総合技術管理部門 H29論文の解き方2

 2017年の総合技術管理部門、記述式の論文、I-2問題について、引き続き解きかたを考えましょう。

問題は昨日のページをご覧ください。>

今回は問い(2)です。

(2)あなたが取り上げた事業が対象としている経済,社会,環境などの持続可能性の観点からの課題について,総合技術監理の視点から示せ。

1) この事業における「過去の課題」を2つ取り上げ,詳述せよ。

2) この事業における「現在の課題」を2つ取り上げ,詳述せよ。

3) この事業における「将来の課題」を2つ取り上げ,顕在化の要因となる将来の変化を含めて詳述せよ。

 問題は複雑ですが、問い(2)は本題である問い(3)以降の前提となる課題を定義できれば良いのです。

好ましくない解答例

(2)建物維持保全工事の持続可能性の課題

1)-1過去の課題-1 昭和56年以前の旧耐震基準の建物の耐震改修(BCP対策)

1)-2過去の課題-2 在来天井下地の耐震天井(BCP対策)

2)-1現在の課題-1 特定天井下地の耐震改修(BCP対策)

2)-2現在の課題-2 外壁タイルの補修工事(タイルの落下による危険防止)

3)-1将来の課題-1 建物維持保全をする技術者不足(社会問題)

3)-2将来の課題-2 建物の維持保全をするための調査件数が増え間に合わない

 上記の解答はよくお考えになった内容だと感じております。上記の内容は、前提条件として挙げられていた条件にぴったり相当しており、回答としては誤りではありません。しかし建設部門施工科目の技術が前年に出すぎており、総合技術監理部門としての提案が見えません。

 このため、業務内容は、部門、科目の要素技術そのものではなく、

総監としてどう取り組むかという解決の方向性を含めた課題と考えた方が良い

と思います。

 例えば正解は次のような内容です。

理想的な解答例

(2)建物維持保全工事の持続可能性の課題

1)-1過去の課題-1 大地震に対する建築物の構造部材の耐震性の確保

1)-2過去の課題-2 建築材料の耐火被覆や防火材料の無石綿化。

2)-1現在の課題-1 新築案件が多いため維持保全工事に担当者を配属できない

2)-2現在の課題-2 外壁タイルにおける剥離落下防止

3)-1将来の課題-1 ロボット化や機械化が進み雇用が減る

3)-2将来の課題-2 BIMデータにLC項目を盛り込み計画な維持保全管理

 技術士総合技術監理部門の試験は、総合技術監理部門の専門家にふさわしい、俯瞰的な視点からの判断や行動力が問われる試験です。このため建設部門や機械部門といった総監以外の技術部門の考えだけでは解答になりません。文部科学省では、部門の枠を超えてマネジメントする上級エンジニアとしての能力を診断するため、独自のケースを受験者自らが提案し、その業務に由来する課題解決能力を測ります。このため、

問い(2)は総監的な課題解決に至るための方針を俯瞰的に考えて示す

ということです。逆に考えるとあとに控える本題において答えやすいように、

青本に掲載されている総監の要素技術に関連付けて方策を展開すれば考えやすい

ということです。建物の維持管理をどうするかとか、リフォーム問題など建設部門の技術で執り行える事項ではなく、ロボット化やBIMといった

iotや未来志向の技術を含めて取りまとめる立場での解決策の提案が望ましい

ということです。

 本研究所では、この答案の添削のように、一般論ではなく、あなたの業績におけるベストの正解は何かという事を求めております。このため各自の業績についてヒアリングしながらコーチングを行ってまいります。答案としての構成がふさわしくないと感じられた時は、コーチングの手法によって

  • 業績の有用性を心から伝えて相手を力づける
  • 問題点として感じた事を伝えて気づきを提供する
  • 視野を広げる 質問、パワフル・クエスチョンを行う
  • 未来志向と解決志向、すなわち可能性を引き出す質問をする
  • 望んでいることを明確化する
  • 五感に問い掛けて心の声を引き出す
  • 問題点にぶち当たると視点を変えて、リフレーミングや客観視を促す
  • 技術屋の視点ではなく、クライアントの目で見て考える

ことを勧めております。

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