鉄道土木 H26年 1-3「液状化」

問題

 地震被害のひとつである液状化について、液状化メカニズムおよび液状化が発生する地盤条件を説明し、液状化対策工法を3つ挙げるとともに、各対策工法の特徴と鉄道近接で施工する場合の留意点を述べなさい。

模範解答

1.液状化メカニズムおよび地盤条件について  

 過剰間隙水圧の上昇に伴い土の有効応力が減少し,剛性や強度が低下する。締まりの緩い砂質層と地下水位が高い場所で生じる。主に海岸埋立地や緩扇状地などの砂質層で構成さた、地下水位の高い地盤条件で発生する。

2.液状化対策工法の特徴と鉄道近接施工の留意点

2−1.サンドコンパクションパイル工法

特徴

 砂質土、粘性土等さまざまな地盤に適用が可能である。締固め、補強、圧密排水の効果が同時に得られる。良質砂が入手困難あるいは不済的な時や、改良杭自体に大きな強度を期待したい時は中詰め材料に砕石やスラグ等の使用が有効である。大型施工機により大深度の施工が可能であるが、振動が大きいため、周辺地盤の変位が生じやすい。

留意点

 貫入時・砂杭造成時にバイブロハンマを用いる工法であることから、既設構造物等が隣接した施工は、振動により変位等影響が懸念される。また、振動・騒音により近隣住民の生活環境への影響も懸念されため、杭打作業については、防音カバー付きディーゼルハンマーおよび油圧ハンマーを使用するなど、振動・騒音の低減を図る対策が必要である。施工中は定期観測を行い、地盤の隆起や変位に留意ながら施工する必要がある。

2−2.薬液注入工法

特徴

 一般的に施工機械が小さく、狭い場所での施工が可能であり、低騒音・低振動である。また、施工機械が小さく重機の使用や設備機器の配置がないため、短期間での工事が可能である、特に小規模工事には安価となる。

留意点

 薬液を圧力注入により、地盤が隆起する盤膨れや地盤の性質、地下水及び公共用水域等において、水質基準が維持されるよう地下水の採取検査による水質の監視や周辺地盤の盤ぶくれ等の監視を行わなければならない。

低圧にて浸透注入とする場合、なるべく低粘性の薬液を選定し、浸透性の高い緩結薬液比率を多くするすることが望ましい。

2−3.機械撹拌工法

特徴

 改良地盤の安定性、耐久性に優れている。撹拌翼により原位置土と改良材を混合撹拌し、地中に改良体を造成し、各種の撹拌機構により様々な地盤改良に適用される。

小型の機械を選定することにより機動性に優れ,角度を調整することにより,鉛直だけでなく従来、対応出来なかった斜めや水平方向の改良体を造成が可能である。

留意点

 事前に現場施工条件に合わせた配合試験を行い、地下水や土質に対する固化材添加量の配合設計を行うことが必要である。また、施工能率を向上させるには、撹拌軸の多い2軸、3軸型を用いることが有効であるが、既設構造物の近接施工では変状量を軽減するために単軸により緩速施工を行う必要がある。

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