鉄道土木 H20 1-2「ロングレール」

問題 

 ロングレールの敷設あるいは維持管理上で留意しなければならない点を3つ挙げ、その要件について述べなさい。

解答(簡易形式)

1.敷設あるいは維持管理上の留意点

 予め決定した設定温度が現地で確保するよう留意する。 軌道座屈を防止するため、必要な道床横抵抗力の確保について留意する。また、レール破断を防止するため、レール損傷に留意する。

 レールの伸縮等に起因するレールのふく進よる軸力の変化に留意する。

2.各留意点の要件

 現地における設定温度の確保

 高温時と低温時のどちらも設定温度に到達した時点で速やかに溶接を行う。

 軌道座屈及びレール破断の防止

①道床横抵抗力不足による座屈防止

 夏期までに道床肩幅を確保する。道床を緩めた場合は、道床横抵抗力を確保する。

②レール損傷個所における破断防止

 冬期までにレール交換、交換箇所以外では補強継目板の設置。

 レールふく進による軸力変化の把握

①軸力集中による座屈防止

 ふく進量による軸力集中箇所の設定替、ふく進の抑制。

②分岐器不転換の防止

 分岐器介在ロングレール化による不動区間解消、軸力管理の簡素化、軸力のアンバランス解消。

解答(完成答案)

作成日    H28/9/17   問題番号  H20 №2   添削履歴  0    試験区分  鉄道土木 

1.敷設あるいは維持管理上の留意点

敷設時における設定温度の確保

 ロングレールを敷設する際は、高温時の軌道座屈および低温時のレール破断の両方について安全性が確保される温度で設定しなければならない。敷設時は、予め決定した設定温度が現地において確保出来ているかどうか留意する必要がある。 軌道座屈・レール破断

 レール高温時には、レール内に伸び方向の軸力が発生し、軌道座屈を発生させる危険性がある。そのため、必要な道床横抵抗力の確保について留意する必要がある。また、レール低温時には、レール内に引張方向の軸力が発生し、レール破断を発生させる危険性がある。破断の要因となるレール損傷の除去について留意する必要がある。

レールふく進による軸力の変化

気温の変化に伴うレールの伸縮、列車の加速や制動(特に急勾配区間)によりレールのふく進が発生する。これによる軸力の変化や分岐器の不転換に留意する必要がある。

2.各留意点の要件

設定温度の確保

 設定温度と異なる温度でロングレールを敷設した場合、レール温度上昇時における軸力の異常増加、レール温度下降時における軌きょうの内方変位を発生させる可能性がある。

高温時に敷設する場合はレール温度が設定温度まで低下するまで待機し、低温時に敷設する場合はレールを暖めることにより設定温度まで上昇させ、どちらも設定温度に到達した時点で速やかに溶接を行うことが重要である。

軌道座屈及びレール破断の防止

①道床横抵抗力不足による座屈防止

夏期までに道床かきあげやバラスト散布等を実施し、50Nレール区間で400㎜、60㎏レール区間で500㎜以上の道床肩幅を確保する。夏期に道床を緩める作業を実施した場合は、締固めや道床固結材の散布により必要な道床横抵抗力を確保することが重要である。また、座屈防止版を設置することにより、道床横抵抗力を増大させることが可能である。

②レール損傷個所における破断防止

冬期までにレール交換を実施することにより、レール破断の起点となる可能性のある損傷を除去する。

 また、交換箇所以外に進行の見られる損傷が破断した場合においても、開口量を小さくするために予め補強継目板を設置しておく必要がある。

レールふく進による軸力変化の把握

①軸力集中による座屈防止

ロングレール敷設移行に発生するレールふく進による軸力の変化を把握し、軌道の座屈を防止する。ふく進量を測定し、軸力の集中が見られる箇所については、一度レールを切断し、再度溶接を行うことにより軸力を解放することで軌道の座屈防止を図る。レールふく進への対策としては、アンチクリーパーの取付によりふく進を抑制することが可能である。

②分岐器不転換の防止

ロングレール化区間に分岐器が介在する場合は、レールふく進により基準側と分岐側とのレール軸力にアンバランスが生じ、分岐器不転換を発生させる可能性がある。

分岐器介在ロングレール化を行うことで、不動区間解消による軸力管理の簡素化、軸力のアンバランス解消が可能である。

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