H28年 機械・機械設計 Ⅱ−1−1問題 模範解答と解説
問題文
機械や設備の故障率は時間とともに変わる。時間と故障率の関係を故障曲線と呼ぶ。故障率の定義を述べ、故障曲線の特徴を述べよ。
模範解答
(1)故障率の定義
生産した製品の故障する確率として、以下の式で定義される。故障率=(故障した個数)÷(生産した個数)
(2)故障曲線の特徴
故障率の時間経過を図に示すと、生産後の初期、中期、後期においてそれぞれ下降、水平、上昇するため、そのトレンド形状からバスタブカーブと呼ばれている。
①初期生産後は、故障率が高い。これは、製造ばらつきに起因する故障が発生することを示す。はんだ付けやねじ止めの不備等が検出され、次第に出尽くして減少する。高い信頼性が要求される部品では、初期故障除去として熱サイクル試験や振動試験を実施し、不良品が流出しないようにする。
②中期故障率が安定した状態である。一般の製品はこの状態で使用される。
③後期故障率が高くなる。これは、使用中の熱や振動のストレスにより、部品の一部が消耗することにより劣化が進行し、故障が増加するものである。時間と共に増加してやがて機能的に終末を迎える。
解説
この問題は、故障率の定義とその特徴を問いかけるもので、バスタブカーブが思いつけは解答は難しくありません。用語の定義や原理を簡潔に表現すればOKです。
技術士の問題では、どの様に答えるか、何を答えるかかは受験者の自由裁量に任されています。当研究所の指導ではどの様な場合でも、その問題の背景を考慮してベストに応えるように指導しております。このため1、2行の短い問題文であっても、出題者の意図を正しく捉えて的確な回答が可能です。