キーワード学習の指導はしてもらえますか
キーワード学習とは基礎知識の暗記を目指したものであり、択一試験の対策の一環でした。かつての技術士試験が記述中心の試験であったころには有効でしたが、今は考察、応用が中心です。
このため、大変申し訳ありませんが、キーワード学習についてはあまり積極的に指導はしておりません。なぜかと申しますとキーワードで知識を暗記しても実際の試験で役に立たないからです。その理由はここ数年の問題文を見る限り、単なるキーワードの知識を問うような問題はほとんど伝えされていません。選択科目Ⅱ-1で求められる問いも技術の活用方法であったり、考え方や原理についての説明が主体です。このためただ知識を
暗記するなら「キーワード」等にまとめずに参考書を読んで暗記する
ことをおすすめします。そのほうが効率的だからです。
過去問練習を始めると、逆にどのような系統のキーワードを覚えると正解しやすいかという、キーワードのカンみたいなものが掴めると思います。それからキーワード学習された方が効率的で体系的知識がつくかと思います。大事なことは知識の深さではなく、知識をどう応用して現実の問題が解けるかという応用です。
■必須科目など広範囲のテーマに対してキーワードのピックアップの仕方について。
例えば、衛生工学部門必須科目の問題では「国連ミレニアム開発目標」などといった言葉が出てきます。このため、必須科目対策については、過去問傾向をベースとして、最新の社会動向を加味して、出題年段階での予想問題を作って練習をします。
ご質問にあった「国連ミレニアム開発目標」などという、世界技術開発の基本指針みたいなものは、衛生工学部門ではすでにⅢ問題で数年前から出題されていますので、必須科目についても当然の想定内です。衛生工学部門の技術リーダーとは、技術者個人が直面する問題解決だけではなく、社会ニーズをとらえて適切な行動を取れなければならないということだとお考え下さい。
こうした指針や目標が意味するものは、つまるところ環境保全や資源循環といった究極のテーマに過ぎません。これは先進企業の経営方針に他なりません。技術士はほとんどが企業内社員でして、結果として経営責任者となる場合が多いのです。ですから個々の社会目標の意味を正確に記述できなくても、
世界的な経営指針となるESG方針を理解していればほぼ間違いはありません。
企業経営の指針であるESG方針については日経新聞等を教材として具体的に指導していますのでご安心ください。
■各部門のキーワード集の一例について
残念ながらキーワード集は前述の理由により用意しておりません。キーワード学習とは過去の勉強法に過ぎませんし、知識を勉強するのであれば参考書を読んで解釈する勉強法をおすすめします。知識を吸収するためのさんこうしょについては、文献の選定に協力します。また、どのキーワードをマークすればよいかは、後述する過去問分析出題傾向予測が役立ちます。