた調整:

河川堤防で被災箇所・補修履歴等をクラウド上で一元管理し、点検・補修業者に対して、情報を共有し業務効率化を図る。この際、情報漏洩リスクもあるが、過去の経緯を反映した補修工選定ができる点を説明し、システム管理者に許諾を促す。



模範解答3簡易答案形式1 建設部門、河川・砂防 専門:治水利水計画 2021/2/18


1. 土砂災害防災地域づくりで調査、検討すべき事項

@  土石流危険区域について、急傾斜地、土砂を大量堆積されている山腹・渓床、保全対象等を調査し、緊急性により整備期間の短い工法を検討する。 

A  地すべり危険区域について、地質構造、地下水位分布等を調査により今後の地盤運動を予測し、ハード、ソフト対策を合わせて検討する。

B  急傾斜区域について、地面の亀裂や周辺の構造物の変状を調査し監視やリアルタイムの情報共有システムを検討する。

2.業務を進める手順

@  土石流解析では、 地質、地形、降雨等基礎データを基にし、山林の場合は、流木堆積量、流木長や直径を調査し、流木混入モデルによりシミュレーション解析を実施する。

A  地すべり対策計画の検討では、地質、地下水位の調査結果に基づいて、地すべりの移動状況、すべり面の形状・位置、土量等を解析し対策計画を検討する。要配慮者利用施設がある場合は、大規模な避難所や避難ルートを確保するため、ハード、ソフト対策を検討する。

B  要配慮者利用施設の避難タイムラインの作成では、避難時車いすの運搬手段、運搬ルートを確認して、避難タイムラインを作成する。必要である場合は、バスやタクシーなどの手段を考慮する。

3.業務を効率的・効果的に進めるための関係者との調整方策

 当初のタイムラインでは避難時間が短いため、要配慮者全員の避難が無理と分かった。そこで私は、要配慮者施設管理者に車いすの方がバスで避難する。また、地域防災担当者には、タクシー会社に避難準備と開始時間を知らせる。そして、タクシー会社には、災害時の避難を協力するように申し渡した。その結果、施設管理者は、車いすの車両を整備し、地域防災担当者は、タクシー会社へのホットラインを設置し、タクシー会社は、災害時の車両の準備と出動時間を変更修正し、計画したタイムラインで合意を得られた。


模範解答3簡易答案形式2 建設部門、河川・砂防 専門:治水利水計画  2021/3/5


(1) 土砂災害防災地域づくりで調査、検討すべき事項

@土石流危険区域について

急傾斜地、土砂や砂礫を大量堆積されている山腹・渓床、保全対象等を調査し、緊急性により整備期間の短い工法を検討する。

A地すべり危険区域について、

微地形、地質構造、地下水位分布等を調査により、今後の地盤運動を予測し、ハード、ソフト対策を合わせて検討する。

B急傾斜区域について、

地形、地質、地面の亀裂や周辺の構造物の変状を調査し、監視やリアルタイムの情報共有システムを検討する。

(2) 業務を進める手順

@ 土石流解析シミュレーション

地質、地形、降雨等基礎資料データを基にし、樹木が繁茂した山林、渓谷の場合は、流木堆積量及び流木長、直径を調査し、流木混入モデルにより土石流解析シミュレーションを実施する。

A  地すべり対策計画の検討

地質、地下水位の調査結果に基づいて、地すべりの移動状況、すべり面の形状・位置、土量等を解析し対策計画を検討する。要配慮者利用施設がある場合は、大規模な避難所や避難ルートを確保するため、ハード、ソフト対策を検討する。

B  要配慮者利用施設の避難タイムラインの作成

避難時車いすの運搬手段、運搬ルートを確認して、避難タイムラインを作成する。必要である場合は、バスやタクシーなどの手段を考慮する。

(3) 業務を効率的・効果的に進めるための関係者との調整方策

 当初のタイムラインでは高齢者避難準備から避難完了までの45分が短いため、要配慮者全員の避難が無理と分かった。そこで私は、要配慮者施設管理者に車いすの方がバスで避難する。また、地域防災担当者には、タクシー会社に避難準備と開始時間を知らせる。そして、タクシー会社には、災害時の避難を協力するように申し渡した。その結果、施設管理者は、車いすの車両を整備し、30分以内車いすの避難が完了できた。地域防災担当者は、タクシー会社へのホットラインを設置して、避難時の協力要請がスムーズにできた。タクシー会社は、災害時の車両の準備と出動時間を変更修正し、45分以内避難者の運搬ができた。


模範解答3答案形式 建設部門、河川・砂防  専門:治水利水計画  2021/3/10


1. 土砂災害防災地域づくりで調査、検討すべき事項

@土石流危険区域について

急傾斜地、土砂や砂礫を大量堆積されている山腹・渓床、保全対象等を調査し、緊急性により整備期間の短い工法を検討する。

A地すべり危険区域について、

微地形、地質構造、地下水位分布等を調査により、今後の地盤運動を予測し、集水井工、横ボーリング工等抑制工と地すべり監視システムを合わせて検討する。

B急傾斜区域について、

地形、地質、地面の亀裂や周辺の構造物の変状を調査し、監視やリアルタイムの情報共有システムを検討する。

2.業務を進める手順

@ 土石流解析シミュレーション

地質、地形、降雨等基礎資料データを基にし、樹木が繁茂した山林、渓谷の場合は、流木堆積量及び流木長、直径を調査し、流木混入モデルにより土石流解析シミュレーションを実施する。

A 地すべり対策計画の検討

地質、地下水位の調査結果に基づいて、地すべりの移動状況、すべり面の形状・位置、土量等を解析し対策計画を検討する。要配慮者利用施設がある場合は、大規模な避難所や避難ルートを確保するため、避難所の整備や携帯、メール、放送等多手段な情報伝達システムの整備を検討する。

B 要配慮者利用施設の避難タイムラインの作成

過去の災害時の降雨ハイエトを分析し、災害発生時の時間雨量、総雨量により避難開始雨量(予測時間雨量、総雨量)を設置する。また、避難シミュレーション図上演習を実施し、避難所への距離、準備時間、車いすの運搬手段、ルートを確認してから避難開始時間を考慮して、避難タイムラインを作成する。

3.関係者との調整方策  

当初の避難タイムラインでは要配慮者が避難開始から避難完了までの60分が短いため、要配慮者全員の避難が無理と分かった。そこで私は、避難時間シミュレーションを改良し、要配慮者施設管理者に車いすの方がバスで避難する。また、地域防災担当者には、タクシー会社に避難準備と開始時間を知らせる。そして、タクシー会社には、災害時の避難を協力するように申し渡した。

この提案により避難訓練を実施し、その結果@施設管理者は、車いすの車両を整備し、45分以内車いすの避難が完了できた。A地域防災担当者は、提案のとおりタクシー会社へのホットラインを設置し、避難時の協力要請がスムーズにできた。Bタクシー会社は、提案した災害時の車両の準備と出動時間に合わせて行動し、50分以内避難者の運搬ができた。



R2年、2021年 建設・河川 V−2 問題 模範解答と解説

V-2 気候変動の進展に伴い、海面水位の上昇などによる海岸浸食のさらなる進行や山間部からの土砂流出の変化が懸念される中、流砂系全体として持続可能な土砂管理の目標について検討し、総合的な土砂管理の取り組みを推進することが求められている。

(1) 国土を保全するため、流砂系全体として持続可能な土砂管理を実現するにあたって、技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し、その内容を観点とともに示せ。

(2) 前問(1)で抽出した課題のうち、最も重要と考える課題を1つあげ、その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3) 前問(2)で示した解決策に共通して新たに生じうるリスクとそれへの対策について、専門技術を踏まえた考えを示せ。


模範解答1簡易答案形式1 建設部門、河川・砂防 専門:ダム  2021/5/31


(1)流砂系全体として持続可能な土砂管理を実現する際の課題

@砂防ダムのスリット化:

スリット型砂防ダムへの施設改造を実施する必要がある。これにより、土砂災害を低減する効果は維持しつつ、下流への土砂供給を阻害しない砂防施設とする。

Aダム堆砂の下流への排砂技術の導入:

土砂バイパストンネル、スルーシング、吸引工法等の導入で、ダムへ流入する土砂を下流へ排砂する必要がある。

B河道の砂利採取:

河道の二極化や植生の繁茂を抑制し、維持管理性や環境に配慮した砂利採取が求められる。例えば、緩傾斜断面掘削や低水路拡幅掘削等がある。

(2)最も重要な課題とその解決策:

最重要課題として、「Aダム堆砂の下流への排砂技術の導入」を選定。

解決策@ 下流土砂還元の実施:

ダム堆砂の掘削土砂を下流河道に置き土することで、下流に土砂還元する。特に、下流土砂還元の効率が高い砂分を主体とした土砂還元を実施する。

解決策A 吸引工法による排砂:

貯水池からダム下流にφ200mm程度の排砂管を通過させ、貯水池の水位差を利用し堆砂を吸引し、下流に排出できる吸引工法を導入する。

解決策B 土砂バイパストンネル建設による排砂:

貯水池末端部からダム下流に土砂バイパストンネルを建設する。ダムへの流入土砂を、ダム貯水池を介さずに下流に排砂できる。ダム堆砂の掘削土砂をバイパストンネル口に置くことで、掘削土砂の下流への排出も可能となり、排砂効果を高めることができる。

(3)新たに生じうるリスクとその対策

 上記佳克策を実施することで、ダム堆砂内の嫌気環境下で生成されたヘドロや悪性物質が、下流に排出されるリスクがある。これにより、下流の景観や漁業への影響が懸念。

対策として、ダム貯水池の堆砂が顕著な個所に、ファインバブル発生装置を投入。本装置により、溶存酸素を供給することで、ヘドロや悪性物質の分解を図る。


模範解答1簡易答案形式2 建設部門、河川・砂防 専門:ダム 2021/6/17


1. 戦略的なメンテナンスの推進における課題

(1)予防保全型メンテナンスへの移行

 限定的な予算制約下で、急速な施設の老朽化に対応するために、AI技術による管理データの高度活用や施設の管理サイクルの構築等により、劣化に予測的に対処する予防保全型のメンテナンスに移行する必要がある。

(2)施設の集約・再編

 施設の利用状況や少子高齢化を踏まえ、複数のインフラ施設を集約・再編する。管理対象となるインフラ施設を一括管理することで、インフラ施設の過剰を合理化し、これにより管理に要する費用・時間を縮減する必要がある。

(3)メンテナンスの生産性向上

 インフラ施設のメンテナンスにおいて、ロボットやセンサ、3次元データ等を活用する。これにより、維持管理のスマート化を図り、コスト縮減・合意形成の円滑化を実現する必要がある。

2. 「予防保全型メンテナンスへの移行」に対する解決策

(1)PDCAサイクルの構築

 点検・診断・修繕・記録といった管理サイクルを基にした施設の長寿命化計画を策定し、インフラ施設の計画的な管理を実施する。

(2)データの高度活用

 管理データの電子化・プラットフォームを構築する。当該データにAI技術を応用し、劣化予測の精度向上や異常判断支援を実施する。これにより、劣化に対する予測的な対処、点検・分析の効率化を図る。

(3)非破壊検査の導入によるメンテナンスの迅速化

 従来の目視点検や破壊検査から、非破壊検査へ移行することで、点検・補修を迅速化し、これにより管理の効率化を図る。

3.解決策により新たに生じるリスクと対策

予防保全型メンテナンスへの移行を促進・拡大していくために求められる、 AIや非破壊検査に精通した専門技術者が不足し、技術展開が滞るリスクがある。

この対策として、専門技術者の育成および新規採用を実施するとともに、ICT機器を更新し、対応できる技術者を確保する。

4.業務遂行における必要要件

 技術者倫理も高めて業務遂行するために、業務内容の説明責任を果たし、最新技術の研さんに努める。これは公衆の利益の優先に相当する。

 社会の持続可能性を高めて業務遂行するために、環境負荷低減を考慮した新技術や新材料を積極的に活用することで、環境保全を図る。これはSDGsの9.4「環境に配慮したインフラ改良」に相当する。


模範解答1答案形式 建設部門、河川・砂防 専門:ダム 2021/7/4


(1)持続可能な土砂管理における課題

@ 砂防ダムの施設改良

砂防ダムにおける土砂災害防止の機能は保持しつつ、下流への土砂供給を過剰に阻害しない施設に改造する必要がある。施設改造の一例として、既設砂防ダムをスリット型の構造に改良する。この他、砂防ダムの必要性を再検討したうえで、砂防ダムを撤去する対策もある。

A ダムにおける排砂技術の導入

 ダムの過剰な堆砂や流入土砂を下流に排砂するために、土砂バイパストンネル、吸引工法、スルーシング等の対策工法を導入する必要がある。これにより、ダムによる土砂遮断を解消し、下流へ安定的に土砂供給が可能となる。

B維持管理性や環境に配慮した河道の砂利採取

 河道への過剰な堆砂により発生する河道の二極化や植生の繁茂を抑制しつつ、維持管理性や環境に配慮した砂利採取が求められる。採取方法の例として、緩傾斜断面掘削や低水路拡幅型掘削等が考えられる。

(2)ダムにおける排砂技術の導入の解決策

@ 下流土砂還元の実施

 ダムへの過剰な堆砂は、陸上掘削や浚渫で掘削する。掘削土砂は、残土受入地での処理や骨材業者への受渡しで処理されることが主であり、ダムで遮断された土砂が供給されない懸念がある。

解決策として、掘削土砂を下流河道に置き土することで、土砂を下流に還元する。置き土する場所や量については、1次元不等流計算の手法で、河積阻害が生じず、1年確立規模の洪水で流出する規模の土砂量を設定する。なお、置き土する土砂粒度については、砂分が下流土砂還元による排砂効率が高いことから、砂分の割合が大きい堆砂のデルタ肩から上流域で掘削した土砂を優先的に使用する。

A 吸引工法による排砂

 過剰な堆砂は陸上掘削や浚渫で掘削される。ただし、掘削コストを確保できない場合や、工事用動線の確保が困難な場合など、ダムによっては掘削管理が実施できない懸念がある。そのため、貯水池の形状や湖周道路の整備状況、集落の分布状況等に左右されない、安価な排砂工法が求められる。

 解決策として、貯水池と下流河道の水位差を利用することで堆砂を吸引し、下流に土砂を排出する吸引工法を導入する。吸引工法で使用する排砂管を設置するために、ダムによっては堤体にφ200mm程度の穴あけを要するものの、自然エネルギーを活用するため動力を要さず、環境に配慮しつつ、さらに低コストで排砂が可能である。

B 土砂バイパストンネルによる排砂

ダム堆砂の除去工法として、堆積土砂の掘削除去が主流である。この場合、掘削実施までダムへの堆砂を許容することとなり、流入土砂に応じて継続的に掘削管理を要する。この結果、長期的に掘削コストを要する懸念がある。

 解決策として、貯水池の上流端部からダム下流に土砂バイパストンネルを建設する。すでに貯水池内への堆砂が過剰な場合や流入土砂が卓越している場合は、貯水池内掘削も併用する。掘削土砂をバイパストンネル口部に置き、洪水時に掘削土砂も下流に排出することも実施し、排砂効率を高める。

(3)下記決策に関連して新たに生じるリスクと対策

 上記解決策の実施により、ダム堆砂内の嫌気環境下で生成されたヘドロや悪性物質が、排砂とともに下流に排出されるリスクがある。ヘドロや悪性物質の放流に伴い、下流河道の景観の悪化や生物環境の悪化、漁業への被害が懸念される。

 上記リスクへの対応策として、ダム堆砂が顕著な箇所に、ファインバブル発生装置を投入する。当該装置により、ダム堆砂内に溶存酸素を供給し、通性嫌気性細菌による好気呼吸等の作用を促進することで、ヘドロや悪性物質の分解を図る。くわえて、ファインバブルは通常の曝気装置と比べ、長期間水中に浮遊し続ける特性を有する。この特性から、嫌気環境を長期的に改善する効果が見込める点も優位である。



模範解答2簡易答案形式1 建設部門、河川・砂防 専門:治水利水  2021/3/25


1.  人的被害や社会経済被害を最小化するための課題

@  河川の治水機能を向上する

堤防高の不足や河岸侵食による洪水時の越流や堤防決壊の原因になるため、洪水流量の調節、河道流下能力の確保、堤防の強化等をする必要がある。

A  流域雨水貯留機能を向上する

都市開発等路面舗装により雨水が地下に浸透せず直接河川に流下し、河道内の水位の上昇、洪水氾濫に至る原因となるため、都市部で雨水貯留機能の強化をする必要がある。

B  まちづくりの防災機能を向上する

避難所の設置や避難ルートの交通混雑により、避難困難や避難途中で遭難する原因になるため、災害時迅速に避難できる街づくりが必要である。

2.最も重要と考える課題「河川の治水機能を向上する」の解決策

 @洪水調節施設の設置:遊水地やダムで雨水を貯留する。

 A河道掘削:川幅を広げることにより流下断面を大きくし、水位を下げる。

 B堤防整備:洪水による堤防への浸透・侵食作用に対して、安全な構造とする。都市等人口、資産が高密度集中地区では、高規格堤防の構築。

 C情報収集施設の設置

水位計、CCTVの設置、または合成開口レーダ(SAR)を活用して、リアルタイムの水位情報、浸水域の情報を把握し、避難発令や救援作業の判断材料となる。

3.解決策に共通して新たに生じうるリスクとそれへの対策

 リスク

@上流側溢水対策のため堤防を整備し、上流側の流下能力が増加したが、下流部に被害リスクを増やした。  

A堤防の整備により、河道内の水位が高くなり、地盤低い地域の内水氾濫リスクが増加した。

対策

・下流部の河道掘削により、増加する被害を軽減する。

・排水機場、雨水貯留施設の設置により内水氾濫リスクを緩和する。


模範解答2簡易答案形式2 建設部門、河川・砂防 専門:治水利水  2021/3/1


(1) 人的被害や社会経済被害を最小化するための課題

@ 河川の治水機能を向上する

堤防高の不足や河岸侵食による洪水時の越流や堤防決壊の原因になるため、洪水流量の調節、河道流下能力の確保、堤防の強化等をする必要がある。

A 流域雨水貯留機能を向上する

都市開発等路面舗装により雨水が地下に浸透せず直接河川に流下し、河道内の水位の上昇、洪水氾濫に至る原因となるため、雨水貯留機能の強化をする必要がある。

B まちづくりの防災機能を向上する。

避難所の設置や避難ルートの交通混雑により、避難困難や避難途中で遭難する原因になるため、災害時迅速に避難できる街づくりが必要である。

(2) 最も重要と考える課題「河川の治水機能を向上する」の解決策

@洪水調節施設の設置

流域内支川と本川のピーク流量が合流し、下流の洪水氾濫に至る原因になるため、上流側にダムを設置し、雨水の貯留や一部の流域の流下量を調整して、本川のピーク流量と時間差をつけて流下する。また、下流側の都市部の安全を守るため、遊水地等雨水貯留施設を設置する。

A河道掘削

洪水時河道内の水位を下げて、溢水・越流等から堤防を守るため、河道の川幅を広げ、河床高を下げることにより、流下断面を大きくし、河道内の水位を下げる。

B堤防の整備

洪水による堤防への浸透・侵食、越流に対して、護岸、水制、堤防嵩上げ等の対策により安全な構造とする。

C情報収集施設の設置

水位計、CCTVの設置、または合成開口レーダ(SAR)を活用して、リアルタイムの水位情報、浸水域の情報を把握し、避難発令や救援作業の判断材料となる。

(3) 解決策に共通して新たに生じうるリスクとそれへの対策

@リスク    

堤防の整備や河道掘削などにより、上流側の流下能力は向上したが、下流への流下量も増やし、下流側の被害リスクが増加した。また、堤防の整備(嵩上げ)により、河道内の水位が高くなり、堤内地盤が低い地域の内水氾濫リスクが増加した。

A対策  

 上流側の堤防整備する際に、下流での洪水流量の増加を考慮して、下流側の河道掘削、遊水地や雨水貯留施設を併設して、河川の計画高水水位で抑える。また、堤内地盤が低い地域では、雨水貯留施設、排水機場の増設や宅地の嵩上げ等の対策が考えられる。


模範解答2答案形式 建設部門、河川・砂防  専門:治水利水  2021/4/5


1. 人的被害や社会経済被害を最小化するための課題

@河川の治水機能を向上する

河川堤防高の不足や河岸侵食による洪水時の溢水・越流、堤防決壊等の原因になるため、河道内流下能力の確保、洪水時流域内全体流下量の調節、堤防の強化等をする必要がある。

A流域雨水貯留機能を向上する

都市開発や路面舗装等により雨水が地下に浸透せず直接河川に流入し、河道内の水位が上昇して洪水氾濫に至る原因となる。そのため、都市部または流域全体の雨水貯留浸透機能を強化する必要がある。

Bまちづくりの防災機能を向上する

避難所の設置位置、平方キロメートル毎の設置数、避難時の避難ルートの交通混雑などにより、避難困難や避難途中で遭難する原因になるため、災害時迅速かつ確実に避難できる街づくりが必要である。

2. 課題「河川の治水機能を向上する」の解決策

@ 洪水調節施設の設置

洪水時、流域内支川と本川のピーク流量が同時に合流部に到達し、合流部またはその下流側で洪水の氾濫が多発している。そのため、流域の上流側に洪水調節ダムを設置する。ダムの設置によって、上流側一部の流域の流量を貯留、カットして、ほかの支流のピーク流量と同時に合流地点に到達しないように、流域内の流量が調節できる。

また、都市部の安全を守るため、上流側の河川沿い地域で遊水地や調節池等洪水調節施設を設置し、洪水流量の一部を貯留して下流のピーク流量を低減させる。

さらに、都市部での河川氾濫を防ぐため、河川の途中から分岐する新川を開削する。開削した新川は、本川から一部の流量を分流して、直接海、他の河川又は当該河川の下流に流下し、本川の水位を低減させる。

A 河道掘削・樹木伐採

河道内の土砂堆積等により、河道の流下能力不足、洪水時水位が上昇し、越流や堤防決壊に至る原因になる。洪水時河道内の水位を低下させ、河道の流下能力を確保するため、川幅を広げったり、河床高を下げたり等河道内の流積を拡大するように河道掘削をする。

また、洪水時、高水敷上に繁茂した樹木が流下の阻害になり、河道内の水位上昇の原因になっている。洪水位を低下するため、河道内の樹木を伐採する。

B 堤防の整備・強化

洪水時、堤防への浸透・侵食、また越流による堤防漏水、破堤など洪水災害が発生している。護岸、水制、堤防嵩上げ、堤脚ドレーン工等の対策により堤防を強化する。

また、大都市地域の大河川において、超過洪水等に対して破堤による壊滅的な被害を回避するため、当該大河川の特定の一連区間において、幅の広い高規格堤防(30H堤防)を設置する。

C 情報収集施設の設置

災害を撲滅するため、水位計、CCTVカメラを設置し、または合成開口レーダ(SAR)を活用して、リアルタイムの水位情報、浸水域の情報を把握し、迅速的に避難発令や救援作業を対応する。

3. 解決策に新たに生じうるリスクとそれへの対策

@ 新たに生じるリスク

堤防の整備や河道掘削で、上流側の流下能力が向上したことにより、下流への流下量も増やし、元々流下能力が足りている下流側で被害が出る。

また、堤防の整備(嵩上げ)により、河道内の水位が高くなり、堤内地盤の低い地域で内水氾濫が発生する。

A 対策

上流側の堤防整備する際に、下流での洪水流量の増加を考慮して、整備部分だけではなく、流域全体の洪水時水位を計画高水水位までコントロールする。または、上流の整備により増加した流量を消化するため、下流側での河道掘削、遊水地や雨水貯留施設を併設する。

堤内地盤が低い地域では、内水氾濫の発生を途絶させるため、雨水貯留浸透施設、排水機場の増設、または宅地地盤を堤防より高く嵩上げする。



R2年、2021年 建設・道路 T−1 問題 模範解答と解説

T-1 我国の社会インフラは高度成長期に集中的に整備され、建設後50年以上経過する施設の割合が今後加速度的に高くなる見込みであり、急速な老朽化に伴う不具合の顕在化が懸念されている。また、高度成長期と比べて、我国の社会・経済情勢も大きく変化している。こうした状況下で、社会インフラの整備によりもたらされる恩恵を次世代へも確実に継承するためには、戦略的なメンテナンスが必要不可欠であることを踏まえて以下の問いに答えよ。

(1)社会・経済情勢が変化する中、老朽化する社会インフラの戦略的なメンテナンスを推進するに当たり、技術者として立場で多面的な観点から課題を抽出し、その内容を観点とともに示せ。

(2)(1)で抽出した課題のうち最も重要と考えられる課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3)(2)で示した解決策に共通して新たに生じるリスクとそれへの対策について述べよ。

(4)(1)〜(3)を業務として遂行するに当たり必要となる要件を、技術者としての倫理、社会持続性の観点から述べよ。


模範解答1簡易答案形式1 建設部門、道路 専門:道路設計 2021/1/15


1.多面的な観点から見た課題について

 

(1)新技術やICTを活用した点検、補修・補強の効率化 

 点検:ドローン等を活用して足場の設置が不要。

補修・補強: 3次元設計データを活用して路面切削作業やAs敷設作業の自動制御。

(2)損傷や構造特性に応じた点検対象の絞り込み

RC充実断面を有する単純床版橋や継手を有しない単純H形鋼桁橋について、着目すべき箇所や確認すべき変状項目を特定し作業量を低減。

(3)予防保全    

 構造物の劣化を精度よく予測するためには維持管理や環境に係る各種データを蓄積。ビッグデータを分析するツール、そのAIエンジンを早期に開発して、予防保全を推進。

2.最も重要と思われる課題を1つ挙げ、その対策案を述べる

新技術やICTを活用した点検、補修・補強の効率化

(1)スクリーニングによる点検個所の絞り込み

 赤外線カメラを用いた床板下面の浮き・はく離調査。

(2)構造材料・補修・補強技術  

UFC(超高強度繊維補強コンクリート):床版の打替えに軽量で高耐久性能

炭素繊維プレート:コンクリート桁の断面補修・補強に現場の施工性向上

(3)AIによる診断

点検写真からの損傷等を検知、モニタリングデータを収集して補修の指示を行う。

3.新たに生じるリスクとそれへの対策

(1)リスク

高耐久性材料を用いた場合、補強や撤去時に労力が大

AIでは、新材料や新たな損傷事例に対応不可

(2)対策

高耐久性材料を用いる場合、補修や補強時の作業スペース等を考慮すること

データベースを構築して新材料の損傷事例等を随時更新

4.技術者倫理と社会持続性

(1)技術者倫理

交通ネットワークや防災力が向上。技術士倫理綱領第1項に該当。

(2)社会持続性

ICTの普及により施工時における安全性向上。SDGS8.8に該当。


解説

 

 


 


模範解答1簡易答案形式2 建設部門、道路 専門:道路設計   2021/1/25


 

. 多面的な観点から見た課題について

(1)新素材やICTを活用した点検、補修・補強の効率化 

 点検にドローン等を活用して足場の設置を不要とする。補修・補強に3次元設計データを活用して路面切削作業等を自動制御して作業の効率化を図る。

(2)損傷や構造特性に応じた点検対象の絞り込み

RC充実断面を有する単純床版橋や継手を有しない単純H形鋼桁橋について、着目すべき点検箇所や確認すべき変状項目を特定し、作業量の低減を図る。

(3)予防保全    

 維持管理や環境に係る各種データを蓄積し、ビッグデータを分析するツール等を開発して、予防保全を推進し、インフラの長寿命化を図る。

2.最も重要と思われる課題を1つ挙げ、その対策案を述べる

新素材やICTを活用した点検、補修・補強の効率化

(1)スクリーニングによる点検個所の絞り込み

 赤外線カメラや電磁場技術を活用した床板上面や下面の損傷有無を把握する。

(2)構造材料・補修・補強技術  

床版の打替え時に軽量で高耐久性能UFC(超高強度繊維補強コンクリート)等を用いて、施工性やライフサイクルコストの向上を図る。

(3)BIM/CIMモデルの維持管理での利活用

対象施設のデータベースと3次元モデルと属性情報を活用することで、点検・補修履歴、現地センサーと連動させることで維持管理の効率化を図る。

3.新たに生じるリスクとそれへの対策

(1)リスク

赤外線法では、水切り部等の温度にムラがある箇所では見逃す可能性が高い。

 UFCパネルとハンドホール等に隙間が生じると、曲げ応力が大きくなり、早期損傷等の原因となる。

 BIM/CIMでは損傷の危険度や損傷の進展状況を予測することはできない。

(2)対策

画像フィルター処理により、コンクリート構造物自体が持つ温度勾配を除去する。

 空隙部を接着剤とスポンジにより充填することで、曲げ応力の増加を防ぐ。

 解析により損傷状態から残存寿命等を融合し、維持管理の優先順位を決定する。

4.技術者倫理と社会持続性

交通ネットワークや防災力が向上する。技術士倫理綱領第1項に該当する。

ICTの普及により施工時における安全性向上する。SDGS8.8に該当する。


模範解答1答案形式 建設部門、道路  専門:道路設計   2021/2/1


 

1.多面的な課題

1)新素材やICTを活用した点検、補修・補強の効率化 

 新素材を用いたインフラの長寿命化、点検にドローン等を活用して足場の設置を不要として点検の効率を図る。また、補修・補強に3次元設計データを活用して路面切削作業やAs敷設作業の自動制御を行うことで作業の効率化を図る。

(2)損傷や構造特性に応じた点検対象の絞り込み

RC充実断面を有する単純床版橋や継手を有しない単純H形鋼桁橋について、着目すべき点検箇所や確認すべき変状項目を特定し、作業量の低減と効率化を図る。また、特徴的な損傷の健全性をより適切に診断できるように技術情報を充実化させる。

(3)予防保全    

 構造物の劣化を精度よく予測するためには維持管理や環境に係る各種データを蓄積し、ビッグデータを分析するツール、そのAIエンジンを早期に開発して、予防保全を推進し、インフラの長寿命化、ライフサイクルコストを抑制する。

2.上記1課題:新素材やICTを用いた効率化の解決策   

(1)スクリーニングによる点検個所の絞り込み

 赤外線カメラや電磁場技術を活用した床板上面や下面の損傷有無を把握する。床板下面に浮き等が確認された場合は、スティック型打音測定器を用いる。これにより点検個所の絞り込み、点検時における足場の設置を無くす。 

(2)構造材料・補修・補強技術  

床版の打替え時に軽量で高耐久性能UFC(超高強度繊維補強コンクリート)、コンクリート桁の断面補修・補強に炭素繊維プレートを用いることにより、施工性の向上や、ライフサイクルコストが抑制できる。

(3)BIM/CIMモデルの維持管理での利活用

対象施設のデータベースと3次元モデルと属性情報を活用することで、点検・補修履歴、現地センサーにより収集したデータを連動させ、点検結果等を視覚化することで、維持管理と効率化を図る。

3.新たに生じるリスクとそれへの対策

(1)リスク

@赤外線法は、表面温度を撮影して特異な温度分布を浮き、はく離と判断する。そのため、常に温度にムラが生じている水切り部では調査員が損傷を見逃す可能性が高い。

A鋼床版デッキプレート上には、ハンドホールや残置された吊ピース等の支障物が存在する。そのため、UFCパネルとハンドホール等に隙間が生じ、UFCパネルに生じる曲げ応力が大きくなり、早期にひび割れ等が生じ、疲労寿命が短くなる。

BCIM にリンクされた情報をベースに劣化予測を行う。また、構造物の部位や部材ごとに安全性の度合いを定量的に把握し、健全性を自動推定できる技術が無ければ、技術者の経験頼みから脱却できない。

(2)対策

@画像フィルター処理により、コンクリート構造物自体が持つ温度勾配を除去する。これにより、コンクリート構造物が温度勾配を持っても損傷を検出する。 

A空隙部を接着剤とスポンジにより充填することで、曲げ応力の増加による早期損傷を防ぐ。

BBIM/CIMに損傷マップを取込み、詳細な余寿命解析と連携することにより、構造物の性能劣化曲線を定量化する。そして、ライフサイクルコストの算定根拠を与え、効果的なインフラメンテナンスを行う。

4.技術者倫理と社会持続性

予防保全を行い、ライフサイクルコストを抑制して、社会インフラを維持管理することにより、インフラ利用者、インフラ周辺住民に安全な社会インフラを提供することが可能となる。これは、技術士倫理綱領第1項に定められている公衆の利益の優先に相当する。

ICT建機の搭載されているオペレータを補助する機能利用して、経験の浅い若手技術者、女性技術者、外国人労働者の就労を促す。これにより全ての労働者に安全・安心な労働環境を促進すること可能となる。これはSDGsの8.8に記載されている「あらゆる人々の活躍の推進」に該当する。


 

解説 

 文末の言い回しは簡潔にしましょう。課題だからと言って「必要である」文末につけ加える必要はありません。必要性、字有用性の趣旨がわかればOKです。

 見出しタイトルは2行にならないよう、簡潔に1行にするように。また、見出しの下線や太字は要りません。見栄えではなく内容で勝負してください。



R2年、2021年 建設・道路 U−1−4 問題 模範解答と解説

U-1-4 落石対策の1つに、施設による対策である落石対策工がある。この落石対策工は大きく2種類に分類されている、それらの名称を記して、それぞれについて説明せよ。また、落石対策工を具体的に選定する際の調査・検討手順を説明せよ。


模範解答1 簡易答案形式1 建設部門、道路 専門:道路設計 2020/11/1


1.落石対策工の説明

(1)落石予防工

斜面の浮石や転石を取り除いたり、斜面に固定したりするなどし、発生源に直接働きかけて落石の発生を未然に防止する。

(2)落石防止工

斜面中腹や斜面下に施設を設置し、斜面から転落または落下してくる落石の運動エネルギーを吸収・消散させる。

2.落石対策工を選定する際の調査・検討手順

2.1落石防護工

(1)運動エネルギー

落下高さ、落下速度等を基に落石の運動エネルギーを算出して100kj未満であれば一般的なひし形金網の落石防止柵を、100kj以上であれば高エネルギー吸収型の落石防止柵を選定して設計計算を行う。

(2)跳躍高さ

落石シミュレーションにより落石の跳躍高さを算出する。この結果を基に落石防護柵等の高さを決定し、設計計算を行う。

2.2落石予防工

(1)ロープ伏せ伏せ工

 複数の落石を同時に処理できる場合はロープ伏せ伏せ工等の対策を行い、そうでないならワイヤーロープ掛工等の個別処理とする。

(2)切土工

 斜面勾配が緩く、土砂の搬出が容易なら切土工とし、そうでないならグランドアンカー工等の斜面安定工とする。

(3)浸食・風化防止

 斜面の浸食や風化状況を確認し、将来落石が懸念される際にはコンクリート張工等の対策を施す。

(4)斜面抑止工

 比較的大規模な落石・崩壊が懸念され、広範囲にわたり斜面を安定化させて、落石を防止させる必要がある場合は擁壁工等の対策を施す。 

斜面の浸食、岩盤の風化やき裂等がある場合は、落石発生のリスクが高まるため、落石予防工や落石防護工を組合せて発生リスクを抑えるとともに、発生後の周辺への影響を小さくする。


解説

作成中


R2年、2021年 建設・道路 U−2−1 問題 模範解答と解説

U−2−1 需要物流道路に指定されているある幹線道路沿いに、大規模小売店の立地が計画されており、周辺道路においてこれに起因した渋滞発生といった交通阻害の懸念がある。この対策を担当する技術者として、道路交通アセスメントの観点より下記の内容について記述せよ

(1)業務の遂行において、調査・検討すべき事項とその内容について説明せよ。

(2)主な調査・手順について、留意すべき点、工夫を要する点、を含めて述べよ。

(3)業務を効率的・効果的に進めるための、関係者との調整方法について述べよ。


模範解答1簡易答案形式1 建設部門、道路 専門:道路設計 2021/4/12


 

.調査・検討すべき事項

(1)大規模小売店の利用者数

 既存の大規模小売店の場所を調査し、大規模小売店が新設された場合、どの地区からどの時間帯に買い物客が施設を利用するのかを検討。

(2)交通量調査

 立地予定付近における現況の交通量調査を実施してどの時間帯の交通量を用いて交通流解析を実施するかを検討。

(3)交通流の解析

 上記1の予想交通量と安全側を考慮して交通量調査によるピーク時間交通量を足し合わせて交通流解析を実施し、交通流を満足するか調査する。満足しない場合は対策案を検討。

(4)立地後のモニタリング

 対象施設の立地後、当該施設の立地に伴う周辺交通への影響を確認するためモニタリング調査を実施し、交通流が満足しない場合は新たな対策案を検討。

2.業務を進める手順(留意点と工夫すべき点)

(1)交通流の予測

 交通需要データ、道路構造データ・交通運用データ及びシミュレーション実行データ、各種パラメータに基づいて車両の移動を表現。 一般道路において走行速度が20km/h以下、重要物流道路上において新たに交差点需要率が0.9 以上となる渋滞箇所を確認。

(2)事前対策

道路側から施設に乗り入れる左折占用レーンの設置、幹線道路の交差点から施設が立地している側に占用車線を設置。車線長は交通流解析の結果をもとに決定。

(3)事後モニタリング

立地直後、一定期間後においてETC2.0やAIモニタリングを活用して渋滞状況を広く把握。その結果を基に新たな渋滞箇所、渋滞要因を把握。

(4)事後対策

予測結果と現況を比較して予測結果と違いが生じた理由を把握し、施設へ進入する際の退避場所の確保や交差点の占用車線を延長。

3.関係者との調整方法 

施設管理者は予算削減、道路管理者や警察は渋滞抑制を要望。利用者に公共機関の利用、駅の市営駐車場等に駐車を促し、施設専用バスを利用させパークアンドライドにより交通量を抑制。買い物客には駐車場やバスの無料券を配布。


解説

 

作成中


模範解答1 簡易答案形式2 建設部門、道路 専門:道路設計   2021/4/15


1.調査・検討すべき事項

(1)大規模小売店の利用者数

 既存の大規模小売店、高速道路のIC、主要な駅の場所を調査し、新たに大規模小売店が新設された場合、どのような交通手段、交通ルートを用いて大規模小売店に来るのかを検討する。

(2)交通量調査

 施設の規模や種類、周辺の交通状況を踏まえて交通量調査における調査範囲を決定し、来店経路を中心に現況の市街地における交通量調査を実施する。そして、どの時間帯に交通量が集中するのかを把握し、交通流解析を実施するかの検討を行う。

(3)交通流の解析

 施設を利用する利用者交通量と安全側を考慮して交通量調査により得たピーク時間交通量を足し合わせて交通流解析を実施し、予測交通流が許容交通量を満たしているかを調査する。そして、許容交通量を満足していない場合は交差点改良等の対策案を検討する。

(4)立地後のモニタリング

 大規模小売店立地後に周辺交通への影響を確認するためモニタリング調査を実施し、予測交通量と実際の交通量を比較して対策の必要性、対策案について検討を行う。

2.業務を進める手順(留意点と工夫すべき点)

(1)交通流の予測

 交通需要データ、道路構造データ・交通運用データ、各種パラメータを入力して交通シミュレーション解析により交通流を予測する。そして、一般的に渋滞の定義とされている一般道路において走行速度が20km/h以下、重要物流道路上において交差点需要率が0.9 以上となる箇所を確認する。

(2)事前対策

交通シミュレーション解析により一般道路部における施設への乗り入れ左折占用レーンの設置、幹線道路の交差点から施設が立地している側に右左折等を設置する交差点改良等を実施した場合の対策効果を確認し、事前対策案を提案する。なお、車線長はシミュレーション解析により算出する。

(3)事後モニタリング

立地直後、一定期間後においてETC2.0やAIモニタリングを活用して大規模小売店の利用に伴う交通流を広範囲に確認する。そして渋滞箇所や渋滞要因、時間帯を把握して対策案を決定する。

(4)事後対策

予測結果と現況を比較して予測結果と違いが生じた理由を把握し、施設へ進入する際の退避場所の確保や交差点の占用車線を延長、信号処理の高度化を行う。

3.関係者との調整方法 

施設管理者は対策への予算削減、道路管理者や警察からは渋滞抑制を要望された。施設利用者の全体交通量を抑制させるために公共機関の利用、駅周辺における市営駐車場の利用を促した。なお、買い物客には買い物金額に応じて駐車場の無料券を配布した。駅からは無料の施設専用バスを運行してバスを利用させることでパークアンドライドを推奨させた。


模範解答1答案形式 建設部門、道路  専門:道路設計   2021/4/25


 

1.調査・検討すべき事項

(1)大規模小売店の利用者数

 新たに大規模小売店を新設する周辺の幹線道路状況、駅や公共交通等の調査を行う。そして、交通シミュレーション解析により大規模小売店が新設された場合、どの生活エリア、高速道路IC、幹線道路を利用して来店するのかを予測する。

(2)交通量調査

 施設の規模や種類、周辺の交通状況を踏まえて交通量調査の範囲を決定し、来店経路を中心に現地点における市街地の交通量を調査する。そして、時間ごとに交通量を整理して、交通流解析に用いる交通量の検討を行う。

(3)交通流の解析

 施設の予測利用者交通量と交通量調査により得たピーク時間交通量を足し合わせて交通流解析を実施する。そして、予測交通流が許容交通量を満たしているかを確認し、必要に応じて交差点改良等を検討する。

(4)立地後のモニタリング

 大規模小売店立地後に周辺交通への影響を確認するためモニタリング調査を実施し、予測交通量と実際の交通量を比較して対策の必要性を検討する。

2.業務を進める手順(留意点と工夫すべき点)

(1)交通流の予測

 交通需要データ、道路構造データ等の各種パラメータを入力して交通シミュレーション解析を行い、交通流を予測する。そして、一般的に渋滞の定義とされている一般道路の走行速度が20km/h以下、重要物流道路上の交差点需要率が0.9 以上となる箇所を確認する。

(2)事前対策

渋滞予測箇所に対して施設へ乗り入れする際の左折占用レーンの設置、占用車線長の長さ等を提案し、交通シミュレーション解析により対策効果を確認する。そして、施設が立地する前に対策を行い、予防保全により渋滞抑制を図る。

(3)事後モニタリング

一定期間後にETC2.0やAIモニタリングを活用して大規模小売店の利用に伴う交通流を広範囲に確認する。そして、渋滞箇所や渋滞要因、時間帯を把握する。

(4)事後対策

予測結果と現況を比較して予測結果に違いが生じた要因を把握し、施設へ進入する際の退避場所の確保や交差点の占用車線を延長、信号処理の高度化を行う。

3.関係者との調整方法

 私は施設管理者から対策費の抑制、道路管理者からは渋滞抑制を要望された。そこで私は、全体交通量を抑制するため施設管理者に駅からの無料送迎バスの運行(パークアンドライド)や駐車場利用時の料金設定を提案した。ただし、買い物金額に応じて駐車場の割引券等を配布することで利用者の負担を軽減した。


解説

「調整」の書き方は、関係者を明確にし、調整は私がする業務として書いてください。

「駐車場の施設利用者に公共交通や駅周辺の市営駐車場の利用を働きかけた」では関係者として相手がふさわしくありません。一般市民の施設利用者に対して、コンサルタントの私が直接何かを働きかけるなどということは無理でしょう。市民は関係者にはなりませんので不可能です。調整の関係者とは、発注者や設計者、協力企業などです。


昇格試験対策

R2年、2021年 建設・道路 U−2−2 問題 模範解答と解説

U−2−2 道路の地下空間には様々な占用物件が埋設されているが、近年、占用物件の老朽化に起因する路面陥没や上水道の断水といった事象が発生し、問題となっている。これらの事象を踏まえ、市街地での舗装修繕工事の計画を立案し実施する担当責任者として、下記の内容について記述せよ。

(1)調査・検討すべき事項とその内容について説明せよ。

(2)業務を進める手順と、その際に留意すべき点、工夫を要する点を述べよ。


模範解答1簡易答案形式1 建設部門、道路 専門:道路設計 2020/10/12


1. 調査・検討すべき事項

(1)机上調査

 ガス会社や水道会社等に連絡を取り、各台帳を確認して道路地下空間に埋設されている占用物件を調査する。また、埋設管の設置時期や耐荷力を調査して施工時における重機の配置位置等を検討する。

(2)スクリーニング調査

地中レーダー付き測定車両を用いて道路地下空間の占用物件に沿って空洞調査を実施するとともに、台帳に記載されている占用物件に漏れが無い事を確認する。また、舗装の締固め不足が要因で空洞を誘発させる可能性があるため、電磁波密度測定器を用いて舗装の密度を調査する。これらの結果を踏まえて修繕箇所の優先順位等を検討する。

(3)二次調査(試掘、マイクロスコープ調査)

試掘により台帳と埋設管の深さに相違は無いかを確認する。また、空洞が確認された箇所においてスコープを用いて空洞の位置、形状、広がりを確認する。

2.業務を進める手順(留意点と工夫すべき点)

(1)空洞部を考慮した施工計画

占用物件の下側に空洞があると占用物件に生じる曲げ応力等が大きくなり損傷が生じやすくなり、上水道の断水が発生して路面陥没を誘発することに留意する。そのため、空洞部を考慮して重機の配置、修繕箇所の優先順位等を考慮して施工計画を立案する。

(2)舗装の切削

 切削時に水道管を損傷させることにより断水が生じることに留意する必要がある。そのため、試掘により水道管等の位置と深さを正確に把握し、水道管等の両サイドに埋設防護材(鋼材)を設置して、損傷を防止する。

(3)水道管の予防保全

 水道管に損傷が生じても早期に道路陥没や断水が生じない様に水道管に耐摩板(耐摩耗性に優れたゴムシート)を巻き付け、漏水によるサンドエロージョン現象を遅延させる。

3.関係者との調整方法

(1)道路管理者との調整

限られた予算と時間で道路陥没を防止するためには恒久対策と応急対策のメリハリをつけて対策を行う必要がある。陥没危険度が高い場合には、埋め戻しや充填により空洞の要因である土砂流出孔を確実に塞ぐのが望ましい。陥没の危険度が低い場合は、モニタリングによる経過観察を行う。メリハリをつけた対策手法を用いて対策を施すことで道路管理者と調整を図る。

(2)調査会社との調整

 空洞を確認された全ての箇所を対象にスコープ調査を実施するには時間と費用が要する。そのため、空洞が最小、最大の箇所をそれぞれ複数選出し、スコープ調査によりデータの信頼性を確認することで調整を図る。


模範解答1簡易答案形式2 建設部門、道路 専門:道路設計   2021/3/7


 調査・検討すべき事項

(1)既存資料の整理

地質調査の結果、上水管台帳を整理して、上水管が埋設されている地層や地下水位の高さを確認し、上水管が地下水位内の砂質土層に埋設されている場合は路面陥没が生じやすいため対策を検討する。

(2)物理探査による地下埋設物の調査

地中レーダー付き測定車両等を用いて道路地下空間の占用物件(既設埋設管)に沿って空洞調査し、その結果を基に二次調査、FWD試験等の詳細調査が必要かの検討を行う。

(3)詳細調査

 FWDにより舗装の健全性を調査し、健全性が確保されていない場合は早急に対策案を検討する。健全性が確保されている場合は二次調査で詳細に空洞状況を調査し、空洞の進展状況から対策の優先順位を検討する。

2.業務を進める手順(留意点と工夫すべき点)

(1)空洞の発生要因を把握

地中レーダーやスコープ調査を実施して、空隙は埋設管の損傷、水みち、埋戻し土の緩みにより生じたのかを把握し、対策工法を立案する。

(2)舗装切削

上水道が健全な場合は空洞部の最下面まで、上水道に損傷が確認された場合は上水道下面まで切削する。

(3)空隙部の補修

 地下水位が高い砂質土層では空洞が生じやすいため、流動化処理土や薬液注入工法を用いて空隙が生じにくくする。

(4)舗装の補強

 路盤内または路盤上にジオテキスタイルを敷設し、路盤の崩落を防止する。また、路面に補強材を塗布し、強化膜で補強することで陥没を抑制する。

3.関係者との調整方法

(1)補修方法の調整

国からは予算を削減、地元住民からは交通規制の短縮を要求される。そこで、スコープ調査の削減、埋戻し土に通常の砂質土を用いることで予算と時間を削減する。その代わりに、高強度のジオグリッドと拘束部材を用いた複合剛性層を路床に構築することで地盤内を強化して、空洞が生じにくくすることで対策を図る。


模範解答1答案形式 建設部門、道路  専門:道路設計   2021/3/7


1.調査・検討すべき事項

(1)既存資料の整理

地質調査の結果や上水管台帳を整理して、上水管が埋設されている地層や地下水位の高さを確認する。上水管が地下水位内の砂質土層に埋設されている場合は路面陥没が生じやすいため対策を検討する。

(2)物理探査による地下埋設物の調査

スクリーニングを行うため、地中レーダー付き測定車両等を用いて道路地下空間の占用物件(既設埋設管)に沿って空洞調査を実施する。その結果を基に空洞の二次調査や、FWD試験による舗装の健全性を確認するか等の検討を行う。

(3)詳細調査

 FWDにより舗装の健全性を調査し、健全性が確保されていない場合は早急に対策案を検討する。健全性が確保されている場合は二次調査で詳細に空洞状況を確認し、前回の調査結果と比較して空洞の進展状況を把握して舗装修繕工事の優先順位を検討する。

2.業務を進める手順(留意点と工夫すべき点)

(1)空洞の発生要因を把握

地中レーダーを用いて空洞の有無を確認する。その後、空洞の損傷要因を把握するためスコープ調査により埋設管の損傷、水みち、埋戻し土の緩み等を確認して対策工法を立案する。

(2)舗装切削

スコープ調査の結果、上水道が健全と判断された場合は空洞部の最下面まで切削する。上水道に損傷が確認された場合は上水道管を適切に補修できるまでの深さまで切削する。

(3)空隙部の補修

 地下水位が高い砂質土層では空洞が生じやすいため、流動化処理土や薬液注入工法を用いて空隙が生じにくくする。

(4)舗装の補強

 高強度の特殊ジオテキスタイルと拘束部材を用いて粒状層を強化した複合剛性層を路床に構築して舗装の健全性を高める。また、路面に補強材を塗布し、強化膜で補強することで陥没を抑制する。

3.関係者との調整方法

私は道路利用者の安全確保のため複合剛性層を提案したが、警察からは夜間工事(交通影響の抑制)、地元住民からは施工時間の短縮を要求された。

私は補強方法を複合剛性層からジオテキスタイルによる路盤補強に変更し、施工時間とコストを削減した。

補強コストの抑制分を施工時の3次元路面切削システムに回し、マーキングやレベル測量等の夜間作業を不要とすることで約35%の時間短縮を図った。また、接触防止アラームを活用して施工時の安全性向上を図った。上記より、道路利用者の安全性を確保した状態で施工時間とコスト削減、作業時の安全性を確保した。



R2年、2021年 建設・道路 V−1 問題 模範解答と解説

V−1 我が国においては、これまで自転車に関する諸課題への対応の一環として、自転車道の整備等に関する法律(昭和45年法律第16号)等に基づく自転車道の整備や交通事故防止対策等を推進し、一定の成果を上げてきた。このような中、近年重要視されるようになってきた課題に対応するため、交通の安全を図りつつ、自転車の利用を増進し、交通における自動車への依存度を低減することによって、公共の利益の増進に資すること等が求められている。このような状況を踏まえて、以下の問いに答えよ。

(1)自転車の活用の増進により解決されうる課題について、技術者としての立場で多面的な観点から抽出し、その内容を観点とともに示せ。

(2)前問(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3)前問(2)で示した解決策に共通して新たに生じうるリスクとそれへの対策について、専門技術を踏まえた考えを示せ。


模範解答1簡易答案形式2 建設部門、道路 専門:道路設計   2021/3/4


1. 自転車活用増進によって解決されうる課題

(1)交通渋滞を緩和

 自転車ネットワークの構築、交通結節点を整備することにより、通学や通勤、買い物等に自転車による移動が促進される。これにより自動車の交通量が低下して渋滞の抑制につながる。

(2)観光来訪者の増加による地域活性化

自転車を利用することで地方部における自然環境を体験しながら景勝地を巡る観光が可能となり観光客が増加とする。また、地方部にある道の駅をサイクルリストの拠点とすることで、道の駅で販売している地域の食材や特産物の売り上げが向上して地域活性化に繋がる。

(3)レクリエーションによる健康促進

休日に家族で自転車競技施設を利用して基礎体力の向上や気晴らしによるストレスの発散を図る。また、週末に自転車の趣味を持つ幅広い年齢層が、河川敷等に集いサイクルスポーツを行うことで体力向上と交流を図る。

2.課題「交通渋滞の緩和」とその対策案

(1)安全性向上のため自転車専用道路の整備

 自転車道、自転車専用通行帯等により自転車走行の専用空間を確保して、自転車利用者の安全性を向上させる。また、市街地等でバス停や停車帯がある場合は自転車道をカットバックして整備する。

(2)交通結節点における駐輪場の整備

公共交通の利用促進を促すため、自転車が駅やバス停留所等の交通結節点に近接して駐輪場を配置する。また、スムーズな移動を行うためICカードによる確認、防犯のためカメラ等による防犯対策を行う。

(3)自転車走行の円滑化支援

 自転車利用者に円滑に走行してもらうためにも自転車通行空間や駐輪場の位置、工事区間における迂回路等の情報をHP等に公表して自転車の円滑な走行に寄与。

3.リスクとその対策

(1)新たに生じるリスク

電動アシスト付き自転車の供給、サイクルスポーツが振興によるロードバイクが普及し、従来の自転車との速度差による自転車同士の接触事故が発生する。

(2)上記で述べた懸案事項に対する対策

 交差点内において自転車の滞留施設を設けて、信号が赤の時に高速自転車に追い抜かす。また、一般道においても一定間隔に滞留場所を設ける。


模範解答1答案形式 建設部門、道路  専門:道路設計   2021/3/9


1. 自転車活用増進によって解決されうる課題

(1)交通渋滞の緩和

 自転車専用道路の整備を行い、自転車ネットワークを構築して、公共交通機関との交通結節点を確保する。また、駅前や小売店等に駐輪場の整備を行う。これにより通学や通勤、買い物等に自転車の利用が促進され、自動車の交通量が全体に低下し、交通渋滞の抑制につながる。

(2)観光来訪者の増加による地域活性化

主要アクセスポイントである空港、鉄道等にゲートウエイ施設を整備することで、自転車を利用して地方部の自然環境を体験しながら景勝地を巡ることが可能となり観光客が増加する。また、地方部にある道の駅に自転車のメンテナンススペース、ロッカー、シャワールーム等を整備してサイクルリストの休憩施設とする。これに伴い、道の駅における食堂の利用回数が増加して地域食材や特産物の利用が促進され地元の売り上げが向上して地域活性化に繋がる。

(3)レクリエーションによる健康促進

室内外において自転車競技施設を整備することで、平日や休日を問わず家族や友人と施設の利用が可能となる。これにより、自転車を活用した子どもの体力・運動能力の向上、生活習慣病の予防や気晴らしによるストレス発散が図れる。また、週末に自転車の趣味を持つ幅広い年齢層が集いサークルを形成して、河川敷や山間部等においてサイクルスポーツを行うことで体力向上と人との交流が図れる。

2.課題「交通渋滞の緩和」とその対策案

(1)安全性向上のため自転車専用道路の整備

 自転車道、自転車専用通行帯等により自転車走行の専用空間を確保して、自転車利用者の安全性を向上させる。幅員が狭くて車の制限速度が高いなど、車道混在により整備が難しい区間では、中央分離帯やゼブラゾーン、植樹帯等を狭めて自転車専用空間を確保する。また、市街地等においてバス停や荷下ろしのための停車帯等があり、自転車の走行が妨げられる場合は、自転車道をカットバックして整備する。

(2)交通結節点における駐輪場の整備

公共交通機関の利用促進を図るため、駅やバス停等のロータリ付近において地上部や地下部に駐輪場を整備する。高速バスの停留部においては車両駐車場の一部を駐輪場として活用してサイクル・アンド・バスライドを促す。これにより、自転車と交通モード間の接続(モーダルコネクト)が強化する。また、駐輪場から公共機関までのスムーズな移動を促進するためICカードによる確認を図る。

(3)自転車走行の円滑化支援

 自転車利用者に円滑な走行を促すためにも自転車通行空間の整備状況、放置自転車禁止区域、駐輪場の設置位置等を地図上に示した自転車マップを作成してHP上で公表する。また、自転車で走行する際に注意する箇所や工事区間、交通事故区間における迂回路情報等についても公表する。

観光地周辺駅においては駐輪場内にシェアサイクルを設置する。そして、シェアサイクル利用者が円滑に観光地を走行できるように、ネット上においてリアルタイムで駐輪場の位置、利用状況、事前予約、交通系ICカードによるワンタッチ決済を可能とする。 

3.リスクとその対策

(1)新たに生じるリスク

一般家庭や有料シェアサイクルにおいて電動アシスト付き自転車の普及、サイクルスポーツの振興によるロードバイクが普及している。そのため、従来からある低速な自転車と、ロードバイク等の高速な自転車との速度差が顕著となり、高速自転車が低速自転車への追突事故、高速自転車が低速な自転車を追い越す際に自動車との接触事故が発生する。

(2)上記で述べた懸案事項に対する対策

 交差点内において自転車の滞留施設を設置する。そして、低速自転車は停留施設内で信号待ちを行い、信号が変わったら先に電動自転車やロードバイクを走行させる。また、市街地等の一般道においては歩道部にある植樹帯等を撤去して一定間隔に低速な自転車の滞留場所を設置する。これにより、電動自転車やロードバイクが安全に追抜きできるようにする。



R2年、2021年 建設・道路 V−2 問題 模範解答と解説

V−2 甚大な被害をもたらした東日本大震災から9年が経過したが、その後も、大きな地震や集中的豪雨、豪雪による甚大な被害が発生しており、また今後も首都直下地震、南海トラフ地震が高い確率で発生することが予想されている。このような状況を踏まえて、道路の防災対策に携わる技術者として、以下の問いに答えよ。

(1)激甚化・頻発化する災害に備え、道路が発災時に救命救助・復旧活動や広域的な物資の輸送等に貢献し続けるため、技術者としても立場で多面的な観点から課題を抽出し、その内容を観点とともに示せ。

(2)前問(1)で抽出した課題のうち最も重要と考えられる課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3)前問(2)で示したすべての解決策を実行した上で生じる波及効果と、新たな懸案事項への対策について専門技術を踏まえた考えを示せ。


模範解答1 簡易答案形式1 建設部門、道路 専門:道路設計 2021/11/27


1. 多面的な課題

(1)道路のレジリエンスを確保

・レベル2地震動において耐震性能2以上を確保して、ネットワークを確保する。

(2)ICT を活用した災害情報収集・発信

・AIカメラ等が交通状況を常時モニタリングにし、災害やパンデミック発生時には情報提供や交通誘導により人流・物流を最適化。

(3)デジタル技術を活用した土砂流出の予測と対策

・レーザープロファイラーにより高精度で広範囲に地すべり等の危険個所を絞り込み、土層強度検査棒による調査、土砂流出の予測、対策立案。

2.最も重要な課題

道路のレジリエンスを確保

(1)橋梁の耐震強化  

・ロッキング橋脚の耐震化、支承部の補強、跨道橋の耐震化、落橋防止対策

(2)無電柱化

・電柱倒壊による緊急輸送道路における道路閉鎖の防止。

(3)道路陥没防止

・マイクロ波を用いて空洞の位置と形状を把握する。そして、空洞が確認された箇所にモルタルやウレタン樹脂を注入して地盤の強度強化を図る。

3.波及効果と新たに生じる懸案事項への対策

(1)波及効果

・災害による死者抑制、サプライチェーン寸断の防止、インフラの長寿命化

(2)新たに生じる懸案事項

・鋼板巻立て補強済みの橋脚柱に追加補強(RC巻立て)を行う場合、鋼板とRC巻立ての境界面にずれが生じ所定の耐力が発揮できない可能性がある。

・地震により電線が切断された際に、電線が地中に埋設されているため切断箇所を肉眼で見つけるのが困難である。(無電柱化)

・空洞部に樹脂等を注入しても給排水繰返しによって再び空洞が発生する。(道路陥没) 

(3)新たに生じる懸案事項への対策

・橋軸と直角方向の免震構造化(既設支承の可動化+免震バッファの設置(桁間))により地震時慣性力を軽減させることで、曲げ耐力不足を改善する。(橋梁の耐震強化)

・一定区間ごとに常時モニタリングを行い、切断箇所を推定できるようにする。(無電柱化)

・不織布の持つ土粒子の流失抑止、透水・通水機能と、ジオグリッドの引抜き力による地盤の補強を期待し、地盤内の空洞拡大抑止(道路陥没防止)


模範解答1答案形式 建設部門、道路  専門:道路設計   2020.12.23


1.多面的な課題

(1)道路のレジリエンスを確保

レベル2地震動において耐震性能2以上を確保して、災害に強いネットワークを構築するためミッシングリンクの整備、ロッキング橋脚の耐震化、落橋防止対策、地方公共団体が管理する跨道橋の耐震化による通行止めを防止する等の対策を施す。これにより、ネットワークを確保して災害時の通行止め時間を最小化する。

(2)ICT を活用した災害予測、災害情報収集・発信

CCTVカメラ等で撮影した映像から水位観測を行い、その結果を基に津波や高潮、豪雨時における洪水等の氾濫や浸水予測して対策を立案する。また、AIカメラ等が交通状況を常時モニタリングにし、災害やパンデミック発生時には情報提供や交通誘導により人流・物流を最適化する。

(3)デジタル技術を活用した土砂流出の予測と対策

レーザープロファイラーによりレーザ計測と同時に空中写真を撮影し、立体画像である地形起伏図から地形判読を行う。高精度で広範囲に崩壊地や地すべり等の危険個所を絞り込み、土層強度検査棒による調査、土砂流出の予測を行う。この結果を基に危険性が高い箇所の道路法面・盛土対策、道路拡幅等を実施する。

2.最も重要な課題「道路のレジリエンス確保」

(1)橋梁の耐震強化  

ロッキング橋脚の耐震化を図るため、完全自立構造や半自立構造により水平・鉛直方向に対する抵抗力を向上させる。鋼板併用RC 巻立て工法や連続繊維シート巻立工法により跨道橋の耐震化、支承部の補強(水平力を分担する構造、段差防止構造)、床板補強等を行うことで、落橋を回避して災害後の早期機能回復を図る。なお、橋梁の耐震化は確率論的地震動リスクより南海、東南海沿岸エリアを優先的に整備する。

(2)無電柱化

電柱倒壊による緊急輸送道路の道路閉鎖を防止するために無電柱化を推進する。その際に浅層埋設、小型ボックス等を活用して施工時に既設ガス管や水道管等への影響を少なくして工期やコストを削減する。なお、緊急輸送道路や避難所へのアクセス道路の内、市街地区間は、電線・電柱の密度が高く甚大な被害が予想されるため優先的に整備を行う。

(3)路肩拡幅

災害時には道路に一定の欠損が生じることを考慮して、路肩を従来よりも広くする。そのため、経済性を優先した整備水準から、災害に配慮した整備水準に見直す。2車線道路により斜面崩壊等により片側1車線が利用できなくなっても残りの1車線と路肩を有効活用して道路ネットワークを確保する。

3.波及効果と新たに生じる懸案事項への対策

(1)波及効果

平常時や災害時を問わずに複数の物流ルートを選定でき、安全かつ円滑な物流機能を確保できる。これは、災害時におけるサプライチェーン寸断の防止や通常時の交通事故抑制、時間信頼性向上に繋がる。

 落橋防止や道路陥没を防ぐことにより災害時における死者を抑制することができる。

(2)新たに生じる懸案事項

免震支承等により橋の固有周期が比較的長くなり、長周期地震動と共振して変位が増大して、橋脚にかかる作用力も大きくなる。そのため、長周期波が卓越した地震が発生すると新たな損傷発生する。

バリアフリー構造基準、車両の乗り入れ等により歩道を切り下げる必要がある。その際に、所定の土被りを確保できなくなる可能性がある。

路肩拡幅が多くなり、広域的に地形が改変されることとなり、斜面の力学バランスが変化して斜面崩壊の可能性が高まる。

(3)新たに生じる懸案事項への対策

標準波の代わりに、そのサイトの局所的な地盤条件を反映させ作成したレベル2 地震波で照査を実施する。

埋設されている管路を防護するため、管路上に防護鉄板等を設置し、管路に作用する応力を小さくする。

光ファイバセンサにより広範囲なエリアを線的や面的に計測を行い、のり面に変形等が確認された場合はグラウンドアンカー工法等の対策を行う。



R2年、2021年 建設・施工 T−1 問題 模範解答と解説

T-1 我が国の総人口は、戦後増加を続けていたが、2010年頃をピークに減少に転じ、国立社会保障・人口問題研究所の将来水推計(出生中立・死亡中位推計)によると、2065年には8,808万人に減少することが予想されている。私たちの暮らしと経済を支えるインフラ整備の担い手であり、地域の安全・按針を支える地域の守り手でもある建設産業においても、課題の1つとしてその担い手確保が挙げられる。

(1)それぞれの地域において、地域の中小企業が今後もその使命を果たすべく担い手を確保していく上で、技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し、その内容を観点とともに示せ。

(2)抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3)すべての解決策を実行した上で生じる波及効果と、新たな懸案事項への対応策を示せ。

(4)上記事項を業務として遂行するに当たり、技術者としての倫理、社会持続性の観点から必要となる要件・留意点を述べよ。


模範解答1 簡易答案形式1 建設部門、施工積算 専門:施工計画  2021/6/29


(1) 地域の担い手を確保していく建設産業の課題

@施設の集約化:施設物件量に対して作業量が上回る。これを利用率から評価し、車道から歩道に機能変更・縮小する機能低下防止と集約化して迂回路を設置する機能補完対策をする。

AICT、AI技術を活用した維持管理の効率化:ICTを活用した加速度センサーによる異常検知モニタリングシステムや赤外線センサーを用いて欠損部を映像化する非破壊検査技術を利用する。

B点検技術者の育成・確保:点検により健全性を診断する技術力が不足する。新規技術者に損傷メカニズムや対応策の経験を養うため、技術者を派遣し育成する。

(2)最も重要と考える課題と解決策

AICT、AI技術を活用した維持管理の効率化の解決策

(a)ICTモニタリングシステム:橋梁、法面では、画像によるひび割れをデジタルカメラや変位計で監視し変状の早期発見や進行監視することで遠隔地から広範囲のデータを収集し施設の安全性を確認する。

(b)剥離・うき調査システム:橋梁等の変状箇所を遠望から赤外線センサーを用いて物体の放射する赤外線量から表面温度を検知し欠損部を映像化する。赤外線画像と可視画像を連続的に撮影し、画像を自動解析することで損傷箇所を判定する。

(c)路面のたわみ測定: FWD測定により、路面のたわみ量を走行中の車両自重によって車輪下に生じるたわみを測定する。これを、連続的に測定することで舗装の構造的変化点を連続的に把握する。測定結果からは、路床の支持力、舗装の残存強度を推定し最適な補修計画をする。

 (3)波及効果と新たな懸案事項

波及効果:ICT普及促進による情報通信産業の経済性が向上し雇用が誘発される。

懸案事項:自動化のサポートにより技術者の失敗体験から得る学習機会が低下。技術者のリスク予見能力が低下し臨機応変な技術対応ができず事故が発生する。

(4)必要となる要件と留意点

技術者倫理も高めてするには、モニタリング技術利用拡大を図り公衆の安全性を確保する。これは、技術者倫理綱領の公衆の利益の優先に相当する。

社会持続性も高めてするには、信頼性が高い技術開発を図り持続可能な開発を促進する。これは、SDGsの9持続可能かつ強靭なインフラ開発「9.1」に相当する。


模範解答2 簡易答案形式1 建設部門、施工積算 専門: 施工計画 2021/6/10


1. 小建設業者が担い手を確保する上での課題

(1)         ITを使用した生産性向上による収益確保

電子端末を用い、材料等の発注に関する情報の伝達、発注者の検査および測量を行い生産性向上から収益確保につなげて担い手を確保する。

(2)         ボランティアを活用した担い手確保

仕事を退職した現地住民の方、いつも通勤途中にある方にボランティアにてインフラの点検をお願いして担い手を確保する。

(3)         建設労働者育成による担い手確保

今まで就労経験のない女性や離職者、求職者及び就職予定である高校生に建設系労働者育成のために、職業訓練を行い建設業の担い手を確保する。

2.           最も重要と考えられる課題と解決策 @ITを使用した生産性の向上

(1)         双方向型アプルインストールによる生産性の向上

電子端末を用いて双方向型のアプリをインストールして材料、機械の発注及び現場への指示を行い、手間を削減することにより生産性を向上させて収益を改善させて担い手を確保する。

(2)         発注者の検査、品質管理におけるITの使用

発注者の検査及び品質管理において従来の紙ベースから電子端末を使用して紙を打ち出す手間を削減して生産性を向上させて担い手を確保する。

(3)         測量による電子端末を使用した生産性向上

電子端末を使用して入力を行い手間を削減して生産性を向上させて担い手を確保する。

3.           解決策を実行した上で生じる波及効果と新たな懸念事項への解決策

(1)         新たな波及効果

電子端末を使いこなすことにつながりIT分野に明るくなれる可能性がある。

(2)         新たな懸念事項とその解決策

ITに不慣れな年配従業員が操作できない可能性がある。事前にITの教育を施し使用方法の周知に留意する。

4.           技術者としての倫理、社会の持続性の観点から必要となる要件、留意点

(1)         技術者としての倫理から必要となる要件、留意点

技術者倫理も高めてIT化するには、業務の意味、重要性を理解してから業務を行う。。

(2)         技術士倫理綱領の〇〇に相当する。社会持続性の観点から必要となる要件、留意点

社会持続可能性を高めてIT化するには積極的に新しい技術を取り入れる。


 


 

R2年、2021年 建設・施工 T−2 問題 模範解答と解説

T-2  我が国の社会インフラは高度経済成長期に集中的に整備され、建設後50年以上経過する施設の割合が今後加速度的に高くなる見込みであり、急速な老朽化に伴う不具合の顕在化が懸念されている。また、高度経済成長期と比べて、我が国の社会・経済情勢も大きく変化している。

 こうした状況下で、社会インフラの整備によってもたらされる恩恵を次世代へも確実に継承するためには、戦略的なメンテナンスが必要不可欠であることを踏まえ、以下の問いに答えよ。

(1)     社会・経済情勢が変化する中、老朽化する社会インフラの戦略的なメンテナンスを推進するに当たり、技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し、その内容を観点とともに示せ。

(2)     (1)で抽出した課題のうちもっとも重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3)     (2)で示した解決策に共通して新たに生じるリスクとそれへの対策について述べよ。

(4)     (1)〜(3)を業務として遂行するに当たり、技術者としての倫理、社会の持続性の観点から必要となる要件・留意点を述べよ。


模範解答1 答案形式 建設部門、施工積算 専門:   2021/1/18


(1)課題

@財源不足

我が国は人口減少・高齢化、莫大な財政赤字(国と地方を合わせて1000兆円の借金)を抱える中、税収は期待できない。また毎年の様に多発する水害、土砂災害の頻発、激甚化による複合災害、新型コロナウィルス対策費などに政府の予算を割り当てることになり、維持管理に当てあてられる予算は限られている。費税の増税などの取り組みも行われているが、税収は減少している。今後50年で190兆円もの財源が必要となるため、今後も財源が不足していくと思われる。

A技術者不足

社会インフラの適切な維持・更新は定期的な点検結果を正確に診断できる技術が必要である。しかし、建設業全体と同時に技術者が減少する傾向にある。高度成長期に貢献した熟練技術者の退職、若手技術者の入職者数の減少は技術力の伝承が困難となっているため、定期的な点検結果の正確な診断が困難となり、適切な維持管理・更新を阻害する要因となっている。

B非効率な手法による維持・更新

これまでの維持管理・更新工事においては、スクラップアンドビルトと言われてきたように、社会インフラの老朽化が顕著になってから、建替や補修、補強工事を行う事後保全型が主体であった。そのためコストがかかり長期的な視点ではなく、プライオリティーが不明確で、これまでの非効率的な維持管理手法が課題であった。

(2)最も重要と考える課題と解決策

@アセットマネジメント

事後保全型から予防保全型への移行が有効と考える。

具体的には、アセットマネジメントを適用し社会インフラを資産としてとらえ、長寿命化を図るために更新時期をコントロールしコストの標準化を図る。

ライフサイクルコストの低減のため、点検診断、劣化予測、保全履歴をデータベース化し共有化を図り、必要な時期に誰でも検査利用できる仕組みを構築することにより的確かつ効率的維持管理更新工事に取り組むことができると考える。

AICTの推進

休息に技術革新が続いているICT技術を高度に利用することで、社会インフラ施設の維持管理の効率化を図る。これにより最小の人員で最適な維持管理を行う。

具体策として、光ファイバー網を活用したCCTVによる遠隔管理、構造物に埋め込んだICチップによる施工情報・補修履歴管理及びこれらの情報のデータベース化による一元管理、住民等から道路管理施設の異常情報等を受け取る双方向型の情報提供システムの構築が挙げられる。

(3)リスクと対策

地方自治体の維持管理の業務は、小規模で複雑な案件が多く、効率的に業務を進めることが困難である。業務の個別性が高いことから、発注者の仕様書作成が難しく、技術者の能力を評価することが困難である。

維持管理更新の高度な技術的判断が必要な場合でも、

適切な評価が行われないことがある。

そのためには、上位機関の情報を地方地域でも共有できる情報システムの構築、技術者派遣、地方講習会の開催等、技術支援を推進し技術力の向上を図る。

中小企業にも適切な利益が確保されるような発注方式を提案し、例えばPPP/PFIを活用した包括的な維持管理プロジェクトの契約方式ガイドラインの作成を行う。

 (4)業務として遂行するに当り必要となる要件

@コンプライアンス

技術者としては、コンプライアンスを重視した行動に留意する。社会持続性の観点では、将来的な担い手確保が課題となっているため、長時間労働の是正、適切な賃金水準の確保、キャリアアップシステムの構築等、働き方改革の推進が重要である。

A適切な更新

インフラ施設は日々劣化していく。計画的に適切な時期に適切な更新を行うことで、維持管理費を最小限に抑えることが可能であり、技術者として日々研鑽する。



模範解答2簡易答案形式1 建設部門、施工積算 専門: 2021/6/12


  1. 社会インフラの戦略的なメンテナンス推進のための課題

(1)    予防保全型のメンテナンス実施

予防保全型のメンテナンスを導入して、損傷が軽微な段階で計画的な補修を行うことで施設のライフサイクルコストを最小化する。

(2)    インフラ管理量の低減

市民の利便性を損なわないインフラを選別、公益性を損なわないように廃棄して、インフラ管理量を低減する。

(3)    ボランティア導入によるメンテナンスの実施

地域の建設ОBや女性、市の職員などからボランティアを募り、インフラ点検の要領を教育し、地元の施設の外見的な簡易診断を行ってもらう。

  1. 最も重要と考えられる課題と解決策 @予防保全型のメンテナンス実施

(1) ICTを使用したメンテナンスの実施

膨大な数存在する未点検インフラを効率的に点検するため、ICTを利用したメンテナンスを実施し点検の生産性を向上させ損傷、劣化が起きる前にインフラの予防、保全を行う。

(2) 正確な劣化予測システムの構築

今後の劣化予測を正確に行い、データベース化することによりメンテナンスを行う順序を確立して無駄を省いてからメンテナンスを行い、インフラの予防、保全を行う。

(3) 効率的な経過観察手法の策定

一度点検を実施したインフラについて効率的な経過観察手法を策定し(例えばモニタリング技術の使用、定期的な観察の実施)メンテナンスを行いインフラの予防、保全を行う。

  1. 新たに生じるリスクとそれへの対策

(1) 新たに生じるリスク

不可視部の劣化が進行する可能性がある。(例えば排水装置内部における劣化)

(2) 新たに生じるリスクへの対策

短い時間でも現場を訪れ実際の構造物と得られた結果とを確認する。

  1. 技術者としての倫理、社会の持続性の観点から必要となる要件、留意点

技術者倫理も高めて予防保全型の維持管理を行うにはするには、新技術を常に勉強する。これは技術士倫理綱領の継続研鑽に相当する。ただ業務遂行するのでなく、技術士として社会持続可能性を高めるには、質が高く、災害に強いインフラの維持を耐久性の高い材料の使用を通じて達成する。これはSDGsの9の産業と技術革新の基盤を作ろうに相当する。


模範解答2 答案形式 建設部門、施工積算 専門:   2021/6/30


  1. 社会インフラの戦略的なメンテナンス推進のための課題

(1)   予防保全型のメンテナンス実施

補修方策の観点から、今までの事後保全型から予防保全型のメンテナンスを導入して、損傷が軽微な段階で計画的な補修を行うことで施設のライフサイクルコストを最小化する。

(2)   インフラ管理量の低減

管理するインフラ量の観点から、市民の利便性を損なわないインフラを選別、公益性を損なわないように廃棄して、インフラ管理量を低減する。

(3)   ボランティア導入によるメンテナンスの実施

補修を行う人の観点から、地域の建設ОBや女性、市の職員などからボランティアを募り、インフラ点検の要領を教育し、地元の施設の外見的な簡易診断を行ってもらう。

2.  最も重要と考えられる課題と解決策 @予防保全型のメンテナンス実施

(1) ICTを使用したメンテナンスの実施

膨大な数存在する未点検インフラを効率的に点検するため、ICTを利用したメンテナンスを実施し点検の生産性を向上させ損傷、劣化が起きる前にインフラの予防、保全を行う。点検結果はパソコンのデータベースに自動入力されるシステムを構築し、周知し易くする。

(2) 正確な劣化予測システムの構築

今後の劣化予測を正確に行い、データベース化することによりメンテナンスを行う順序を確立して無駄を省いてからメンテナンスを行い、インフラの予防、保全を行う。劣化予測が正しく行われているかどうか経過観察結果と照合し、劣化の進行と合わなければ修正を行う。

(3) 効率的な経過観察手法の策定

一度点検を実施したインフラについて効率的な経過観察手法を策定し(例えばモニタリング技術の使用、定期的な観察の実施)メンテナンスを行いインフラの予防、保全を行う。経過観察した結果はデータベースに自動入力され、予想されて劣化予測との比較を行う。

3.  新たに生じるリスクとそれへの対策

(1) 新たに生じるリスク

予防保全型管理を行う際、更新時期が一度に迎えられるため膨大な数のインフラが対象となり多額の初期投資が必要となる可能性がある。多くの初期投資が必要になれば多額の資金が必要である。

(2) 新たに生じるリスクへの対策

構造物の維持管理計画を毎年改定して予防保全を行う順序を正確に決定してリスクを低減する。

4.  技術者としての倫理、社会の持続性の観点から必要となる要件、留意点

技術者倫理も高めて予防保全型の維持管理を行うためには、新技術を常に勉強する。これは技術士倫理綱領の継続研鑽に相当する。ただ業務遂行するのでなく、技術士として社会持続可能性を高めるには、質が高く、災害に強いインフラの維持を耐久性の高い材料の使用及び質の高い施工方法の活用を通じて達成する。これはSDGsの9の産業と技術革新の基盤を作ろうに相当する。


模範解答3 簡易答案形式2 建設部門、施工積算 専門:   2021/1/12


1.課題の抽出と観点

(1)維持管理の効率化

 これまでの社会資本整備により発生した、ストック効果の持続的な実現と最大化のため維持管理の効率化を図る。施設の長寿命化計画によるコスト縮減やUAVや三次元設計図などICTによる省力化、民間投資によるメンテナンス業界の活性化などを実施する。

(2)災害に対応したハード・ソフト対策

 近年の施設能力を超える気象災害や、懸念される巨大地震に対応した効果的な対策を実施することにより被害の最小限化を図る。施設の防災機能の強化や耐震化、緊急避難情報システムの構築など施設特性と経済性を考慮したハード・ソフト一体となった対策を実施する。

(3)企業の安定経営による待遇の改善

 深刻な人手不足・担い手不足の建設業において、メンテナンスに関する人材を確保するため、企業経営の改善を図る。施工時期の平準化による年間工事量の安定化や包括発注方式などにより企業の持続性を確保し、処遇改善を行うことで担い手を確保する。

2.重要な課題「維持管理の効率化」と解決策

(1)予防保全によるアセットマネジメント

 損傷の早期段階で予防的な修繕を行い機能の保持・回復を図る予防保全を核としたメンテナンスサイクルを構築し施設の長寿命化を図る。個別施設計画により安全性や経済性を総合的に判断し、整備効果の高い工事を戦略的に実施する。特に懸念される気象災害や巨大地震に対し、施設の防災機能の強化や耐震化、不燃化などのハード対策を重点的に行い、安全安心効果の最大化を図る。これにより、戦略的な維持管理及びトータルコストの縮減を図ることができる。

(2)維持管理工事の省力化

 地方を中心に維持管理に対応する人材や技術が不足している。ICTを活用し、限りある人的リソースの有効活用を図る。具体的には、UAVを使用した劣化診断と三次元設計図を連動した劣化範囲診断図の自動作成、ICT建機による自動制御施工、赤外線など非破壊検査によるモニタリングシステムの構築などを行う。これにより維持管理更新工事の省力化及び省人化を図ることができる。

(3)民間投資の誘発による活性化

 画像認識型カメラやAIなど、他産業の優れた技術や知識を維持管理に導入したスクリーニング調査やインフラマネジメントシステムにより維持管理の省力化・効率化を図る。他産業の公共工事参入による技術の発展性、開発の可能性をアピールするため、技術者支援フォーラムの開催や優れた技術の全国展開、包括的基準による性能規定型発注制度の構築などを行う。これにより他産業と融合した多様な技術や発想を創出し、メンテナンス産業の活性化及び生産性の向上を図ることができる。

3.リスクと対策

(1)リスク

 ICTによる省力化や自動化、長寿命化に関する技術や知識への傾倒により、調査や診断、対策工などの本来の維持管理に関する専門的知識が低下し、剥落や内部欠損、腐食等による災害が発生するリスクがある。

(2)対策

 維持管理に携わる技術者に対し、教育・訓練の機会の拡大を行う。MR(複合現実)技術を活用し、維持管理・更新工事を疑似体験することで調査・診断や対策工に関する知識・技術の習得を促進する。

4.必要となる要件   

技術者倫理も高めてICT技術を活用した業務を遂行するためには、UAVなどの機器不良による落下事故対策やデータベースの情報セキュリティ対策についてリスクマネジメントを実施することで、公共の安全性が向上し、公共性の高い業務が遂行できる。これは技術士倫理綱領の公衆の利益の優先に相当する。

社会持続可能性を高めてメンテナンス産業の活性化  業務を遂行するためには、女性や外国人技術者が安心して働ける職場環境を整備することで持続可能な経済成長及び働きがいある雇用促進ができる。これはSDGsゴール8に相当する。



R2年、2021年 建設・施工 U−1−2 問題 模範解答と解説

U-1-2 「公共工事標準請負契約約款」において定められている発注者及び受注者の義務の中から、工事遂行に影響する主な義務をそれぞれ2項目ずつ挙げ、説明せよ。


模範解答1簡易答案形式1 建設部門、施工積算 専門:施行計画及び積算 2021/4/20


1.発注者の義務

1)著しく短い工期の禁止

 工事の品質確保、働き方改革の観点から、発注者は施工に必要な期間を確保し、工事に従事する者の長時間労働を是正するため、準備工、休日を見込んだ工期を設定しなくてはならない。

2)前金払い及び中間前金払い

 建設業の持続可能な事業環境確保の観点から、建設業者の経営状況悪化を防ぐため、発注者は受注者から請求があった場合には、請求を受けた日から14日以内に前払金を支払わなくてはならない。

 2.受注者の義務

1)一括委任又は一括下請負の禁止

 工事の品質確保の観点から、受注者が施工管理・技術管理に実質的に関与するため、工事の全部または主たる部分を第三者に委任したり、請け負わせたりしてはならない。

2)現場代理人及び主任技術者等の配置

 工事の品質確保の観点から、受注者は施工管理・技術管理を確実に行うため、現場代理人等を工事現場に配置しなくてはならない。


模範解答1簡易答案形式2 建設部門、施工積算 専門:施行計画及び積算  2021/4/22


1.発注者の義務

1)著しく短い工期の禁止

 工事の品質確保、働き方改革の観点から、施工に必要な期間を確保すること、工事に従事する者の長時間労働を是正することが重要である。発注者は実な施工を行うための準備工、週休2日を目標とした休日を見込んだ工期を設定しなくてはならない。

2)前金の確実な支払い

 建設業の持続可能な事業環境確保の観点から、建設業者の経営状況悪化を防ぐことが重要である。発注者は受注者から請求があった場合には14日以内に前金を支払い、受注者の経営負担を軽減させなくてはならない。

2.受注者の義務

1)一括下請負の禁止

 工事の品質確保の観点から、受注者が施工管理・技術管理に実質的に関与することが重要である。受注者は工事の全部または主たる部分を第三者に請け負わせることなく施工管理を行わなくてはならない。

2)現場代理人及び主任技術者等の配置

 工事の品質確保の観点から、施工管理・技術管理を確実に行うことが重要である。受注者は現場代理人等を工事現場に配置して、施工管理にあたらせなくてはならない。


模範解答1答案形式 建設部門、施工積算   専門:施行計画及び積算  2021/4/24


1.発注者の義務

(1)著しく短い工期の禁止

 工事の品質確保、働き方改革の観点から、施工に必要な期間を確保すること、工事に従事する者の長時間労働を是正することが重要である。このため発注者は確実な施工を行うための準備工、週休2日を目標とした休日を見込んだ工期を設定しなくてはならない。

(2)前金の確実な支払い

 建設業の持続可能な事業環境確保の観点から、建設業者の経営状況悪化を防ぐことが重要である。このため発注者は受注者から請求があった場合には14日以内に前金を支払い、受注者の経営負担を軽減させなくてはならない。

2.受注者の義務

(1)一括下請負の禁止

 工事の品質確保の観点から、受注者が施工管理・技術管理に実質的に関与することが重要である。このため受注者は工事の全部または主たる部分を第三者に請け負わせることなく、自らが主体的に施工管理を行わなくてはならない。

(2)現場代理人及び主任技術者等の配置

 工事の品質確保の観点から、施工管理・技術管理を確実に行うことが重要である。このため受注者は現場代理人等を工事現場に配置して、確実な施工体制の下施工管理を行わなくてはならない。



R2年、2021年 建設・施工 U−1−3 問題 模範解答と解説

U-1-3 市街地における橋梁下部工の施工計画に当たり、施工の安全性に必要な検討事項を3つ挙げ、それぞれについて技術上の留意点及び施工上必要な措置等を具体的に述べよ。


模範解答1 答案形式 建設部門、施工積算 専門:施工計画   2021/1/18


(1)検討事項と技術上の留意点

@施工ヤード

 市街地に施工する下部工施工は、施工ヤードが限られる。また近接構造物への影響、近接道路との離隔、工事用車両の進入出路計画、仮設足場計画、必要機材の配置、資材置場の確保、施工ステップ等を検討した上で、安全に施工できるヤードを選定する。

A仮設工法の選定

仮設工法は、掘削深さ、土質状況、地下水位、周辺施設、近接構造物との離隔等を検討し選定する。

施工前に地質状況、施工基面以下の土質を確認し、ボイリング、ヒビーング、盤ぶくれ等の可能性を検討し掘削時における締切内の安全性、近接施工による周辺地盤の影響を検討し、地盤改良工法などの対策を講じる準備をする。

B周辺状態

下部工工事の周辺に、小・中学校、病院、精密機械工場等に、工事の振動、騒音の影響がないか検討し、必要に応じて防音壁、施工機械の選定に留意する。

工事用車両進入口と地元車両の重なる箇所は、工事用車両出口と入口を分けるなど、地元車両との安全性を優先する。


模範解答2簡易答案形式1 建設部門、施工積算 専門: 施工計画 2021/2/15


 

1.施工の安全を確保するために必要な検討事項

1)土留め掘削時の近接道路の沈下検討

2)土留めの崩壊を防ぐため掘削底面の安定検討

3)クレーン荷揚げ作業時の俯角影響範囲及び転倒の検討 

 2.技術上の留意点

1)路面の変形を自動視準式観測機を用いて逐次観測する。

2)地下水位高を逐次観測し、降雨等の水位上昇により設計水位以上とならないようにする。

3)CIM技術を用い市街地の複雑な俯角範囲のシミュレートを行う。表層付近に軟弱地盤が存在する場合は必要な支持地盤養生を行う。

 3.施工上必要な措置等 現場施工技術として決め手となることを挙げる

1)土留工に先行地中梁を設置し地盤変形の抑制を図る。土留材に摩擦低減材を塗布し引抜き時の土砂付着をなくし沈下を防ぐ。

ただ地中梁を設置するだけではなく、安全性を高める措置は

2)センサと連動させた地下水位低下工法により一定の水位以下となるように自動的に水位の管理を行う。

単なる対策ではなく施工技術として決め手となる措置は

3)旋回自動停止装置、作業領域制限装置を取り付け物理的に指定範囲外での作業を不可とする。


解説

 

「路面の変形を逐次観測する」ために、動態観測、追跡調査を他者より巧みにするための技術的工夫は何か、そのあたりの工夫を表すと良いでしょう。

「地下水位高を逐次観測」とは具体的に観察してどうするのか。地下水くみ上げについて、監視、制御を巧みに行うための判断や技術的工夫は何かを述べるように。

「施工上必要な措置」としては、現場施工技術として決め手となることを挙げると良いでしょう。

「地中梁設置」においては、沈下を防ぐだけではなく、安全性を高める措置はありませんか。

「地下水位低下工法」は自動水位管理という単なる機器設置ではなく、施工技術として決め手となる地下水管理技術まで言及すると良いでしょう。


模範解答2簡易答案形式2 建設部門、施工積算 専門: 施工計画  2021/2/18


 

1.施工の安全を確保するために必要な検討事項

1)土留掘削時の近接道路の沈下検討

2)土留の崩壊を防ぐため掘削検討の安定検討

3)クレーン荷揚げ作業時の俯角影響範囲及び転倒の検討

2.技術上の留意点

1)近接する路面の変形を自動視準式観測機を用いて逐次観測し、変形規定値を超えないようにする。

2)地下水観測孔を設け水位高を逐次観測し、降雨等の水位上昇により土留設計水位以上とならないようにする。

3)CIM技術を用い市街地の複雑な俯角範囲のシミュレートを行う。表層付近に軟弱地盤が存在する場合は地盤改良等の支持地盤養生を行う。

3.施工上必要な措置等

1)土留工に先行地中梁を設置し地盤変形の抑制を図り、土留材に摩擦低減材を塗布することで引抜き時の土砂付着をなくすことで近接道路の沈下を防ぐ。

2)地下水位センサと連動させた地下水位低下工法により一定の水位以下となるように自動的に水位の管理を行うことで土留の崩壊を防ぐ。

3)旋回自動停止装置、作業領域制限装置を取り付けることで物理的に指定範囲外での作業を不可とする。


模範解答2答案形式 建設部門、施工積算   専門:施工計画  2021/2/19


 

1.検討事項

1)土留掘削時の近接道路の沈下検討

2)土留の崩壊を防ぐため掘削底面の安定検討

3)クレーン荷揚げ作業時の俯角影響範囲と転倒検討

2.留意点と施工上の措置

1) 土留掘削時の近接道路の沈下

路面の変形を自動視準機を用いて逐次観測し、変形の規定値を超えないよう留意する。必要な措置として、土留工に先行地中梁を設置することで掘削作業時の地盤変形の抑制を図り、壁体に予め摩擦低減材を塗布し引抜き時の土砂付着をなくし、近接道路の沈下を防ぐ。

2) 掘削底面の安定

地下水位観測孔を設け水位高を逐次観測し、降雨等の地下水位上昇により土留設計水位以上とならないよう留意する。必要な措置として、観測孔に設けた地下水位センサと連動させた地下水位低下工法により、一定の水位以下となるように自動的に水位の管理を行うことで土留の崩壊を防ぐ。

3) クレーン作業時の検討

市街地の複雑な影響対象に留意し、CIM技術を用いて俯角範囲のシミュレートを行う。表層付近に軟弱地盤が存在する場合はアウトリガ下に地盤改良等の支持地盤養生を行う。必要な措置として、クレーンに旋回自動停止装置・作業領域制限装置を取り付け、物理的に指定範囲外での作業を不可とする。



R2年、2021年 建設・施工 U−1−4 問題 模範解答と解説

U-1-4 鉄筋コンクリート構造物の劣化機構について次の2つのうちから選び、それぞれについて、劣化現象を概説せよ。また、選んだ劣化機構について、劣化を生じさせないよう事前に取るべき対策を各2つ以上述べよ。


模範解答1答案形式 建設部門、施工積算 専門:施工管理  2021/4/22


(1)構造物の劣化現象の概説と取るべき対策

@塩害

a)劣化現象

コンクリート中の鋼材の腐食が塩化物イオンにより促進され、コンクリートのひび割れや剥離、鋼材の断面減少を引き起こす劣化現象。

b)事前にとるべき対策

コンクリート中の塩分物イオンを少なくする。

高炉セメントなどの混合セメントを使用する。

水セメント比を小さくして密実なコンクリートを小さくする。

ひび割れ幅を制御するためひび割れ防止鉄筋の配置。

かぶりを大きくして水分や酸素の供給を少なくする。

A凍害

a)劣化現象

コンクリート中の水分が凍結融解作用を繰り返すことでコンクリート表面からスケーリング、微細ひび割れ、ポップアウトを引き起こす。

b)事前にとるべき対策

耐凍害性の大きな骨材を用いる。

AE剤、AE減水剤を使用して、適正量のエントレインドエアを連行させる。」

水セメント比を小さくして、密実なコンクリートとする。



模範解答2 簡易答案形式2 建設部門、施工積算 専門:施工管理   2020.9.25


1.劣化現象の概説

(1)塩害

 塩害は、塩化物イオンにより鉄筋の不動態被膜が破壊される。そこに水分・酸素が供給されることで鉄筋腐食が促進し、膨張することでひび割れが発生する。塩化物イオンには、骨材に海砂使用による内在塩分と飛来塩分や融雪剤などの外来塩分とがある。

(2)アルカリシリカ反応

 アルカリシリカ反応は、アルカリ反応性鉱物とアルカリ水溶液が反応しアルカリシリカゲルを生成し、吸水・膨張することで軸方向鉄筋に沿ったひび割れなどが発生する。

2.事前に取るべき対策

(1)塩害

 コンクリート中の塩化物イオン総量を0.3kg/m3以下にする必要がある。骨材に川砂を使用する。水セメント比の小さい密実なコンクリートや表面被膜工法による劣化因子の遮断を行う。また、受入れ時にカンタブ等を使用して塩化物量を確認することも重要である。

(2)アルカリシリカ反応

コンクリート中のアルカリ総量を3.0kg/m3(Na2O換算)とする。モルタルバー法や化学法により無害と判断された骨材を使用する。高炉セメントやフライアッシュセメントなどを使用し、密実で化学抵抗性に優れたコンクリートとすることが有効である。



R2年、2021年 建設・施工 U−2−1 問題 模範解答と解説

U-2-1 図のような地形を横断する2車線道路橋の橋脚1基(直接基礎、高さ18m)を河川区域内に建設する工事を責任者として実施することとなった。この業務には仮設の方法・内容を確定することも含まれている。なお、堤内地は耕作土利用がされており、現場へアクセス可能な道路はないものとする。以上を踏まえ、以下の内容について記述せよ。

(1)検討すべき事項(関係者との調整事項は除く)のうち工事の特性を踏まえて重要なものを2つ挙げ、その内容を説明せよ。

(2)業務の手順を述べた上で、業務工程を管理する際に留意すべき点、工夫を要する点について述べよ。

(3)業務において必要な関係者との調整事項を1つ挙げ、業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。


模範解答1簡易答案形式1 建設部門、施工積算 専門:施工計画 2021/4/26


(1)検討すべき工事の特性を踏まえて重要な内容

 

@崖からの河川区域を横断したアクセス道路

 耕作利用地を避けた、仮桟橋(ルート、幅員、高さ、支間)の検討をする。

A直接基礎、高さ18mのマスコンクリートの管理

 マスコンの水和熱に起因するひび割れの設計照査とひび割れ抑制をする。

(2)業務手順と業務の工程を管理する際に留意する点、工夫する点

@仮桟橋

 河川水位を調査する。渇水期に作業が集中を考慮し、複数機械が稼働できる幅員を工夫し荷重に耐えうる構造とする。

A温度ひび割れ防止策      

 低発熱型のセメントを使用し水和熱によるひび割れの発生を抑制する。

骨材をプレクーリングしコンクリート温度を抑制する工夫をする。

B乾燥収縮ひび割れ対策

 単位水量を低減することで抑制する。(高性能AE減水剤の使用)

メッシュ筋などのひび割れ補強筋を追加配置する工夫で抑制する。

(3)必要な関係者との調整事項、調整方策

@受発注者間での温度ひび割れの品質確保

 発注者から温度ひび割れに対する品質確保の要望があった。再度、温度応力解析を行い、設計者、発注者、受注者で協議した。品質、工程のバランスを考慮し、低熱セメント使用、補強鉄筋配置、養生期間の対策を実施することを取り纏めた。



模範解答2答案形式 建設部門、施工積算 専門:   2021/1/27


 

(1)検討すべき事項

@工事用道路、施工ヤードの確保

 橋脚を施工するために、農道からの工事用車両の進入路の確保が必要である。耕作地に作業用車両、資材置き場等を確保すること、施工箇所までは耕作地を横断することになるので、工事用車両の荷重に対し敷鉄板で養生する。

A仮設工法

橋脚は直接基礎であるため、支持地盤が固く、鋼矢板等による締切は仮設材の根入れ確保に苦慮することが予想される。地盤の状況、施工時期、流水部の状況、周辺状況等を検討し、開削工法を視野も入れ仮設工法を選定する。

(2)業務の手順

@施工時期

河床掘削は、梅雨時、台風時にあたる出水期を避け、渇水期に行う。天候には常に気を配り、近年見られる時期外れの大雨など、特異な状況が想定される場合は、工事をストップすることも視野に入れ、安全に配慮した無理のない計画とする。

A流水部の確保

河床部掘削時に、流水部を大型土のうで背替えを行い、掘削影響範囲からずらし、施工ヤードを確保する。

当該地区の渇水期の過去の河川流量より、流下能力を算定し、施工時における流下断面を確保する。

B仮設計画

 河川内の施工となるため、仮設工法によって工程が大きく左右される。地盤の状況、施工規模、施工ステップを検討し、工程を設定する。

Cブロック積の影響

 施工ヤード(耕作地)から橋脚までのアプローチは

途中にあるブロック積護岸への影響を考慮し、荷重をかけない方が良い点、異常は出水にも対応するため、橋脚位置までは、工事用桟橋の設置検討を行う。

D工事用道路

元々耕作地であった箇所は、工事用道路および工事用ヤードの撤去後を考慮し、耕作土上部をシートで被覆養生後、上部に土のう、敷鉄板を設置しておくことで復旧がしやすくなる。

(4)調整事項

 施工前に3者協議(発注者、施工者、設計者)を行うこと、施工中も工程調整を行い、工事を効率的に進めることが必要である。



模範解答3簡易答案形式1 建設部門、施工積算 専門:施工計画  2021/2/4


1. 検討すべき事項

 

@  橋脚高さが18mあるため、橋脚のコンクリートボリューム及び温度応力解析からひび割れ指数を調査し、コンクリート打ち継ぎ位置、ポンプ車の選定及びひび割れ指数1.85以下の場合は温度ひび割れ対策を検討する。

A  流水部が建設する橋脚の近くにあるため、現地の降水量及び流量観測結果を調査し予測モデルを構築し、水替えの方法及び流水部を切り回し水の侵入を防止する方法を検討する。

2.  業務を進めるための留意点・工夫点を含めた手順

@  流水部の切回し:留意点は水の侵入を防止するために、計画高水量を決定する際10年確立の最大降雨量を考慮して決定することである。

A  仮設道路の設置:仮設道路を設計する際に橋脚の現場と道路を最短で接続すること及び走行性を確保することに留意する。

B  温度ひび割れ対策の実施:ひび割れ指数が1.85以上となるよう中庸熱ポルトランドセメントを使用し、設計温度との差を確認するよう工夫する。

3.  関係者との調整方策

打設計画を打設リフトの高さ0.5m、打設順序1層5回、散水養生7日、コンクリート温度20℃と設定して関係者に計画を申し伝えた。協力業者からは型枠の脱枠を行い、工事を進めたいとの意見があり、生コン会社からは温度が上昇するとの意見があった。そこで私は脱枠を行い、保水養生テープにて7日間養生を行い、温度に関してはパイプでプレクーリングを行い、温度ひび割れを防止した


模範解答3簡易答案形式2 建設部門、施工積算 専門:施工計画  2021/2/12


 

  1. 検討すべき事項

@  ひび割れ防止対策の検討

橋脚高さが18mあるため、コンクリートボリューム、雰囲気温度及びセメントの種類から温度応力解析を行い、ひび割れ指数を調査する。調査結果から、コンクリート打ち継ぎ位置、打設方法の選定及びひび割れ指数1.85以下の場合はパイプクーリング等温度ひび割れ対策を検討する。

A  流水部の切回しの検討

流水部が建設する橋脚の近くにあるため、現地の降水量及び流量観測結果を調査し予測モデルを構築する。予測したモデルから水替えの方法及び流水部を切り回し、水の侵入を防止する方法を検討する。

2.  業務を進めるための留意点・工夫点を含めた手順

@  流水部の切回し

流水部の切回しを行う。留意点は水の侵入を防止するために、計画高水量を決定する際10年確立の最大降雨量を考慮して決定することである。釜場を設け水中ポンプを起動させる際に水の被害を防ぐため発動発電機を上流側に設置するよう工夫する。

A  仮設道路の設置

仮設道路を設計する際に橋脚の現場と道路を最短で接続すること及び走行性を確保することに留意する。走行性を確保するために工事における最大の運搬車で設計を行うことに留意する。コーンペネトロメーター試験を行い走行性を確認するよう工夫する。

B  温度ひび割れ対策の実施

ひび割れ指数が1.85以上となるよう中庸熱ポルトランドセメントを使用し、設計温度との差を確認するよう工夫する。内外気温を小さくするように断熱性の高い型枠を使用するよう工夫する。

3.  関係者との調整方策

コンクリートの温度ひび割れ防止に関する関係者との調整方法

温度応力解析の結果から打設計画を散水養生7日、コンクリート温度20℃であれば温度ひび割れが発生しないとの結果から関係者に計画を申し伝えた。協力業者からは型枠の脱枠を5日にて行い、鉄筋、型枠工事を進めたいとの意見があり、生コン会社からはコンクリート温度が20℃以上になるとの意見があった。

そこで型枠工に脱枠を上部のみ行い、その部分はウェスにて養生を行うように指示した。コンクリート工にはコンクリート温度を低減できるように材料費からホースを調達して型枠工がエアクーリングするように指示した。


模範解答3答案形式 建設部門、施工積算   専門:施工計画  2021/2/15


 

  1. 検討すべき事項

@  ひび割れ防止対策の検討

橋脚高さが18mあるため、コンクリートボリューム、雰囲気温度及びセメントの種類から温度応力解析を行い、ひび割れ指数を調査する。調査結果から、コンクリート打ち継ぎ位置、打設方法の選定及びひび割れ指数1.85以下の場合はパイプクーリング等温度ひび割れ対策を検討する。

A  流水部の切回しの検討

流水部が建設する橋脚の近くにあるため、現地の降水量及び流量観測結果を調査し予測モデルを構築する。予測したモデルから水替えの方法及び流水部を切り回し、水の侵入を防止する方法を検討する。

2.  業務を進めるための留意点・工夫点を含めた手順

@  流水部の切回し

流水部の切回しを行う。留意点は水の侵入を防止するために、計画高水量を決定する際10年確立の最大降雨量を考慮して決定することである。釜場を設け水中ポンプを起動させる際に水侵入の被害を防ぐため発動発電機を上流側に設置するよう、仮締切法面の防護を行うよう工夫する。

A  仮設道路の設置

仮設道路を設計する際に橋脚の現場と道路を最短で接続すること及び走行性を確保することに留意する。走行性を確保するために工事における最大の運搬車で設計を行うことに留意する。コーンペネトロメーター試験を行いコーン指数Qc=12以上を得るように工夫する。

B  温度ひび割れ対策の実施

ひび割れ指数が1.85以上となるよう中庸熱ポルトランドセメントを使用し、設計温度との差を確認するよう工夫する。内外気温を小さくするように断熱性の高い型枠を使用するよう工夫する。散水養生が適宜行えるように水の供給を工夫する。

3.  関係者との調整方策

温度ひび割れ防止に関する関係者との調整方法

温度応力解析の結果から打設計画を散水養生7日、1リフト50cm,一層の打設回数5回及びコンクリート温度20℃であれば温度ひび割れが発生しないとの結果から打設計画を作成し、関係者に申し伝えた。

協力業者からは型枠の脱枠を5日にて行い、鉄筋、型枠工事を進めたいとの意見があり、生コン会社からはコンクリート温度が20℃以上になるとの意見があった。

そこで型枠工に脱枠を上部のみ行い、その部分はウェスにて養生を行うように指示した。コンクリート工にはコンクリート温度を低減できるように材料費からホースを調達して型枠工がエアクーリングするように指示した。私はコンクリートの温度ひび割れ防止をとりまとめた。



模範解答4答案形式 建設部門、施工積算 専門:施工管理   2020/12/22


 

1.検討すべき事項

(1)流水部の切回し検討

 河川区域内での橋脚構築に伴い、流水部の切回しが必要であると考えられる。現地調査により河川上流や下流部の河川線形や段丘崖の状況確認、流速計による流量確認、河川管理者の計測データ確認を行う。調査結果から、切回し線形や仮設流水部面積の検討、使用材料や濁水防止対策などを検討する。

(2)橋梁下部工の仮設検討

 河川内での施工性を確保するため仮設工事の検討を行う。現地踏査により、農道や河川上下流部からの取付け道路を検討する。また、橋脚構築には掘削を必要とする。工事車両などを考慮してトラフィカビリティを確保しつつ、透水性を確保できる玉石を使用した河川内工事用道路の検討を行う。土留め掘削についてはボーリングによる地盤調査から土留め構造の検討を行う。

2.業務手順および工程管理上の留意点・工夫点

(1)工程管理上の留意点・工夫点

 @仮設計画では、工事用道路や施工ヤードを確保するため流水部を切回すが、堤内地側は仮設道路などとして使用するため、大型土のうによる仮堤を構築する。この際、降雨時の流量や河川線形を考慮して仮堤高を設定して幅員の減少し、流水断面積を確保しつつ、河川線形を規制する。

 A土留め施工計画では、玉石などによる打設不能に留意し、ウォータージェット併用方式により鋼矢板もしくは鋼管矢板を打設する。また、可能であれば鋼管矢板を使用し剛性を向上させる。これにより切梁・腹起しを削減し後工程の短縮を図る。

 Bコンクリート打設計画では、河川内作業時間を極力短時間とし、足場材などを削減することが望ましい。ハーフプレキャスト工法を採用し、鉄筋・型枠工の省力化・省人化を図る。これによりコンクリート工の工期短縮と安全性を確保する。

 C施工・河川復旧では、施工条件・施工環境の変化に留意する。施工計画により策定された作業手順にて施工を行うが、雨季などの増水など施工環境の急な変化に対応するため、余裕のある工期を確保する。

3.関係者との調整事項

 発注者から山留掘削による河川への影響を最低限とする為早期に埋戻しを実施するよう要求される。 

工期短縮の状況設定を無理なくする。

この場合は以下で、施工体制と仮設足場の2方針に整理して言う。

そこで施工体制と仮設足場の改善を行う。施工体制は、人員配置を考慮してコンクリート打設を夜間施工とする昼夜施工とした。

調整の本質・最終形(昼夜施工)を簡潔に表す。

また、仮設足場は施工性と安全性を考慮して埋込み型枠に設置する張出足場とした。




模範解答5簡易答案形式1 建設部門、施工積算 専門:施工計画 2021/4/10


 

1.検討すべき事項

1)仮締切工の構造検討                   

仮締切工設置時河川断面にて不等流計算を行い、流速・施工時水位に耐えうる壁体構造の選定を行う。締切りにより流速が速くなるため、鋼矢板締切りを選定する。

2)工事用仮橋杭の施工方法検討      

 河床堆積物に通常のプレボーリング工法を水中施工で用いると孔壁崩壊が発生するため、孔壁崩壊を防ぎながら杭の打設を行う検討が必要である。

2.業務の手順、工程を管理する際に留意すべき点、工夫を要する点

1)工事用仮橋工:高支柱構造となるため施工日数を要する。上部構造をガーター形式とすることで仮橋スパンを大きくし杭本数を減らす。

2)仮締切り工:鋼矢板打設に施工日数を要する。鋼矢板を1枚当たりの幅が大きいハット型矢板を使用することにより矢板枚数を減らす。

3)橋梁下部工:構造高が高いため、コンクリート打設回数が増え、養生日数が多くなる。柱の型枠に大型鋼製型枠を使用し打設回数を減らす。

3.必要な関係者との調整事項、効果的・効率的に進めるための調整方法

重仮設工事は硬質地盤へ仮橋支持杭・鋼矢板を打設する必要があり工事日数を要する。私は仮設構造物全体の最適化を図るため、仮橋支持杭を材料費の安価なH鋼組杭から鋼管単列杭に置き換え、杭本数の削減及び横つなぎ材を省略する。一方、鋼管単列杭にすることで河積阻害を減らし、仮締切高を低くすることにより仮設工事日数を縮減する。両案の経済性・工程を取りまとめ、発注者と調整を行う。


模範解答5簡易答案形式2 建設部門、施工積算 専門:施工計画  2021/4/14


1.検討すべき事項

 

1)仮締切工の構造検討                         

仮締切工設置時河川断面にて不等流計算を行い、流速・施工時水位に耐えうる壁体構造の選定を行う。また、ヤード内への湧水量計算を行い排水ポンプ規格・台数を設定し施工現実性を確認する。

大型土嚢による土堤方式は流速2m/sまでしか適応できなく、河床堆積物は透水係数が高くヤード内への湧水が多くなり選定はできない。流速の早い箇所にも設置可能であり、遮水性のある鋼矢板締切りを選定する。

2)工事用仮橋杭の施工方法検討      

 水中の河床堆積物に通常のプレボーリング工法を用いると孔壁崩壊が発生し杭材の建て込み作業ができなくなるため、孔壁崩壊を防ぎながら杭の打設を行う工法検討が必要である。

2.業務の手順、工程を管理する際に留意すべき点、工夫を要する点

1)業務の手順

@右岸側より橋脚施工箇所へのアプローチとして工事用仮橋を設置する。A工事用仮橋上より橋脚施工用の仮締切工を設置する。B仮橋上より橋脚の構築を行う。C仮締切工・工事用仮橋の撤去を行う。

2)工事用仮橋工:高支柱構造となるため横つなぎ材の設置に施工日数を要する。上部構造をガーター形式とすることで仮橋スパンを大きくし杭本数を減らすことにより工期短縮を図る。

仮締切り工:硬質地盤であるため鋼矢板打設に施工日数を要する。鋼矢板を1枚当たりの幅が大きいハット型矢板を使用することにより矢板打設枚数を減らすことにより工期短縮を図る。

橋梁下部工:構造高が高いため、コンクリート打設回数が増え、養生日数が多くなる。柱の型枠に大型鋼製型枠を使用し打設回数を減らすことにより工期短縮を図る。

3.必要な関係者との調整事項、効果的・効率的に進めるための調整方法

重仮設工事は硬質地盤へ仮橋支持杭・鋼矢板を打設する必要があり工事日数を要する。私は仮設構造物全体の最適化を図るため、仮橋支持杭を材料費の安価なH鋼組杭から鋼管単列杭に置き換え、杭本数の削減及び横つなぎ材を省略する。一方、鋼管単列杭にすることで河積阻害を減らし、仮締切高を低くすることにより仮設工事日数を縮減する。両案の経済性・工程を取りまとめ、発注者と調整を行う。



模範解答6簡易答案形式1 建設部門、施工積算 専門:施工計画 2021/4/30


 

1.調査・検討すべき事項

(1)仮設アクセス道路

   水田やブロック積護岸への影響を調査し、ルート選定と仮設桟橋の構造形式を検討する。

(2)仮締切り

   大型土のうによる仮締切りを考える。河川流量(常時、洪水時)を調査し、仮締切りの形状、大型土のうの個数を検討する。

2.業務の手順、業務の工程管理上の留意点・工夫点

(1)仮設桟橋の施工

   スパンを飛ばせるトラス形式の桟橋を採用する。

(2)仮締切りの施工

   洪水時において被害が最小となる仮締切りの形状、大型土のうの個数とする。

(3)橋脚躯体工の施工

   ICTを活用した出来形管理を行う。

温度解析、3分割によるコンクリート打設を行い、ひび割れを防止する。

3.関係者との調整事項、効率的・効果的な調整方策

(1)施工時間帯の調整

  協力会社に農道は耕作利用者優先とすることを指示する。

(2)効率的・効果的な調整方策

  発注者に夜間施工も認めてもらうことを申し入れる。


解説

 問題文(現場条件)の前提にないことは答えにはなりません。ちょっとでも関係あればよい‥ではなく、その現場にぴったりで、施工に必須のこととするように考えてください。そして重要なことしか答えになりません。求められている題意にぴったりのことを単刀直入に述べるようにすると確実に得点できます。

 調査・検討すべき事項は、調査と検討すべき事項が対になるように書くとわかりやすくてよいでしょう。


模範解答6簡易答案形式2 建設部門、施工積算 専門:施工計画   2021/6/13


1.調査・検討すべき事項

(1)仮設アクセス道路

施工性、流水部を跨ぐ際の安全性の観点から水田側からのアクセスを考える。水田やブロック積護岸への経済的損失を調査し、下部工設置数が最小となるルート選定と仮設桟橋の構造形式を検討する。

(2)仮締切り

施工対象橋脚が直接基礎であり、地盤が固いことが想定されるため、矢板ではなく、大型土のうによる仮締切りを考える。河川流量(常時、洪水時)を調査し、阻害率が最小となる仮締切りの形状、大型土のうの個数を検討する。

2.業務の手順、業務の工程管理上の留意点・工夫点

(1)仮設桟橋の施工

水田側からクローラークレーンにより仮設桟橋の施工を行う。水田やブロック積護岸への影響を最小限にするため、スパンを飛ばせるトラス形式の桟橋を採用する。これにより通常の形鋼による桟橋に比べて施工を効率化し工期を短縮する。

(2)仮締切りの施工

仮設桟橋上からクローラークレーンにより大型土のうを設置する。洪水時においても被害が最小となるように洪水時水位高×1.2の仮締切りの形状、大型土のうの個数とする。

(3)橋脚躯体工の施工

高さの高い壁式橋脚であることから出来形管理を強化するため、ICTを活用した出来形管理を行う。また、ひび割れ発生が懸念されることから、温度解析、3分割によるコンクリート打設を行い、ひび割れを防止する。

3.関係者との調整事項、効率的・効果的な調整方策

(1)材料納入と施工時期の調整

協力会社は早めに施工を始めたい。鉄筋納入メーカーはできるだけ納期に余裕を持ちたい。3分割施工の数量、工程に合わせて、毎回の鉄筋納入数量と時期を決定することで、協力会社の施工の手待ちが最小限になるように調整する。

(2)分割施工と鉄筋の分納

  関係者である協力会社に分割施工を、鉄筋納入メーカーに鉄筋の分納を申し入れ、初期段階の労務の過剰と材料の不足を均して最適化する。



R2年、2021年 建設・施工 V−1 問題 模範解答と解説

V-1 我が国は人口減少局面にあることに加え、総人口に占める高齢者の割合は増加しており、他国も経験したことのない超高齢化社会を迎えようとしている。こうしたなか、全国平均に比べて早い時期から高齢化が進行している過疎化地域では、今後の地域社会の維持・継続が困難になる事態が多発すると危惧されている。このような状況を踏まえ、施工計画・施工設備及び積算分野の技術者として、以下の問いに答えよ。

 (1)過疎化が進行しつつある地域におけるインフラ維持管理・更新を実施するに当たって、多面的な観点から課題を抽出し、その内容を観点とともに示せ。

 (2)前門(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。

 (3)前門(2)で示した解決策の実施に際して生じうるリスクとそれへの対策について専門技術を踏まえた課題を示せ。


模範解答1簡易答案形式2 建設部門、施工積算 専門:   2021/5/31


 

(1)過疎化地域のインフラ維持管理・更新する課題

@予防保全型維持管理 

 施設に損傷、劣化が生じて修繕する手法では修繕費が増大し予算確保が困難となるため、予防保全の管理水準を高く設定することで、こまめに点検・診断・補修を繰り返し更新時期の平準化と長期的な維持管理・更新費を削減する。

A非破壊検査による点検診断効率化

 従来の近接目視による点検や診断では、仮設足場が必要となり手間がかかる。このため、赤外線センサーを用いて物体の放射する赤外線量から表面温度を知ることで欠損部を映像化する原理や、弾性波を用いたコンクリート内部の欠陥部を空気層で反射する伝播を応用した非破壊検査技術を利用し調査することで、点検診断の効率化を図る。

B点検技術者の確保・育成 

 施設の点検には、技術力とノウハウが必要であり、外注する予算も不足しているため、職員や近隣住民のボランティアを点検技術者として育成する。そのため、地方に技術者を派遣して調査方法を基礎技術習得させる。また、道路日常点検や産学官民協働による橋守を通じてボランテイアを育成することで点検費削減と技術力確保を図る。

(2)最も重要と考える課題と解決策

A非破壊検査による点検診断効率化  

(a)モニタリングシステム

橋の床版では、画像撮影によるひび割れをモニタリングする。画像を撮影し、3次元座標を取得することでひび割れ幅、位置を把握する。それを再点検時に過去データと比較することで劣化進行を把握する。

補修完了後は、加速度計を設置し補修前の不規則な挙動と補修後の安定した振動形状を比較することで補修後の効果確認に用いる。これらのデータを遠隔地から広範囲のデータ収集し、変状箇所や劣化進行の確認業務を効率化する。

(b)剥離・うき調査システム

赤外線画像と可視画像を連続的に撮影し、画像を自動解析することで損傷箇所を定量的に判断する。この手法は、遠望非接触の非破壊試験であるため、仮設足場や交通規制が不要となる。

打音診断補助システムでは、回転式打音点検器を使用して連続的に回転打撃し、その打音波形を分析、表示を即座に行い、点検と処置を同時に行うことで効率化を図る。留意点として、この手法は点検員が測定箇所までアクセスできることが条件となるため遠望から測定できない狭隘部の点検に効果的である。

(c)路面性状測定

 FWD測定では、路面のたわみ量を走行中の車両自重によって車輪の下に生じるたわみを測定する。これを、連続的に測定することで舗装の構造的変化点を連続的に把握する。測定結果からは、路床の支持力、舗装の残存強度を推定し最適な補修計画を決定する。

 カメラやセンサーを車両に搭載する手法では、路面のわだち掘れやひび割れを測定する。従来は、多大な時間と労力を掛けられていたひび割れ解析が自動解析により効率化した。これらすべてのデータはGPS位置情報と紐付けられることで、補修箇所を瞬時に把握できデータ整理が効率化する。

 (3)(2)で示した解決策に生じるリスクと対策

リスク:機械誤認による非破壊試験

赤外線測定にあたり、測定箇所の表面の光沢や汚れにより生じる温度差が原因で機械が誤認し損傷箇所を見落とすリスクが稀にある。

機械に頼った診断により誤認した損傷箇所を見落とすことで、知らぬ間に劣化が進行し突然、倒壊するリスクがある。

対策:機器の診断のみに頼ることなく、測定箇所の目視点検や建設年度、同種構造の点検資料と対比し総合的な劣化診断をする。

データの異常を感知しやすい条件では、追加調査を実施するなど誤認検知を防止する。その得られた情報を解析し測定精度を高める技術開発も進める。



模範解答2簡易答案形式2 建設部門、施工積算 専門:   2021/1/18


 

(1)インフラの維持管理・更新を実施するに当って、多面的な観点から課題

@地方財源の不足

 我が国は人口減少・高齢化、莫大な財政赤字(国・地方合わせて1000兆円の借金)を抱える中、税収の増加は期待できない。また、毎年の様に多発する水害・土砂災害の頻発・激甚化による複合災害、新型コロナウィルス対策費などに政府の予算を割り当てることになり、維持管理に充てられる予算は限られている。特に地方自治体では、逼迫する財政状況の中、維持管理を賄うことに課題がある。

A専門技術者の不足

インフラの適切な維持管理・更新は、定期的な点検と点検結果を正確に診断できる技術者が必要である。都市部に比べ地方地域には仕事量も少なく、そのような技術者が不足しているが課題である。

B若年層の不足

過疎地域では、大学生から都市部に住み、大学を卒業しても地元に仕事がないため、帰ってこない。また、建設関係は、IT産業、製造業にくらべ、残業の多さ、休暇取得の難しさ、室外の作業が多いなど若年層に不人気である。

C中小企業の技術

 ICT等の活用などは、都市部の工事で活用されている実態があり、地方部までは浸透していないため、中小企業の技術が追い付いていない。技術力の向上には、中小企業への普及のための指導や説明会を増やすことが課題である。

DICTの購入費

 ICT等で使用する建機は、一般的な機械よりも高額である。地方の企業では、地方が生産性向上のためにはICT普及は必要不可欠であるため、導入のためのコストが課題となっている。

E技術力不足

 地方部では、都市部に比べ仕事量も少なく、技術力を付けるような仕事も少なく、現状の技術力で仕事務を進められてしまう状況にある。高度技術力を必要とする仕事は、国等から、大手企業が受注してしまうため、技術力が不足しがちとなることが課題である。

(2)重要な課題と複数の解決策

重要な課題として財源不足を挙げ、解決策を述べる。

@PFI

限られた維持管理費の捻出のために、民間の資金調達や事業運営のノウハウを取り入れ、維持・更新事業を進める。

Aアセットマネジメント

 これまでの事後保全型管理から予防保全型管理への移行が有効と考える。具体的にはアセットマネジメントを適用し、社会インフラを資産ととらえ長寿命化を目指す為、更新時期をコントロールしコストの平準化を図る。また、ライフサイクルコストの低減のため、点検・診断・劣化予測、保全履歴をデータベース化し共有を図り、必要な時に誰でも検索、利用できる仕組みを構築することにより、的確かつ効率的に維持管理・更新工事に取り組むことができる。

B住民参加

地方の人材は限られているので、地元の人が、自分たちの地域を自分たちで診る。常日頃みているインフラの劣化状況を情報として共有し、集約することで無駄のない整備が可能である。

(3)リスクと対策

新規整備事業に比較して維持管理の工事は、小規模、複雑な案件が多く、受注企業が効率的に業務を実施することが困難で、また、業務の個別性が高いことから、発注者の仕様書が難しく技術者の能力を評価することも困難である。これにより維持管理・更新の高度な技術的判断が必要とされる場合でも適切な評価が行われない場合がある。

その為には、現場に適した適切な工期設定による労働環境改善、適切な単価で発注するようにし、適切な利益が確保できる発注形態を進める必要があると考える。



模範解答3簡易答案形式1 建設部門、施工積算 専門:施工計画  2021/4/26


1. 地域のインフラの維持管理・更新を実施するに当たっての課題

@  維持管理・更新を実施する際の費用低減

高度成長期時代に整備されたインフラ量は膨大であり、それらが一斉に更新時期を迎える。大量のインフラを点検、補修するための費用低減が課題である。

A  維持管理・更新を実施する人材の不足

建設業に対するイメージの悪化、長時間労働の常態化及び賃金格差などから土木系へ入職する技術者は不足している。

B  維持管理・更新を行う際の情報基盤の構築

過疎地域では未点検のインフラや点検データベースが無い自治体も多い。予防保全型の維持管理・更新を実施するための情報基盤の構築が課題である。

2.  最も重要と考えられる課題と解決策      

危険な構造物を点検、設計及び補修のための費用低減が課題である

@  予防保全型維持管理における補修費用低減

対象構造物の状態を正確に把握して予防保全型の維持管理を行いライフサイクルコストが最小になるよう補修を行うことで補修費用を最小限とする。

A  インフラ管理量の低減

管理を行うインフラの量を減少させ重点的に管理を行うことにより点検、設計及び補修施工の費用を低減させる。

B  新技術導入による補修費用の低減

IOT及び新素材を使用し補修費用を低減する。

3.  解決策の実施に際して生じうるリスクとそれへの対策

@  予防保全型維持管理における補修費用の低減についてのリスクと対策

気候変動に由来する劣化メカニズムが変化してもコスト低減の方針が貫かれ改善対策が取られにくい。対策として定期的な点検を行い損傷発見を行う。

A  インフラ管理量の低減についてのリスクと対策

インフラ管理量が低減すれば残ったインフラに社会需要が集中し、突然不調をきたしても生活が脅かされる。対策としてバックアップインフラを用意する。

B  新技術導入による点検及び補修費用の低減

新しい技術を導入するさいに気候変動により再劣化が生じた場合その対策がない可能せいがある。対策として再劣化した場合の対策を用意する。


模範解答3簡易答案形式2 建設部門、施工積算 専門:施工計画   2021/5/28


  1. 疎地域のインフラの維持管理・更新を実施するに当たっての課題

@   維持管理・更新を実施する際の費用低減

過疎地に整備されたインフラの中には劣化しているインフラ、未点検のインフラも多く存在している。過疎地は以前人口が多かった地域も多くあり、膨大な数のインフラが存在する。大量のインフラを点検、補修するための費用低減が課題である。

A   維持管理・更新を実施する人材の不足

建設業に対するイメージの悪化、長時間労働の常態化及び他業種との賃金格差などから土木系職種へへ入職する技術者は不足している。建設業全体のイメージ及び処遇を改善させ入職者を増やすことが課題である。

B   維持管理・更新を行う際の情報基盤の構築

過疎地のインフラの維持管理、更新を行うためにはインフラの選定を行う必要がある。そこで、インフラの情報基盤を構築してインフラの状態を把握することが課題である。

  1. 最も重要と考えられる課題「@費用低減」の解決策 

これから少子高齢化がますます進み、国家及び地方自治体の税収減が進む。よってその制約のなかでインフラの維持管理・更新を行うため費用低減が最も重要な課題である。

@   予防保全型維持管理における補修費用低減

対象構造物の状態を正確に把握して予防保全型の維持管理を行いライフサイクルコストが最小になるよう補修を行うことで補修費用を最小限とする。

A   インフラ管理量の低減

インフラ量は膨大であり、すべてのインフラ管理を行うことは難しい。他のインフラには市民の利便性を損なわないよう対策し、管理を行うインフラを主要なインフラに絞り費用を低減する。

B   新技術導入による補修費用の低減

現在、補修補強の点検、設計及び施工の技術が改善され新しい技術が開発されている。ドローンやIOTを使用していままで人力で行っていた手間を削減して補修費用を低減する。

  1. 解決策の実施に際して生じうるリスクとそれへの対策

@   予防保全型維持管理における補修費用の低減についてのリスクと対策

気候変動に由来する劣化メカニズムが変化し、構造物の劣化が進行してもコスト低減の方針が貫かれ発見が遅れる可能性がある。対策として定期的な点検を行い損傷発見を行う。

A   インフラ管理量の低減についてのリスクと対策

インフラ管理量を低減すれば残ったインフラが突然不調をきたしても別なインフラに代替できず生活が脅かされる可能性がある。対策として点検回数を増やし不調にならないようにする。

B   新技術導入による補修費用の低減

新しい技術を導入した場合、技術が的確に導入されていても思わぬところから劣化が生じる可能性がある。対策として3年に1回は人力での点検を行う。


模範解答3答案形式 建設部門、施工積算   専門:施工計画   2021/5/30


1.  インフラ維持管理,更新を実施のための課題

(1)  維持管理、更新を実施する際の費用低減

過疎地に整備されたインフラの中には劣化しているインフラ、未点検のインフラも多く存在する。過疎地の地方自治体では財政が逼迫している団体も多い。よって、予防保全型の維持管理方式導入やインフラ管理量の低減などの方策を用いてインフラを点検、補修するための費用低減が課題である。

(2)  維持管理、更新を実施する人材の確保

建設業に対するイメージの悪化、長時間労働の常態化及び他業種との賃金格差などから土木系職種へ入職する技術者は不足している。施工監理の自動化、人力作業の低減を積極的に推進し、建設業全体の生産性を高め、建設業全体のイメージ及び処遇を改善させ入職者を増やすことが課題である。

(3)  維持管理、更新を行う際の情報基盤の構築

過疎地のインフラの維持管理、更新を行うためには点検、補修を行うインフラの選定を行う必要がある。そこで、点検を行ったインフラの情報基盤を構築してインフラの状態を把握し、点検補修を行うことで費用低減することが課題である。

2.  最も重要と考えられる課題 @費用低減の解決策

これから少子高齢化がますます進み、国家及び地方自治体の税収減が進む。その制約下でインフラの維持管理・更新を行うため費用低減が最も重要な課題である。

(1)  予防保全型維持管理における補修費用低減

過疎地に建設されたインフラ膨大な量が存在し未点検、劣化している構造物も多い。そこで、対象構造物の状態を正確に把握して予防保全型の維持管理を行う。それにより、メンテナンスの高度化に加えてライフサイクルコストが最小となる補修を行うことが期待できるので補修費用を最小限とすることができる。

(2)  インフラ管理量の低減

過疎地に現存するインフラ量は膨大であり、すべてのインフラ管理を行えば管理する地方自治体の財政を圧迫する。そこで、他のインフラには市民の利便性を損なわないよう対策し、(例えば橋梁を使用停止して他の橋梁への迂回路を整備する等)管理を行うインフラを主要なインフラに絞り費用を低減する。管理を行うインフラには従来よりも点検回数を増やし、劣化の見落とし、機能不全(例えば排水設備の不備)等の不調がおこらないように対策を行う。

(3)  新技術導入による補修費用の低減

いまだに点検段階では人力での点検が行われており、施工監理の段階では紙を使用した検査が一般的である。そこで点検段階ではドローンやIOTを使用して、施工監理段階では電子端末を用いていままで人力で行っていた手間を削減して補修費用を低減する。さらに手間を削減するためにドローンやIOTを自身の所有するPCに接続してデータを移送できるようにする。

3.  解決策の実施に際して生じうるリスクと対策

(1)  予防保全型維持管理におけるリスクと対策

現在、世界的に気候変動や異常気象の影響が非常に大きくなってきている。予防保全型管理を実施している最中に気候変動に由来する劣化メカニズムが変化し、構造物の劣化が進行してもコスト低減の方針が貫かれ発見が遅れる可能性がある。劣化の発見が遅れれば大きな損害となる。対策として定期的な点検を行い損傷発見を行う。

(2)  インフラ管理量の低減におけるリスクと対策

インフラ管理量を低減した後に、残ったインフラが突然不調をきたしても別なインフラに代替できず生活が脅かされる可能性がある。(例えば、不可視部劣化における橋梁の崩落等)インフラが使用できなくなれば大きな損害となる。対策として点検回数を増やし、不可視部についても点検を行い不調にならないようにする。

(3)  新技術導入による費用低減におけるリスクと対策

新しい技術を導入した場合、技術が的確に導入されていても思わぬところから劣化が生じる可能性がある。(例えばドローン飛行禁止区域の劣化)インフラ劣化の発見が遅れれば大きな損害となる。対策として3年に1回は人力での点検を行い、その際は不可視部についても点検を行い劣化の有無を確認する。



模範解答4答案形式 建設部門、施工積算 専門:   2021/4/27


1.課題の抽出と観点

(1)維持管理支援体制の構築

 過疎地域の人材・技術不足を補い、地域特性とニーズに応じたインフラの維持管理を確実に実施するため、地方自治体の維持管理支援体制を構築する。地域協働型施設管理の構築や直轄診断の活用、定期点検基準類の策定などにより財政的・技術的支援を行い、効率的な維持管理業務を実施する。

(2)予防保全によるアセットマネジメント

 インフラの長寿命化計画により、維持管理に関する中長期的なトータルコストの縮減及び予算の平準化を図る。予防保全によるメンテナンスサイクルを構築し、安全性・経済性を総合的に判断した個別施設計画により、安全・安心効果などのストック効果を持続的に実現する。

(3)多様な契約方法の導入 

 民間事業者のノウハウを活用した維持管理及び運営により、健全な公共管理施設経営を図り、過疎化地域におけるインフラの持続性を確保する。指定管理者制度や包括的民間委託を導入し、性能発注方式の複数年契約により民間事業者の事業参入を促進することで、安定したサービスを提供する。

2.最も重要な課題と解決策

 最も重要な課題を「維持管理支援体制の構築」とし、以下に解決策を記述する。

(1)地域協働型施設管理の構築

 のため、地域住民の参画によるモニタリング体制の構築やインフラ維持補修事業を実施する。社会基盤メンテナンスサポーター制度による維持点検の委嘱や、不具合等を投稿・公開できる専用サイトの構築、河川協力団体制度による住民団体などによる維持補修事業など組織的な地域協働型施設管理を構築する。これらにより、地域住民と問題意識の共有を図り、地域のニーズに沿った施設の維持管理を、効率的に実施することができる。

(2)国による直轄診断

 地方自治体が管理する道路施設において、点検等に際し緊急的かつ高度な技術力を要する施設に対して国の直轄診断を要請する。これにより、複雑な劣化や腐食による健全性の判断、損傷度合いが著しい施設の修繕・補修工法の検討などを道路メンテナス技術集団にのもと確実に実施することができる。また、診断内容や地域の実情に応じ、修繕代行事業や大規模修繕事業など国による支援のもと実施することができる。

(3)定期点検基準の策定 

各施設の定期点検要領や点検マニュアルは最低限配慮すべき項目を記載しており、地方自治体は地域特性や施設状況に応じた点検基準を策定する必要がある。技術者派遣制度などの人材支援による専門的知見の助言のもと、損傷や構造特性に応じた着目箇所の特定、留意点を明確にした定期点検基準を策定する。これにより合理的な定期点検基準において、施設の健全性を効率的に把握・判断することが可能となる。

3.リスクと対策

リスク

技術者派遣制度や直轄診断等の人材支援や技術支援のもと維持管理を実施することで、地方自治体の経験やノウハウとして蓄積されず、技術系職員の維持管理に関する技術力が低下するリスクがある。

 地域協働型施設管理や直轄診断など支援体制ものと維持管理を実施することで、地方自治体の管理者意識が低下し、施設の不具合の放置や対応の遅れなどにより公衆の安全に危害を及ぼすリスクがある。

対策

 勉強会や研修体制を充実・拡大することで地方自治体の技術系職員の技術力及び意識向上を図る。職場におけるOJTの導入促進を行い、維持管理に関する実務技術研修の充実及び参加を促す。また、インフラメンテナンス国民会議への積極的参加により新技術の導入を促進する。


解説

「2.(1)地域協働型施設管理の構築」については、公的な組織による活動ではなく、住民協力体制の構築の延長線上で対策できることはありませんか。住民参加によるモニタリング体制の構築や、河川協力団体制度など住民団体によるインフラ維持補修事業(徳島県など)による組織的な地域協働型施設管理を構築する‥というのが良いでしょう。



R2年、2021年 建設・建設環境 U−1−1 問題 模範解答と解説

U-1-1 再生可能エネルギー源を利用した発電設備の設置計画がある。

この発電設備が存在又は供用されることにより、環境の自然的構成要素の良好な状態の保持の点から調査、予測及び評価をされるべき環境要素がある。

環境影響評価に基づく手続きを進めることを前提としたとき、計画している「再生可能エネルギー源を利用した発電設備」、「調査、予測及び評価されるべき環境要素」、及びその「対策」の組合せを2つ挙げ、それぞれその内容を説明せよ。


模範解答1簡易答案形式1 建設部門、建設環境 専門:環境アセス 2021/5/4


1. 組合せ@

 

(1)再生可能エネルギー源を利用した発電設備

 山間地における太陽光発電設備

(2)調査、予測及び評価されるべき環境要素

水象

(3)対策

面的な土地の改変により雨水流出量や浸透・涵養量が変化し、河川流量・水位への影響が懸念されることから、供用後の雨水流出量や浸透・涵養量の変化を低減することが課題となる。対策として、地域性種苗利用工及び表土利用工の実施が挙げられる。

2.組合せA

(1)再生可能エネルギー源を利用した発電設備

 風力発電施設

(2)調査、予測及び評価されるべき環境要素

 騒音

(3)対策

 想定される風車の機種及び基数・配列案をもとに、距離減衰による騒音レベルの伝搬予測を複数案で行い、影響が回避、低減できない案については計画から除外する。


模範解答1簡易答案形式2 建設部門、建設環境 専門:環境アセス   2021/5/8


 

1.組合せ@

(1)再生可能エネルギー源を利用した発電設備

 山間地における太陽光発電設備

(2)調査、予測及び評価されるべき環境要素

水象

(3)対策

面的な土地の改変により雨水流出量や浸透・涵養量が変化し、河川流量・水位の増加が予測されることから、供用後の雨水流出量や浸透・涵養量の変化を低減することが課題となる。対策として、改変域における地域性種苗利用工及び表土利用工を実施し、地表面の保水力を高めることが挙げられる。対策により、河川への急激な雨水流出の低減及び浸透・涵養量の保持を図る。

2.組合せA

(1)再生可能エネルギー源を利用した発電設備

 風力発電施設

(2)調査、予測及び評価されるべき環境要素

 騒音

(3)対策

風車の発生騒音により、最寄り民家における騒音の環境基準値や指針値の超過が予測され、騒音の回避・低減が課題となる。対策として、配慮書段階においては風車の機種・基数・配列案及び地形、気象をもとに、Nord2000等の騒音予測モデルにより伝搬予測を行う。予測結果により、騒音の回避・低減が可能な風車配置を提案する。


模範解答1答案形式 建設部門、建設環境 専門:環境アセス  2021/5/9


 

1.太陽光発電設備

(1)環境要素

水象:面的な土地改変により雨水流出量や浸透・涵養量が変化し、河川流量・水位の増加が予測される。

(2)対策

自由面地下水面モデルによる現況再現を行い、土地改変後の予測条件から地下水位の変化を予測する。雨水流出量や浸透・涵養量の変化を低減するために、地域性種苗利用工及び表土利用工を実施する。緑化により地表面の浸透・涵養量を高め、河川への急激な雨水流出を低減する。また、事業地及びその周辺の種苗と埋土種子を利用し、地域生態系の保全に配慮する。

2.風力発電施設

(1)環境要素

 騒音:風車の風車音により、最寄り民家における騒音が予測される。

(2)対策

 風車の機種・基数・配列案及び地形・気象データからNord2000等の騒音予測モデルにより伝搬予測を行う。従来法と比較し、反射音の寄与や回析に伴う減衰を考慮でき、高精度で予測可能である。予測結果より、環境基準値等を超過する地点を除いた配列案を選定し、騒音を回避する。選定に際しては、立地による工事の経済性、予想発電量を考慮する。回避が困難な場合、遮音壁設置による騒音の低減を検討する。



R2年、2021年 建設・建設環境 U−2−1 問題 模範解答と解説

U-2-1 環境影響評価法に定める第一種事業に当たる海域の公有水面埋立事業が計画されている。対象事業実施区域近傍には、自然干潟や藻場が存在しているものとする。本事業における工事の実施、及び埋立地の存在に係る環境影響評価について、方法書以降の手続きに係る環境への影響に関する調査・予測及び環境保全措置の検討を担当責任者として進めるにあたり、以下の問いに答えよ。

(1)この事業が干潟・藻場に与える環境影響に関し調査、検討すべき事項とその内容の説明をせよ。

(2)方法書以降の手続きに沿って業務を進める手順について、留意すべき点、工夫をすべき点を含めて述べよ。

(3)業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方法について述べよ。


模範解答1簡易答案形式1 建設部門、建設環境 専門:環境アセス 2021/6/15


(1)調査、検討すべき事項

水質・底質:水質(溶存酸素等)・底質(酸化還元電位等)を現地調査・分析により把握し、濁水発生及び潮流・干潟地形の変化による影響を予測する。影響があると予測される場合、環境保全措置内容を検討する。

動物・植物・生態系:生物相、重要種、生態系構造・機能等を文献・現地調査により把握し、濁水発生及び潮流・干潟地形の変化による影響を予測する。影響があると予測される場合、環境保全措置内容を検討する。

景観・触れ合い活動の場:干潟景観の形成機能、触れ合いの場としても親水機能を文献調査・現地調査により把握し、埋立地の存在及び干潟地形の変化による影響を予測する。影響があると予測される場合、環境保全措置内容を検討する。

(2)業務を進める手順

1)環境要素及び調査方法の選定

 文献調査及び有識者ヒアリングにより干潟・藻場の成立要因・特性を把握し、事業特性に留意して環境要素及び調査方法を選定する。

2)現況調査

  (検討中)

3)環境影響の予測

  (検討中)

4)環境保全措置の検討

  (検討中)

(3)関係者との調整方法

1)

  (検討中)

2)現況調査の方法書作成段階からの実施に向けた調整

遅延を回避するため、方法書作成段階から現況調査を行えるよう事業者、関係機関と調整する。