H29年 機械・機械設計 Ⅲ-2 模範解答と解説

問題  

 近年、豊富な経験およびノウハウを有する技術者の高齢化が進む一方で、後継者不足や生産拠点の海外移転に伴う人材空洞化等により。我が国のものづくりに関わる高度な研究・開発や設計・製造に関する技術を伝承することが困難になってきている。そこで、先人のノウハウや知識を組織的に継承して技術力を維持・向上する仕組みの構築が求められている。このような社会的状況を考慮して、以下の問いに答えよ。

(1)ものづくりに関わる高度な研究・開発や設計・製造に関する技術を効率的にかつ早期に伝承するために実施されている仕組みや方法を3つ挙げ、それぞれについて特長と問題点を述べよ。

(2)(1)で挙げた技術を伝承するための仕組みや方法の中で、最も効果的と考えるものを1つ選び、その問題点を解決するための提案を示せ。

(3)(2)で挙げた提案がもたらす効果と留意点を具体的に述べよ。

模範解答(簡易答案形式)  添削履歴 4回目   専門とする事項 製造設備設計

 (1)−1 仕組みや方法

①業務帯同型マンツーマン教育 ②業務手順書の作成 ③対話式システムによる技術データベースの構築

(1)−2 特長

①実践的な技術伝承が可能で業務に沿って教育するため即効性がある。

②作業順に記述されているため理解し易く作業抜けを防止できる。

③対話式システムにて簡易的にノウハウのインプットとアウトプットが可能。

(1)−3 問題点

①包括的な技術伝承となるため技術を伝承するためのコスト・期間が多く必要。 

②感性や経験を含む暗黙知は文書化が困難であり正確な技術伝承が難しい。

③データベースの量が膨大となるため更新と検索参照に手間がかかる。

(2)−1 最も効果的なもの:業務手順書の作成

理由:手順書作成によりノウハウを文書化することで作業者のスキルに左右されずに業務

   を行えることが可能となるため。

(2)−2 問題解決提案

①文章だけでは分かり辛い暗黙知を含む業務手順を動画や3DCADを用いることで、機構

   や原理を含めて視覚的に理解し開発時の課題や改善項目の抽出を可能とする。

②手順書作成能力の向上。講習会、資格取得、手順書作成スキル大会等を行い技術者

   の文書作成能力を向上させる。

③作成する手順書の種類が多いと作成時間が多くかかる。共通技術の設計標準化・

 モジュール化を行って手順書を共通化して作成する手順書の種類を絞り込む。

(3)−1 効果

①3DCADや動画を使い部品取り付け作業や調整作業の細かい動きを再現して、文書

 のみで伝えることが困難な作業のコツを表現することで理解し易くなる。

②手順書作成能力を向上させ分かり易い手順書を短時間で作成することで、手順書作

   成時間と継承者の理解時間を短縮して、短期間での技術伝承を可能とする。

③共通技術を抽出して汎用化・統合を進めることで伝承する技術を絞り込み短期間

 で技術伝承を可能とする。

(3)−2 留意点(品質を高めるための方策、提案)

①更新し易い手順書とするため、手順書に記載する数値基準の理由(法規、JIS、経験値等)

  を明記し法規変更や新技術の置き換え等が発生時に手順書の見直しを容易にする。

②手順書に失敗体験談を記載して継承者が失敗体験を学ぶ。失敗体験を学ぶことでリス

 クの大きさや重要ポイントの理解を向上させて手順項目の優先度や重要度を学ぶ。

③手順書を問題方式として継承者の理解度を把握する。また問題形式とすることで継承者

 の思考能力を高めて課題設定や未知なるものへの取組む姿勢を向上させる。

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