技術士試験の合格するのに障害となっている原因は何か?

 これが分かれば誰でも短期間で合格できるはずです。 しかし、意外と知られていません。合格の方法が明らかでないために、合格まで2、3年を要するのは当たり前と考えられていませんか。

 この試験を取り巻く一番の問題は、多くの方が「なぜ技術士試験に合格できないのか?」という原因が分からないことです。

 技術士合格への道研究所では、毎年受講者を追跡調査し、合格、不合格の原因を確認してきました。そこから 言えることは次の3つです。

準備段階で合格レベルに到達できない。 勉強法、合格基準のいずれか、または両方が分からないため試験の合格に十分な勉強の管理が出来ない。 技術士に必要とされる高い専門性と幅広い知識が不足している 専門知識や技術的体験といった知識のベースが不足しているため、自分で知っている範囲で最低限の内容の答案しか書けない。基から勉強しようとすると勉強時間がかかりすぎて、間に合わない。当日、試験場でよい答案ができない   知識、経験共に十分でも、試験の問題が知識問題ではなく応用問題であるため、出題者の要求に対して臨機応変に考えて解けない。

上記の原因を分析すると、合格するための戦略が見えてきます。

 このうち①の「準備段階で合格レベルに到達できない」原因を分析すると、

勉強法が分からない→どんな知識必要かやどのように応用しなければならないかは明らかにされていない。 合格基準が分からない→評価尺度は明らかにされていない。

といったことがあきらかになります。

 また②の「技術士に必要とされる高い専門性と幅広い知識が不足している」を分析すると、
高い専門性が不足している→そもそも技術士にふさわしい業務をしていないのにもかかわらず受験している。
幅広い知識が不足している→日常業務に忙しくて勉強する時間がない

 さらに③の「当日、試験場でよい答案ができない」を分析すると、
問題が変化しているのに、臨機応変に応用できる形で練習していない。
技術者としての日常的な問題意識がなく、試験問題として出題されるまで考えられない

以上をまとめると技術士試験合格について以下のことがいえそうです。

技術士として必要とされる能力は何なのか知る必要がある技術士にふさわしい体験を専門家が書いた文献等から学ぶ専門家としての現状改革のための課題意識を築く

1. 技術士として必要とされる知見の範囲はどこまでか知る必要がある

勉強法や合格基準が分からないのでは、やみくもに勉強せざるを得ません。まずは自分の専門分野の守備範囲を知ることです。専門試験では受験者はそれぞれの得意分野の知識を備える必要があるため、各自の体験に応じた知識体系を築く必要があります。 また、試験の評価尺度は試験官の暗黙知であると考えられがちです。しかし、技術士試験が技術コンサルタントとしての試験であることを考えて見てください。クライアントならコンサルタントに何を要求するかと考えて洞察すれば、評価尺度は次第に見えてくると思います。

2. 技術士にふさわしい体験を専門家が書いた文献等から学ぶ

 まず、技術士にふさわしい業務、或いは「技術士にふさわしい」ことが何なのかを認識することです。そして、もしそのような知見や経験がないのであれば大至急勉強する必要があります。専門家が書いた文献から、そのような知見を学びとるしかありません。専門誌の記事はその筋の専門家によるものであり、そこから容易に専門的知見を学ぶことが可能です。また、技術士の本質を理解することは、勉強の取捨選択を可能とするため短い時間で合格を可能としてくれます。

3. 専門家としての現状改革のための課題意識を築く

 毎年、試験問題が予想できず、応用力を養うのに苦慮するのは、ひとえに未来の問題を先取りできていないからに過ぎません。試験官は受験者に対して専門家としてコンピテンシーを要求するため、創造的な活動や現状改革を提案できなければなりません。独創的な工夫を加えて現状を改善する「創造行動」や既成概念を転換し、望ましい状況を作り出す「変革行動」は専門家としての必須要素だからです。

 このコンピテンシーの理論については本講座の指導テクノロジーのページをご覧ください。

  こうした現状を改革するための課題意識を築くには、2つの方法があります。一つは実際にそのような課題に自ら取り組んでみる方法でありあまりお勧めでではありません。「体験」するには仕事の制約もあって誰もが出来ず、しかも「創造」や「変革」とかいった事項は優れた指導者に師事して初めて体得できる領域の能力です

 そこで私がお勧めする方法は、クライアントの要求から未来の課題を読み取る方法です。といっても実際のクライアントから聞き出すのは至難の業です。そこで、お勧めは技術士試験の過去問から学び取る方法です。試験問題は試験官が受験者のコンピテンシーを測る手段であり、その要求は優れた技術コンサルタントとしてのコンピテンシーそのものだと言えます。どのような背景から何が要求されるかを類推すればよいのです。単に「今気づく重要なキーワードが何か」ではなく、背景を考えて類推することが大事なのです。

試験の実態を乗り越えて無理なく合格の道をご案内します

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