H26年、2014年 電気・電子部門、電気応用 Ⅱ-1-3問題(巻線型誘導機可変運転) 模範解答と解説
問題文
巻線型誘導機を可変運転する制御方法を2つ挙げ,その概要と特徴について説明せよ。
1)一次電圧制御(二次抵抗速度制御)
①概要:トルクが一次電圧のほぼ2乗に比例する特性を利用した制御法。外部抵抗器で2次電圧を下げ低減するため損失及びすべりも大きく制御幅も狭い。
②特徴:損失とすべりの相関は次式で表すことができる。 Pi2=P0/(1-S)=Lc2/S
(但し、Pi2;二次入力,Po;出力,Lc2;二次銅損)
すなわち、Lc2=Pi2×S,Po=Pi2(1−S)となる。本制御はすべりSが大きいためニ次銅損も大きくなり出力が減少するため効率が悪化する。
巻線型誘導電動機の場合、巻線に2次抵抗を接続し速度制御が可能となる(二次抵抗速度制御)。その場合、R2/S=一定の比例制御となることからR2を可変させることで回転速度の制御が可能となる。
(2)周波数可変 インバータ制御
①概要:N=120f/P×(1-s)但し N;回転数,f;入力周波数,P;極数,s;すべり。
よって、1次入力周波数を可変することにより速度制御を行う。実際は、入力電圧を可変させないで周波数のみ下げ制御を行うと磁気飽和となるためV/f一定制御でインバータにより周波数と電圧を可変させるVVVF制御を行うことで速度を制御する
②特徴:V/f一定制御では同一負荷トルクに対してすべりの発生が3〜7%と低く抑えられるため効率が高くできる。