電気・電子部門、電気設備 Ⅲ-2
問題文
今日の、我が国は高齢化社会を迎えており、2025年には国民のおよそ5人に1人が75歳以上の後期高齢者になる統計が出されている。高齢者においては、身体機能の低下、経済活動の低下などの生活面での課題が想定され、電気設備分野としても多様な対応が求められている。このような状況の中、あなたが高齢者向け住宅の設計責任者として業務を推進する当たり、以下の問に答えよ。
(1)高齢者の抱える課題を多用な視点から述べよ。
(2)上述した課題に対して、電気設備分野としての技術的対策項目を提案せよ。
(3)(2)で提案した技術的対策項目から、あなたが重要と考える2つの項目について具体的な内容、効果及び想定されるリスクについて述べよ。
模範解答
(1)高齢者の抱える課題
①垂直移動を少なくする
垂直移動時に階段やスロープをのぼること無く移動できるようにする。また、スカイプなどの情報機器を使用して移動しないようにする。
②容易に機器の操作を行う
様々な機器の操作を本人が行わなくても、自動で行う。また、本人が機器の操作を行う時に、手を使用しなくても操作できる。
③高齢者を病気や怪我から守る
高齢者が病気や怪我で倒れた時に、高齢者の状態を自動で検知するとともに、その状態を医師や医療スタッフに連絡(通報)するなどの対策ができる。
④高齢者を犯罪(盗難や傷害など)から守る
高齢者が盗難や傷害などによる被害を受けないような監視や通報システムなどの対策ができる。
(2)課題に対する技術的提案
①ボイスコントローラ技術
ボイスコントローラを使用して、操作者の声(音声認識ワード)を認識し、エアコン・テレビ・LED照明などの操作を行う技術である。
②遠隔身体管理システム技術
サーモグラフィーにより患者の体温を管理する。また、患者の身体状態を通常時の動作と画像比較(画像処理技術)することにより異常時の判断を行う技術である。また、医師や医療スタッフに連絡(通報)することにより、遠隔地から異常時の対策ができる技術である。
③セキュリティー技術
高齢者が犯罪(盗難や傷害など)による被害を受けないように、機械警備設備、入退出管理設備、監視カメラ設備、外構警戒(センサ)設備などを使用して、高齢者を犯罪から守る技術である。
(3)技術的提案の具体的な内容、効果及び
想定されるリスク
①ボイスコントローラ技術
<内容>
手を使用してリモコン操作できない人が、ボイスコントローラの音声認識ワードを話すことにより、ボイスコントローラ本体が音声認識を行い、登録された機器であるエアコン・テレビ・LED照明などと赤外線通信を行い操作する。
<効果>
本人が動くことなく周辺機器の操作が出来るため、寝たきりの状態で手が使用できない場合でも操作可能である。また、音声認識ワードによる操作であるため、別の部屋からでも操作できる。
<リスク>
ボイスコントローラ本体とエアコン・テレビ・LED照明機器が赤外線通信を行うため、その間に障害物があると赤外線を遮蔽し動作しない。
②遠隔身体管理システム技術
<内容>
遠隔地から監視カメラ設備を使用して、音声や画像で医師と診断を行うことが出来る。さらに遠隔地よりサーモグラフィーカメラや監視カメラで体温の測定や顔色などの健康状態(登録された映像状態との色彩の差分検出など)を自動で監視して、異常時の判断も自動で行う。また、異常時や怪我で倒れた時に医者へ自動通報を行うシステムとする。
<効果>
高齢者が病院に通うことなく医師の診断(音声や画像によるもの)を受けることが出来るので、高齢者の移動が無くなり、医師と時間調整を行えば自由に診断が受けられる。(医師も空いた時間を有効活用することが出来る)高齢者が倒れた場合や体温が高い時などに、医者などの専門家へ自動通報することにより、早期治療を受け高齢者を守る。
<リスク>
個人の登録情報や室内の監視カメラ画像などが外部に漏れる危険性がある。
解説
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