鉄道電気 H23 「踏切の制御方式」

問題

 踏切の制御方式には「連続閉電路式」と「点制御式」がある。以下の3つについて具体的に述べなさい。

(1)   それぞれの制御方式の考え方

(2)   上記の制御方式を1つ選び、その制御回路を構成する装置や回路構成上のメリット、デメリットおよびその特徴

(3)   フェールセーフ性を確保する方法

1.連続閉電路式・点制御式の考え方

 連続閉電路式とは列車自体をスイッチとして考えると警報開始点からスイッチが「ON」の状態が警報終止点まで続く方式である。この警報区間に列車が在線し続ける限り、踏切警報が鳴動を続け、連続した警報区間の途中で列車によってスイッチ「ON」の条件が構成されても踏切が鳴動を開始する。

 一方、点制御式は警報開始点と警報終止点の上でのみ、スイッチ「入」「切」の条件を構成・論理判断し、踏切警報を鳴動させる方式である。この警報区間の途中で列車が在線しても、踏切制御子上のみで制御しているため、警報は動作しない。駅近傍の踏切制御は複雑な回路となるが、論理処理させて踏切警報を行っている。

2.      連続閉電路式のメリット・デメリット・特徴  

2−1.メリットについて

 続行列車対策回路や瞬間停電対策が必要となる点制御方式に比べて、連続閉電路式の踏切制御回路は信号機を制御する軌道回路条件を直列に接続するだけの構成となり、シンプルな踏切制御回路となる。

 また、列車種別によって踏切制御パターンを変更する急緩行選別回路を踏切制御回路と並列に接続することで容易に踏切警報時間の適正化を図ることができる。

2−2.デメリットについて

 閑散線区や単線などの踏切警報区間のレールが電気的に接続されていない軌道回路方式の場合、連続閉電路式を導入するには警報開始点と警報終止点間のレールを電気的に接続する必要があるため、コストがかかる。

2−3.特徴 

 連続閉電路式は警報区間全体の軌道回路で警報動作をさせている。車軸数軸が短絡不良を起こしたとしても他軸によって軌道短絡をするため警報動作をするため安全性が高く、公民鉄事業者で多く導入されている。

 また、警報終止点と軌道境界が離れている場合、踏切道を列車が通過しても一定時間警報が鳴動を続けるため、警報時間が長くなってしまう。このため、AFO軌道回路を踏切終止点箇所に設置して踏切警報時間の適正化を図っている。

3.      フェールセーフを確保する方法

 連続閉電路式は軌道回路条件を利用しているため、レジン制輪子などに起因する軌道回路の短絡不良防止対策を軌道回路に施す必要がある。具体的にはレジン制輪子などによってレール上の表面に形成された半導体被膜を破壊するために軌道回路の送信出力を3Vほど昇圧させる対策を実施する。

 一方、点制御式は警報終止点の踏切制御子に開電路式を採用した場合、機器が故障すると「列車あり」と同じ状態に転移し、最悪の場合、列車が踏切道に接近している途中に警報が停止し事故が発生する恐れがある。このため、警報終止点の踏切制御子に閉電路式回路を導入し、機器が故障して警報が停止することを防止する。

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