H27年 建設・道路 Ⅱ-1-4問題 模範解答と解説
問題文
盛土部の排水処理を設計する上で、地下排水工の設置が必要となる盛土部の部位を列挙し、そのうち2つの部位について具体的な対策工と留意点をのべよ。
模範解答
(1)盛土部の路体
①地下排水溝は、切土部から盛土部に変わる切盛境路体下面に設置する。湧水等が多く縦断方向で不十分な場合は、横断方向への設置も留意する。
②水平排水層は、小段毎に設置し、厚さ30㎝、長さは盛土高の1/2とする。
③基盤排水溝は、現地盤沢部に設け、厚さ50㎝、長さはのり面長さの1/2とし、暗渠排水管はφ300㎜以上とし、目詰まりによる閉塞に留意する。
④のり尻工は、高盛土や腹付け盛土では、盛土最下部の1m程度を透水性の高い材料を使用し、フィルター材を用いて土砂の吸出しに留意する。
(2)構造物の裏込め
①対策工
地下排水溝は、隣接盛土と裏込め盛土の境界部及び
床掘底面の構造物壁面に沿って地下排水溝を設置する。構造物背面には裏込め排水溝を設置、暗渠排水管により地表面水路に導く。裏込め排水溝は、設置間隔2〜4mとする。
②留意点
浸透水を速やかに排除できるよう流末位置に留意する。また、湧水量が多い場所や地下水位が浅い場合は、厚さ30㎝程度でフィルター材を用いた基盤排水層を設置する。
解説
作成中
模範解答2
(1)道路の定期点検の対象施設
①橋梁(長さ2m以上)
②トンネルおよび洞門
②横断BOX
③切土および盛土のり面
④コンクリート擁壁
⑤落石防護・防止施設
⑥道路附属物(ガードレール、道路照明、標識等)
⑥舗装
(2)構造物の維持管理の業務サイクルの各段階
1)点検
経年変化による老朽化の程度を点検する。点検方法は、目視による外、内部の異常を確認するため、超音波法、赤外線による探査を行う。
2)診断
点検結果により、対策の緊急性を診断する。ただ緊急度により、ABCの3段階に分類する。そのうえで、全体の補修計画を作成する。
3)補修工事の実施
診断結果により、設計を行い緊急度の高いものから補修する。補修の順位は、路線の重要度と危険度の両者で決定する。
4)工事記録
修工事の結果を記録し、データベースとして管理する。 以上
1.地下排水溝の設置が必要な盛土箇所
①切土と盛土の境界面
②自然斜面に腹付け盛土の境
③平坦地の盛土で、地下水位が高い箇所
④橋と土工部の境
⑤谷埋盛土箇所
⑥コンクリート擁壁の背面が盛土の箇所
⑦高い盛土箇所の各小段部
2.具体的な対策工と留意点
上記の内、②と⑤について以下に述べる。
1)対策工
②自然斜面に腹付け盛土の境
現地踏査後、地形図により斜面の集水面積をを計算する。その後、降雨強度を想定し流出量を算定する。現地の土質試験結果から、透水係数を求め地下の浸透水量を計算し、地下排水工の必要断面を求める。
⑤谷埋盛土箇所
谷地形の箇所は降水が集まりやすい。上記と同様に集水面積から降雨強度により、同様に流出量を求め、地下の浸透量から地下排水工の設計を行う。
以上の両箇所について、有孔管を単粒度砕石で囲んだ地下排水工により、地下水を処理する。
2)留意点
地下排水工の断面は、経年変化で目詰まりし有効断面積の減少を考慮し、余裕のある断面とする。
解説
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