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ESG投資とは何かご存知ですか。日経新聞2017年10月18日「ESG投資市場の3割に、環境、社会円統治「見えない価値」着目」という記事より、技術者がこうした価値観どう把握して、行動すべきかということを整理しておきましょう。これまでエンジニアの行動原理といえば、経済性に優れ、品質の高いものを生み出すこと、とされていました。しかし、今後は企業に対する投資家の考え方であるESG投資の考え方に沿った行動が求められる可能性が高まります。実際、関連した項目が技術士試験で出題されており注意が必要です。
ESG投資とは、売上高や利益といった財務の分析だけでなく環境と社会、企業統治の3分野に対する企業の取り組みを踏まえて投資先を選ぶ手法を指します。財務指標が過去の実績を表すのに対して「企業統治に優れた企業は安定的に成長しやすい」などESG投資で重視する「非財務情報」は将来の持続可能性につながる情報を含んでいます。
そしてESG投資の主な評価項目とは、大きくは環境、社会、企業統治のみに大別され、それぞれ下図のような領域を含んでいます。
ESGの代表的な要素(みずほ情報総研ホームぺージより)
このうち、環境における技術的な管理が必要なことは理解しやすいことですが、社会や企業統治についても技術士試験で出題される頻度が高まっています。
例えば平成29年建設部門施工科目III-2問題では、近年求められている働き型改革に対応して雇用や契約制度の改革について建設部門としての対応が求められています。実はこの問題の正解は、女性活躍推進や、労働環境改善であり、こうした視点を持たなければ正解できない問題となっています。
また企業統治については、筆記試験で問われる機会は少ないようですが、口頭試験では毎年出題されています。最近、新聞紙上をにぎわした事件に関連して、その対処方法などを求められる問題が出題されています。 例えば性能試験の偽装問題とかが最近にもありました。こうした問題は企業統治の不備によるものであり、技術士らの貢献によって、技術情報の管理や法令遵守、情報開示を進めること無しには解決が困難です。
ESG投資の背景と技術士
企業の社会的責任(CSR)に重点を置く社会的責任投資という考えが源流にあります。実は2006年に国連がこうした「責任投資原則」というルールを提唱し、それにESGの視点が含まれていたことがきっかけとなっています。今では世界の大半の機関投資家がこの責任投資原則に署名しています。このため日本企業でも、
大企業あるいは外国人株主の比率が高い(グローバルな)企業ほどESGに留意して経営している
ということです。企業の経営原理がそうであることから、技術管理を担う技術士にもこうした視点が求められる事は間違いありません。
2016.12.29
あらゆるものがネットにつながるIoTは大きな技術革新を招くことが予想され、技術士試験の課題として出題されることが予想されます。今回は日経新聞2016年11月28日「日立、IoTでまちづくり、駅の混雑緩和や店舗開発支援」という記事より実際にどのようなことができるかということを把握しておきましょう。
通常の監視カメラに熱や音を検知するセンサー、 AI 、ネットワーク監視技術などを用いて、駅の混雑緩和などのサービスが提供可能です。
例えば鉄道駅の開発では、
、といった提案が可能です。そして、こうしたコンサルティングの費用は、
サービス利用企業のコスト削減分や増収分の1部を収入として継続的に受け取る
というビジネスモデルもすでにできているようです。
世界のIoT市場は20年に約330兆円と15年の3倍に拡大する見通しがあり、カメラやセンサー、データ管理システム関連機器の需要が増えるとみられています。
このように新しいテーマであるIoTについてエンジニアの取り組みに姿勢を用意しておく必要がありますが、実際に何ができるかといったことを具体的にイメージして、各自の技術分野での提案を用意しておく必要があります。
技術士試験ではこうした新しい技術テーマはどのような形で出題されるかわかりません。しかし、各部門科目でできる技術的な課題解決が焦点となる事は間違いなく、テーマごとに
というようなことを考えておけば、二次論文試験の解答に役立つはずです。
2016.12.28
あらゆるものがネットにつながるIoTは大きな技術革新を招くことが予想され技術士試験の課題であるためすべての分野の受験者がこの課題に対しての取り組みを考えておく必要があります。
今回も日経新聞2016年12月5日「中小、IoTで課題解決」という記事より実際にどのような実施例があるか、すでに実用化されているIo T適用例よりご紹介したいと思います。IoTについて考える前に、実際どの様なことができるかということを把握しておく必要があります。
サービス業にもIoTが導入されています。不動産業の接客管理のために、スマホ映像のネット配信サービスが多店舗管理に導入されています。
不動産業の各店舗に小型の高精細カメラを設置して店内の様子をチェックしながら、人手が足りない店には余裕のある店から応援要員を派遣する。強引な営業していないかとか、無駄な残業をしていないかも点検できる、そうです。
このシステムはネット回線を利用するので、画面を指でスマホ画面スライドさせるだけで映像切り替えたり、過去にさかのぼって確認できたりと、操作が簡単なうえ、カメラの価格が1台3万円で、かつ映像の視聴は無料と維持費が格安です。
このほか喫茶店の注文を自動でとるIoT装置も実用化されています。客がテーブル上で長方形型のブロックを倒すと、離れた場所にいる店員のリストバンドが振動して、お水、片付けなどと表示されます。店員は何度も店内を往復せずに生産性の向上につながるということです。
このようにIoTは1部の先進企業のハイテクではなく、中小企業の人手不足などの課題解決が行われており、既に社会に浸透しており、今後大きな社会変革の要因となることが予想されます。このような
社会の変化をとらえてそれに対応した技術対応を提案する
ことが技術士の務めです。逆に技術士としてはそうした
新しいトレンドを常にウォッチングして対応法を備えておく
必要があります。すなわちこれが 継続研鑽 なのです。
2016.12.27
あらゆるものがネットにつながるIoTは大きな技術革新を招くことが予想され技術士試験の課題であるためすべての分野の受験者がこの課題に対しての取り組みを考えておく必要があります。
ここでは日経新聞2016年12月5日「中小、IoTで課題解決」という記事より実際にどのような実施例があるか、すでに実用化されているIo T適用例よりご紹介したいと思います。IoTについて考える前に、実際どの様なことができるかということを把握しておく必要があります。
コンピューター制御の金属部品工作機械、「マシニングセンター」では、切削加工の刃物が折れたらすぐに交換するといったメンテナンスが必要です。かといって管理技術者が常駐することもできません。こうした遠隔地での機械保守点検のためにIoT技術が応用されています。切削機の稼動状態のデーターを携帯電話回線で暗号化してメーカーに伝送し、異常が発生したらすぐに係員が部品交換に駆けつけるということです。
このようなIoTによる解決を可能にした鍵となるものは安価な通信サービスでした。なんと初期費用945円、次月300円程度と言う低価格で、データを携帯回線でクラウドに保存暗号化して顧客が受け取れるそうです。
実はこのような通信サービスを利用した機械ごとの稼動データ収集、保守はコマツの「建設機械の遠隔管理システムコムトラックス」が先駆となっていました。コマツの重機にはGPSと通信システムが備えられており、車両の各種データを通信アンテナから発信し、衛星通信や携帯電話回線を通して、コマツ本社のサーバーで稼動データとして収集しています。今後はIoT技術の進歩によりもっと安価に、通信インフラを持たない中小企業でも、IoT技術の恩恵に預かれる可能性があるということです。
技術士としてはこのような前提をもとに、各自の技術分野でどのように課題解決に応用していくか、という技術課題について提案できるように用意しておかなければなりません。
あらゆるものがネットにつながるIo Tは、大きなマーケットを作り出すことが予想されており、すべての分野の技術者がこの課題に対してどう取り組むかを考えておく必要があります。
ここでは日経新聞2016年11月23日「IoT実現への課題、国際的に通用する仕組みを、人材育成やデータあり活用」より3つの課題を要約してみます。
3つの課題とは、インフラ整備、データ利活用、人材育成 です。
1. インフラ整備
まずIoTでは何が必要か?従来のネットワークが速度、容量、網羅性であったのに対して、IoTでは柔軟性が求められると言われています。例えば自動車がつながる場合、データ伝送が遅延させないため、データーをその場で処理して必要データだけを通信します。このようにIoT時代ではニーズに対応した柔軟なネットワークが求められます。
2. データ利活用
DATAの流通に関するルールの整備や国際的な標準化の問題があると言われています。個人情報に関するグレーゾーンは依然として存在しており、個人情報が含まれていなくても、個人終わりがせる可能性もあります。このため課題としてはグローバル企業などでは太陽ティーを活用した新事業日本以外の地域で先行させることも課題の1つと見られています。
一方日本国内では、具体的な利用例で課題を抽出しグレーゾーンの判断基準を作り解消していくことが課題です。このためには民間だけではなく調査分析などを通じた産学官の連携体制が求められます。
3. 人材育成
IoTを実現するためにはIT人材が約100万人不足しいるそうで、このIT人材の育成については
人材の要件定義の研究大学と産業の連携魅力的なキャリアパスといった3つの取り組みが必要と考えられています。こうした人材にふさわしい資格として現在存在している
などの資格者を包含して新しいアプローチによる人材育成が求められます。
以上、これからのIoT実現に必要な課題を挙げましたが、前述の3つの課題「インフラ整備、データ利活用、人材育成」は、新しい多くの技術に当てはまる基本的な対応法であると言えそうです。こうした体系的な考え方を身につけておけば、技術士試験における新規の課題に対しても、内容を整理して提案することが可能です。
マンションも「ゼロエネ」
環境意識の高まりに伴って戸建て住宅では「ゼロエネルギー住宅(ZEH)」が普及しています。一方、マンションでは太陽光発電をするための屋根面が小さいため、不利としてこれまで見送られてきましたが、このほど名古屋に3階建てのゼロエネルギーマンションが実現しました。
ゼロエネルギーマンションでは、各住戸内で消費するガスや電気のエネルギーから、太陽電池で発電した電気を差し引き、実質的なエネルギー消費をゼロにしています。エネルギー効率が良いため二酸化炭素など温暖化ガスの総量も増えません。経済的にも、一年間の光熱費は一般的なマンションの住戸の1/5程度、金額にして年間3万9800円程度となるそうです。
地球温暖化対策枠組みを決めた「パリ協定」が発効し、全ての国が温暖化ガスの削減に向けた取組みを始めています。日本は2030年に3013年比26%減の目標を掲げています。分野別の目標は、オフィス部門40%、住宅部門39%となっており、「ゼロエネルギー住宅(ZEH)」の普及が目標実現のカギを握るといわれています。
こうした社会動向に対して、技術士試験では、それぞれの分野で目標をどう実現するか、運輸部門や工場の省エネ、住宅の断熱など具体的な方法論として効果的な提案が求められることが予想されます。
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