見違えるほど良くなる業績の書き方 5 「訴えるのは努力ではなくクールな工夫」

2017.02.27

  技術士試験の申し込み書には業務経歴の欄があり、自分がやってきた物件名を書くしかないと考えられているようですが、特別決まりがあるわけではありません。

 一方、申し込書は口頭試験で考課の対象となり、その内容が合否を左右することとなります。このため申し込書の作成は答案と同じように内容を高めていかなければならないといえそうです。そこで、「業務経歴」と「業務内容の詳細」について業績の何を書けば合格につながるのか、文部科学省が求めるコンピテンシーの視点から合格に有利な申し込み書の書き方を考えてみたいと思います。今回は「見違えるほど良くなる業績の書き方」9回シリーズの5回目で

「訴えるのは努力ではなくクールな工夫 」

です。

  業績論文を書くときに、たいていの方は真面目に努力したことや大きな問題点を解決したことを訴えたくなります。感覚的に努力したことが貢献につながると錯覚しやすいからです。しかし、これは逆効果です。業績論文の読み手は、客観的に資質、能力を見ていますので、あなたがいつも努力しなければならないとしたら、逆に基本的な資質は低いというようにを感じかねません。また、問題点の困難さからは大変さはわかりますが、貢献の巧みさは見えません。つまり、

努力や問題点の大きさからは資質、能力の高さは伝わらない

のです。

 そこで大事になってくるのは、やはりクールな工夫をしたことを訴えることです。問題解決に際して技術者なら誰もが努力はするでしょうけれども、そこで良い結果を生むための工夫があるかどうかが技術的貢献の成否を左右するのです。ただ普通に最低限の技術対応するよりは、他の技術者が思いつかないような巧みな工夫で解決したとしたら効果的な結果ががもたらされるに違いありません。

 このように技術者の貢献は問題解決につながる工夫にかかっており、その工夫の評価は

技術内容の独創性と汎用性の2点で決まる

考えられます。独創性とは奇抜なアイデアでそれまでにない高い効果を産む工夫のことであり、一方汎用性とはその物件の問題解決のみならず他の物件や他の用途での幅広い技術応用が可能であること、すなわち技術の市場的な価値を意味しています。

 独創性と言うと、よく誤解されるのが「日本で初めて・・した」と言うような前例がないことを想像しますが、時系列的に初めてやることが特別な意味があるとは限りません。むしろそれまで事例がなかったのは、何かしらその事例に代表される技術応用をすべきではないと言う理由があったからだ考えたほうが自然です。世間では理由があってやらないことを自分はあえてそれに逆らって行ったとしても独創的とは呼べません。このため、過去に事例がなかった場合はその理由を考えて、それを乗り越えるための技術的提案をして、その新しい改善に独創性を見いだすべきなのです。

 例えば真空管に対してトランジスタの発明が挙げられます。真空管の小型化技術は最終段階では豆粒ほどの製品化に成功していました。一方、初期のトランジスタはそれに比べて、やや小さいという程度に過ぎませんでした。しかしトランジスタの独創性は真空管より小さいと言う事ではなく、熱電子から半導体への原理的な転換にありました。この電子の流れの原理的な転換によって、性能や小型化が飛躍的に進んだのです。このような技術的で本質的な技術転換のアイデアが独創的だと言えるのです。

 一方、汎用性ついてはその事例だけでなく、他の事例でも適用可能なことが汎用性の基本です。ただし同じ様な物件で繰り返し行うことは汎用性ではありません。繰り返し同じことを行うことには工夫は必要としないからです。では同じ物件ではなく他の物件でしかも用途が異なる場合、あるいは異業種異分野で利用される場合、おそらくその場合はただ繰り返し行うのではなく何らかの技術的なギャップを乗り越える工夫があったはずです。その意味で独創的な技術応用があったと考えられるわけです。

 以上の事から問題解決において、技術者の工夫を述べる時は、

技術応用の独創性や汎用性を訴えれば良い

ということになります。

 こうして業務経歴技術者の工夫を書けば良いわけですが、その結果は口頭試験でチェックされることとなります。最近口頭試験での質問で多く見受けられるのが、「あなたの業績の何処が技術士にふさわしいですか」という質問です。この質問は実は上記の問題解決の独創性や汎用性が他の技術者に比べて優れているかどうかを問いかけているものです。こうした技術応用の独創性、汎用性を業績論文作成時に検討しておけば口頭試験で楽勝で合格出来るということです。

 技術士試験の申込書は、行ったことの結果をただ書くだけではなく、技術的応用の意義がどうであったのかを、改めて振り返って、整理しながら表現する必要があると言うことです。業務の最中には習慣的に作業を流しているだけと言う場合も多いからです。しかし、合格を目指すなら、技術者としてのコンピテンシーを高めるため、技術応用の独創性と汎用性を訴えねばならないということです。こうした結果、見違えるほどを専門家らしい印象を与えることが可能となります。

 技術士試験は、2、3年の長い戦いとなり、その間に効率よく学び続ける事は容易ではありません。大抵の方はあれこれ悩んで無駄な時間を過ごしながら試行錯誤で勉強法を見出すわけです。しかしそれでは無駄が多すぎます。出来る限り過去の教訓から不合格の要因を学んで、一回の受験で合格出来るように努力すべきです。本研究所では、コーチングによる指導で受講者様の自己変革を導き、答案に対して前向き提案ができるように新たな視点での成長を促します。講師の前向きな言葉によって、ネガティブな考えを払拭して、いつも効率的に問題解決の考え方ができる様になるのです。

 この結果、自分は何をすべきか、何を提案すべきか、それはなぜかと言うような自分にとって重要な疑問に対して明確な答えが持てるようになりその結果継続的な技術研鑽が行なわれるようになるということです。こうした自己変革がない限り、だらだらと暗記勉強を続けるだけでは技術士試験で一発合格は難しいでしょう。

 当研究所の指導では、マンツーマン個別指導により、それぞれの受講者様の認識の違いにきめ細かく対応して、各個人の自己変革を促し、楽勝で一発合格出来るように指導しています。関心のある方は是非お問い合わせください。

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