技術士二次試験模範解答と解説 R2年、2021年 建設部門、鋼コン、都市地方計画、空港港湾

R2年、2021年 建設・鋼コン T−1 問題 模範解答と解説

I-1 我が国の総人口は、戦後増加を続けていたが、 2010年頃をピークに減少に転じ、国立社会保障・人口問題研究所の将来推計 (出生中位・死亡中位推計) によると、2065年には8,808万人に減少することが予測されている。私たちの暮らしと経済を支えるインフラ整備の担い手であり、地域の安全・安心を支える地域の守り手でもある建設産業においても、課題の1つとしてその担い手確保が挙げられる。

 (1)それぞれの地域において、地城の中小建設業が今後もその使命を果たすべく担い手を確保していく上で、技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し、その内容を観点とともに示せ。

(2)抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。 

(3)すべての解決策を実行した上で生じる波及効果と、新たな懸案事項への対応策を示せ。

 (4)上記事項を業務として遂行するに当たり、技術者としての倫理、社会の持続性の観点から必要となる要件・留意点を述べよ。


模範解答1 簡易答案1 建設部門、鋼コン 2021/5/2


1. 担い手確保の課題

(1)若手、女性、外国人技術者の入職促進

 若者に対する技術検定受検要件緩和し早期活躍を促進。女性活躍のための現場環境整備。外国人技術者への日本語教育制度導入支援で現場技術者育成早期化

(2)生産性向上で利潤還元し担い手流出防止

 人的・物的な既存ストックを最大限活用し経営効率化させ、具体的な施策のノウハウを蓄積し、人材確保・育成や建設機械等への投資促進で利潤拡大し還元促進

(3)安定的・持続的な建設事業投資

 インフラ老朽化対策を事後保全から予防保全へ転換し、安定的な持続的な投資を平準化することで中小建設業の中長期的な利潤確保に配慮

2、「(2)の生産性向上」の解決策

(1)技能訓練による若手技術力向上効率化

 中小建設業の若手技能者のキャリアに応じて熟練技能者を派遣する訓練プログラム制度を構築し、若手技能者の育成と熟練技能の維持・向上

(2)建設キャリアアップシステム導入による業務効率化

 キャリア毎の適正な評価促進や業務記録の表示により技能労働者のモチベーションがアップし生産性が向上。また現場記録の自動化で事業者の事務作業効率向上 

(3)生産性向上施策への助成金制度による支援

 労働管理研修や業務効率化機器導入等の取り組みにかかる一部費用助成制度を構築することで中小建設業の生産性向上を支援

3、波及効果と新たな懸案への対応策  

(1)波及効果と新たな懸案:建設産業のサービスレベルが向上し、国民の安全安心向上に貢献する。一方で、中小建設業間の成長格差で倒産発生

(2)対応策:企業合併許可や経営事項審査の手続きを簡略化し、空白期間短縮し、かつ経営審査制度に特例を設けることで技術者の新会社への移行を円滑化

4、業務遂行に必要な倫理と社会的継続性に必要な要件・留意点

 技術者倫理高めて若手担い手の健康や安全確保のため、働き方改革により長時間労働を削減する。これは技術者倫理綱領の第1条公衆安全、健康優先に相当。

 社会持続可能性高めて中小企業成長を促進するため女性・外国人のための休業・復帰制度整備し厚い技術者体制構築する。これはSDGs8生産的雇用に相当。


解説

1.『課題と分析』では前向きで具体的で実効性を伴う課題を列挙するのが良いでしょう。

2.『具体な解決策』では因果ある策を併記せず他方を包含する事項のみを記載するように。

3.『波及効果』では解決策が徐々浸透し『担い手確保』がどう好転するか記載するように。

3.『懸案』では解決策で、頻度は小さいが発生する専門的損害を論じるように。

4.『要件』の関係者とは技術士同士とし、元請けや発注者は対象としないのが良いでしょう。


模範解答1 簡易答案2 建設部門、鋼コン 2021/5/5


1、担い手確保の課題

(1)若手、女性、外国人技術者の入職促進

 若者に対する技術検定受検要件を緩和し早期活躍を促進する。女性活躍のための現場環境を整備する。外国人技術者への日本語教育制度導入して現場技術者育成を早期化する。

(2)生産性向上で利潤還元し担い手流出防止

 人的・物的な既存ストックを最大限に活用し経営を効率化させ、具体的な施策のノウハウを蓄積する。人材確保や育成かつ建設機械等への投資を促進し利潤を拡大させ従業員への還元を促進させる。

(3)安定的・持続的な建設事業投資

 インフラ老朽化対策を事後保全から予防保全へ転換し、年間を通じて安定的な投資を持続化かつ平準化することで中小建設業の中長期的な利潤確保に配慮する。

2、「(2)の生産性向上」の解決策

(1)技能訓練による若手技術力向上効率化

 中小建設業の若手技能者のキャリアに応じて熟練技能者を派遣する訓練プログラム制度を構築して、若手技能者の育成と熟練技能の維持と向上させる。

(2)建設キャリアアップシステム導入による業務効率化

 キャリア毎の適正な評価促進や業務記録の表示により技能労働者のモチベーションをアップさせることで生産性を向上させる。また現場記録の自動化で事業者の事務作業効率を向上させる。 

(3)生産性向上施策への助成金制度による支援

 労働管理研修や業務効率化機器導入等の生産性向上の取組にかかる費用の一部を助成する制度を構築することで中小建設業の生産性向上を支援する。

3、波及効果と新たな懸案への対応策  

(1)波及効果と新たな懸案:建設産業のサービスレベルが向上し、国民の安全安心が向上する。一方で、中小建設業間の成長に格差が生じることで倒産が発生する。

(2)対応策:企業合併許可や経営事項審査等の行政手続きを簡略化させ、経営の空白期間を短縮し、かつ経営審査制度に特例を設けることで技術者の新会社への移行を円滑化させる。

4、業務遂行に必要な倫理と社会的継続性に必要な要件・留意点

 技術者倫理を高めて担い手の健康と安全確保するため、働き方改革で長時間労働を削減する。これは技術者倫理綱領第1条の『公衆の安全、健康優先』に相当する。

 社会持続可能性を高めて中小企業の成長を促進させるため女性・外国人のための出産や一時帰国後の円滑な復職に配慮した休業・復帰制度を整備する。これはSDGs8の『生産的で人間らしい雇用促進』に相当する。


模範解答1 答案形式 建設部門、鋼コン 2021/5/7


1、担い手確保の課題

(1)若手、女性、外国人技術者の入職促進制度構築

 有資格者を増加させるため、工業高校へ実施している建設業紹介キャラバンを小中学校へ拡大させるとともに若手技術者に対する技術検定受検要件を緩和し早期活躍を促進する。

 女性活躍のためには、現場における専用トイレや休憩室を確保し、労働環境を整備することで、女性労働者の入職を促進する。また、外国人技術者の入植を促進するため、日本語教育制度レベル毎に整備して、コミュニケーションへの不安を取り除き入職を安定化させる。

(2)生産性向上に基づく利潤還元による労働者確保

 人的・物的な既存ストックを最大限に活用し経営を効率化させ、具体的な施策のノウハウを蓄積する。その上で、人材確保や育成かつ建設機械等への投資を促進し利潤を拡大させ従業員への還元を促進させる。

(3)安定的・持続的な建設事業投資

 インフラ老朽化対策を事後保全から予防保全へ転換することで、投資のピークが建設後50年後の更新時期に集中することを回避する。その結果、中長期的な投資配分が平準化され、かつ年間を通じて安定的な投資が持続されることで中小建設業の中長期的な利潤確保が配慮される。

2、「(2)の生産性向上」の解決策

(1)技能訓練による若手技術力向上効率化

 中小建設業の若手技能者のキャリアレベルに応じた教材や講習プログラムを作成し育成を早期化する。それと同時に、若手技能者のキャリアレベルに合致した熟練技術者を派遣し、レベルに応じた熟練技能を継承することで技術継承を効率的に促進する。

(2)建設キャリアアップシステム導入による効率化

 キャリア毎の適正な評価の促進と業務記録の提示により技能労働者のモチベーションをアップさせることで生産性を向上させる。

 同時に、現場労働者の現場作業記録自動化で事業者側の日報作成・取りまとめ等の事務作業効率を向上させる。 

(3)生産性向上施策への助成金制度構築

 労働管理研修や業務効率化機器導入等の生産性向上の取組にかかる費用の一部を助成する制度を構築することで、中小建設業の生産性向上の費用支援することで取組を促進させる。

3、波及効果と新たな懸案への対応策  

(1)波及効果と新たな懸案

 中小企業の技術者層が厚くなることで、建設産業のサービスレベルが向上し、国民の感じる安全・安心感が向上する。

 一方で、各種制度を有効に活用できる会社と活用できない会社が差別化され、中小建設業間の成長に格差が生じることで倒産発生リスクが高まる。

(2)対応策

 企業合併許可や経営事項審査等の行政手続きを簡略化させ、経営の空白期間を短縮させる。また、経営審査制度に特例を設けることで技術者の新会社への移行を円滑化させる。

 経営事項審査や建設業許可の申請は、紙ベースから電子化することで書類作成や確認作業の負担を軽減し手続きを効率化する。

4、技術者倫理と社会的継続性に必要な要件・留意点

(1)働き方改革

 技術者倫理を高めて担い手の健康と安全確保するため、技術者育成の効率化や行政手続きの簡易化・電子化等による生産性の向上で、長時間労働削減や適切な工期設定による週休2日制を浸透させ、働き方改革を推進する。

 これは技術者倫理綱領第1条の『公衆の安全、健康の優先』に相当する。

(2)一時休業・復帰システムの構築

 社会持続可能性を高めて中小企業の成長を促進させるため、出産による一時休業が必要な女性労働者や、母国へ一時帰国が必要な外国人労働者の円滑な復職に配慮した休業・復帰制度を整備する。

これはSDGs8の『生産的で人間らしい雇用促進』に相当する。


解説

改行が多いと読みにくいので段落を形成すると良いでしょう。意味の違いはないからと、安易に1文ごとの改行は好ましくありません。答案を読みやすくするため、意味のまとまり毎に段落を形成すること。作文の基本であり、読み手への配慮となります。文をつなげるときの接続詞は、「また」、「さらに」というような単純、機械的に羅列するのではなく、説明内容として最適な意味となるよう関係性を表すのが良いでしょう。



R2年、2021年 建設・鋼コン T−2 問題 模範解答と解説

T-2   我が国の社会インフラは高度経済成長期に集中的に整備され、建設後5()年以上経過する施設の割合が今後加速度的に高くなる見込みであり急速な老朽化に伴う不具合の顕在化が懸念されている。また、高度経済成長期と比べて、我が国の社会・経済情勢も大きく変化している。こうした状況下で、社会インフラの整備によってもたらされる恩恵を次世代へも確実に継承するためには、戦略的なメンテナンスが必要不可欠であることを踏まえ、以下の問いに答えよ。

(1)社会・経済情勢が変化する中で老朽化する社会インフラの戦略的なメンテナンスを推進するに当たり技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し,その内容を観点とともに示せ。

(2)(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を一つ挙げその課題に対する複数の解決策を示せ。

(3)(2)で示した解決策に共通して新たに生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。

(4)(3)を業務として遂行するに当たり要となる要件を技術者としての倫理、社会の持続可能性の観点から述べよ。


模範解答1 簡易答案1 建設部門、鋼コン 2021/6/1


 

1 、課題と内容

(1)点検・診断のICT技術による効率化

 目視や触診がしづらい点検困難部解消のため、高精細度カメラ及び打音装置搭載ドローンでアクセスし目視・触診点検代替。画像・打音データはAIによる損傷区分自動判別によるスクリーニングでデータ整理の半自動化による効率化  

(2)予防保全への移行促進によるメンテナンスコスト削減・平準化

 損傷が進行し大規模な修繕となる前に、損傷が軽微な段階で修繕を行い施設の機能を維持し長寿命化。過去損傷発生箇所や種別を分析し戦略的に補修計画を立案

(3)オープンイノベーション活性化する仕組構築によるメンテ産業育成・拡大

 産学官連携で技術マッチングコーディネートやIoT活用したスマートインフラ技術実装を後押しするプラットフォームを構築しメンテナンス産業を育成・拡大

2、『(2)の予防保全』の解決策

(1)損傷類似箇所への予防的補修・補強

 橋梁疲労損傷の原因分析・特定し、条件類似部位に対して予防的補修補強を実施。損傷後の補修に必要となる足場設置・交通規制費用を削減

(2)LCCベースの維持修繕計画立案

 点検・健全度・補修履歴の蓄積データ分析から既設橋梁劣化予測曲線算出し、耐用年数と更新限界健全度を設定することで更新までのトータルコストを耐用年数で除した年価をケース比較し、最小年価となるケースを導き維持管理計画最適化

(3)損傷早期検知技術の開発

 損傷の原因となる漏水や滞水の検知可能な電磁波レーダーによる非破壊検査やセンサ技術を活用し、検知早期化し、損傷進行し大規模補修する前の補修可能化 

3、新たに生じるリスクと対策

(1)リスク:予防保全が一般化し、事後保全緊急対応が減少すると、事後保全で培われた緊急損傷対応経験を有する技術者が不足し、初期対応遅延による損傷拡大

(2)対策:過去損傷対応事例に基づき予想損傷補修方法をマニュアル化し、初期対応要員の教育訓練に活用。ベテラン技術者による実地訓練も併用。

4、倫理と社会的持続可能性の観点で業務遂行に必要な要件

 倫理観高めてメンテ推進のため、腐食による第三者被害損害額算出し、予算部門説得し、高耐久性材料適用。これは技術者倫理綱領の第1条公衆安全優先に相当。

 社会持続可能性高めてメンテナンス人材確保のため女性・外国人のための休業・復帰制度整備し厚い技術者体制構築する。これはSDGs8生産的雇用に相当。


模範解答1 簡易答案2 建設部門、鋼コン 2021/6/3

 


 

1、課題と内容

(1)点検・診断のICT技術によるメンテナンスサイクル効率化

 目視や触診がしづらい点検困難部解消のため、高精細度カメラ及び打音装置搭載ドローンで近接点検を代替する。画像・打音データはAIで損傷区分自動判別によりスクリーニングし、点検診断プロセスを効率化する。  

(2)予防保全への移行促進によるメンテナンスコスト削減・平準化

 損傷が進行し大規模修繕前に、軽微な段階で修繕を細やかに実施し、必要な施設機能レベルを維持することで、耐用期間における補修費用を最適化する。補修計画は、過去損傷の分析から、補修対象優先箇所の絞り込みと効果的補修工法立案する。

(3)オープンイノベーション活性化によるメンテナンス産業生産性向上

 産学官民の連携による技術マッチングを推進し革新的技術の開発促進とIoT活用したスマートインフラ技術の実装を加速させるプラットフォーム『インフラメンテナンス国民会議』を構築し、メンテナンス産業の育成、拡大、生産性向上する。

2、『(2)の予防保全』の解決策

(1)損傷類似箇所への予防的補修・補強

 損傷拡大・進展による大規模補修を回避するため、橋梁疲労損傷の原因分析・特定し、健全でも損傷見込まれる類似部位の補修補強を実施し補修費用削減する。

(2)LCCベースの長期維持修繕計画立案

 点検・健全度・補修履歴の蓄積データ分析から既設橋梁劣化予測曲線算出し、耐用年数と更新限界健全度を設定することで更新までのトータルコストを耐用年数で除した年価を算出する。各ケースをコスト比較し、最小年価となるケースを導くことで維持管理計画を最適化する。

(3)損傷早期検知技術の開発

 損傷の原因となる漏水や滞水の検知可能な電磁波レーダーによる非破壊検査やセンサ技術を活用し、検知早期化し、損傷進行し補修大規模化する前に補修する。 

3、新たに生じるリスクと対策

(1)リスク:予防保全が普及し、事後保全対応数が減少すると、事後損傷対応で培われた応急ノウハウ有する技術者減少し、初期対応遅延での被害が懸念される。

(2)対策:過去緊急対応事例に基づき予想される損傷補修対応をマニュアル化し、初期対応要員の教育訓練に活用する。ベテラン技術者による実地訓練も併用する。

4、倫理と社会的持続可能性の観点で業務遂行に必要な要件

 倫理観高めたメンテ推進のため、腐食での第三者被害額算出し、予算部門説得し、高耐久性材料を適用する。これは技術者倫理綱領第1条公衆安全優先に相当する。

 社会持続可能性高めてメンテナンス人材確保のため女性・外国人のための休業・復帰制度整備し厚い技術者体制構築する。これはSDGs8生産的雇用に相当する。


模範解答1 答案形式 建設部門、鋼コン 2021/6/4


 

1、課題と内容

(1)ICT技術によるメンテナンスサイクル効率化

 目視や触診がしづらい点検困難部解消のため、高精細度カメラ及び打音装置搭載ドローンで近接点検を代替させ進捗させる。画像・打音データはAIで損傷区分自動判別によりスクリーニングし、点検診断プロセスを効率化する。

 データの記録・蓄積は共通のプラットフォーム構築し、随時更新・活用可能とすることで、最新情報を踏まえた補修計画可能とし、精度を向上させる。 

(2)予防保全への移行によるコスト削減・平準化

 損傷が進行し大規模修繕前に、軽微な段階で修繕を細やかに実施し、必要な施設機能レベルを維持することで、耐用期間における補修費用を最適化する。

 補修計画は、過去損傷の分析から、補修対象優先箇所の絞り込みと効果的補修工法を立案する。

(3)オープンイノベーションによる生産性向上

 産学官民の連携による技術マッチングを推進する。同時に、革新的技術の開発促進とIoT活用したスマートインフラ技術の実装を加速させるプラットフォームである『インフラメンテナンス国民会議』を構築する。それにより、メンテナンス産業の育成、拡大、生産性を向上させる。

2、『課題(2)予防保全への移行』の解決策

(1)損傷類似箇所への予防的補修・補強

 損傷拡大・進展による大規模補修を回避するため、橋梁疲労損傷の原因分析・特定し、健全でも損傷見込まれる類似部位の補修補強を予防的に実施することで、損傷が進行した場合の大規模な補修を回避することで補修トータル費用を削減する。

(2)LCCベースの長期維持修繕計画立案

 点検・健全度診断・補修履歴を蓄積したデータの分析から、既設橋梁の将来劣化曲線を算出する。その劣化曲線を基に、耐用年数と更新限界健全度を設定することで更新までのトータルコストを耐用年数で除した年価を算出する。

 耐用年数や更新限界健全度をパラメータに複数ケースの年価を比較・分析し、最小年価となるケースを導くことで維持管理計画を最適化する。

(3)損傷早期検知技術の開発

 床版内部損傷の主要因である漏水や滞水を検知可能な電磁波レーダーや赤外線サーモグラフィによる遠隔非破壊検査やセンサ技術を活用した損傷検知を早期化する。これにより、漏水・滞水の発生箇所と原因を特定可能とし、補修時期の最適化し範囲を最小化する。

 それと同時に、非破壊検査で損傷が疑われる箇所に対しては、床版下面から極小口径のコア削孔し高性能内視鏡で内部ひび割れや劣化部の画像を記録することで損傷状況を目し確認することで橋梁上の交通影響を抑えつつ診断を高度化する。 

3、新たに生じるリスクと対策

(1)予防保全普及による緊急時初期対応力低下

 事後保全から予防保全へ移行し、軽微な損傷や、健全部への恒久補強が一般的になると、急速進行する危険な損傷が発生した際に必要となるストップホールによる亀裂先端の応力解放等の緊急応急対応に必要なノウハウ経験を有する現場技術者が減少し、初期対応の精度低下による損傷進展による被害拡大が懸念される。

(2)過去の応急対応事例による実技研修

 過去緊急対応事例に基づき予想される損傷補修対応をマニュアル化し、初期対応要員の教育訓練に活用する。ベテラン技術者による実地訓練も併用する。

4、業務遂行に必要な要件

 倫理観高めて戦略的メンテナンスを推進するため、橋梁鋼部材の腐食落下による第三者被害額と高耐久性部材適用によるリスク低減額を算定する。

 そのメリットを予算部門へ示し説得することで、高耐久性材料を適用する。これは技術者倫理綱領第1条の『公衆安全の優先』に相当する。

 社会持続可能性を高めてメンテナンス人材を戦略的に確保するため、女性の出産による産休や外国人の一時帰国を見据えた休業・復帰制度を整備する。

 それにより、ぶ厚い技術者体制を構築・確保する。これはSDGs8の『生産的で人間らしい雇用の促進』に相当する。



 


R2年、2021年 建設・鋼コン U−1−3 問題 模範解答と解説

 U-1-3 

コンクリート構造物の品質を確保した上で生産性向上に資する取組について、次の@とAのうち1つを選択し、下記の内容について説明せよ。

@機械式継手工法のコンクリート構造物への適用に関する各種ガイドライン等が整備され、機械式継手工法の採用が拡大している。機械式継手工法による生産性向上の効果について述べ、機械式継手工法を採用した場合の設計・施工の留意点について述べよ。


模範解答1 簡易答案形式1 建設部門、鋼コン 専門: PC 2021/4/25


@機械式継手工法

1.機械式継手工法による生産性向上の効果

(1)重ね継手による鉄筋の結束が省略され、工期短縮。

(2)火器を使用するガス圧接がないため、全天候対応となり工期短縮。

(3)鉄筋を重ねる必要がないため、鉄筋同士の空きの確保が容易となり、施工性向上。

(4)作業が定型化され、一般レベルの作業員でも施工が可能となり、人材確保が容易。

2.設計・施工上の留意点

(1)鉄筋の空きを確保

継手部が同一断面に集中する場合、鉄筋の配置間隔を大きくとり、継手同士の空きを確保する。

(2)かぶり厚の確保

せん断補強筋は、継手前後に鉄筋をずらし必要かぶり厚を確保。

(3)エポキシ樹脂塗装の使用

 継手部や継手部にかかる鉄筋の必要かぶり厚の確保が困難な場合は、エポキシ樹脂塗装を施し、コンクリートの耐久性を確保。


模範解答1 簡易答案形式2 建設部門、鋼コン 専門: PC 2021/4/27


1.機械式継手工法による生産性向上の効果

(1)鉄筋結束の省略

重ね継手による鉄筋の拘束が省略されるため、鉄筋組立にかかる工程が短縮する。

(2)全天候対応

火器を使用するガス圧接がないため、全天候対応となり、工程が短縮する。

(3)過密配筋の回避

鉄筋を重ねる必要がないため、鉄筋同士の空きの確保が容易となり、工程が短縮する。

(4)作業の定型化

作業が定型化されるため、常駐している一般レベルの作業員でも施工が可能となり、作業効率が向上する。

2.設計・施工上の留意点

(1)鉄筋の空きの確保

継手部が同一断面に集中する場合は、あらかじめ鉄筋の配置間隔を大きく設定することで、継手同士の空きを確保する。 

(2)かぶり厚の確保

継手部にかかるせん断補強筋は、かぶり厚が小さくなるため、継手の前後に鉄筋をずらすことで必要かぶり厚を確保する。

(3)エポキシ樹脂塗装の使用

 継手部や継手部にかかる鉄筋の必要かぶり厚の確保が困難な場合は、エポキシ樹脂塗装を施した継手や鉄筋を使用することで、コンクリートの耐久性を確保する。


模範解答1 答案形式 建設部門、鋼コン 専門: PC 2021/5/5


1.機械式継手工法による生産性向上の効果

(1)鉄筋拘束の省略と過密配筋の回避

 重ね継手による鉄筋の拘束が省略されるため、鉄筋組立による工程が短縮される。また、鉄筋を重ねる必要がないため、鉄筋同士の空きの確保が容易となり、工程が短縮する。

(2)全天候対応

 火器を使用するガス圧接がないため、全天候対応となり工程が短縮する。

(3)作業の定型化

 作業が定型化されるため、常駐している一般レベルの作業員でも施工が可能となり、作業効率が向上する。

2.設計・施工上の留意点

(1)鉄筋の空きの確保

 プレキャスト部材へ適用する場合など、継手部が同一断面に集中する場合は、あらかじめ鉄筋の配置間隔を大きく設定することで継手同士の空きを確保する。 

(2)かぶり厚の確保

 継手部にかかるせん断補強筋は、かぶり厚が小さくなるため、継手の前後に鉄筋をずらすことで必要かぶり厚を確保する。

(3)エポキシ樹脂塗装の使用

 継手部や継手部にかかる鉄筋の必要かぶり厚の確保が困難な場合は、エポキシ樹脂塗装を施した継手や鉄筋を使用することでコンクリートの耐久性を確保する。



模範解答2 簡易答案形式1 建設部門、鋼コン 専門: コンクリート構造 2021/5/11


@機械式継手工法

1.生産性向上の効果

(1)重ね継手と比べ、結束手間がなく作業効率が高い。

(2)ガス圧接と比べ、火器を用いず施工できるので全天候施工が可能となり工程短縮となる。

(3)作業が定型化し、一般レベルの作業員でも施工可で人材確保が容易となる。

2.機械式継手を採用した場合の設計の留意点

(1)継手部が径増となるので、かぶり不足がないような配置とする。設計計算の有効高設定に考慮するとともに、外巻きせん断鉄筋は継手部を避けた配置とする。

3.機械式継手を採用した場合の施工の留意点

(1)継手部の増径や集中により鉄筋の空きが確保できない場合は、鉄筋径を変更して必要配置間隔を確保したり、骨材の落下経路を検討し、充填不良のない施工を行う。

(2)かぶり厚が確保が困難な場合は、錆が発生してひび割れによる耐久性低下とならないように塗装防錆仕様への変更を行う。


模範解答2 簡易答案形式2 建設部門、鋼コン 専門: コンクリート構造 2021/5/13


1.生産性向上の効果

1)作業効率の向上

 重ね継手と比べると結束手間がなく作業時間の短縮を図れるので、作業効率を高められる。

2)工程短縮による生産性向上

 ガス圧接と比べると火器を用いず施工できるので、全天候施工が可能で工程短縮が図れる。

3)人材確保の容易さによる生産性向上

 作業が定型化し一般レベルの作業員でも施工が行えるので、人材確保が容易となるので向上効果が見込める。

2.設計上の留意点

(1)かぶり不足

継手部は、直径が大きくなる。外面付近の使用時は、かぶり不足がない配置とする。設計計算はかぶりを確保した有効高設定とし、外巻きせん断鉄筋は継手部を避ける。

3.施工上の留意点

(1)鉄筋のあきの確保

継手部の増径や集中により鉄筋のあきが確保できない場合は、鉄筋径の変更を行い必要配置間隔を確保する。骨材の落下経路を検討して、充填不良がない施工を行う。

(2)かぶり厚不足部位への対応

かぶり厚の確保が困難な部位は、水・空気の浸入で錆が発生してもひび割れによる耐久性低下とならないように、塗装防錆仕様への変更を行う。


模範解答2 答案形式 建設部門、鋼コン 専門: コンクリート構造 2021/5/14


@機械式継手

1.生産性向上の効果

(1)作業効率の向上

 継手作業は、重ね継手と比べると結束手間がなく作業時間の短縮を図れるので、作業効率を高められる。

1)工程短縮による生産性向上

 作業工程は、ガス圧接と比べると火器を用いず施工できるので、全天候施工が可能で工程短縮が図れる。

2)人材確保の容易さによる生産性向上

 作業に必要な人材は、作業が定型化し一般レベルの作業員でも施工が行えるので、確保が容易となる。

2.設計上の留意点

(1)かぶり不足

継手部は直径が大きくなる。外面付近の使用時はかぶり不足がない配置とする。設計計算はかぶり確保の有効高設定とし、外巻きせん断鉄筋は継手部を避ける。

3.施工上の留意点

(1)鉄筋のあきの確保

継手部の増径や集中により鉄筋のあきが不足する場合は、鉄筋径の変更により必要配置間隔を確保する。骨材の落下経路を検討し、充填不良がない施工を行う。

(2)かぶり厚不足部位への対応

かぶり厚の確保が困難な部位は、水・空気の浸入で錆が発生しても、ひび割れによる耐久性低下とならないように、塗装防錆仕様への変更を行う。



R2年、2021年 建設・鋼コン U−1−4 問題 模範解答と解説

 U-1-4  @〜Bに示すコンクリート構造物の劣化現象について1つを選択し、その劣化メカニズムを概説せよ。また、選択した劣化現象に対して、新設構造物の設計・施工における留意点、若しくは既設構造物の調査・診断、又は補修における留意点を説明せよ。

@   水分浸透を考慮した中性化による鋼材腐食

A   凍結防止剤散布環境下における凍害

B   アルカリシリカ反応


模範解答1 答案形式 建設部門、鋼コン 専門: PC 2020.9.29


1.中性化の劣化メカニズム

 中性化とは、二酸化炭素がコンクリート表面から侵入し、水酸化カルシウムと炭酸化反応することで、炭酸カルシウムを生成し、pHが下がる現象である。pHが下がると、鋼材周囲の不動態被膜が破壊され、鉄筋が腐食する。鉄筋腐食が進行すると、コンクリート構造物の耐久性および耐荷性能に影響を及ぼす。

2.新設構造物の設計・施工における留意点

(1)設計における留意点

 設計の際には、現地条件(湿度条件、雨がかりの有無)などに留意する必要がある。上記条件を考慮し、水セメント比を小さくし、コンクリートを緻密化することで、中性化を抑制する。また、中性化の鋼材への到達を遅くするため、適切なかぶり厚さを確保する必要がある。水などの劣化因子による腐食を考慮し、ステンレス筋やエポキシ樹脂塗装鉄筋などの防食鉄筋を採用することも有効である。

(2)施工における留意点

 施工の際には、豆板などの初期欠陥は中性化を早める原因となるため、コンクリートの品質確保に留意する必要がある。そのため、施工時には、入念な締固めを実施するなど、新設コンクリートの品質向上を図る。また、水分浸透を抑制するため、表面被覆工法などの表面保護工法を施す。さらに、排水装置などの排水処置を適切に行うことも有効である。     以上



模範解答2 答案形式 建設部門、鋼コン 専門: コンクリート 2021.4.23


Aの「新設構造物の設計・施工」を以下に示す

1.凍結防止剤散布環境下における凍害のメカニズム

凍害は、コンクリート中の水分の体積膨張(9%膨張)と融解を繰り返しに組織が緩む。それにより、コンクリートの脆弱化が進行し、ひび割れやスケーリング等が発生する。さらに、凍結防止剤散布環境下では、散布剤に含まれる塩分の影響により凍害の進行が促進される。

2.新設構造物の設計・施工における留意点      

(1)設計            

@凍結時の移動水分の逃げ道を確保するため、エントレインドエアを混入し、気泡間隔係数を小さくする。また、空気量を多めに混入する(5〜7%)。

A水セメント比を低く、密実なコンクリートして、耐凍害性を高める。

B水切り、水勾配、防水等の処置を実施し、塩分を含んだ水を滞留させない。

(2)施工

@エントレインドエアは、輸送・圧送・締固め等でエアロスが生じる。それ故、エアロス分を見込んだ空気量でコンクリートを製造する。

A打設するコンクリートの品質を確保するため、受入時に単位水量試験(エアメータ法等)を実施し、単位水量の±20s/を超えるものは打設しない。



模範解答3 簡易答案形式1 建設部門、鋼コン 専門: コンクリート維持管理 2020.10.18


A凍結防止剤散布環境下における凍害

新設構造物の設計・施工

【メカニズム】凍結融解作用の繰り返しにより、ポップアウトやはく離・はく落を生じる。さらに凍結防止剤に含まれる塩化物イオンの硬化体への侵入により、エトリンガイトを生成させる。その生成に伴う体積膨張により、凍害劣化を促進させる。合わせて鋼材腐食による体積膨張により、ひび割れやはく離・はく落の進行を深刻化させる。

【留意点】

@設計面 ・AE剤を使用し、耐凍害性を向上させる。

・滞水を発生させない排水経路を設計し、塩化物イオンを含んだ水分の侵入による鋼材腐食を防止する。

A施工面 ・打設時のコンクリート温度は10〜20℃となるよう施工する。

・締固めはスパイラル型内部振動機を用い、密実かつ緻密なコンクリートとする。

 ・養生時は、初期強度(条件により5〜15N/mm2)となるまで、コンクリート温度を5℃以上に保つ。外気の影響が大きく保温が困難な場合は、給熱養生を行う。


模範解答3 答案形式 建設部門、鋼コン 専門: コンクリート維持管理 2020.10.18


選択:A凍結防止剤散布環境下における凍害

対象:新設構造物の設計・施工

【メカニズム】 寒冷地の外気温の変化により、コンクリート中の水分が凍結融解作用による、膨張と収縮を繰り返すことで、ポップアウトやはく離・はく落を生じる。

 さらに凍結防止剤に含まれる塩化物イオンの硬化体への侵入により、エトリンガイトを生成させ、その生成に伴う体積膨張により、凍害劣化を促進させる。合わせて、鋼材腐食を引き起こし、ひび割れやはく離・はく落の進行を深刻化させる。

【留意点】

@設計面: 配合設計では、AE剤を使用し、一様な空気連行性能により耐凍害性を向上させる。

 また、滞水を発生させない排水経路を設計し、塩化物イオンを含んだ水分侵入による鋼材腐食を防止する。

A施工面: 打設時のコンクリート温度は10〜20℃となるよう施工する。締固めは、振動伝達効果が高く、エントラップトエアの排出効果の高いスパイラル型内部振動機を用い、密実かつ緻密なコンクリートとする。

 養生時は、打設箇所をシートで覆い、初期強度(条件により5〜15N/mm2)となるまで、コンクリート温度を5℃以上に保ち、その後最低2日間は0℃以上を確保する。外気の影響が大きく保温が困難な場合は、給熱養生を行う。



模範解答4 簡易答案形式1 建設部門、鋼コン 専門: コンクリート 2021.4.24


@を選択

1.劣化メカニズムの概説

1)pH低下

大気中の二酸化炭素が細孔溶液中に溶解し、水酸化カルシウムが炭酸カルシウム化し細孔溶液のphが低下する。

2)不動態被膜の消失

pH低下により不動態被膜が消失、水分および酸素の供給により腐食が発生

3)ひび割れの発生

 鋼材腐食の進行により、ひび割れの発生、かぶりコンクリートの剥離・剥落、鋼材の断面欠損による耐荷力の低下等、性能低下が生じる。

2.調査診断における留意点

●水分浸透は鋼材腐食を加速させるため、はつりによる鋼材腐食・中性化の確認は、雨がかり等水分供給箇所も選定する。

●塩分は未中性化部分へ移動濃縮する傾向があるため、複合劣化を想定した試験項目を選択する。

●中性化進行については、中性化深さ測定、√t則を基本とし中性化残りは、含有塩分の有無により設定する。

●中性化深さの確認は破壊試験であるため、はつり・コア採取は最低限とし、ドリル法の選択も提案する。


模範解答4 答案形式 建設部門、鋼コン 専門: コンクリート 2021.5.24


調査診断におけるアルカリシリカ反応(ASR)を選択した。

1.  劣化メカニズム

ASRは、高いアルカリ性に骨材が反応し、亀甲状を特徴とするひび割れを発生させる現象である。

反応性骨材がアルカリシリカゲルを生成し、給水膨張したシリカゲルの内部応力によりひび割れを発生させ、進展すると鋼材を変形・破断させる。

2.調査診断における留意点

@スクリーニング

使用材料、施工場所、施工時期からASRの可能性の有無を確認する。また、ASRの進行は水分の供給を原因とする為、雨掛かりや伸縮装置からの漏水等、原因箇所の有無を確認する。

A構造特徴の反映

 ASRは、膨張による内部応力がひび割れを発生させる。PC等により膨張が拘束された構造物においては、拘束方向にひび割れが発生する。拘束1方向へ伸びたひび割れも対象として調査する。

C短期間でのASR判定

促進膨張試験では養生期間が4週間から半年以上と長期に及ぶ。期間を確保できない場合は、圧縮強度試験や静弾性係数測定値からの推定、顕微鏡によるシリカゲルの確認等、短期間でのASR判定を実施する。



R2年、2021年 建設・鋼コン U−2−1 問題 模範解答と解説

 U-2-1 高い精度確保、限られた施工時間、近接施工など、厳しい施工上の制約条件の下での構造物の新設プロジェクトにおいて、鋼構造あるいはコンクリートの技術に関わる担当責任者として業務を進めるに当たり、下記の内容について記述せよ。

(1)対象とする構造物及び制約条件を設定し、業務(設計、製作、施工等)の立場を明確にした上で、調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。

(2)留意すべき点、工夫を要する点を含めて業務を進める手順について述べよ。

(3)業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。


模範解答1 簡易答案1 建設部門、鋼コン 専門: プレストレストコンクリート 2021/5/18


.コンクリート分野における調査、検討すべき事項とその内容

支間長40m、幅員10mのコンクリート橋の設計責任者の立場で述べる。

幹線道路に架橋されるため、桁下道路の通行止めは夜間8時間の制限がある。

(1)PCa部材輸送経路の調査:製作工場から現場までの経路上の規制・交通状況から車種を選定し、運搬可能な部材寸法を検討。

(2)現場ヤード利用範囲の調査:ヤードでのPCa部材の連結を検討。

(3)クレーン設置場所の地耐力調査:平板載荷試験の結果より、施工方法の検討。

2.業務を進める手順

(1)構造形式の決定:10主桁のPCaセグメント桁を採用し、桁下道路の占有時間の短縮。

(2)部材寸法の決定:部材寸法を統一して型枠を転用し、製作の合理化を図る。

(3)PCa部材の連結:現場周辺ヤードでPCa部材を連結し仮置き保管。架設工程の前に桁を連結することで1日の架設桁本数を増大。通行止め期間の短縮。

(4)主桁の架設:安全確保・架設時間短縮よりクレーン架設を採用。設置場所の地盤耐力が不足する場合は地盤改良および敷鉄板による荷重の分散を図る。

 

3.業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策

通行止め期間短縮に向けた調整:PCaセグメント桁の架設は、一般的な架設桁架設ではなくクレーン架設とすることを協力会社に私が申し入れる。機材損料は架設桁架設よりかかるが、通行止め期間短縮によるコスト削減、近隣住民への影響最小化効果を説明、効率化の協力を促し、協力会社を私がプロマネとして取りまとめる。


 

模範解答1 簡易答案2 建設部門、鋼コン 専門: プレストレストコンクリート 2021/5/21


.コンクリート分野における調査、検討すべき事項とその内容

支間長40m、幅員10mのコンクリート橋の設計責任者の立場で述べる。

本橋は、交通量が4000台/日以上の幹線道路に架橋されるため桁下道路の通行止めは夜間8時間の制限がある。桁下道路の占有時間を短縮するためPCa部材を採用した。

(1)PCa部材輸送経路の調査

製作工場から現場までの経路上の規制・交通状況から車種を選定し、運搬可能な部材寸法を検討する。

(2)現場周辺ヤードの利用範囲の調査

現場周辺ヤードの利用可能範囲より、ヤードでのPCa部材の連結を検討する。

(3)クレーン設置場所の地耐力調査

平板載荷試験を実施し、その結果より、施工方法を検討する。

2.業務を進める手順

(1)構造形式の決定

10主桁のPCaセグメント桁を採用することにより、桁下道路の占有時間の短縮を図る。

(2)部材寸法の決定

部材寸法を統一することで型枠を転用し、PCa部材の製作の合理化を図る。

(3)PCa部材の連結

現場周辺ヤードを整地し、ヤード内でPCa部材を連結する。連結したPCaセグメント桁はヤードに仮置き保管する。架設工程の前に桁を連結することで1日の架設桁本数を増大させ、通行止め期間の短縮を図る。

(4)主桁の架設

安全確保・架設時間短縮よりクレーン架設を採用する。クレーン設置場所の地盤耐力が不足する場合は、地盤改良および敷鉄板による荷重の分散を図る。

3.業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策

本橋につながる道路工事業者は、通行止め期間中、重機や資材の搬入が不可能になるため工事工程の見直しが必要となる。一方、協力会社は、架設時現場ヤードの占有を希望している。

そこで、クレーン架設を採用することを協力会社に申し入れ、業務の効率化を図る。機材損料は架設桁架設よりかかるが、通行止め期間短縮によるコスト削減、安全性向上による効果を説明する。

道路工事業者には、通行止め期間の短縮効果を説明し大型クレーン設置による本工事の現場ヤード占有に対して協力を申し入れる。

協力要請の際は、CIMを活用して架設における占有ヤード範囲および架設ステップを可視化し、情報共有および効率化を促進させ、道路工事業者および協力会社を私がプロマネとして取りまとめる。


模範解答1 答案形式 建設部門、鋼コン 2021/3/24


1.コンクリート分野における調査、検討すべき事項

 支間長40m、幅員10mのコンクリート橋の設計責任者の立場で述べる。

 本橋は、交通量が4000台/日以上の幹線道路に架橋されるため、桁下道路の通行止めは夜間8時間の制限がある。桁下道路の占有時間を短縮するためPCa部材を採用した。

(1)PCa部材輸送経路の調査

 製作工場から現場までの経路上の規制・交通状況から車種を選定し、運搬可能な部材寸法を検討する。

(2)現場周辺ヤードの利用範囲の調査

 支間長40mの桁であるため、PCa部材の連結が必要となる。現場周辺ヤードの利用可能範囲より、ヤード内でのPCa部材の連結を検討する。

(3)クレーン設置場所の地耐力調査

 平板載荷試験を実施し、4000台/日以上の交通量への影響を最小に抑える施工方法を検討する。

2.業務を進める手順

(1)構造形式の決定

 夜間8時間の制約内で、支間長40m、幅員10m規模の橋梁の架設を可能にするため、10主桁のPCaセグメント桁を採用する。部材寸法を統一することで型枠を転用し、PCa部材の製作の合理化を図る。

(2)PCa部材の連結

 現場周辺ヤードを整地し、ヤード内でPCa部材を連結する。連結したPCaセグメント桁はヤードに仮置き保管する。架設工程の前に桁を連結することで1日の架設桁本数を増大させ、通行止め期間の短縮を図る。

(3)主桁の架設

 4000台/日以上の交通量への影響を最小に抑えるため、架設時間の短縮が可能なクレーン架設を採用する。クレーン設置場所の地盤耐力が不足する場合は、地盤改良および敷鉄板による荷重の分散を図る。

3.関係者との調整方策

 本橋につながる道路工事業者は、夜間8時間の通行止め期間中、重機や資材の搬入が不可能になるため工事工程の見直しが必要となる。一方、協力会社は、架設時現場ヤードの占有を希望している。

 そこで、40mのPCaセグメント桁の架設が可能なクレーン架設を採用することを協力会社に申し入れ、業務の効率化を図る。機材損料は架設桁架設よりかかるが、通行止め期間短縮によるコスト削減、安全性向上による効果を説明する。

 道路工事業者には、通行止め期間の短縮効果を説明し、大型クレーン設置による本工事の現場ヤード占有に対して協力を申し入れる。

 協力要請の際は、CIMを活用して架設における占有ヤード範囲および架設ステップを可視化し、情報共有および効率化を促進させ、道路工事業者および協力会社を私がプロマネとして取りまとめる。



模範解答2 簡易答案1 建設部門、鋼コン 専門: コンクリート施工 2021/5/15


 

(1) 調査・検討すべき事項

 ・高速道路ジャンクションの橋梁下部工(張出し式橋脚(円柱)、50基)、

制約条件(開通3ヶ月前倒しによる工期短縮)、施工の責任者

 1)構造物の分割施工:多数の各橋脚高さ、構造物寸法等を調査、打設ロットをグループ化し、現場打ちと工場製作の分割施工(ハーフプレキャスト化)を検討

2)構造物の打設区分:生コンの日供給量等を調査し、円柱部を1回打設、梁部を上部工への早期引き渡しのため、早期強度発現が可能なコンクリートの使用検討

3)柱部と梁部の配筋照査:橋脚柱部と梁部の接合部の主筋、帯鉄筋等の配筋状況を調査し、配筋の合理化検討

 

(2)業務を進める手順

1)鉄筋形状変更による合理化:3DCADによる施工困難箇所を調査し、橋脚柱部と梁部の接合部の帯鉄筋形状をフック形状から閉合形状に50基全て変更し、施工期間を短縮

2)円柱部大量1回打設の検討:円柱部を1回打設とするため、温度応力解析を実施し、ひび割れ指数を満足するコンクリートの材料や養生方法を設定

3)ハーフプレキャスト標準化計画:円柱部の断面の一部(最外面)をプレキャスト化し、部材規格をグループ化し標準化することで、50基分の転用型枠製作時間の短縮

4)分割施工の実施:円柱部の1回打設と現場打ちと工場製作の分割施工により、50基分のコンクリートの打設回数、施工量を減らし、施工期間を短縮

 

(3)関係者との調整方策

1)ハーフプレキャスト部材の作業効率化:円柱部のハーフプレキャスト部材内は、狭い断面での過密鉄筋となるため、流動性の高いコンクリートの使用を製作工場、生コンプラントに指示。この際(配合計画・圧送計画の手間はかかるが)、品質向上

2)輻輳作業間での安全性向上:狭いヤードに橋脚50基分の現場打ち施工や架設施工など、多くの作業が輻輳するため、協力会社に現場情報共有クラウドの活用を指示。この際(輻輳する作業の工程表や作業内容、掲示板の情報更新の手間はかかるが)、リアルタイムな情報共有により作業員の安全性向上。



 

模範解答2 簡易答案2 建設部門、鋼コン 専門: コンクリート施工 2021/5/17


 

(1)調査・検討すべき事項

  高速道路ジャンクションの橋梁下部工(張出し式橋脚(円柱)、50基)で、開通3ヶ月前倒しによる工期短縮が求められ、施工の責任者として業務を進めるものとする。

 1)構造物の分割施工:現場と工場の分割施工による作業効率向上を目標とし、下部工50基の各橋脚高さ、構造物寸法等を調査する。打設ロットをグループ化するため、現場打ちと工場製作の分割施工(ハーフプレキャスト化)を検討する。

2)構造物の打設区分:下部工50基分の施工量、養生期間を短縮するため、円柱部の1回打設を目標とし、生コンの日供給量等を調査する。梁部を上部工へ早期に引き渡しするため、早期強度発現が可能なコンクリートの使用を検討する。

3)柱部と梁部の配筋照査:配筋が複雑な橋脚柱部と梁部の施工の簡略化を目標とし、主筋や帯鉄筋等の配筋状況を調査する。下部工50基分の施工手間を省略するため、接合部配筋の合理化を検討する。

(2)業務を進める手順

1)鉄筋形状変更による合理化:3DCADによる施工困難箇所を調査し、橋脚円柱部と梁部の接合部の帯鉄筋形状をフック形状から閉合形状に50基全て変更する。円柱部と梁部の接合部という複雑な配筋手間を省力化し、施工期間を短縮する。

2)円柱部大量1回打設の検討:最大コンクリート量を打設する円柱部箇所で、温度応力解析を実施する。ひび割れ指数を満足するコンクリート材料や養生方法を設定し、円柱部を1回とし、施工期間を短縮する。

3)ハーフプレキャスト標準化計画:円柱部の断面の一部(最外面)をプレキャスト化し、手間のかかる円柱部の特殊型枠作業を省略化する。さらに、円柱部材の規格をグループ化し標準化することで、50基分の転用型枠製作時間を短縮する。

4)分割施工の実施:現場打ちと工場製作の分割施工と円柱部の1回打設により、50基分のコンクリートの打設回数、施工量を削減し、施工期間を短縮する。

(3)関係者との調整方策

1)ハーフプレキャスト部材の作業効率化:円柱部のハーフプレキャスト部材内は、狭い断面での過密鉄筋となるため、流動性の高いコンクリートの使用を製作工場及び生コンプラントに指示する。この際に、配合計画・圧送計画の手間はかかるが、充填性に富むため、施工性や品質が向上することを提案し、流動性の高いコンクリートを使用させる。

2)輻輳作業間での安全性向上:狭いヤードに橋脚50基分の現場打ち施工や架設施工など、多くの作業が輻輳するため、協力会社に現場情報共有クラウドの活用を指示する。この際に、輻輳する作業の工程表や作業内容、掲示板の情報更新の手間はかかるが、リアルタイムな情報共有により作業員の安全性が向上することを提案し、携帯等での使用を義務付ける。


 

模範解答2 答案形式 建設部門、鋼コン 専門: コンクリート施工 2021/5/19


 

(1)調査・検討すべき事項

 高速道路ジャンクションの橋梁下部工(張出し式橋脚(円柱)、50基)で、開通3ヶ月前倒しによる工期短縮が求められる業務の施工責任者

1)構造物の分割施工

 現場と工場の分割施工による作業効率向上を目標とし、下部工50基の各橋脚高さ、構造物寸法などを調査する。打設ロットをグループ化するため、分割施工(ハーフプレキャスト化)を検討する。

2)構造物の打設区分

 下部工50基分の施工量、養生期間を短縮するため、円柱部の1回打設を目標とし、生コンの日供給量などを調査する。上部工工事へ早期引渡しのため、早強セメントを使用し、初期の水和熱抑制効果がある膨張剤の添加を検討する。

3)柱部と梁部の配筋照査

 配筋が複雑な橋脚柱部と梁部の施工の簡略化を目標とし、主筋や帯鉄筋などの配筋状況を調査する。下部工50基分の施工手間を省略するため、接合部配筋の合理化を検討する。

(2)業務を進める手順

1)鉄筋形状変更による合理化

 橋脚円柱部と梁部の過密配筋接合部で、放射状に配置する中間帯鉄筋形状を合理化し、施工期間を短縮する。せん断ひび割れ後に斜引張力を負担し、鉄筋端部のコンクリート付着を確保し、半円形フック形状から片側T型形状に変更する。

2)円柱部大量1回打設の検討

 最大コンクリート量を打設する円柱部箇所で、温度応力解析を実施する。ひび割れ指数を満足するコンクリート材料や養生方法を設定し、円柱部を1回とし、施工期間を短縮する。

3)ハーフプレキャスト標準化計画

 円柱部の断面の一部(最外面)をプレキャスト化し、手間のかかる円柱部の特殊型枠作業を省略化する。さらに、円柱部材の規格をグループ化し標準化することで、50基分の転用型枠製作時間を短縮する。

4)分割施工の実施

 現場打ちと工場製作の分割施工と円柱部の1回打設により、50基分のコンクリートの打設回数、施工量を削減し、施工期間を短縮する。

(3)関係者との調整方策

 現場打ちと工場製作部材の異なる強度のコンクリートが同一柱断面内に存在する。そのため、等価平均強度の考え方により算出した設計強度のコンクリート使用を申し入れる。この際、従来のコンクリートを使用しないため、配合計画の見直しや試験練り回数の増加で作業手間はかかるが、現場コンクリートの初期ひび割れが低減による品質向上を提案する。製作工場と生コンプラントを私がプロマネとして取りまとめる。


 


模範解答3 簡易答案1 建設部門、鋼コン 専門: 維持管理 2021/5/12

 


 

「コンクリート」

(1)【対象構造物】設計基準強度50N/mm2の橋梁上部工事(道路橋)

【制約条件】橋脚高90mの高橋脚、張出し最大架設長が60mで誤差-45〜+5mm

【業務の立場】施工

【調査、検討すべき事項とその内容】

@一般的な上部工事よりも片持ち架設時の下方向のたわみが大きくなるため、施工時の気温や日射の影響による橋脚変位量を調査し、-40〜±0mmの管理幅に収まる上げ越し量を検討する。

A長距離圧送となるため、コンクリート圧送の最大水平換算距離を調査し、最大圧送負荷を算出し、ポンプ車の機種選定など、橋面への運搬方法を検討する。

(2)業務を進める手順と留意点、工夫点

@生コン工場選定・配合決定

・打込みの最小スランプは部材の平均鉄筋量170kg/m3未満であれば12cm、それ以上であれば15cmとする。また、実機試験練りと圧送試験を行い、運搬および圧送によるスランプロスを事前確認し、練上がりの目標スランプを決定する。

A施工計画

・橋面へのコンクリートの運搬は、高橋脚および張出架設長が長く、圧送負荷が大きくなるため、最大圧送負荷がポンプ車の理論吐出圧の80%以下ならポンプ配管圧送とし、80%を超える場合は、クレーンでの大型バケットによる運搬とする。

・暑中コンクリート施工では、凝結時間が短くなり、スランプ低下リスクが高まるため、遮熱シートにより配管が35℃以下となるよう遮熱養生する。

B施工段階

・高橋脚および張出架設長が長く、橋面高さ計画値とのずれが大きくなる懸念があるため、橋面高さ、橋体コンクリート温度及び橋脚変位を常時計測し、橋脚の見かけの剛性等の諸数値を更新し、たわみ計算にフィードバックすることで、上げ越し管理の精度を向上させる。

・高強度コンはブリーディングが少なく、硬化開始時期が早いため、表面養生材を散布し、表面の水分蒸発を通常の70%以下とする。

(3)関係者との調整方策

施主より、床版の仕上げ品質向上のため、追加対策の要求があった。私は、追加予算200万円で表層緻密化の効果が高い機械仕上げ工法を施主に提案し、一方で施工業者の仕上げ作業の生産性を10%向上した。これにより、両関係者を取りまとめて高品質とコスト維持の意見を擦り合わせ、この作業を効率的に取りまとめた。

 


解説

 

・制約条件をあまり多く設定すると、内容が複雑となり論述の焦点がぼけるので、制約条件は1〜2個で構いません。

・設定した「制約条件」に対して、どのように上手に対処しているかがわかるように記載することが求められます。

・「調整事項」は調整の意味する3要件を満たすことです。関係者に個別に新たに追加で対応していては、コストアップするだけで取りまとめにはなりません。「調整」とは、スピード調整(ブレーキ)のように、何かを「減らす」ことが必要です。

・「制約条件」とは、「ある条件を課して、自由にはさせないこと」です。

・「調整事項」では「関係者」とありますので、3者設定するのが良いでしょう。

・留意点、工夫点は独創的な提案とするのが良いでしょう。当たり前に行われている常識的な事項は、得点になりませんので、避けるようにしてください。

 →コンクリート工学の原理・メカニズムでアプローチするとか、分析結果に基づいて定量的に目標を示すなどが良いでしょう。


 

模範解答3 簡易答案2 建設部門、鋼コン 専門: 維持管理 2021/5/16


 

「コンクリート」

(1)【対象構造物】設計基準強度50N/mm2の橋梁上部工事

【制約条件】橋脚高90mの高橋脚、張出し最大架設長が60mで誤差-45〜+5mm

【業務の立場】施工

【調査、検討すべき事項とその内容】

@長距離圧送となるため、コンクリート圧送の最大水平換算距離を調査し、最大圧送負荷を算出し、ポンプ車の機種選定など、橋面への運搬方法を検討する。

A一般的な上部工事よりも片持ち架設時の下方向たわみが大きくなるため、施工時の気温や日射の影響による橋脚変位量を調査し、-40〜±0mmの管理幅に収まる上げ越し量を検討する。

(2)業務を進める手順と留意点、工夫点

@生コン工場選定・配合決定

打込みの最小スランプは部材の平均鉄筋量が170kg/m3未満であれば12cm、それ以上であれば15cmとする。また、実機試験練りと圧送試験を行い、運搬および圧送によるスランプロスを事前確認し、練上がりの目標スランプを決定する。

Aコンクリート運搬・打設

橋面へのコンクリートの運搬は、高橋脚および張出架設長が長く、圧送負荷が大きくなるため、最大圧送負荷がポンプ車の理論吐出圧の80%以下ならポンプ配管圧送とし、80%を超える場合は、クレーンでの大型バケットによる運搬とする。

高強度コンはブリーディングが少なく、硬化開始時期が早いため、表面養生材を散布し、表面の水分蒸発を通常の70%以下とする。

また、暑中コンクリート施工では、凝結時間が短くなり、スランプ低下リスクが高まるため、遮熱シートにより配管が35℃以下となるよう遮熱養生する。

B橋面高さ管理

高橋脚および張出架設長が長く、橋面高さ計画値とのずれが大きくなる懸念があるため、橋面高さ、橋体コンクリート温度及び橋脚変位を常時計測し、橋脚の見かけの剛性等の諸数値を更新し、たわみ計算にフィードバックすることで、上げ越し管理の精度を向上させる。

(3)関係者との調整方策

施主より床版の仕上げ品質向上のため、追加対策の要求があった。私は、追加予算200万円で表層緻密化の効果が高い機械仕上げ工法を施主に提案し、一方で施工業者の仕上げ作業の生産性を10%向上し、施工業者人員を削減した。これにより、両関係者を取りまとめて高品質とコスト維持の意見を擦り合わせ、この業務を効率的に取りまとめた。


解説

 

実機試験練りと圧送試験を行い、運搬および圧送によるスランプロスを事前確認し、練上がりの目標スランプを決定する」とかは、ごく普通です。いつもやること。ご自身が提案された、50N/mm2、誤差-45〜+5mmを確実に実現するための方法などが留意点としてよいでしょう。

手順とは、「施工計画」、「施工段階」などと言った形式的な言葉では手順が見えませんので、一般論と解釈されて減点されます。ここは具体的な手順名を示すのが良いでしょう。


 

模範解答3 答案形式 建設部門、鋼コン 専門: 維持管理 2021/5/17


 

「コンクリート」

(1)【対象】設計基準強度50N/mm2の橋梁上部工事

【制約条件】橋脚高90mの高橋脚、張出し最大架設長が60mで誤差-45〜+5mm

【業務の立場】施工

【調査、検討すべき事項とその内容】

@長距離圧送となるため、コンクリート圧送の最大水平換算距離を調査し、最大圧送負荷を算出し、ポンプ車の機種選定など、橋面への運搬方法を検討する。

A一般的な上部工事よりも片持ち架設時の下方向たわみが大きくなるため、施工時の気温や日射の影響による橋脚変位量を調査し、-40〜±0mmの管理幅に収まる上げ越し量を検討する。

(2)業務を進める手順と留意点、工夫点

@生コン工場選定・配合決定

 打込みの最小スランプは部材の平均鉄筋量が170kg/m3未満であれば12cm、それ以上であれば15cmとする。

 また、実機試験練りと圧送試験を行い、運搬および圧送によるスランプロスを事前確認し、練上がりの目標スランプを決定する。

Aコンクリート運搬

 橋面へのコンクリートの運搬は、高橋脚および張出し架設長が長く、圧送負荷が大きくなるため、最大圧送負荷がポンプ車の理論吐出圧の80%以下ならポンプ配管圧送とし、80%を超える場合は、クレーンでの大型バケットによる運搬とする。

Bコンクリート打設

 高強度コンはブリーディングが少なく、硬化開始時期が早いため、表面養生材を散布し、表面の水分蒸発を通常の70%以下とする。

 また、暑中コンクリート施工では、凝結時間が短くなり、スランプ低下リスクが高まるため、遮熱シートにより配管が35℃以下となるよう遮熱養生する。

C橋面高さ管理

 高橋脚および張出し架設長が長く、橋面高さ計画値とのずれが大きくなる懸念があるため、橋面高さ、橋体コンクリート温度及び橋脚変位を常時計測する。

 計測値から橋脚の見かけの剛性等の諸数値を更新し、たわみ計算にフィードバックすることで、上げ越し管理の精度を向上させ-40〜±0mmの管理幅に収める。

(3)関係者との調整方策

 施主より床版の仕上げ品質向上のため、追加対策の要求があった。私は、追加予算200万円で表層緻密化の効果が高い機械仕上げ工法を施主に提案し、一方で施工業者の仕上げ作業の生産性を10%向上し、施工業者の人員を削減した。

 これにより、両関係者を取りまとめて高品質とコスト維持の意見を擦り合わせ、この業務を効率的に取りまとめた。

 


解説

 

「手順」として挙げるべき事項は「具体的作業のポイントとなる事項」が良いでしょう。形式的な言葉(おおざっぱで、あいまいな言葉)は一般論になり、この問題のケーススタディを解くという趣旨に適合しないため、「手順を考えてはいない」と判断されて減点されます。一般的手法を知識の暗記勉強で学んで書き出すという受験者が多いため、出題者は(応用力を見たいので)点を取れないようにしていると考えられます。

 



 

R2年、2021年 建設・鋼コン U−2−2 問題 模範解答と解説

 U-2-2 既設構造物を使用しながら、改築・増築、又は補修・補強に関する業務を行うこととなった。この業務を鋼構造あるいはコンクリートの技術に関わる担当責任者として進めるに当たり、下記の内容について記述せよ。

(1)対象とする構造物を一つ挙げ、工事中の既設構造物の使用条件を設定し、業務の内容を明確にした上で、調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。

(2)業務を進める手順とその際に留意すべき点、工夫を要する点を含めて述べよ。

(3)業務を効率的、効県的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。


模範解答1 簡易答案1 建設部門、鋼コン 2021/3/27


1)対象構造物と使用中の使用条件、調査と検討事項の内容

 1)鋼道路橋の桁端部に発生した腐食部の補修・補強

 主桁端部下端部に発生した腐食部を一般車両通行させながら調査・補修補強

2)  調査・検討事項

・アクセス困難な狭隘部の腐食範囲と減肉量特定のためコンパクトなレーザースキャナで3次元点群調査し、解析モデルへ分布反映し現有耐力算出

・補強効果確認のため、荷重車による設計荷重で発生応力調査し、補強板厚・継手構造の妥当性を検証

(2)業務を進める手順及び留意・工夫点 

 1)原因・損傷調査:腐食範囲と減肉量をメッシュ計測し平均厚さをマップ化し解析モデルを簡易化。腐食原因の水分供給経路を特定し止水・防食方法検討

2)現有耐力照査:ウェブ腐食の際はせん断耐力を、平均減肉板厚で低減した幅厚比パラメータRで座屈強度曲線適用してFEMに依らず簡易に算出可能。

3)現有耐力照査:垂直補剛材腐食の鉛直耐力は、設計時断面積と残存最小断面積の比を設計耐力に乗じて現有耐力を簡易にFEMに依らず算出可能。

(3)三次元点群データから解析モデル作成し業務効率化するための関係者調整

 調査会社は点群測量機器費用増加で増額要求、解析会社も点群データから変換モデルは汎用性なく再モデル化のため増額要求したが、発注者はそれを拒否した。そこで私は、発注者に過去同類業務の点群データや解析モデルのオープンデータ化を要求し、調査会社と解析会社がそれらをソースに業務活用できることで追加費用を最小限に抑え、点群から解析モデル化による効率的な業務遂行を実現した。


模範解答1 答案形式 建設部門、鋼コン 2021/3/14


「鋼構造」

1、対象構造物と使用条件

(1)対象構造物と使用条件

 都市内高速道路の既設路線に渋滞対策として出入り口を拡幅増設する。接続される桁に腐食が支承直上に発生しているため、ジャッキアップによる無応力状態での腐食補修が必要。また、渋滞による社会影響を考慮し、通行止めにせず、ジャッキアップ及びダウンは通行量が少ない夜間施工とする。

(2)調査・検討事項

 1)減肉量の測量と設計への反映

 減肉量を計測・測量する際は、その減肉の程度により、20mmメッシュや100mmメッシュを使い分ける。計測した減肉量は、パネルごとの平均厚さへ変換し、シェルモデルの板厚へ反映し現有耐力を算出する。

 2)応力測定と設計への反映

 72時間の交通活荷重による腐食周辺部の発生応力を計測し、レインフロー法により等価応力化する。発生応力と現有耐力とを比較照査し、必要板厚を算出し、当て板部材を設計する。

2、業務の手順と留意点・工夫点

(1)ドローンを利用した測量

 減肉量の計測・測量には、三次元レーザースキャナを搭載したドローンを使用し、床版下面が横構や対傾構による狭隘で人間がアクセスしにくい箇所を確実に計測する。また、取得した点群データは、データベースの共通プラットフォームへ記録保管する。

(2)三次元 CIMを活用した設計

 取得した三次元点群データは、三次元CIMデータへ取り込み、既設橋梁の変状に応じた部材設計を実施する。また、腐食の進行で変形がある場合は、鋼材の機械的性質に影響を及ぼさない変態点720度以下まで熱した上で、ジャッキで変形を矯正し、当て板部材と母材の接着面を確保する。

(3)ジャッキアップ施工と不確実性考慮した設計

 ジャッキアップは交通車両影響を鑑み、3mmとする。また、ジャッキアップ直上の補強リブの設計荷重は、平面格子解析で算出される一支承線上支点反力の平均値に施工上不均等係数1.5を考慮し算出する。

3、業務効率化のための関係者との調整

 道路管理者は、渋滞影響の観点で、通行止めは認めず、桁間の路面段差が生じないようジャッキアップ量を3mm程度が上限との条件が提示された。

 一方で、補修業者は、通行止環境で、作業足場振動を抑え、ジャッキアップ量を大きくして、部材撤去・設置の施工環境の優先を要望した。

 そこで私は、狭い空間での交通振動下でも安定して確実にジャッキアップ施工できるフラットジャッキ工法を施工会社に提案・調整し、渋滞による社会影響も回避しつつ、補修の品質を確保した。


解説

関係者との調整について、当初いただいた解答は

・ドローンを設備投資させて、効率化するなどがあり、それらは投資になるので調整とは言いにくいです。

・社内マシンの活用による業務改善は、一見調整に見えるが、しかし現有資源を流用しただけのことであり、たまたま保有していたから使えたにすぎません。汎用的な提案を探すように。

いずれも、建設鋼コンの技術応用による貢献は見えないので、技術応用の視点で考えると良いでしょう。

◆好ましい変更

・建設鋼コンの視点から、「道路管理者と施工業者の条件の食い違いに対して、道路管理者の条件を守りつつ、施工会社の懸念を解消できる工法を提案する。そして、補修会社との調整を図り品質確保と社会影響を最小限化」という、最終的にプロマネの立場で「とりまとめ」わ示されたのが良かったと思います。



模範解答2 簡易答案1 建設部門、鋼コン 専門: コンクリート構造 2021/5/23


 

1.対象構造物・使用条件・業務内容、調査・検討すべき事項

(1)海岸地区の築20年道路橋、幅15m高さ30m、使用条件は片側交互で1000台/日で供用中でH8年道示準拠による旧耐震仕様で運用している。業務内容はH24年道示基準の耐震性能更新を行う。

(2)現構造物を劣化・損傷状況を調査し、構造物が有する耐力を検討する。

(3)建設時の設計図書を調査し、当時の要求耐震性能と現基準との差を検討する。

(4)周辺環境・構造物の必要補強量を調査し、補強方法を検討する。

2.業務を進める手順・留意点・工夫点

(1)橋脚の耐力調査

調査はコンクート強度・塩分浸透度・鉄筋腐食を行う。コア抜き工法を選択する。

(2)耐震要求事項の確認

復元設計により現耐力を把握する。地盤調査を基に3次元時刻歴応答動的解析にて現基準の要求性能を把握する。液状化の有無を確認し免震化の適用を確認する。

(3)補強量・補強方法の検討

 補強量は、曲げかせん断補強かを明確にして、有効な補強部位を決める。段落し部は、断面力が急変せず連続性を有し、一体性に有利な増厚補強方法を検討する。

3.関係者との調整

 発注者には、有識・専門技術者からの協力を得て特殊非線形FEM解析の行うことが、非線形域での材料物性・現保有耐力を部位部材毎に正確に性能評価した補強となることを提案・説明し、耐震化設計・施工でトータルコスト減となるよう導いた。

 


 

模範解答2 簡易答案2 建設部門、鋼コン 専門: コンクリート構造 2021/5/26

 


 

1. 対象構造物・使用条件・業務内容・調査・検討すべき事項

1) 対象構造物・使用条件

 対象構造物は、海岸地区の築20年の道路橋で幅15m・高さ30mとする。使用条件は、片側交互通行の通行量が1000/台以下で供用していて、H8年道示準拠による旧耐震仕様で運用している。

2)業務内容

業務内容は、耐震性向上を目的としたH24年道示基準の耐震性能更新を行うことである。

3)調査・検討すべき事項

 建設時の設計図書を調査し、当時の要求耐震性能と現基準との差を検討する。周辺環境・既構造物の耐力・有効鉄筋量を調査し、補強量と補強方法を検討する。

2.業務を進める手順・留意点・工夫点

1)業務を進める手順

 橋脚の耐力調査を行う。調査は、コンクリート強度・塩分浸透度・鉄筋腐食の状況を確認し、データ化を行う。調査方法は、コア抜き工法とする。

 耐震要求事項の確認を行う。復元設計を行い現耐力を把握する。地盤調査を基とした3次元時刻歴応答動的解析にて、現基準の要求性能を把握する。

 補強量・補強方法を検討する。補強は、曲げモーメントに対してかせん断力に対してかを明確して、破壊形態を考慮した耐震性向上に有効な部位を補強する。

2)留意点

 耐震補強では、免震化の適用が有効となる場合があるが、地盤条件が適切であるか確認する必要がある。ボーロング調査を行い地下水位高さ・飽和土質を確認して、FL法を用いて液状化の有無を判定し、免震化が可能か十分留意する。

3)工夫点

 段落し部は、断面力が急変することがあるので、動的解析結果からの段落し部前後の応答値を確認し、連続性を有し更に一体性に有効な増し厚補強方法を検討し、剛性急変による構造的弱点とならないようにする。

3.関係者との調整方法

発注者には、有識・専門技術者からの協力を得て特殊非線形FEM解析を行うことを提案し、非線形域での材料特性・現保有耐力を部位部材毎に正確に性能評価した補強が行えることを説明する。解析が特殊であるため費用がかかるが、最新技術を応用した限界設計を行うことで、施工費は減少する。結果、耐震化設計・施工でトータルコストの要件を満足するよう導き、プロジェクトマネージャーとして取りまとめを行う。


 

模範解答2 答案形式 建設部門、鋼コン 専門: コンクリート構造 2021/5/27

 


 

コンクリートを選択する。

1.構造物・使用条件・業務内容および調査検討事項

1)対象構造物・使用条件

 対象構造物は、海岸地区の築20年の道路橋の橋脚で幅15m・高さ30mとする。使用条件は、片側交互通行の通行量が1000/台以下で供用していて、H8年道路橋示方書準拠による旧耐震仕様で運用している。

2)業務内容

業務内容は、耐震性向上を目的としたH24年道路橋示方書基準の耐震性能更新を行うことである。

3)調査・検討すべき事項

 建設時の設計図書を調査し、当時の要求耐震性能と現基準との差を検討する。

周辺環境、地盤調査、既構造物の耐力および有効鉄筋量を調査し、耐震性能更新に必要な補強量と補強方法を検討する。

2.業務を進める手順・留意点・工夫点

1)業務を進める手順

 橋脚の耐力調査を行う。強度低下・劣化状況・腐食からの耐力低下の観点より、コンクート強度・塩分浸透度・鉄筋腐食状況を確認する。調査方法は、コア抜き工法を選択する。

 復元設計により現耐力を把握する。地盤耐力調査を基にした3次元時刻歴応答動的解析を行い、現基準を満たすために必要な耐震性能を把握する。

 補強量・補強方法を検討する。補強は、曲げモーメントに対してかせん断力に対してかを明確して、破壊形態を考慮した耐震性向上に有効な部位を選定して、補強を行う。

2)留意点

 耐震補強では、免震化の適用が有効となる場合があるが、地盤条件が適切であるか確認する必要がある。 

ボーロング調査を行い地下水位高さ・飽和土質を確認して、FL法を用いて液状化の有無を判定し、免震化が可能か十分留意する。

3)工夫点

 段落し部は、断面力が急変することがあるので、動的解析結果からの段落し部前後の応答値を確認し、連続性を有し更に一体性に有効な増し厚補強方法を検討し、剛性急変による構造的弱点とならないようにする。

3.関係者との調整方法

発注者には、有識・専門技術者からの協力を得て特殊非線形FEM解析を行うことを提案し、非線形域での材料特性・現保有耐力を部位部材毎に正確に性能評価した補強が行えることを説明する。

解析が特殊であるため費用がかかるが、最新技術を応用した限界設計を行うことで、施工費は減少する。 

結果、耐震化設計・施工でトータルコストの要件を満足するよう導き、プロジェクトマネージャーとして取りまとめを行う。


 

模範解答3 簡易答案1 建設部門、鋼コン 2021/3/27


 

コンクリートの技術者として下記に示す。

1. 対象構造物や使用条件、業務内容、調査や検討すべき事項と内容 

(1)対象構造物・使用条件・業務内容:合計4車線の高速道路の既存橋梁で、片側2車線を通行させ、反対の2車線を規制し床版取替工事を実施する。

(2)調査・検討すべき事項 

@工期短縮の調査:養生を必要としないプレキャスト床版(以下Pcaとする)検討する。A搬入経路の調査:輸送コスト低減を図るため、搬入経路を検討する。B接合方法の調査:超高強度繊維補強コンクリート(以下UFCとする)を検討する。

2.業務を進める手順と留意すべき事項、工夫を要する点       

(1)Pca床版の運搬:曲げモーメントの影響を少なくするため、2点支持による運搬を実施する。

 

当然すぎ。もう少し高度で、効果的な工夫はありませんか

 

(2)UFCの製造:経時変化が速く粘性が高いため、現場プラントとし、製造順序をセメント・骨材のカラ練り後、繊維→水・高性能AE減水剤で実施し、均一に練り混ぜ、品質確保を図る。 

 

方法、ねらいはわかりますが、技術や原理の応用といった鋼コンの理論的な話はありませんか。

 

(3)UFC打設:UFCは経時変化が速いので、製造後30分以内で打設を終える量を設定する。  

 

なぜ30分か、計算式は?   またどうやって設定しますか↑

 

3.関係者との調整方策  

 場内が混雑し、作業性が低下する可能性があるので、発注者と交渉し、大型クレーンを増設し、物流の効率化を図る。しかし、見掛けの人件費やコストが上昇するが、作業効率化による工期短縮で経費削減が可能となる。

 

R2年、2021年 建設・鋼コン Vー1  問題 模範解答と解説

V−1  国土交通省は、調査・測量から設計、施工、検査、維持管理・更新までの全ての建設生産プロセスでICT等を活用する「i-Construction」を推進し、建設現場の生産性を2025年度までに2割向上させることを目指している。建設業で生産性を低下させている要因の1つとして、2次元の紙の図面で各種作業を進めていることが挙げられることから、建設生産・管理システムでも3次元モデルを利活用することで、全体の効率化・高度化を図るいわゆるBIM/CIMが生産性革命のエンジンとして推進されている。このような状況を踏まえ、鋼構造あるいはコンクリートに関わる技術者の立場から以下の問いに答えよ。

(1)     BIM/CIMの活用により生産性の向上が期待できる業務を1つ挙げよ。またBIM/CIMを導入してその業務の生産性を向上させるために解決すべき課題を多面的な観点から抽出し、その内容を観点とともに示せ。

(2)     前問(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3)     前問(2)で示した解決策に共通して新たに生じうるリスクとそれへの対策について、専門技術を踏まえた考えを示せ。


模範解答1 簡易答案1 建設部門、鋼コン 専門:PC 2021/6/1


1. BIM/CIMの活用により生産性の向上が期待できる業務と多面的な課題

 コンクリート構造物への適用に関して述べる。

生産性の向上が期待できる業務:コンクリート道路橋の施工業務

(1)計画・設計段階からの導入 

・設計段階から鉄筋の干渉を回避した配筋計画が可能。

・施工時の架設検討に利用できる。

・設計段階から適用するような発注形態の整備が必要。

(2)属性データの拡充

・出来形寸法、コンクリート配合などの属性データをBIM/CIMに格納することで、検査が容易になる。

 ・後工程(維持管理)への引渡しもBIM/CIMデータのみで必要十分となる。

(3)単独の保有技術を合体させるBIM/CIMオペレーターの育成

・3Dモデルオペレーター、ICT技術の技能者など個々の保有技術を円滑に活用させる。

・定期的にBIM/CIMの活用方法や制度の改定に関する講習会の開催が必要。

2.最も重要と考える課題と課題に対する解決策

施工段階からBIM/CIMを導入すると、2D図面から3Dデータを作成することとなり、事業計画一連を通しての生産性が向上しないと考えることから、最も重要な課題として「計画・設計段階からの導入」に対する解決策を述べる。

(1)規格の標準化

・プレキャスト化の拡大

・プレハブ鉄筋。大型プレキャストへの適用で、プレキャスト化の更なる拡大。

・BIM/CIM制度をISO基準とする。海外建設事業へも適用。

(2)ICT技術の活用

・インフラデータプラットフォームの活用

・設計計算データより自動3Dモデル作成

・BIM/CIMモデルより、AIによる自動配筋システムの導入。

(3)BIM/CIM活用工事の原則義務化

・新技術導入入札制度の推進

・NETISの活用

3.新たに生じうるリスクとそれへの対策

・新技術を活用する際、規格に入らず適用外となる場合がある。

・技術革新に応じた制度の都度見直しが必要。



模範解答2 簡易答案1 建設部門、鋼コン 専門: コンクリート構造 2021/5/30


1.鋼橋コンクリート床版更新のプレキャスト生産業務の多面的なの課題

(1)全体計画・現地情報・部材情報・点検情報のデータ化 

 プレキャスト生産は、事前に整理された情報で円滑な施工を行うことが必要。調査から更新まで見据えた情報が正確にデータ化されてないので、各事業毎のデータが循環できる環境が不十分で、CIM特徴の一元管理を事業全体として活かせてない。

(2)3次元モデル作成に時間と労力が必要

 建設業がCIM活用へ向けた3次元化移行期間であり、発注情報が2次元の場合は変換・新規モデル化の作業が発生する。各事業毎のデータ精度も異なり、取捨選択の省力化が困難。事業途中でCIMモデル精度を高めた作業には時間と労力がかかる。

(3)CIMを利活用できる人材の不足

 CIMを扱える人材が不足している。データ入力・検証が行え全体を見据えた情報処理を熟せる技術者・経験者を、迅速に人材育成できる環境が整備されていない。

2.最も重要な課題と解決策

全体計画・現地・部材・点検情報のデータ化が重要な課題と考え、解決策を示す。

(1)建設生産情報の属性データ連携と管理システム整理

 フロントローディングによる円滑な施工のため、CIMデータ反映の目的よりデータ情報集約化を推進する。既橋梁情報の3次元データ化、ドローンや点群データによる現地情報データ化を行い、基幹システムとしてクラウド一元情報管理を行う。

(2)3次元データの汎用による設計作業省力化

 CIMの橋梁情報より、構造寸法データを利用して構造解析・設計計算・数量計算の自動作業を行う。FEM有限要素解析のモデル作成にも汎用できるようにデータの汎用性を高め、情報の共有化によるCIMの利活用を行う。

(3)3Dプリンターおよび4DCIMの活用

付属物や施工域情報を反映し、作業模擬を行うために3Dプリンターを活用する。取合いや施工障害物との離隔を事前に把握し、時系列がわかる4DCIMを活用する。

3.リスクと対策

リスクは、継続中の事業では、整理中の情報とタイムラグが生じ、情報読取りミスが発生ことである。測量・調査結果と混乱し誤った条件で作業するリスクもある。

対策は、最新および高精度の情報を随時更新すると共に、データ移行の同時性を含めた3次元スキャナーの普及、点群データから3 次元モデルの構築技術が必要。



模範解答3 簡易答案1 建設部門、鋼コン 2021/5/28


1)橋梁の点検業務において生産性の向上が期待できる

●解決すべき課題点

・導入コストが高額

・既存橋梁の3次元化に時間とコストがかかる

・既存の維持管理情報が異なるシステムで管理されている。

・人材・教育不足⇒教育により効率化(生産性の向上)(人手不足の解消)

・ソフトウェアの標準化と導入のタイミングの精査

(2)既存橋梁の3次元化にかかる時間とコストの解決策

・写真測量による3次元モデルの構築

・レーザースキャナーによる点群データ取得からの3次元モデル化

・徒歩環境にない箇所のドローンの活用

(3)共通して新たに生じるリスクと解決策

・データの大容量化と、辺境地における通信環境の確保

データの大容量にはクラウドを活用する⇒保存場所の確保とデータ共有

SDカードと高速通信の併用

5G環境をリスト化、クラウドへデータ抽出の頻繁化により端末データの軽量化



解説

 この問題は難解です。BIM/CIMは実際にはまだ普及していないにも関わらず、時代の新テーマを先取りする形で出題されました。しかし、実際に経験されているのはスーパーゼネコンや大手設計事務所の方だけかと思います。想像で解答したら一般論に終始して点が取れません。もしご経験がなければV-2を解かれることをお勧めいたします。

(1)BIM/CIMの活用により生産性の向上が期待できる業務として、「鋼橋コンクリート床版更新のプレキャスト生産業務の部材情報・点検情報のデータ化」などを挙げる方がいます。しかし、 データ化したとして、CIMでどう活用するのか、あてがなければ提案として成立しません。こうした提案では空想のアイデアではなく実現性のある提案が求められます。

  また同じく「3次元モデル作成のスピード化」、「2次元データを3次元化する作業」とかについては、必要ではありますが手段的なことであり、この問いの本質であるCIMの活用が見えていません。2Dの図面ではミスがあるからと、とりあえず3Dでは根拠のある提案になりません。

  このほか「CIM利活用の人材育成」とかあり得ますが、どんな人材を育成すればよいでしょうか。のCIMを活用するには、3次元CAD技術者では対応できません。 具体的に汎用のCADオペレーターの育成など何が違うか示す必要があります。



R2年、2021年 建設・鋼コン Vー2  問題 模範解答と解説

Vー2  鋼構造又はコンクリートの分野において,コスト削減や技術開発の促進、アカウンタビリティの向上、 国際化の対応等を図ることを目的として、性能規定化を一層促進させる取組が実施されている。しかしながら、様々な理由・課題により性能規定化の推進はいまだ十分とは言い難い。これらの状況を踏まえ、以下の問いに答えよ。

(1) 設計・施工において、性能規定化を促進するための課題を技術者として多面的な観点から示せ。

(2) 前問 (1) で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を一つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3) 前問 (2) で示した解決策を適切に実行した上で、新たに生じる懸念事項とその解決策について、専門技術を踏まえた考えを示せ。


模範解答1 簡易答案1 建設部門、鋼コン 2021/5/15


1、性能規定化促進のための課題

(1)第三者認証機関による新技術や設計施工法の審査・認定手続きの早期化推進

腐食診断技術等を開発し公平で統一的な審査・認証を可能とするため高度な技術力を有する第三者認証機関を設立し審査・認定の精度向上及び手続きの早期化

(2)技術(シーズ)と性能(ニーズ)のマッチング制度構築で相互サイクル促進

 鋼道路橋設計施工ノウハウ不足の発注者支援や促進するため、ニーズとシーズマッチングを担う人材確保した拠点整備と同時に実装後フォローでサイクル促進

(3)鋼道路橋技術基準類の体系的性能規定化促進し高度化

鋼橋の要求性能(耐荷力、耐久性、安全性、使用性、環境性能、施工性)の性能確認方法と技術基準類体系的に整備し性能設計を高度化し促進

2、(3)の『技術基準類の体系的性能規定化』に対する解決策

(1)耐候性鋼材適用性評価の精緻化による作用側評価の高度化

 同時期・同地域施工の橋梁に対して、立地条件、部材との立体的位置関係、遮蔽有無などの追加条件による腐食状況追跡調査分析で耐久性評価信頼性向上

(2)耐久性向上させるダメージコントロールの抵抗側評価

 トラス橋格点の複雑な地震時塑性挙動実態を解析的、実験的検討により、がセット板厚式を定式化し挙動評価可能な構造細目等条件を絞り込みダメージコントロール設計可能とし高度化

(3)維持管理への性能規定化設計の適用拡大

 腐食当板補強設計における損傷程度や補強材料のばらつきを足し合わせる際は母材と補強材の断面積(剛性)比率を重みにした係数設定で適正断面・工法選定

3、新たな懸念と解決策

懸念@:精緻化に必要となる実験や解析データの大量収集により、値のばらつきが大きくなり信頼性低下が懸念

解決策@:蓄積した試験データの統計分析から、差別化候補を抽出し、説明変数を絞り込む事(変数減少法)で評価精緻化

懸念A:性能規定設計法にて鋼鈑桁設計時に正曲げ部の上フランジ(35mm)と下フランジ板厚(33mm)で逆転し実現象で想定される応力状況との齟齬

解決策A: 圧縮時の上フランジの変動作用時に制限値を割増して永続作用時での割増を考慮し上フランジはコンクリート床版との断面合成を考慮し応力低減


解説

鋼コンで言う性能規定、性能とはどのような事項なのか?まずはそれを明らかとするように。

主題である「性能規定」か不明確だと、答案全体が一般論での解答となってしまい、最悪の場合C評価となる危険性があるので注意してください。前提条件を与えられたのに、それにこたえていないと、すなわち答えが書かれていないと判断される危険性があります。


模範解答1 簡易答案2 建設部門、鋼コン 2021/5/17


1、性能規定化促進のための課題

(1)第三者認証機関による審査・認定手続きの早期化

 高度な技術力を有する第三者認証機関を設立し、腐食診断技術等の開発技術に対して公平で精度の高い審査・認証を可能とすることで、手続きを早期化する。

(2)開発技術と必要性能のマッチング制度構築で相互サイクル促進

 必要性能と開発技術マッチングを担う高度人材確保による拠点整備し、鋼道路橋設計施工ノウハウ不足発注者に対する技術支援と発注者との連携経験が少ない技術開発者とのマッチング支援と実装後フォローで開発と実装サイクルを促進する。

(3)技術基準類の体系的・包括的性能規定化による性能規定設計の促進

 鋼橋の要求性能(耐荷力、耐久性、安全性、使用性、環境性能、施工性)に関する確認方法について関連するすべての技術基準類を体系的かつ包括的に性能規定化することで設計整合性を維持しつつ性能規定設計を促進する。

2、(3)の『技術基準類の体系的性能規定化』に対する解決策

(1)推定精度向上による作用側評価の信頼性向上

 同時期・同地域施工の橋梁に対して、海岸線からの距離の指標に加えて、立地条件、部材との立体的位置関係、遮蔽有無の条件追加による腐食環境の推定精度の向上により耐久性評価の信頼性向上させる。

(2)被災形態と解析的分析によるダメージコントロール(抵抗側)の信頼性向上

 トラス橋格点の複雑な地震時塑性挙動実態を解析的、実験的分析により、ガセット板厚式を定式化し、挙動評価可能な構造細目等条件を絞り込無ことでダメージコントロール設計を実現し、損傷制御(抵抗側)の信頼性を向上させる。

(3)性能規定化設計の維持管理部門への適用拡大

 腐食当板補強設計では、母材と補強材の断面積(剛性)比を重みにした部分係数設定し減肉や補強材料ばらつきを考慮することで、当て板断面設計を適正化する。

3、新たな懸念と解決策

懸念@:精緻化に必要となる実験や解析データは多種多様な材料、規格、溶接条件下で収集されているため、耐久性評価の信頼性低下が懸念される。

解決策@:蓄積した実験・解析データの統計分析から、差別化候補を抽出し、説明変数を絞り込む事(変数減少法)で評価を精緻化する。

懸念A:鋼桁の上フランジ断面が仕様規定設計時より厚くなり、その決定ケースが永続荷重作用時となることから、RC床版と鋼桁との合成効果を考慮できてなく非合理的断面となっていることが懸念される。

解決策A: 応力実測値を分析し、永続作用時でも変動作用時と同様に鋼桁上フランジの圧縮制限値に合成効果による割増しを考慮することで実態に見合った設計合理化する。


模範解答1 答案形式 建設部門、鋼コン 2021/5/18


1、性能規定化促進のための課題 

(1)第三者認証機関による審査・認定手続き早期化 

 高度な技術力を有する第三者認証機関を設立する。腐食診断技術等の開発技術に対して公平で精度の高い審査・認証を可能とすることで、手続きを早期化する。 

 開発技術に加えて、設計・施工におけるに対する

(2)マッチング制度構築で技術開発サイクル促進

 必要性能(ニーズ)と開発技術(シーズ)のマッチングを担う拠点を整備する。

 それにより、鋼道路橋設計施工ノウハウの不足する発注者に対する技術支援と、発注者との連携経験が少ない技術開発者とのマッチングの支援と、実装後のフォローアップが可能となり、技術開発と実装のサイクルが促進される。

(3)技術基準類の体系的・包括的性能規定化

 鋼橋の要求性能(耐荷力、耐久性、安全性、使用性、環境性能、施工性)の確認方法について関連するすべての技術基準類を体系的かつ包括的に性能規定化する。

 これにより、関連する設計基準類の整合性を確保しつつ性能規定化されるため、構造安全性や品質を担保できる。開発された新材料・新工法は、信頼性に応じて適切な評価がなされ、採用が促進されることで工期短縮やコスト削減が実現可能となる。

2、(3)の『体系的・包括的性能規定化』の解決策

(1)推定精度向上による作用側評価の信頼性向上

 同時期・同地域施工の橋梁に対して、海岸線からの距離の指標に加えて、立地条件、部材の立体的位置関係、遮蔽の有無の条件を追加し腐食状況の調査を実施する。

 それにより、腐食発生度合いの推定精度が向上し鋼橋の耐久性に関する作用側評価の信頼性を向上させる。

(2)ダメージコントロール(抵抗側)の信頼性向上

 トラス橋格点の複雑な地震時塑性挙動を実構造物での損傷調査により主要な破壊形態を特定し、実験的や解析的に再現したパラメータ解析することで、ガセット板厚式を定式化する。

 その際は、挙動を再現・評価可能な構造細目等の条件を塑性化順序や塑性部位を絞り込むことでダメージコントロール設計の信頼性を向上させ、損傷制御(抵抗側)の評価を精緻化させる。

(3)性能規定化設計の維持管理部門への適用拡大

 鋼I桁端部下フランジ腐食部への当板補強設計では、引っ張り及びせん断照査時は、母材と補強材の断面積(剛性)比を重みにした部分係数を、曲げ照査時はさらに終局時の中立軸からの距離も重みとして足し合わせた部分係数を設定する。

 その結果、減肉評価や補強材料と損傷面との接合相性や施工方法の違いに応じた効果のばらつきが考慮可能となることで、当て板断面設計の信頼性が向上する。

3、新たな懸念と解決策

(1)懸念@:前提条件過多による信頼性低下

 精緻化に必要となる実験や解析データは多種多様な材料、規格、溶接条件下で収集されているため、不要なデータによる耐久性評価の信頼性低下が懸念される。

(2)解決@:変数減少法による精緻化

 まず、蓄積した疲労強度試験データを大まかな継手形式で差別化する。その上で、実験・解析データにおける使用材料、溶接パス数、仕上げの有無等の溶接条件毎の主成分得点と因子負荷量を統計分析し、差別化候補となる条件を抽出し、説明変数を絞り込む事(変数減少法)で各種溶接継手の疲労寿命の推定精度を向上させ、耐久性の信頼性を向上させる。

(3)懸念A:導入時初期時における不整合

 鋼桁の上フランジ断面照査RC床版と鋼桁との合成効果を考慮できてないため仕様規定設計法より厚くなることから、過大設計が懸念される。

(4)解決A:既往設計結果と実応力による比較検証

 応力実測値を収集・分析し、安全性を確保しつつ、永続作用時でも変動作用時と同様に鋼桁上フランジの圧縮制限値に合成効果による割増しを考慮することで板厚を最適化する。

 その他、導入当初の不整合に対しては、仕様規定設計を参考に、設計適合みなし規定における照査式や構造詳細と経済性や安全性の比較することで導入初期の不整合の検証が可能となる。



 

鋼コンで言う性能規定、性能とは何なのか?まずそれを明らかとする。

一般論での解答はC評価、すなわち答えが書かれていないと判断される危険性があります。

R2年、2021年 建設・都市地方計画 T−2 問題 模範解答と解説

I-1 我が国の社会インフラは高度経済成長期に集中的に整備され、建設後50年以上経過する施設の割合が今後加速度的に高くなる見込みであり、急速な老朽化に伴う不具合の顕在化が懸念されている。また高度経済成長期と比べて、我が国の社会・経済情勢も大きく変化している。こうした状況下で、社会インフラの整備よってもたらせる恩恵を次世代へも確実に継承するためには、戦略的なメンテナンスが必要不可欠であることを踏まえ答えよ。

(1)戦略的なメンテナンスを推進するにあたり、多面的な観点から課題を抽出し内容を示せ

(2)最重要課題を1つだけ、その課題に対する複数の解決策

(3)解決策に共通して新たに生じうるリスクとそれへの対策

(4)必要となる要件を、技術者としての倫理、社会の持続可能性の観点から述べよ


模範解答1 簡易答案1 建設、都市地方計画 専門:都市交通 2021/7/8


1.多面的な観点からの課題

@ 問題:インフラ施設の老朽化(建設後50年経過のインフラ:道路橋2033年に63%)

 →課題: ライフサイクルコストを最小限におさえる効率的なメンテナンス【コスト最小】

A 問題:インフラの老朽化は全国的に分散しておりメンテナンスの前段の現状把握に時間を要する →課題:ドローン等の最新技術の活用による効率的な点検【最新技術の活用】

B 問題:労働力不足(建設産業の就業者数の減少)

 →課題:AIの活用による効率的なデータ処理・分析【人に換わる担い手の確保】

2.最重要課題とそれに対する複数の解決策

@最重要課題:ライフサイクルコストを最小限におさえる効率的なメンテナンス

A複数の解決策:

予防保全型のメンテナンスの導入:建設後50年を迎える前段階で維持・修繕を行うことで大規模な回収を避けて、ライフサイクルコストの最小化を図る。築年数を勘案しつつ、優先順位を決めた効率的なメンテナンスを実現する。

非破壊試験等の実施により点検・調査時間の短縮:従来の目視・打設による点検に代わり、赤外線等を使用した非破壊試験による調査により、効率的な点検を行う。

過疎地等におけるインフラの集約・再編を踏まえた維持管理:すべてのインフラ整備の維持管理を行うことは現実的ではないことから、まちづくりの方向性と整合した最適なインフラの維持管理を行う。既存インフラの活用、立地適正化による集約により必要最小限のインフラに対して確実な維持管理を行う。

3.解決策に共通して生じるリスクとそれへの対応

@生じるリスク

 ・最新技術を導入することで、それに偏重した維持管理となり、その結果、維持管理・点検に関する技術力の低下、熟練技術者でしか把握できない現場の変調等を見逃すリスクが発生する。

Aリスクへの対応

 ・維持管理・点検手法を合理性だけで転換するのではなく、従来型の点検をサンプリングを実施するとともに、膨大なデータの活用により、従来型の点検を行う箇所を絞り込むなど、最新の技術を活用した新たな手法を確立する。加えて、将来に向けた技術継承を行う。

4.必要となる要件:上記を行うために必要なこと

@技術者倫理:最先端の技術を積極的に取り入れ、コストを最小限とする。そのためには、NETISの登録・学術的な評価等の裏付けされた手法の採用が必要となる。これは、技術者倫理の公衆の利益に相当する。

A社会持続性:点検やメンテナンス手法が将来的にも継続的に活用されることが望ましい。そのためには、ICTの活用により調査結果のデータベース化、取得したデータの分析による早期のメンテナンス計画、大規模災害時における災害時の避難場所・避難計画等が必要である。これはSDGs 11b「安全・強靭かつ持続可能性」に相当する。


解説

@留意点として、「既存技術を活用する」とかは一般的に行うことであって、高い評価が得られにくいです。そこで、新たな技術を導入するにはどうするか。普通は困難でできないことですが、NETISを参照するとか「オープンイノベーション」手法をとるとか工夫して方法論を提起してください。これが問3で書くべき「要件」、すなわち「私」が個人裁量で提案する改善です。

A社会持続性を高めるために、「今後起こりうる大規模災害に対する社会インフラの強靭化を図る」などと提案すると、新たな事業費がかかってしまいます。「私」が個人裁量で提案する要件として、それは無理です。そこで、問2で提案した業務は「予防保全、非破壊試験、インフラ再編」でしたから、これらを情報化手法で行うとか、低炭素や資源循環の目標を与えるとか、従事する職員(ジェンダー、年齢)に工夫して労働力確保するなど工夫してSDGs に対応してください。


模範解答2 簡易答案1 建設部門、都市地方計画 2021/6/27


1. インフラの戦略的メンテナンスの推進の課題

(1)先進技術を活用した既存インフラの有効活用 一斉に老朽化が進み膨大な数の対策。厳しい社会状況の中、効率化・高度化が必要。先進技術を有効活用する。

(2)ライフサイクルコストの縮減 老朽化が一斉に進行、改修時期集中、膨大なコストが発生。予防保全型によるコストを平準化する。

(3)戦略的なメンテナンスの担い手の確保・育成 建設業従事者の減少、技術者不足。従来の管理技術や知識に加え、先進技術を活用できる人材の確保・育成する

2. 最も重要と考える解決策 (1)先進技術を活用した既存インフラの有効活用

(1)維持管理の効率化・高度化する先進技術の活用 手作業の点検、診断作業は、多額なコストと時間が必要。UAVや点検ロボット、AI等の先進技術を活用し、点検診断の合理化や記録などの集約作業の効率化、高度化を図る。現場作業の省人化、省力化と併せて、作業の安全性向上。

(2)ICT技術の活用 近年の豪雨災害で水位計の設置されていない河川の多くで人的被害が発生。洪水時に特化した小型・低コストの危機管理型水位計の設置。超高性能気象レーダーを活用し、人的被害の軽減及び適切な維持管理を行う。

(3)BIM/CIMの活用 建設産業全体で進められているBIM/CIMの取組を維持管理にも活用。先進技術導入により得られる点検・補修などの記録を3次元データ上で管理、戦略的なメンテナンスを図る

3. 共通して新たに生じるリスク 1)先進技術の過度な依存 先進技術導入により、作業が効率化・安心度の向上から、確認作業が欠落する可能性がある。そのため、求められている技術の・理論や行程を理解が必要となる。

2)想定外のエラーについての対処 効率的に機械化された作業は、決まったことしか、判断できない。想定外の事象が生じた場合、検知機能を作動させ、最終的に人間が判断する。

4. 業務として遂行するに当たり必要となる要件 技術者倫理を高めるためには、新技術を活用し、作業の安全性を向上し、安全・安心なまちづくりを推進する。これは、技術者倫理の公衆の利益に相当する。

社会持続性を高めるためには、災害に対する社会インフラの強靭化を向上と想定外の災害時に人命の安全を確保するための避難対策を講じる。これはSDGsの11b「安全・強靭かつ持続可能性」に相当する。


模範解答2 簡易答案2 建設、都市地方計画 2021/6/30


1.インフラの戦略的メンテナンスの推進の課題

(1)先進技術を活用した既存インフラの有効活用

 高度成長期に整備された社会資本は、一斉に老朽化が進み膨大な数の対策が必要となる。厳しい社会状況の中、既存インフラ施設の機能の効率化・高度化の向上が必要である。そのため、先進技術を有効活用する。

(2)ライフサイクルコストの縮減 

社会資本の老朽化が一斉に進行しているため、改修・更新の時期が集中する。特に集中した期間は、膨大なインフラ整備コストの発生が生じ、財政負担が厳しくなる。そのことから、予防保全型によるコストを平準化する。

(3)戦略的なメンテナンスの担い手の確保・育成 

少子高齢化の事象と併せて、建設業の生産性が低いことから、建設業従事者の減少及び技術者不足の状況である。また、建設現場は、状況ごとに条件が異なるため、一品受注生産が基本である。そのため、現場での経験が不可欠な、従来の管理技術や知識に加え、先進技術を活用できる人材の確保及び育成する。

2. 最も重要と考える解決策

前段(1)先進技術を活用した既存インフラの有効活用と考える、以下に述べる。

(1)維持管理の効率化・高度化する先進技術の活用 社会インフラ施設の手作業による点検、診断作業は、多額なコストと時間が必要である。そのため、UAVや点検ロボット、AI等の先進技術を活用し、点検診断の合理化や記録などの集約作業の効率化、高度化を図る。また、現場作業の省人化、省力化と併せて、作業の安全性向上を図る。

(2)ICT技術の活用 

近年の豪雨災害で水位計の設置されていない河川の多く、人的被害が発生している。そこで、洪水時に特化した小型・低コストの危機管理型水位計を設置する。併せて、超高性能気象レーダーを活用し、人的被害の軽減及び適切な維持管理を行う。

(3)BIM/CIMの活用 

建設産業全体で進められているBIM/CIMの取組を維持管理にも活用する。先進技術導入により得られる点検・補修などの記録を3次元データ上で管理する。そのことにより、データの可視化により、構造物の作業箇所のチェックが容易となり、手戻り作業の削減に繋げる。また、過去に作成された2次元データを3次元化し、データの統一化を図る。データを活用した戦略的なメンテナンスを図る。

3. 共通して新たに生じるリスク 

1)    先進技術の過度な依存 

先進技術導入により、作業が効率化されるとともに安心度が向上される。そのことから、確認作業が欠落する可能性が生じる。そのため、求められている技術及び理論や行程の理解が必要となる。

2)想定外のエラーについての対処 

効率的に機械化された作業は、ルーチン化されている場合が多いことから、決まったことしか、機械は判断できない。そのため、想定外の事象が生じた場合、検知機能等を作動させ、最終的に人間が判断する。

4. 業務として遂行するに当たり必要となる要件 

技術者倫理を高めるためには、新技術を活用し、作業の安全性を向上させ、安全・安心なまちづくりを推進する。これは、技術者倫理の公衆の利益に相当する。

社会持続性を高めるためには、災害に対する社会インフラの強靭化を向上させ、併せて、想定外の災害時に人命の安全を確保するための避難対策を講じる。これはSDGs11b「安全・強靭かつ持続可能性」に相当する。


模範解答3 簡易答案1 建設部門、都市地方計画 専門: 公園緑地 2021/2/14


1、課題と分析

(1)UAV測量技術による省力化:高所の橋桁等をドローン写真測量で劣化・健全度を3次元的に把握すると共に、作業時間の短縮化と作業の省力化を図る。

(2)ICT活用によるコスト縮減:擁壁等の地盤構造物の人手を要する作業分野をICT等の情報通信技術を活用した変状計測で作業の効率化とコスト縮減を図る。

(3)メンテナンスサイクルの確立:施設ごとの長寿命化計画を核として、点検・診断・修繕・更新といった予防保全を徹底したメンテナンスサイクルを確立する。

2.重要な課題と解決策

(1)課題:UAV測量技術による省力化

(2)解決策:

@立体的・直感的な情報共有:点検で得たデータを3次元モデル上で写真とリンクし立体的・直感的な情報共有で遠隔地からの点検支援が可能となる可視化を図る。

AAIによる劣化分析:UAVが撮影した大量の写真やデータをAIによる損傷区分のスクーリング整理や変状の経年変化の蓄積化により劣化メカニズムを分析する。

B非破壊検査による効率化:構造物の試料採取を行うことなく、赤外線やレーザー、電磁波を用いて構造物の表面や内部状態を点検診断し維持管理の効率化を図る。

3.リスクと対策

(1)リスク:点検診断の省力化により作業効率が進む一方で、クラウドにシステム障害が生じた際、蓄積されていた重要データの消滅や複数のシステム間のデータ連携や対応に手間取り業務遂行が困難となって工期遅延による経済損失が生じる。

(2)対策:機器のメンテナンス業者との連携を図ると共に、業務継続を意識したバックアップ体制の構築やICT技術に対応できる技術者の育成を図るなど業務を完結できる体制づくりを行う。

4.必要要件

(1)技術者倫理:ICT技術の点検結果だけでなく、施設の立地環境や維持管理の状況によっては補修対策の範囲や劣化状態に応じた対策工法をその場で判断し、対応する必要がある。これは技術者倫理綱領の継続研鑽に相当する。

(2)持続可能性:ICT技術はロボット開発やデザイナー等、見方の違う多様な人材の獲得と活用がキーとなるため、女性のエンパワーメントを活用し社会の持続的発展につなげていく。これはSDGs17目標の5.b女性の能力強化促進に相当する。


解説

 課題と分析において、新技術の活用をする提案は前向きな考えでよろしいですが、しかし問いの趣旨は「戦略的なメンテナンス」です。単なる手段的な提案に留まらずに、最終成果に至る課題遂行能力を表現するようにしましょう。

 問われているのはメンテナンスなので、補修や改修、建て替えをイメージできる説明が良いでしょう。特に、解決策として、新設や設計、計測などと言った解決策に終始していては、メンテナンスの趣旨が読み取れません。

 リスクの回答としてよくあるのが「新たな設備投入の結果としての故障、トラブル」ですが、しかし、故障や情報漏えいは技術開発につきものであってリスクとしては常識です。ICT機器とはそんなに故障が多いのでしょうか。また、出題の趣旨は、自身で提案した「問2の解決策に由来するリスク」であり、これはいわば自己提案に対する評価を求めています。ここは冷静に考える必要があります。


R2年、2021年 建設・都市地方計画 U−1−1 問題 模範解答と解説

U-1-1 第二次国土形成計画(全国計画)が国土の基本構想として示す「対流促進型国土の形成」について、「対流」の概念に触れて説明せよ。また、国土の基本構想の実現に、リニア中央新幹線によるスーパー・メガリージョンの形成がどのように資することが期待されるか述べよ


模範解答1 簡易答案形式1 建設部門、都市地方計画 専門: 都市交通 2021/5/7


1.対流促進型国土の形成

・国土形成における対流とは、地域で活性化された活動が、相対的に活動力が低い地域に流れ込み活性化を促すことで、包括的な活性化を促す。

・すなわち、地域での産業・経済を活性化させ、更に当該地域にとどまることなく、国土軸でつながれている他の地域へ波及することで堅固な国土を形成することが基本構想の考え方である。

・そのためには、堅固な国土軸の形成や、結節機能、都市機能の強化等が必要となり、主要駅の整備や地域産業の活性化等が求められる。

・その他、国内外問わず波及できるような最新のICT等を活用した情報発信・プラットホームづくりが必要である。

2.リニア中央新幹線によるスーパー・メガリージョンへの形成が資すること

・都市圏単位でのコンパクト+ネットワークの強化(生活)

・広域都市圏の形成により経済活動の活性化(産業)

・各拠点を起終点とする観光・交流の促進(観光)

・拠点の分散化によるリダンダンシー機能の強化(防災)


解説

 まず「対流促進型国土の形成」または「対流促進型国土」とは何か、これを言葉で表すことです。

「安全で豊かさを実感することのできる国土の形成」、「経済成長を続ける活力ある国土の形成」「国際社会の中で存在感を発揮する国土の形成」などと言い表せるかもしれませんが、しかし、これらは基本理念、前提にすぎません。

そもそも、「対流」の概念とは何か。この比喩的表現で表しているのは経済交流や情報交換です。

 そこで基本に立ち返って「〇〇について説明せよ」の答えは、〇〇のそもそもの成り立ちの用語を引用して考えることをお勧めいたします。例として「PCR唾液検査キット」、「2021年連休早見カレンダー」このような用語の意味は何か。これを言葉で表すとどうなるかお考え下さい。

 このほか、この答案に対しては次のことをご指摘申し上げました。

相乗効果をもたらしていく。原点に立った考え方を示す。

答案の書き方として、「理解してください」はありません。理解を読み手に強いるのはNGです。

自分のことばでかみ砕いて書き出すように。

このほか、国土の形成の説明に終始してはいけません。

日本の事情がわかるものを提示するように。そのためにはやはり、対流の概念が必要になりますので、これは文章中で触れるようにしてください。 

言葉の意味だけでなく、技術士としての考え方、施策が求められているので、熟語の意味を調べても本当の概念に近づきません。

白書を読みあさるだけでなく、自分で考えることです。

そして、それぞれの言葉を説明するキーワードに込められた背景等を示すことです。


模範解答1 簡易答案形式2 建設部門、都市地方計画 専門: 都市交通  2021/5/9


1.対流促進型国土の形成

・国土形成における対流とは、地域で活性化された活動が、相対的に活動力が低い地域に流れ込み活性化を促すことで、包括的な活性化を促すものである。

・これは、すなわち、地域での産業・経済を活性化させ、更に当該地域にとどまることなく、国土軸でつながれている他の地域へ波及することで堅固な国土を形成することが基本構想の考え方である。

・そのためには、堅固な国土軸(道路ネットワークや鉄道ネットワーク)の形成や、結節機能(例えば新大阪駅などの大規模ターミナル駅でのリニア・新幹線と在来線、バス等への接続)、都市機能(例えばリニア駅としての新大阪駅の魅力向上のための集客・滞留施設等の整備)の強化等により主要駅を含めた周辺のまちや地域産業の活性化等が求められる。

・加えて、国内外問わず活性化が波及されるように最新のICT等を活用した情報発信・プラットホームづくりが必要である。例えば、公共交通機関のリアルタイム混雑状況、最適な交通手段選択等に関する情報提供、MaaSの導入によるシームレスな人流の確保などが挙げられる。

2.リニア中央新幹線によるスーパー・メガリージョンへの形成が資すること

・人口減少が進む中、東京都市圏・中京都市圏・近畿圏等の都市圏単位でのコンパクト+ネットワークの強化により、少子高齢化においても快適な市民生活を実現する。

・リニア整備により短時間での広域移動が可能となったことにより企業の活動エリアが飛躍的に拡張され、経済活動の活性化が見込まれる。

・新大阪や名古屋などの各拠点からそれぞれの地域における世界遺産等の観光や公園等の広域施設における交流の場が創出される。

・加えて、大規模災害がひっ迫する状況の中、拠点の分散化することでリダンダンシー機能の強化を図り、災害時での人流の確保、サプライチェーンの確保が可能となる。


模範解答1 答案形式 建設部門、都市地方計画 専門: 都市交通  2021/5/9


 

1.対流促進型国土の形成

国土形成における対流とは、地域で活性化された活動が、相対的に活動力が低い地域に流れ込み活性化を促すことで、包括的な活性化を促すものである。これは、すなわち、地域での産業・経済を活性化させ、更に当該地域にとどまることなく、国土軸でつながれている他の地域へ波及することで堅固な国土を形成することが基本構想の考え方である。

そのためには、堅固な国土軸の形成や、結節機能、都市機能の強化等により主要駅を含めた周辺のまちや地域産業の活性化等が求められる。加えて、国内外問わず活性化が波及されるように最新のICT等を活用した情報発信・プラットホームづくりが必要である。

2.リニア中央新幹線への期待

人口減少が進む中、東京都市圏・中京都市圏・近畿圏等の都市圏単位でのコンパクト+ネットワークの強化により、少子高齢化においても快適な市民生活を実現する。リニア整備により短時間での広域移動が可能となったことにより企業の活動エリアが飛躍的に拡張され、経済活動の活性化が見込まれる。また、観光交流の促進が期待される。

更に、大規模災害がひっ迫する状況の中、拠点の分散化することでリダンダンシー機能の強化を図り、災害時での人流の確保、サプライチェーンの確保が可能となる。                  以上



模範解答2簡易答案形式1 建設部門、都市地方計画 専門: 地区計画 2021/5/8


 

1.「対流促進型国土の形成」について

◆ 対流促進型国土とは、「対流」によって地域間、産業間の結び付きを強固にし、地域の個性を磨き、新たなイノベーションを生み出すことで活力ある社会の実現を図るものである。

ここで、対流とは個性ある地域が相互に連携し、ヒト、モノ、カネ、情報が活発に動くことである。

また、コンパクトに集積された地域が、高次元の広域ネットワークにより繋がることが対流促進型国土の形成に不可欠となる。

2.スーパー・メガリージョンが資すること

◆ リニア新幹線駅周辺部での都市機能・生活拠点の集約化による土地利用効率化

※補足:公共施設等の合理化による整備事業費の削減 ⇒ 地域間の人口偏在がある程度許容可能に

◆ 低密度化する郊外部での公園・緑地・農地等への土地利用転換

※補足:農地の集積等で営農効率化を進め、農業就業者不足を緩和する。

◆ 低炭素で高エネルギー効率によるサスティナブルな都市の推進


模範解答2簡易答案形式2 建設部門、都市地方計画 専門: 地区計画  2021/5/12


 

1.「対流促進型国土の形成」について

対流促進型国土とは、「対流」によって地域間、産業間の結び付きを強固にし、地域の個性を磨き、新たなイノベーションを生み出すことで活力ある社会の実現を図るものである。

ここで、対流とは個性ある地域が相互に連携し、ヒト、モノ、カネ、情報が活発に動くことである。

また、コンパクトに集積された地域が、高次元の広域ネットワークにより繋がることが、対流促進型国土の形成に不可欠となる。

2.スーパー・メガリージョンが資すること

A)   土地利用効率化

リニア新幹線駅周辺部で都市機能および生活拠点を集約化させることで、土地利用効率化に寄与する。

上記により、公共施設等の管理合理化を推し進め、人口が減少する地域において都市整備事業費を削減する。

B)   自然や農地を保存、再生、利用する国土形成

都市のコンパクト化に伴い低密度化する郊外部において、公園・緑地・農地等への土地利用転換を行う。自然環境と良好な景観を再生することに加え、農地を集積させて営農効率化を図り、農業就業者不足緩和を実現する。


模範解答2答案形式 建設部門、都市地方計画 専門:  地区計画 2021/5/23


 

1.「対流促進型国土形成」について

対流促進型国土形成とは、「対流」によって地域間・産業間の繋がりを強固にし、個性ある地域の交流促進によりイノベーション創出を志向する政策思想である。

ここで、「対流」とは、個性ある地域が相互に連携し、ヒト、モノ、カネ、情報が活発に動くことである。

2.スーパー・メガリージョンが資すること

A)土地利用効率化

リニア新幹線駅の周辺部において、都市機能および生活拠点を集約化し、土地利用効率化を促進する。

上記の土地利用効率化により、公共施設等の管理形態の合理化が促進され、都市整備事業費の削減を図ることが可能となる。よって、地域間の人口偏在がもたらす財政力格差を緩和できる。

B)自然や農地を保存、再生

都市のコンパクト化に伴い低密度化する地方都市の郊外部において、既存市街地から公園・緑地・農地等への土地利用転換を進めることに資する。

C)国土の安全性確保

広域高次ネットワークにより、大規模災害時における大動脈および中枢機能のリダンダンシー確保とライフラインの複層化に資する。



 

R2年、2021年 建設・都市地方計画 U−1−2 問題 模範解答と解説

U-1-2 立体都市計画制度について、概要、意義、制度を活用する際の留意点を説明せよ。さらに、立体都市計画制度を適用して建築物と上下一体で整備するに当たり、立体都市計画制度だけでは整備出来ない理由と定めることが必要な事項について、都市計画法、道路法、建築基準法にふれて説明せよ。


模範解答1簡易答案形式2 建設部門、都市地方計画 専門:   2021/3/21


 

1.立体都市計画制度概要

道路等の公共施設の区域を立体的に定め、都市計画施設以外の空間利用を自由にすることで、道路等と重複利用した施設の設置が可能となる制度である。

2.意義

 公共空間敷地を重複利用することにより、土地の有効活用の促進及び土地取得費用の軽減を図れ、良好な市街地環境を維持しつつ適合かつ合理的な土地利用を促進する。

3.立体都市計画制度だけでは整備出来ない理由、定めることが必要な事項

1)都市計画法は、用途・高さ限度・都市計画施設等の制限が有り、制限解除のため地区整備計画(12条の11)を定める。

用途・高さ限度・都市計画施設等の制限が有る。

2)道路法は、道路の占用物件・構造制限があり、道路区域(法47条)の決定

道路管理者と調整が必要である。

3)建築基準法は、敷地と道路の関係・敷地内の建築制限(法43・44条、敷地、建蔽率、構造基準、用途)があり、適用除外するため都市計画法の地区計画を定める。

4必要な事項及び留意事項

 都市計画施設の区域内であっても、建築制限を適用除外又は建築を許可することを事前に明示する必要がある。例えば道路敷地の上部に地役権設を行い建築物等を建設する、施設整備者と管理協定を結び空中通路の設置あるいは高架道路区間の下を、定期借地権の設定を行い商業施設等の建築する等の場合に応じた方法で建築制限の緩和をする。


模範解答1答案形式 建設部門、都市地方計画 専門:   2021/3/27


 

1.立体都市計画制度概要

道路等の公共施設の区域を立体的に定め、都市計画施設以外の空間利用を自由にすることで、道路等と重複利用した施設の設置が可能となる制度である。

2.意義

 公共空間敷地を重複利用により、土地の有効活用の促進及び土地取得費用の軽減を図れ、良好な市街地環境を維持・適合・合理的な土地利用を促進する。

3.制度だけでは整備出来ない理由、必要な事項

@都市計画法 用途・高さ限度・都市計画施設等の制限が有り、制限解除のため地区整備計画(12条の11)を定める。

A道路法 道路の占用物件・構造制限があり、道路区域(法47条)を定め、管理者と調整が必要である。

B建築基準法 敷地と道路の関係・敷地内の建築制限(法43・44条)があり、適用除外するため都市計画法の地区計画を定める。

4必要な事項及び留意事項

 建築制限を適用除外又は建築を許可することを事前に明示する必要がある。例えば@道路敷地の上部に地役権設を行い建築物等の建設A施設整備者と管理協定を結び空中通路の設置B高架道路下を、定期借地権の設定を行い商業施設の建築等の建築制限の緩和を行う。施設整備により結束機能が拡充されるため、バリアフリー化、ネットワーク形成に留意し計画する。



R2年、2021年 建設・都市地方計画 U−1−4 問題 模範解答と解説

U-1-4 「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー法)」に基づく都市公園の移動等円滑化の考え方を、特定公園施設及び移動等円滑化園路にふれて説明せよ。


模範解答1簡易答案形式1 建設部門、都市地方計画 専門:公園緑地  2020/10/22


1.公園の安全な出入り口の確保

 ・公園の利用者にとってわかりやすく利用しやすい位置に出入り口を配置する。

 ・利用者が安心して通行ができる有効な幅員を確保する。

 ・車両が進入しないよう車止め柵を設け、安全な移動等円滑化園路に接続させる。

2.移動を円滑化するアクセス路の確保

 ・車いすで公園内を周遊できるように、幅員・勾配等に配慮した移動等円滑化園路を配置する。

 ・様々な身体特性の人々が歩きやすく、すれ違いに配慮した有効幅員を確保する。

 ・わかりやすい案内板や手すりによる誘導を行うなど、様々な身体特性の人々のアクセス化を図る。

3.施設への連続性の確保

 ・便所や水飲み場、休憩所などの特定公園施設に対し、高齢者や子どもなどが利用しやすい位置に配置する。

 ・アプローチの段差や勾配、進入スペースは、一定の基準に基づいた整備とする。

 ・園路は、特定公園施設のうち1経路以上とし、主要な公園施設と接続させる。


解説

 単に、都市公園の移動等円滑化の考えを説明すれば良いだけと考えようにしてください。拡張すると難しくなります。文中の「特定公園施設」や「移動等円滑化園路」は、主題ではないので単に説明の途中で触れるだけで構いません。

 まずは、「考え方の柱は何か」を述べて、それについて肉付けするイメージです。考え方、価値観、ねらいを「文章形」であらわすようにしましょう。白書の暗記で得たからと言って、言葉、用語の意味の羅列では出題趣旨の答えになりません。何のために何をするのか、ご自分の意思で考えてシンプルに捉えるようにしてください。

 また、問題文に長い前置きフレーズが付いたとしても、惑わされないようにしましょう。この問題は、「都市公園での移動の円滑化はどうやって設計するのか」という問いです。対象となる経路は、「入り口から特定公園施設まで」であり、経路の仕様は、「移動等円滑化園路のグレード」にし、この際の仕様は、バリアフリーとするということです。

 なお、答案の文字数が増加しがちですが、簡易答案ではお考えを絞り込んで、指定された文字数や行数以内で解答するように努力してください。これによって大事なことを選別する力が養われて、解答が発散して減点されることがなくなります。いわゆるブレない考え方になれます。


模範解答1簡易答案形式2 建設部門、都市地方計画 専門:公園緑地 2020/10/24


1.安全な出入り口の確保

公園利用者にわかりやすく利用しやすい位置に出入り口を配置することが移動の円滑化となる。

さらに、利用者が安心して通行ができる幅員の確保は有効である。

出入り口では、車両が進入しないよう車止め柵を設け、移動等円滑化園路への接続で安全性が高まる。

2.移動を円滑化するアクセス路の確保

車いすで公園内を周遊できるように、幅員・勾配等に配慮した移動等円滑化園路の配置は移動の円滑化となる。

さらに、様々な身体特性の人々が歩きやすくすれ違いに配慮した有効幅員の確保はアクセス性が高まる。

園路では、わかりやすい案内板や手すりによる誘導で様々な身体特性の人々のアクセス機能が高まる。

3.施設への連続性の確保

便所や水飲み場、休憩所などの特定公園施設に対し高齢者や子どもが利用しやすい位置にあることが移動の円滑化となる。

さらに、アプローチの段差や勾配、進入スペースは、一定の基準による整備で連続性が高まる。

園路では、特定公園施設のうち1経路以上とし主要な公園施設との接続で、つながりある移動ができる


模範解答1答案形式 建設部門、都市地方計画  専門:公園緑地  2020/10/30


1.公園の安全な出入り口の確保

公園利用者にとってわかりやすく利用しやすい位置に出入り口を配置することで移動の円滑化につなげる。

具体的には、利用者が安心して通行ができる幅員の確保は必要である。また、出入り口では、車両が進入しないよう車止め柵を設け、移動等円滑化園路に接続させることで安全性を高める。

2.移動を円滑化するアクセス路の確保

車いすで公園内を周遊できるように、幅員・勾配等に配慮した移動等円滑化園路を配置することで移動の円滑化につなげる。

具体的には、様々な身体特性の人々が歩きやすく、すれ違いに配慮した有効幅員を確保してアクセス性を高める。また、園路では、わかりやすい案内板や手すりによる誘導を行うことで、様々な身体特性の人々へのアシスト機能を高める。

3.施設への連続性の確保

便所や水飲み場、休憩所などの特定公園施設は、高齢者や子ども等が利用しやすい位置に配置して移動の円滑化につなげる。

具体的には、アプローチの段差や勾配、進入スペースは、一定の基準に基づいた整備とすることで連続性を高める。また、移動等円滑化園路では、特定公園施設のうち1経路以上とし、主要な公園施設と接続させることで施設間のつながりのある移動を実現する。


解説

 提案内容の文がほとんど並列の意味なのにも関わらず、「さらに」という接続詞は相応しくないので、その都度ふさわしい接続語を選ぶとさらに良いでしょう。一文ごとに改行しないで、段落を形成するようにしてください。

 技術士としての考え方が問われているので、留意点としては、具体的にどうすべきか行動形式のことばで表現するのがわかりやすくて良いでしょう。また、評価や機能を表現するだけでは、結論となる施策、意思決定について他人任せの印象を与えるので、出来たら判断を読み手に委ねないようにした方がよいでしょう。



R2年、2021年 建設・都市地方計画 U−2−1 問題 模範解答と解説

U-2-1 豪雨により大規模な浸水や土砂災害の被害を受けた地方公共団体において、防災の強化のために、過去に策定した立地適正化計画における居住誘導区域を見直すこととなった。本業務の責任者として、下記の内容について記述せよ。

(1)居住誘導区域の見直し案(都市計画審議会から意見聴取する段階の案をいう)を作成するために、調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。

(2)留意すべき点、工夫を要する点を含めて業務を進める手順について述べよ。

(3)業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ


模範解答1簡易答案形式1 建設部門、都市地方計画 専門:都市交通  2021/6/30


1. 調査、検討すべき事項とその内容:主な目的と理解

@既往災害における浸水被害ゾーン(レッドゾーン)の設定

・大規模災害を踏まえて、既往災害の最大浸水深、堤防越水による浸水範囲等を調査し、住民生活への影響を検討

A既存の居住誘導区域の見直し

・良好な居住空間の確保、当該地域での特殊事情、まちづくりの方向性、公共交通のカバー率等を調査し、居住誘導区域のエリアを検討(既存区域の見直し)

2.業務を進める手順:より具体的に業務をどう進めるのか

@現状把握:被災状況、今後の発生リスクの把握

・被害状況の把握とともに住民の生活の可否を踏まえたエリア別の評価を行う(今後想定される土砂災害・浸水被害エリアの試算、除外すべきレッドゾーンの明確化)

Aまちの方向性の検討:居住誘導区域の最適化

・都市としての今後の目指すべき方向性の把握

・公共交通機関や福祉施設等のカバー率等から生活利便性が低いエリア等の抽出

・都市としての最適な機能配置の検討

B支援制度等の検討:移転に対する支援制度等の検討

・移転に対する支援制度(用地補償等の対応)

・移転不可の居住地区、居住者への支援(災害対応への防災施設の強化等)

3.関係者との調整方策 各主体で陥る問題への対処、効率的な対応

・現地特性を踏まえた用地補償等の支援制度の導入(市と国・県との調整)

・ハザードエリアでの居住者に対する等価交換の視点からの移転計画の提案

・双方の意向を踏まえた合意形成の場としての協議会、ワークショップ等の設置検討(移転前〜移転後の継続的なモニタリングが必要)


解説

これらのページをご覧ください。答えのヒントがあります。(難解な施策に関する事項はURLご紹介しています)

立地適正化計画 浸水想定域に住宅誘導?

災害に強いまちづくりへ「都市再生特別措置法等

【防災指針の作成方法】”コンパクトシティ+防災”を解説

浸水エリアへの居住誘導やむなし、国交省が防災指針作成へ



模範解答2答案形式 建設部門、都市地方計画  専門: 公園緑地  2020.11.13


1.調査、検討すべき事項

(1)高台への移転

 豪雨での浸水深や予測範囲を調査し、高台地域へ公的住宅や住宅地を用意して移転を検討する。災害リスクが低いエリアでの安全な居住環境づくりを検討する。

(2)避難道路の確保

 土砂災害の被災エリアを調査し、安全・安心を高めるための避難路となる骨格道路の確保を検討する。

(3)要支援援護者の支援体制づくり

 独居高齢者などの要支援者の居住場所を調査し、行政・町内会・民生委員など多様な主体との協働体制の構築を図った、迅速かつ的確な支援組織体制の検討を行う。

2.業務を進める手順

(1)被災世帯の収容準備と安全性の高いエリアの確保

 被災世帯の主要規模に見合った住宅地区のほか、安全性の高い民間住宅の配置エリアなど、居住誘導区域の見直しを行う。

(2)土砂災害の被害拡大の防止

 土砂災害の被災の拡大を一定の時間遅延させる効果を期待しつつ、避難所と連絡する骨格道路の整備を促進させ居住地としての安心化を促進する。

(3)支援組織の体制づくり

 地域の要支援援護対象者を割り出し、日常から見守りや声かけを行うなど、安心して生活するための信頼関係を築きながら居住環境の創設を図っていく。地域を巻き込んだ体制づくりの実現性に応えていく。

(4)支援訓練の実施

 町内会を活用した自主防災組織による支援訓練を行い、集合場所や避難体制の具体的な取り決めなど、地域で支え合う居住地域の確保を図っていく。地域住民の意識の啓発や共助としての居住環境の創設を図っていく。

3.関係者との調整方策

(1)関係者の意見

住民は、居住地のみでは生活に不便を来すので生活利便施設の整備による生活サポート体制の充実を主張する。バス会社は、自家用車の利用が加速しバス利用の減少で地域経済が疲弊すると訴えていた。行政は、新たなインフラ等の提供による維持・管理費がかさみ都市経営コストが増大すると主張していた。

(2)意見の調整方策

 私は、既存施設を有効活用しつつ居住地の移転で都市機能が分散しないよう、店舗やPPP/PFIの民間事業者と融合した高齢者の見守りができる施設を同時進行で集積すること。さらに、地域住民が主体的にJR駅や商業集積・観光地等を移動するルート設定を行い、車両広告や沿線商業施設等の協働で支えるコミュニティバスを巡回させ、利便性と移動の円滑化で生活拠点や経済活動の問題を解決して3者のとりまとめを行った。


解説

 「関係者との調整内容」に書くべきことは、新たに発想するのではなく、問2の提案内容そのものであって、前提事項を再確認しています。ここでは、問2の施策を実施した上で「私が技術士として取りまとめるため」調整をどうするのか、どう解決するのかの議論を深める形で書かねばなりません。

 水害や土砂災害の防災のために立地適正化計画における居住誘導の問題が解決するよう、トレードオフ問題を明確にして、全ての主体が満足できるようにすることです。例えば、交通機関のバス会社の負担が増えるとしたら、それが解決されない限り実現できません。この調整のためには、経済的な視点での答えが必要です。高齢者の見守りをする施設やコミュ二ティバスの費用面の裏付けを書くのが良いでしょう。



模範解答3 簡易答案形式1 建設部門、都市地方計画 専門: 2021/6/7


1.見直し案作成において調査、検討すべき事項

・防災部局で進める災害危険区域見直しの範囲を踏まえて、現在の居住誘導区域の安全領域・避難(減災)可能領域、非安全領域を調査する。その際、将来的な降雨強度による災害発生想定範囲は安全領域としない。

・現在の居住誘導区域において、災害危険区域の指定状況や将来予測から、非安全領域と重なる部分を調査し、該当地の住民とのリスクコミュニケーションの進め方を検討する。

2.留意点、工夫する点を含めた業務手順

−1.居住誘導区域における安全領域の確認

留意点:災害危険区域の現指定状況、災害発生状況、降雨強度の将来予測

−2.居住誘導区域で災害危険区域を含む場合の警戒避難体制整備検討

留意点:防災施設等整備と防災移転との経済性比較

−3.居住誘導区域から除外される区域の移転支援制度検討

留意点:各補助制度(防災集団移転促進等)の有用性把握


R2年、2021年 建設・都市地方計画 U−2−2 問題 模範解答と解説

U-2-2 戸建て住宅が立ち並ぶ住宅地において、住民が主体となって住環境保全のための地区計画の導入に向けた合意形成に取り組もうとしている地区がある。この地区において地方公共団体に提案する素案の取りまとめと合意形成に向けた住民活動の支援を行うため、当該地方公共団体からまちづくりコーディネーターが派遣されることになった。あなたがこのまちづくりコーディネーターを担うとして、下記の内容について記述せよ。

(1)調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。

2)留意すべき点、工夫を要する点を含め業務を進める手順について述べよ。

(3)業務を効率的に進める関係者との調整方策について述べよ。


模範解答1 簡易答案形式2 建設部門、都市地方計画 専門: 都市計画  2021/5/23


1.

.調査・検討すべき事項

@敷地の規模 最小敷地規模(隣地等からの距離)を維持は、良好な居住環境や資産価値の保全を検討

A最高高さ 良好な街並み景観形成の一因となる、眺望を検討

B用途 来訪者や人口が急激に増加する(共同住宅等)計画の制限を検討

2 業務の手順と留意点  

1)組織づくり 全体像を説明し検討委員会の設立を支援を行う。住環境保全の専門家、経験者から地区計画成功の秘訣となる、住民等から信頼される運営手法、ワークショップの工夫点や合意形成の手法を伝授してもらい方針策定する。

2)課題の共有 低層住宅の街並みに必要な事項を示すため、現行の街並みと現行制度で建築可能な計画を比較できる資料作成する。専門家でない地区住民にも理解し易くするため、地区計画策定後の街並みVRで示す。地区計画により規制された建築物の街並みと現行規制の状態で無秩序な建築物で形成された街並みを比較

3)推進合意  地区計画決定手続きは、住民等の合意が必要である。同意に必要な関係者の適用範囲や取得率の統一的な見解が示されていないため、行政機関と確認する。 

3業務を効率的に進める関係者との調整方策

 地区計画の合意運営は、住民等の理解・協力のうえで成り立つ。そのための、説明会や検討委員会等の開催等の参加者の負担やそれらに参加できない地区住民・関係者等がいる。効果的に進めるため、現状資料を整理・結合、地区計画導入前後が比較でき、誰もが気軽に参加でき、意見を発信し、議論を行う場を提供する。ICT支援システムを提案する。意見を公平に汲み取りながらの合意形成が可能となる。計画の柱を誰にでも解り易い言葉(ひとこと)で例として「ゆとりある空間まちづくり」等で表現し、住民等に地区計画の目標を分かち合えるように工夫し、住民等の理解促進を行い調整する。


解説

 地区計画の合意は求めていますが、「緑化」までは不要です。拡大解釈はしないで、主題を失わないようにしましょう。

 また、「調整」の説明は前置きが長くなりがちです。本題の提案が隠れてしまわないように、前置きは簡潔にしましょう。

「調整」については本講座のテキストにもあるように、次の3要件を同時に満たすようにお考え下さい。

  1. 「調整」の言葉の意味は、過剰と不足を移して均して最適化すること 例:スピード調整、年末調整、与党の党内調整
  2. 「私」はプロマネなので、関係者を指導して対して申し入れて、関係者の行動変容を促し、結果として全体プロジェクト取りまとめる。(委員会とかいったは組織の力は不要です。また、自身一人でする資料作成などの仕事ではありません)
  3. 都市及び地方計画の技術応用が無いように含まれるように。(組織の時間調整や、事務局としての務めだけでは不十分です。

模範解答1簡易答案形式2 建設部門、都市地方計画 専門: 都市計画  2021/5/27


1.調査・検討すべき事項

1)敷地の規模の規制 最小敷地規模(隣地等からの距離)を維持は、良好な居住環境や資産価値の保全を検討を行う。

2)最高高さの制限 良好な街並み景観形成の一因となる、眺望を検討を行う。

3)用途の制限 来訪者や人口が急激に増加する(共同住宅等)計画の制限を検討を行う。

2 業務の手順と留意点 

1)組織づくり 全体像を説明し検討委員会の設立を支援を行う。住環境保全の専門家、経験者から地区計画成功の秘訣となる、住民等から信頼される運営手法、ワークショップの工夫点や合意形成の手法を伝授してもらい方針策定する。

2)課題の共有 低層住宅の街並みに必要な事項を示すため、現行の街並みと現行制度で建築可能な計画を比較できる資料作成する。専門家でない地区住民にも理解し易くするため、地区計画策定後の街並みVRで示す。地区計画により規制された建築物の街並みと現行規制の状態で無秩序な建築物で形成された街並みを比較し、適切に判断できる資料を作成する。

3)推進合意  地区計画決定手続きは、住民等の合意が必要である。そのことから、同意に必要な関係者の適用範囲や取得率の統一的な見解が示されてい事項について、行政機関と確認する。 

3業務を効率的に進める関係者との調整方策

 地区計画の合意運営は、住民等の理解・協力のうえで成り立つ。合意形成を推進するためには、説明会・ワークショップや検討委員会等の開催等が必要となる。これに携わる関係者や地区住民等の参加者の負担が生じるだけでなく、これらに時間調整が困難や場所が離れている等の理由から参加できない地区住民・関係者等がいる。公平・平等かつ効果的に進めるため、現状資料を整理・結合、地区計画導入前後が比較でき、誰もが気軽に参加でき、意見を発信し、議論を行う場を提供する手段として、ICT支援システムを提案する。参加できない関係者の意見も公平に汲み取りながらの合意形成が可能となる。併せて、計画の柱を誰にでも解り易い言葉(ひとこと)で例として「ゆとりある空間まちづくり」等で表現し、住民等に地区計画の目標を分かち合えるように工夫し、住民等の理解促進を行い調整する。


模範解答1答案形式 建設部門、都市地方計画  専門: 都市計画  2021/5/28


1.調査・検討すべき事項

1)敷地の規模の規制 最小敷地規模及び隣地等からの建築物の壁面の後退距離を維持は、ゆとりある良好な居住環境や資産価値の保全を検討を行う。

2)最高高さの制限 良好な街並み景観形成の一因となる、高さ規制による眺望を検討を行う。

3)用途の制限 来訪者や人口が急激に増加する(共同住宅等)計画の制限を検討を行う。

2 業務の手順と留意点 

1)組織づくり 全体像を説明し検討委員会の設立を支援を行う。住環境保全の専門家、経験者から地区計画成功の秘訣となる、住民等から信頼される運営手法、ワークショップの工夫点や合意形成の手法を伝授してもらい方針策定する。

2)課題の共有 低層住宅の街並みに必要な事項を示すため、現行の街並みと現行制度で建築可能な計画を比較できる資料作成する。

 専門家でない地区住民にも理解し易くするため、地区計画策定後の街並みVRで示す。地区計画により規制された建築物の街並みと現行規制の状態で無秩序な建築物で形成された街並みを比較し、適切に判断できる資料を作成する。

3)推進合意 地区計画決定手続きは、住民等の合意が必要である。そのことから、同意に必要な関係者の適用範囲や取得方法・取得率の統一的な見解が示されてい事項について、関係する行政機関と確認する。 

3業務を効率的に進める関係者との調整方策

 地区計画の合意運営は、住民等の理解・協力のうえで成り立つ。合意形成を推進するためには、勉強会・説明会・ワークショップや検討委員会等の開催等が必要となる。

 これに携わる関係者や地区住民等の参加者の負担が生じる。また、これらに時間調整が困難な場合や場所が離れている等の理由から参加できない地区住民・関係者等が生じる。

 そのような条件でも、公平・平等かつ効果的に進めるため、現状の整理・結合した資料が適時に閲覧、地区計画導入前後が容易に比較検討、遠方からでも誰もが気軽に参加でき、意見を発信し、議論を行う場を提供する手段が必要である。

 そのための方策として、ICT支援システムの活用を提案する。開催会場に直接参加できない関係者の意見も公平に汲み取りながらの合意形成が可能となる。

 併せて、計画の柱を誰にでも解り易い言葉(ひとこと)で例として「ゆとりある空間まちづくり」等で表現し、住民等に地区計画の目標を分かち合えるように工夫し、住民等の理解促進を行い調整する。



R2年、2021年 建設・都市地方計画 V−1 問題 模範解答と解説

U-2-2 戸建て住宅が立ち並ぶ住宅地において、住民が主体となって住環境保全のための地区計画の導入に向けた合意形成に取り組もうとしている地区がある。この地区において地方公共団体に提案する素案の取りまとめと合意形成に向けた住民活動の支援を行うため、当該地方公共団体からまちづくりコーディネーターが派遣されることになった。あなたがこのまちづくりコーディネーターを担うとして、下記の内容について記述せよ。

(1)調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。

2)留意すべき点、工夫を要する点を含め業務を進める手順について述べよ。

(3)業務を効率的に進める関係者との調整方策について述べよ。


模範解答1 簡易答案形式2 建設部門、都市地方計画 専門: 都市計画  2021/5/23


1.

.調査・検討すべき事項

@敷地の規模 最小敷地規模(隣地等からの距離)を維持は、良好な居住環境や資産価値の保全を検討

A最高高さ 良好な街並み景観形成の一因となる、眺望を検討

B用途 来訪者や人口が急激に増加する(共同住宅等)計画の制限を検討

2 業務の手順と留意点  

1)組織づくり 全体像を説明し検討委員会の設立を支援を行う。住環境保全の専門家、経験者から地区計画成功の秘訣となる、住民等から信頼される運営手法、ワークショップの工夫点や合意形成の手法を伝授してもらい方針策定する。

2)課題の共有 低層住宅の街並みに必要な事項を示すため、現行の街並みと現行制度で建築可能な計画を比較できる資料作成する。専門家でない地区住民にも理解し易くするため、地区計画策定後の街並みVRで示す。地区計画により規制された建築物の街並みと現行規制の状態で無秩序な建築物で形成された街並みを比較

3)推進合意  地区計画決定手続きは、住民等の合意が必要である。同意に必要な関係者の適用範囲や取得率の統一的な見解が示されていないため、行政機関と確認する。 

3業務を効率的に進める関係者との調整方策

 地区計画の合意運営は、住民等の理解・協力のうえで成り立つ。そのための、説明会や検討委員会等の開催等の参加者の負担やそれらに参加できない地区住民・関係者等がいる。効果的に進めるため、現状資料を整理・結合、地区計画導入前後が比較でき、誰もが気軽に参加でき、意見を発信し、議論を行う場を提供する。ICT支援システムを提案する。意見を公平に汲み取りながらの合意形成が可能となる。計画の柱を誰にでも解り易い言葉(ひとこと)で例として「ゆとりある空間まちづくり」等で表現し、住民等に地区計画の目標を分かち合えるように工夫し、住民等の理解促進を行い調整する。


解説

 地区計画の合意は求めていますが、「緑化」までは不要です。拡大解釈はしないで、主題を失わないようにしましょう。

 また、「調整」の説明は前置きが長くなりがちです。本題の提案が隠れてしまわないように、前置きは簡潔にしましょう。

「調整」については本講座のテキストにもあるように、次の3要件を同時に満たすようにお考え下さい。

  1. 「調整」の言葉の意味は、過剰と不足を移して均して最適化すること 例:スピード調整、年末調整、与党の党内調整
  2. 「私」はプロマネなので、関係者を指導して対して申し入れて、関係者の行動変容を促し、結果として全体プロジェクト取りまとめる。(委員会とかいったは組織の力は不要です。また、自身一人でする資料作成などの仕事ではありません)
  3. 都市及び地方計画の技術応用が無いように含まれるように。(組織の時間調整や、事務局としての務めだけでは不十分です。

模範解答1簡易答案形式2 建設部門、都市地方計画 専門: 都市計画  2021/5/27


1.調査・検討すべき事項

1)敷地の規模の規制 最小敷地規模(隣地等からの距離)を維持は、良好な居住環境や資産価値の保全を検討を行う。

2)最高高さの制限 良好な街並み景観形成の一因となる、眺望を検討を行う。

3)用途の制限 来訪者や人口が急激に増加する(共同住宅等)計画の制限を検討を行う。

2 業務の手順と留意点 

1)組織づくり 全体像を説明し検討委員会の設立を支援を行う。住環境保全の専門家、経験者から地区計画成功の秘訣となる、住民等から信頼される運営手法、ワークショップの工夫点や合意形成の手法を伝授してもらい方針策定する。

2)課題の共有 低層住宅の街並みに必要な事項を示すため、現行の街並みと現行制度で建築可能な計画を比較できる資料作成する。専門家でない地区住民にも理解し易くするため、地区計画策定後の街並みVRで示す。地区計画により規制された建築物の街並みと現行規制の状態で無秩序な建築物で形成された街並みを比較し、適切に判断できる資料を作成する。

3)推進合意  地区計画決定手続きは、住民等の合意が必要である。そのことから、同意に必要な関係者の適用範囲や取得率の統一的な見解が示されてい事項について、行政機関と確認する。 

3業務を効率的に進める関係者との調整方策

 地区計画の合意運営は、住民等の理解・協力のうえで成り立つ。合意形成を推進するためには、説明会・ワークショップや検討委員会等の開催等が必要となる。これに携わる関係者や地区住民等の参加者の負担が生じるだけでなく、これらに時間調整が困難や場所が離れている等の理由から参加できない地区住民・関係者等がいる。公平・平等かつ効果的に進めるため、現状資料を整理・結合、地区計画導入前後が比較でき、誰もが気軽に参加でき、意見を発信し、議論を行う場を提供する手段として、ICT支援システムを提案する。参加できない関係者の意見も公平に汲み取りながらの合意形成が可能となる。併せて、計画の柱を誰にでも解り易い言葉(ひとこと)で例として「ゆとりある空間まちづくり」等で表現し、住民等に地区計画の目標を分かち合えるように工夫し、住民等の理解促進を行い調整する。


模範解答1答案形式 建設部門、都市地方計画  専門: 都市計画  2021/5/28


1.調査・検討すべき事項

1)敷地の規模の規制 最小敷地規模及び隣地等からの建築物の壁面の後退距離を維持は、ゆとりある良好な居住環境や資産価値の保全を検討を行う。

2)最高高さの制限 良好な街並み景観形成の一因となる、高さ規制による眺望を検討を行う。

3)用途の制限 来訪者や人口が急激に増加する(共同住宅等)計画の制限を検討を行う。

2 業務の手順と留意点 

1)組織づくり 全体像を説明し検討委員会の設立を支援を行う。住環境保全の専門家、経験者から地区計画成功の秘訣となる、住民等から信頼される運営手法、ワークショップの工夫点や合意形成の手法を伝授してもらい方針策定する。

2)課題の共有 低層住宅の街並みに必要な事項を示すため、現行の街並みと現行制度で建築可能な計画を比較できる資料作成する。

 専門家でない地区住民にも理解し易くするため、地区計画策定後の街並みVRで示す。地区計画により規制された建築物の街並みと現行規制の状態で無秩序な建築物で形成された街並みを比較し、適切に判断できる資料を作成する。

3)推進合意 地区計画決定手続きは、住民等の合意が必要である。そのことから、同意に必要な関係者の適用範囲や取得方法・取得率の統一的な見解が示されてい事項について、関係する行政機関と確認する。 

3業務を効率的に進める関係者との調整方策

 地区計画の合意運営は、住民等の理解・協力のうえで成り立つ。合意形成を推進するためには、勉強会・説明会・ワークショップや検討委員会等の開催等が必要となる。

 これに携わる関係者や地区住民等の参加者の負担が生じる。また、これらに時間調整が困難な場合や場所が離れている等の理由から参加できない地区住民・関係者等が生じる。

 そのような条件でも、公平・平等かつ効果的に進めるため、現状の整理・結合した資料が適時に閲覧、地区計画導入前後が容易に比較検討、遠方からでも誰もが気軽に参加でき、意見を発信し、議論を行う場を提供する手段が必要である。

 そのための方策として、ICT支援システムの活用を提案する。開催会場に直接参加できない関係者の意見も公平に汲み取りながらの合意形成が可能となる。

 併せて、計画の柱を誰にでも解り易い言葉(ひとこと)で例として「ゆとりある空間まちづくり」等で表現し、住民等に地区計画の目標を分かち合えるように工夫し、住民等の理解促進を行い調整する。



R2年、2021年 建設・都市地方計画 V−2 問題 模範解答と解説

V−2   少子高齢化の進展などによる財政的制約から、都市基盤施設の整備に必要な予算を十分確保することが困難となっている地方都市の中心市街地で、居住人口の減少などに伴い、空閑地や空き地が増えている。

当該中心市街地の魅力を高めるため、地区内の土地所有者や中小の商店の経営者などにより構成されるコミュニティ組織が当該地方公共団体と連携しながら、空閑地などを活用して広場や歩行空間を短期間に整備し、管理運営する事業を進めることとした、この事業を進めるにあたって、以下の問いに答えよ

(1)上記のような地区で土地所有者等により構成されるコミュにティ組織が広場や歩行空間を整備、管理運営する事業について、技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し、その内容を観点とともに示せ

(2)抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ 

(3)解決策に共通して新たに生じうるリスクとそれへの対応について、専門技術を踏まえた考え方を示せ


模範解答1 簡易答案形式1 建設部門、都市地方計画 専門: 2021/5/17


1.多面的な観点からの課題

@ 魅力創出につながるエリアの確保【活動拠点の創出】

 ・空閑地などが点在、商店街の衰退を踏まえた核となるエリアの開発

A 来訪者・居住者のフィールドとなる地域づくり【活動主体の発掘】

 ・当該地区の魅力ある歴史文化資源等を活かした都市の再生

 ・ICTを活用した最先端技術の導入による新たな魅力の創出

B 支援制度を活用した継続的な事業展開【活動資金の調達】

 ・官民連携まちなか再生推進事業の活用による事業化

 ・地元を含めた民間企業との連携によるビジネスモデルの構築

2.最重要課題とそれに対する複数の解決策

@最重要課題:支援制度を活用した継続的な事業展開

 ※選定理由として、持続可能なまちづくりを行うこと当該地域の活性化が図れる仕組みづくりが求められる

A複数の解決策:

・初期投資の確保として官民連携まちなか再生推進事業の活用

・事業継続につながるロードマップの作成(社会実験の実施等)

・地元事業者とのコミュニティの確立、情報プラットホームの構築

3.新たに生じうるリスクとそれへの対応(専門技術を踏まえた考え方)

@新たに生じうるリスク【当初と異なるもの、当初想定しきれないもの】

 ・賑わい創出の伴う地域環境の悪化(インバウンドを含む地元住民以外の来訪者による治安悪化、沿道衛生環境の悪化)

 ・公共交通での来訪以外の自家用車での来訪による路上駐車、安全性の低下

Aリスクへの対応

 ・良好な環境の創出のため、事業者となる地域住民、実証実験フィールドとして活用できる企業サイドからの積極的な活動の実施、ステークホルダーを束ねるまちづくり協議会の構築(都市計画的見地から、法制度やよりよい活性化プランを提案)

 ・空閑地の集約による民間経営の駐車場の整備(行政が土地を取得し、指定管理者制度等の導入により運営)


解説

 このような問題で良く問われるのが「多面的な観点で・・せよ」という問いかけです。この受講者様もどんな、異なった次元のものを並べるべきかと悩んでいらっしゃいました。解答としていただいたは、【活動拠点の創出】、【活動主体の発掘】、【活動資金の調達】という3つの視点です。こうした、都市開発の活動のプロセスごとに分類するのも一つです。

 本来の意味は、課題解決のために支配的な因子を重要度の高い順に取り上げていて、それらに対処することで、結果につながる成果を上げられるかという視点です。視点を広げるためには、経済面、都市活動面、市民生活面など都市の街作りに影響する要因毎に考えると良いでしょう。

 このほかの視点として、技術士試験がエンジニアのコンピテンシーを測るという視点からは、異なる技術応用が期待できる課題、解決策などもあり得ます。多面的に技術応用できることをアピールすることで、技術者としての信頼感が増すことは間違いありません



模範解答2 簡易答案形式1 建設部門、都市地方計画 専門: 公園緑地 2020/12/24


1.中心市街地の魅力を高める課題抽出 

(1)道路の歩行者空間の広場化:道路の一部を広場化してイベントやくつろぎの場としてオープンスペースを設け、地域住民や来街者が気軽に立ち寄れる快適な歩行者空間を確保する。 

(2)地域のコミュニティづくりの確保:市街地内の空き店舗を活用して高齢者が安心して出かけられる居場所やお互いに声を掛け合えるコミュニティスペースとして、地域に開放した交流の場を確保する。 

(3)みどりを通じた憩い楽しめる空間づくり:市街地の未利用地の空きスペースを活用して地域住民と行政が協働しながら地域ゆかりの花や樹木の緑づくりを進めることで、地域をつなぎ心豊かに過ごせる空間を確保する。 

2.最も重要な課題と解決策 

(1)課題:@道路の歩行者空間の広場化(2)解決策: 

@歩行者滞留の場づくり:バス待ちスペースとの併用により歩道空間内にオープンスペースを確保し芝生広場やベンチを設置するなどの住民の滞留の場をつくることで、休憩・交流の憩い空間の創設を図る。 

A回遊性の確保:車道を1車線化にすることで、歩道の拡幅と自転車走行空間が確保でき歩行者が歩きやすくなるとともに、舗装材の色やデザインの統一化により連続性・回遊性を確保する。 

B賑わい空間の創設:地域の祭りやイベントなど道路空間の利用形態に対応できるよう歩道と車道の段差を無くしたり、昇降式車止めや移動可能なコンテナ植栽を設置して、賑わい機能に配慮した道路空間の創設を図る。 

3.解決策の新たなリスクと対策 

(1)リスク:中心市街地の利便性向上による集客化で賑わいが高まる一方で、域内の多くの住民が集中するだけに滞留者と通行者・自転車との接触による事故リスクが高まる。 

(2)解決策:歩車道の分離化や幅広な路肩での自転車通行帯、路面標示のハード対策のほか、歩行者の自衛意識を高める周知啓発を図るなどのソフト面のアプローチを取り入れることで、子どもや高齢者、ベビーカーなどあらゆる歩行者が安全に回遊・滞留しやすく歩きやすい道路空間を確保する。


解説

 問題の趣旨は、必要な予算を確保出来ない人口も減って空き地が増えている過疎地(例えば青森の半島に先の都市など)を想像すると良いでしょう。この寂れた地方都市で何をすれば、町が豊かになるかという課題・解決策です。それも自治体がやるのでなく、コミュニティ組織が自治体と連携しながら空閑地とか活用して運用する事業を考えるという問題です。

 よく「オープンカフェ」とかを挙げる方もいますが、しかしこのような都市にカフェを開くことで人が来るでしょうか。交流の場を確保するためのスペース・土地を提供することはたやすいことです。しかし、人が集まるコミュニティを作ることが難しいと考えるべきです。

 また、このような都市での駐車場の共同化などの施設集約の施策は、あまり現実的ではありません。多数の駐車場が散在したとしても、カーナビやSNSで案内をすれば、どこに空きがあるか分かれば良いことであり、そういう情報通信技術によるインフォメーションをすべきだといえます。 

 人の回遊性確保は、PRだけで回遊出来るものではありません。回遊する街は草津温泉の街のように人流が発生するメカニズムが働いています。一筆書きのリング状になるような道順がつくられるよう、そのような道路と訪問ポイントを配置する必要があります。どうやって回遊を成功させるかについては、中心市街地の魅力を高めた成功事例などを調べて具体的な方法を提案してください。

 また、街おこしととらえると、地域活動や商店経営そのものをイメージしがちですが、あくまでも都市及び地方計画の試験ですからまちづくりの提案からブレないようにしなければなりません。 

 まずは、問1では課題を考え、問2では課題1についての解決策に集中することです。課題のダブリや、解決策が他に挙げた課題に発散しないようにしなければなりません。

 リスクについては、人混みが出来ると自然に問題が発生します。例えば危険行為や環境問題(騒音・ゴミ・プライバシー・犯罪率・感染率等)など人のモラルや環境負荷に関するものです。しかし、ここでは、提案に由来するリスクを求めているため、道路や広場に着目した提案を主体に考えるようにしてください。まちづくりから発散したら建設部門都市及び地方計画技術士としての視点がぶれて、答えが脇にそれてしまいます。


模範解答2 簡易答案形式2 建設部門、都市地方計画 専門: 公園緑地  2020/12/28


1.中心市街地の魅力を高める課題抽出とその内容

(1)道路の歩行者空間の広場化: 道路の一部を広場化してイベントやくつろぎの場としてオープンスペースを設け、地域住民や来街者が気軽に立ち寄れる快適な歩行者空間を確保する。

(2)地域のコミュニティづくりの確保: 市街地内の空き店舗を活用して高齢者が安心して出かけられる居場所やお互いに声を掛け合えるコミュニティスペースとして、地域に開放した交流の場を確保する。

(3)みどりを通じた憩い楽しめる空間づくり: 市街地の未利用地の空きスペースを活用して地域住民と行政が協働しながら地域ゆかりの花や樹木の緑づくりを進めることで、地域をつなぎ心豊かに過ごせる空間を確保する。

2.もっとも重要な課題と解決策

(1)課題:1−(1)道路の歩行者空間の広場化

(2)解決策

@歩行者滞留の場づくり: バス待ちスペースとの併用により歩道空間内にオープンスペースを確保し芝生広場やベンチを設置して住民の滞留の場をつくることで、休憩・交流の憩い空間の創設を図る。これにより、人とまちとの接点が生まれ、公共交通の利用や地域コミュニティの機運を高めるなど市街地の活力向上につながる。

A中心市街地の回遊性の確保: 歩道舗装材のデザインの統一や案内板の整備による人々の移動を促すとともに、離れた複数の拠点間をまちなか循環バスでつなぐことで楽しみながら歩ける環境の創設を図る。これにより、日常的に人がまちを歩き移動しやすくなり、来街者の回遊性向上や地域住民の外出機会が増え、健康寿命の延伸による豊かな地域環境づくりにつながる。

B賑わい空間の創設: 地域の祭りやイベントなど道路空間の利用形態に対応できるよう、歩道と車道の段差を無くしたり、昇降式車止めや移動可能なコンテナ植栽を設置して、賑わい機能に配慮した道路空間の創設を図る。これにより、誰もが訪れやすく参加しやすい道路空間が確保され、まちが一つになれる交流・憩いの場として、世代をつなぎ地域の輪をひろげるコミュニティ活動の活性化につながる。

3.解決策に共通して生じうる新たなリスクと対策

(1)リスク: 中心市街地の利便性向上による集客化で賑わいが高まる一方で、域内の多くの住民が集中するだけに滞留者や通行者・自転車との接触による事故リスクが高まる。

(2)解決策: 歩車道の分離化や幅広な路肩での自転車通行帯、路面標示などのハード対策のほか、歩行者の自衛意識を高める周知啓発を図るなどのソフト面のアプローチを取り入れることで、子どもや高齢者、ベビーカーなどあらゆる歩行者が安全に回遊・滞留しやすく歩きやすい道路空間を確保する。


模範解答2 答案形式  建設部門、都市地方計画  専門: 公園緑地  2021/1/4


1.中心市街地の魅力を高める課題抽出とその内容

(1)道路の歩行者空間の広場化

 道路の一部を広場化してイベントやくつろぎの場としてオープンスペースを設け、地域住民や来街者が気軽に立ち寄れる快適な歩行者空間を確保する。

人が集まる場づくりによって、交流人口が適度に維持された市街地形成により都市の持続可能性が向上する。

(2)地域のコミュニティづくりの確保

 市街地内の空き店舗を活用して高齢者が安心して出かけられる居場所やお互いに声を掛け合えるコミュニティスペースとして、地域に開放した交流の場を確保する。

まちなか拠点の価値が高まるとともに、高齢者などをはじめ地域住民が、安全で・安心して、生活・交流ができるなどの暮らしやすさにつながる。

(3)みどりを通じた憩い楽しめる空間づくり

 市街地の未利用地の空きスペースを活用して地域住民と行政が協働しながら地域ゆかりの花や樹木の緑づくりを進めることで、地域をつなぎ心豊かに過ごせる空間を確保する。

最も身近な公共空間としての役割を担いながら、都市景観などの地域固有の街並みを活かしつつ、安全で快適な人優先の歩行空間を確保できる。

2.課題「道路の歩行者空間の広場化」と解決策

(1)歩行者滞留の場づくり

 バス待ちスペースとの併用により、歩道空間内にオープンスペースを確保し、芝生広場やベンチを設置して住民の滞留の場をつくることで、休憩・交流の憩い空間の創設を図る。

これにより、人とまちとの接点が生まれ、公共交通の利用や地域コミュニティの気運を高めるなど市街地の活力向上につながる。

(2)中心市街地の回遊性の確保

 歩道舗装材のデザインの統一や案内板の整備による人々の移動を促すとともに、沿線に軒を連ねるお店とのコラボや離れた複数の拠点間をまちなか循環路として公共交通機関でつなぐことで、楽しみながら歩ける環境の創設を図る。

これにより、日常的に人がまちを歩き移動しやすくなり、来街者の回遊性向上や地域住民の外出機会が増え、健康寿命の延伸による豊かな地域環境づくりにつながる。

(3)賑わい空間の創設

地域の祭りやイベントなど道路空間の移動形態に対応できるよう、歩道と車道の段差を無くしたり、昇降式車止めや移動可能なコンテナ植栽を設置して、賑わい機能に配慮した道路空間の創設を図る。

これにより、誰もが訪れやすく参加しやすい道路空間が確保され、まちが一つになれる交流・憩いの場として、世代をつなぎ地域の輪をひろげるコミュニティ活動の活性化につながる。

3.解決策に共通して生じうる新たなリスクと対策

(1)集客化による事故リスク

 中心市街地の利便性向上による集客化で賑わいが高まる一方で、域内の多くの住民や来街者が集中するだけに、滞留者や通行者、自転車との接触による事故リスクが高まる。

その解決策として、歩車道の分離化や幅広な路肩での自転車通行帯、路面標示などのハード対策のほか、ヒヤリマップ等を配布し事故の発生箇所の周知を徹底する。さらに、定期的に音声での街頭放送など歩行者にも自衛意識を高める注意啓発を図るソフト的なアプローチを取り入れる。このことで、子どもや高齢者、ベビーカーなどのあらゆる歩行者が安全に回遊・滞留しやすい歩行空間が確保できる。

(2)分散化によるゴミのリスク

人がまち全体に分散化する一方で、道路上でのごみや吸い殻などのポイ捨てでゴミが増えるリスクが高まる。

その解決策として、店側に包装や紙袋を減らすなどのエコ活動を促したり、来街者自身が持ち帰ってもらえるよう案内板を設置してマナー向上の意識啓発を図るとともに、地域ぐるみの清掃などでより住みやすく美しい環境づくりの実現を継続する。



【活動拠点の創出】

 ・空閑地などが点在、商店街の衰退を踏まえた核となるエリアの開発

A 来訪者・居住者のフィールドとなる地域づくり【活動主体の発掘】

 ・当該地区の魅力ある歴史文化資源等を活かした都市の再生

 ・ICTを活用した最先端技術の導入による新たな魅力の創出

B 支援制度を活用した継続的な事業展開【活動資金の調達】

R2年、2021年 建設、港湾・空港 T−1 問題 模範解答と解説

T-1 我が国の総人口は、戦後増加を続けていたが、2010年頃をピ−クに減少に転じ、国立社会保障・人口問題研究所の将来推計(出生中位・死亡中位推計)によると、2065年には8,808万人に減少することが予想されている。私たちの暮らしと経済を支えるインフラ整備の担い手であり、地域の安全・安心を支える地域の守り手でもある建設産業においても、課題の1つとしてその担い手確保が挙げられる。

(1)         それぞれの地域において、地域の中小建設業が今後もその使命を果たすべく担い手を確保していく上で、技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し、その内容を観点とともに示せ。

(2)         抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3)         すべての解決策を実行した上で生じる波及効果と、新たな懸案事項への対応策を示せ。

(4)         上記事項を業務として遂行するに当たり、技術者としての倫理、社会の持続性の観点から必要となる要件・留意点を述べよ。


 

模範解答1答案形式 建設部門、港湾及び空港  専門:港湾計画   2021/6/26


 

1. 地域の建設産業における課題

1.1生産性の向上

地域の建設産業は、社会資本整備の担い手であると同時に、社会の安全・安心の確保を担う、我が国の国土保全上必要不可欠な地域の守り手である。人口減少や高齢化が進行する中にあっても、これらの役割を果たすためには、工事の品質確保を図り、安全安心な職場を維持していくための生産性の向上が課題である。

1.2地域の建設産業の働き方改革

長時間労働や適切な賃金水準の確保、社会保険への加入徹底など建設従事者が安心して働くことができる職場環境づくりが課題である。また、下請け会社の多層構造により、末端に至る建設従事者の負担が重く、低賃金や不安定な雇用など建設工事の実施体制の見直しも重要である。建設労働災害の発生は、過酷な労働環境により生じているといっても過言ではない。したがって、建設業務に関わる全従業員が、安心して働くことのできる環境づくりを目指すべきである。

1.3発注形態の見直し

建設業務は、工期が年度末に集中し、長時間労働や急速施工を強いられ、品質低下や、施工データの改ざんが発生している。また、ダンピングによる低価格入札により、地域の建設産業の利益確保が困難になっており、資本金の少ない地域の建設産業は、技術者の確保、技術の伝承、設備投資に太刀打ちできない状況が続いている。したがって、入札の見直しが課題である。

2.最も重要な課題

最も重要な課題は、働き方改革である。以下に、解決策を示す。

2.1公共工事設計労務単価の引き上げ

公共工事の円滑な遂行を図るため就業者の賃金上昇を目指す。

2.2適切な工期設定

発注時期を年度末に集中させず、第一四半期に増加させれば、偏った建設工事を是正することができると考える。

2.3社会保険の加入促進

建設就業者が安心して働くことができる処遇改善策として、社会保険の加入促進が挙げられる。主な施策としては、入札の際の未加入企業の減点幅の拡大や公共工事における元請け、下請け企業の加入企業の限定、社会保険等のための諸経費を請け負い金額に確実に反映させるため社会保険を含む法定福利費を内訳明示した見積書の活用推進が有効である。

2.4建設キャリアアップシステム

建設業においては、建設従事者の保有資格や現場経験の記録等のデータが蓄積されていない状況により、適正な技能・経験の評価、処遇の改善につながっていない。したがって、建設従事者にIDカードを付与し、現場経験、保有資格、社会保険加入状況等の情報を登録させれば、技能者の経験や技術を見える化することができ、経験や技術に応じた処遇の実現を図ることができると考える。

3. 波及効果と新たな懸案事項への対応策

週休二日制や適切な工期設定、技能・経験に合った待遇を可能にする改善ができれば、地域の建設産業の利益が確保され、若手技術者の就職も確保されることとなり、技術者の確保、技術の伝承につながる。さらに、我が国の経済発展に貢献することとなる。新たな懸案事項としては、東日本大震災のような大災害が発生した場合の復旧工事など、急速施工を実施しなければならない場合に長時間労働や週休2日が確保できるか等の課題が生じることである。この対応策としては、平常時に災害発生時の対応について、方針を打ちたてておき、地域の建設産業に対応可能な体制を整えておくことに了解を得る方策が有効と考える。

4. 必要となる要件・留意事項

技術資格を生かし、現場経験も豊富となった建設従事者は、建設事業に対し、これまでの自身の遂行に特化せず、新たな建設技術を常に見据えながら、建設事業に従事する心構えが必要となる。地域の建設産業の資金が増えれば、ICT施工の導入促進に向けた設備投資も増加してくる。したがって、建設技術に終わりはなく、社会貢献を果たすためにも、建設従事者は、技術のレベルアップに励むべきである。  



R2年、2021年 建設、港湾・空港 U−1−2 問題 模範解答と解説

U-1-2 軟弱地盤に埋立地を造成する際のケ-ソン式護岸の築造に関し、主な施工段階を施工手順に沿って説明せよ。そのうち3つの施工段階について、使用する作業船とそれを用いた施工の概要を述べよ。


模範解答1答案形式 建設部門、港湾及び空港  専門:港湾計画   2021/4/30


1. 主な施工段階

@工場製作:工場内でプレキャストコンクリ−トを使用したケ-ソンを製作する。ケーソンは、海上に設置した後では、修正が効かないため、寸法、コンクリ-トなど品質管理を徹底する必要がある。

A床掘:対象海域に基礎捨石を投入するために、海底地盤を掘削する。地盤が軟弱な場合は、地盤改良を施工する。

B基礎捨石投入:掘削した海底地盤に基礎捨石を投入する。また、周辺海域への汚濁防止のため、汚濁防止フェンス等を設置する。

Cケ-ソン据え付け:基礎捨石上に所定の位置にケ-ソンを据え付ける。ケ-ソン据え付けは、最近では、GPSにより精度が向上している。

2. 3つの施工段階及び使用する作業船

@床掘:海底地盤の土質によって、砂はグラブ浚渫船、岩等はポンプ浚渫船を使用する。グラブ浚渫船では、土運船、ポンプ浚渫船では、排砂管を必要とする。土捨て場は、施工海域になるべく近くする必要がある。

A基礎捨石投入:ガット船により、基礎捨石を投入する。浅い水深(20m未満)では、グラブ式を使用するが、大水深では、底開式を使用する。

Bケ-ソン据え付け:工場製作したケ-ソンを起重機船で、据え付け位置まで運搬し、そのまま据え付け作業に入る。据え付けもGPSにより行われる。



R2年、2021年 建設、港湾・空港 U−2−2 問題 模範解答と解説

U-2-1 平成30年9月の台風21号において、高潮により大阪湾の港湾や空港に大きな被害が発生したことから、これを踏まえた高潮対策を策定することとなった。港湾又は空港のいずれかを選び、あなたがこの業務を担当責任者として進めるに当たり、下記の内容について記述せよ。

(1)      調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。

(2)      業務を進める手順について、留意すべき点、工夫を要する点を含めて述べよ。

(3)      業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。


模範解答1 簡易答案形式1 建設部門、港湾及び空港  専門:港湾計画   2021/7/4


1.  調査、検討事項

1)平成30年9月の台風21号の特性を調査し、高潮対策方針を検討する。

2)被害に遭った護岸の天端高を調査し、設計天端高を検討する。

3)被害に遭った護岸形状を調査し、護岸断面を検討する。

2.業務を進める手順 

1)高潮により、護岸のどの箇所の弱点を把握する。

2)高潮の計画水位の設定:1)を踏まえ、エリアごとの計画高潮水位を設定する。平成30年9月の台風21号による被害では、野積場に仮置きされていたコンテナが多数流出したため、コンテナ置き場では、余裕高を高めに設定する。

3)護岸形状の設定:平成30年9月の台風21号では、背後の道路やトンネルが長時間にわたって浸水していたため、復旧に時間を要した。これを踏まえ、排水施設の可能容量を解析した上で、護岸形状を検討する。

3.関係者との調整方策

1)高潮の統計解析、高潮の計画水位の設定:解析担当者が効率よく実施できるようなフロ−を提案し、解析状況の逐次報告を基に、プログラムの修正を実施する。計画水位の設定は、発注者にできるだけ定量的根拠を示す。

2)護岸形状の設定:浸水量、浸水時間の最小化の必要性より、排水施設の重要性について、排水シミュレ−ション等結果を踏まえた説明資料を作成する。



R2年、2021年 建設、港湾・空港 V−1 問題 模範解答と解説

V-1 

我が国は、平成28年に「明日の日本を支える観光ビジョン −世界が訪れたくなる日本へ−」を定め、外国人の訪日旅行の振興に精力的に取り組んでいるところである。その中で、国際ゲ−トウェイである港湾及び空港は、ビジョンの実現に向けて大きな役割を果たしていくことが期待されている。

(1)         訪日旅行の振興によって国民経済的便益を増大させていく上での課題を、港湾及び空港の技術者として多面的な観点から抽出し、その内容を観点とともに示せ。

(2)         (1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3)         (2)で示した解決策に共通して新たに生じるリスクとそれへの対策について、専門技術を踏まえた考えを示せ。


模範解答1 簡易答案形式1 建設部門、港湾及び空港  専門:港湾計画   2021/6/19


1.課題

1)地方への観光客の増加 

京都、東京、大阪等主要都市への観光客は多いが、福岡等地方への観光客がすくないため、増加させる必要がある。

2)地方の観光産業の成長の遅れ

1)と同様に、地方の観光産業を活性化させる必要がある。

3)クルーズ客船のクルーズ拠点整備が遅れているため、拠点整備を進める必要がある。 

2.最も重要と考える課題及び解決策

最も重要と考える課題はクル−ズ拠点整備の推進である。

1)既存施設の有効利用 

岸壁やターミナル整備などの港湾機能の強化について既存施設の再利用を検討していく。

2)新たなアウトバウンドルートの実現

観光バスの受入対応や観光人材の育成,買い物しやすい環境の整備,新しい観光ルートの開発などにより、経済効果を向上していく。

3)外航クルーズ客船の誘致拡大

クルーズ市場の拡大のため,寄港実績のある船会社に加え,新規の船会社に対しては航路誘致を,旅行社や旅行客に対しては,寄港地のプロモーション活動を行う。

また、クルーズ寄港地の特色が相乗効果を発揮できるクルーズプランを検討するなどの誘致活動を行う。

3.新たに生じるリスク対策

1)各地域には魅力ある資源が多数存在し、多様な観光が提供できるにもかかわらず、広域連携を推進する基盤が整っていないことによる地方誘致客の格差が生じる恐れがある。これに対しては、鉄道,バス等の交通機関や各地の自治体,関係機関と連携して、広域での PR の実施を促進していくことで解決できると考える。