鉄道土木 H24年 1-1「レール削正」

問題

 適切なレール管理のために、レールの材料に関して留意すべき点を3つ挙げ、それぞれの概要と管理上留意すべき点を述べなさい。

模範解答

1.レール削正の目的

レール損傷の抑制

 レール頭頂面に転がり接触疲労が蓄積することによりシェリング傷が発生する。また、レール溶接部の疲労寿命により溶接部に損傷が発生する可能性を考慮し、通トンによる周期交換を行っている。目的は、このレール損傷の発生を防止することである。

レール面の凹凸除去

 レールの波状摩耗は、レール面に凹凸を発生させる。目的は、この凹凸を除去することである。 

輪重変動の防止

 輪重変動は、軌道変位やレール頭頂面の微小な凹凸等に起因して発生するため、レール溶接部においては著大輪重や輪重抜けが発生しやすい。目的はこの輪重変動を防止することである。

2.レール削正の効果

レール損傷の抑制から得られる効果

①シェリング傷によるレール折損の防止

 レール頭頂面の転がり接触疲労により発生するシェリング傷の発生を抑制し、レール折損を防止するする効果がある。シェリング傷の発生のメカニズムは、車輪がレール上を転がることによる応力の繰り返しによりレール表面に疲労層が生成されて発生するものであり、これをレール削正により除去する。

②レール交換周期延伸によるコスト削減

 通トンによる交換周期を迎える前にレール削正を行うことで、交換周期を2億トン程度延伸することが可能となり、交換に伴うコストを低減する効果がある。通トンによる交換周期はレール溶接部の疲労に基づき決定しており、レール削正により溶接部の凹凸を解消することにより列車通過時の曲げ応力が低減し、疲労の軽減につながる。

レール面の凹凸除去から得られる効果

 凹凸に起因する振動から発生する転動音を解消し、鉄道沿線における騒音被害を防止する効果がある。騒音発生のメカニズムとして、レール頭頂面の凹凸上を列車が通過することにより、車輪とレール間に振動が発生し、転動音が生じる。バラスト軌道においては床下騒音レベルを1〜5dB程度低下させることが可能である。

3.施工に際しての注意点

ゲージコーナーの削正

 横圧の増加による乗り上がり脱線を防止するため、ゲージコーナーの角度がフランジ角度より大きくなるように削正を実施する。特に急曲線部においては大きな横圧が発生するため、ゲージコーナーの上側はついてはレール底部と水平に削る。

削正痕による凹凸の抑制

 レール頭頂面における削正痕に起因する凹凸を可能な限り小さくするよう注意する。

 砥石の圧力を強めると、削正車移動時に砥石がレール面の凹凸に引っ掛かり、削正面が荒くなる傾向にある。最初は弱い圧力で削正を開始し、1パス毎に削正断面を測定する。その結果、凹凸が見られない場合は現地で圧力を徐々に強めていき、1パス毎の削正量を増加させる。また、1パス毎に削正車の移動速度を変更することで、削正痕の周期を変えて転動音の発生を抑制する。

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