H27年 建設・道路 Ⅱ-2-1問題 模範解答と解説

問題文

 近くに小学校や鉄道駅がある都市部の住宅地域を通過する4種2級の2車線道路が計画されている。この道路計画の担当責任者として、下記について述べよ。
(1)この道路に必要な横断構成要素と各々の要素が持つ機能
(2)この道路計画の立案に際して、「沿道住民」、「歩行者」及び「自転車利用者」の視点で、それぞれ2つ以上の留意点を述べよ。

模範解答

(1)必要な横断構成要素と機能

1)車道

 横断構成要素は、車線・路肩・停車帯が挙げられる。車線は、計画交通量と1車線当たりの基準交通量から決定される。小学校や駅周辺であることから自動車の通行機能だけでなく、バスや小型車の滞留機能やアクセス機能を考慮する。都市部の住宅地域を通過するため、基本とする車線幅員は、3.0mである。路肩は、車両の通行に必要な側方余裕の確保、車線・歩道・自転車道・植樹帯等に隣接して、道路主要構造物を保護する交通機能を持つ。停車帯は、故障車待避やバス停車に用いる空間機能を有する。

2)植樹帯

 幅員1.5mを基本とし、自動車交通と自転車・歩行者などとの交通を分離する交通機能と良好な生活環境のための緑陰や火災時の延焼防止など空間機能を持つ。

3)自転車道及び歩道

 車両と歩行者や自転車とを分離し、沿道施設へのアクセスや滞留などの交通機能を持ち、ライフライン収容などの空間機能も有する。

(2)道路計画立案に際する留意点

1)沿道住民

①速度抑制:人や自転車の飛び出しによる交通事故が懸念される。そこで、車両の速度抑制効果のあるドットライン、減速マーク、カラー舗装等を用いる。

②排水性舗装採用:生活環境保全や歩行者等への水跳ねを考慮し、騒音抑制効果のある排水性舗装を用いる。

2)歩行者

①歩行空間確保:小学校や駅周辺では、歩行者利用が多く、並んで歩ける幅員を確保する。

②バリアフリー:鉄道駅周辺における歩道利用者の多様性を考慮し、立体横断施設へエレベーター設置や歩道の段差をなくする。

③滞留空間確保:住宅地域や駅周辺では、滞留や交通機関への乗換が生じる。そこで、車道横断待ち、バスやタクシー待ちなどに必要な歩道幅員を確保し、ベンチ等を用いた休憩場所等を設置する。

3)自転車利用者

①通行帯の確保:車や歩行者との接触事故を防止するため、植樹帯や分離柵を設けて、カラー舗装により安全な通行帯を明示する。

②交差点における安全空間確保:二輪車停止線を明示し停止空間を確保するとともに、交差点横断帯の明示により通行帯を確保する。

③駐輪場設置:自転車の駐輪空間を確保するため駐輪場を設置する。規模は、利用ニーズに合わせるため、駐輪場の利用台数、放置自転車台数、駐輪特性等を把握して、地域協議会により決定する。

④安全性確保:路面の平坦性を確保し段差や溝を解消させ、マンホール等は滑り止め加工を行う。

解説

作成中

模範解答2

(1)道路の横断面構成要素を決める際に調査すべき項目

①道路交通調査

  • 主要地点の断面交通量(12h、24h)
  • 旅行速度(主要交差点間の車両通過時間)
  • 起終点(人や車の移動区間)

②計画路線を含む一定エリアの交通事故調査(過去3年)

  • 主要区間の事故件数、死傷者数、事故率
  • 主要地点の事故形態

③地質調査

  • ボーリング調査(地盤支持力・支持層、軟弱地盤、地下水位)
  • 路床土の設計CBR(舗装構造の基礎資料)

④環境影響評価

 道路整備にともなう、沿道環境変化(大気汚染、騒音・振動値)

 (2)沿道住民、歩行者、自転車利用者の視点で留意点

①沿道住民

ア)交通騒音の低減

 生活環境保護のため、交通騒音を低騒音舗装により低減する。空隙率の高い(約20%)As舗装により、タイヤ摩擦音を吸収し約4dBの低減を図る。

イ)バス停留所の設置

日常生活の移動手段として公共交通機関が必要である。バス停留所は、交差点付近の交通流を低下させない交差点の流出側に設置する。

②歩行者

ア)立体横断施設の設置

小学生・一般歩行者の歩行空間を自動車交通から立体的に分離し、安全確保のため、横断歩道橋を設置する。なお、高齢者や身体障害者等の移動円滑化を図るため、エレベータを併設する。

イ)歩道のバリアフリー化

歩道幅2m、高さ5cmのセミフラット式とし車椅子と歩行者が安全・円滑に通行できる構造とする。交差点部は、5%程度の緩い勾配ですりつける。

ウ)歩行者の溜まり空間

交差点・バス停留部では、歩行者の安全・円滑な確保のため信号・バス待機者の溜まり空間を確保する。   交差点の隅切部では、植樹帯の設置を避け、バス停 留部では、乗降場としてw-2mを確保する。

③自転車利用者

ア) 自動車・歩行者空間の分離

安全・快適性確保のため、車道はマウンドアップ構 造の植樹帯で分離し、歩道は分離柵(H=1.1m)及び舗装色を区別し分離する。

イ)駐輪場の設置

鉄道駅前の放置自転車対策のため、鉄道駅に近い交差点付近で、植樹帯のスペースを活用して駐輪場を設置する。

解説

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