技術士二次試験では、申込書が合格判定の重要な根拠となるため、申込書を書く時点から試験が始まっているといわれています。そしてその「試験」すなわち受験申込の受付は4月初旬から始まりました。5月上旬まで受け付けていますのでじっくり考えてから提出してください。
申込書は、あまり意識しないで書く方も多いかと思いますが、提出された後に次の3つの段階を経て採点されることになります。
申込書提出時 事務官によって法定の受験資格相当経験年数に達しているかどうか。口頭試験まえの審査 経歴や業績が受験した技術部門に相当するか。口頭試験時の審査 経歴から受験者の技術者としての全貌を想定する。全体像が技術士としてふさわしいかどうか。業績の中身が吟味される。
このように技術士試験申込書の審査は段階的に、次第に厳しい審査を受けます。申込書は試験の何ヶ月も前から業績をアピールできる機会であり、積極的に自分の業績をPRできるチャンスとして利用すべきです。逆にいえば、受験申込書の不備は取り返しのつかない決定的な減点を試験前に生んでしまうため、慎重に経歴内容と整合を図る必要があります。受験申込書、そのうち特に業務経歴欄は、受験資格適格という最低限提出書類としてではなく、受験者がいかに技術士にふさわしいか、すなわち前回ご紹介した
「技術者コンピテンシー」を認識させる、戦略的な第一歩
と考えるべきなのです。