H29年 建設・河川Ⅱ-2-2 問題 模範解答と解説
問題文
河川、砂防及び海岸・海洋の分野において、景観に配慮した防災施設の整備が求められることを踏まえ、以下の問いに答えよ。
(1) 河川、砂防及び海岸・海洋のいずれかの分野を選択し、防災施設の整備における、周辺を含めた景観配慮の留意点を述べよ。
(2) (1)で扱った防災施設の景観配慮について、整備の各段階(調査・計画段階、設計段階、施工段階)において通常検討すべき項目を説明せよ。
模範解答1 (簡易答案形式1) 添削履歴 7回 完成日 2018/4/18 専門事項
1. 防災施設の整備における、周辺を含めた景観配慮の留意点
①の河川施設が大きくなると、景色の中に構造物が入り込んでしまうため、立体的な河川空間の中で、現自然環境に近い形状・色彩・素材となるよう留意する。
②河川での人々の活動のしやすさ及び居心地の良さを、移動・滞留のし易さを評価して位置、構造、材料等を決定する。
③河川改修により魚類・植物・小動物の生息環境を考慮して位置及び構造に留意
2.調査・計画段階において通常検討すべき項目
①周辺の景観を上下流も含め季節毎、時間毎に調査し、河川景観のポイントとなる場所と特徴をとりまとめ、保全すべき景観、復元・改善すべき景観、創出すべき景観を明確にして計画する。
②河川の文化歴史について文献調査を実施し、河川での人々の利用形態(散策、魚釣り、祭事等)を調査する。人々の動線を明確にして計画する。
③自然環境調査(魚類・植物・小動物)を実施。保護、復元、改善する種を明確化。
3.設計段階において通常検討すべき項目
①景観設計については立体的な河川空間のデザインを用いる。また、河川景観のポイントとなる色彩や素材を用いてに設計する。
供試体を施工し数年、風雨にさらし、材料の見え方を検討
②河川の利用(散策、祭事、魚釣り等)について、活動のしやすさ、居心地の良さ、動線の利便性を考慮して設計する。
③河川縦断計画において魚類植生に影響が出ないよう川床の掘削が少なくなるよう河床勾配及び横断勾配を決定する。
4.施工段階 において通常検討すべき項目
①仮説構造物について、工事期間の短縮や仮設の小規模化を検討
②施工中も河川利用が可能となるよう仮設計画を策定する。
③既設環境を乱さないように工事掘削範囲は出来るだけ少なく
河床掘削等については、下流に沈砂池等を設置して河川の汚濁防止を行う。
模範解答1 (簡易答案形式2) 添削履歴 1回 完成日 2018/4/18 専門事項
1. 防災施設の整備における、周辺を含めた景観配慮の留意点
①の河川施設が大きくなると、景色の中に構造物が入り込んでしまうため、立体的な河川空間の中で、現自然環境に近い形状・色彩・素材となるよう留意する。
②河川での人々の活動のしやすさ及び居心地の良さを、移動・滞留のし易さを評価して位置、構造、材料等を決定する。
③河川改修により魚類・植物・小動物の生息環境を考慮して位置及び構造に留意
2.調査・計画段階において通常検討すべき項目
①周辺の景観を上下流も含め季節毎、時間毎に調査し、河川景観のポイントとなる場所と特徴をとりまとめ、保全すべき景観、復元・改善すべき景観、創出すべき景観を明確にして計画する。
②河川の文化歴史について文献調査を実施し、河川での人々の利用形態(散策、魚釣り、祭事等)を調査する。人々の動線を明確にして計画する。
③自然環境調査(魚類・植物・小動物)を実施。保護、復元、改善する種を明確化。
3.設計段階において通常検討すべき項目
①景観設計については立体的な河川空間のデザインを用いる。また、河川景観のポイントとなる色彩や素材を用いてに設計する。
供試体を施工し数年、風雨にさらし、材料の見え方を検討
②河川の利用(散策、祭事、魚釣り等)について、活動のしやすさ、居心地の良さ、動線の利便性を考慮して設計する。
③河川縦断計画において魚類植生に影響が出ないよう川床の掘削が少なくなるよう河床勾配及び横断勾配を決定する。
4.施工段階 において通常検討すべき項目
①仮説構造物について、工事期間の短縮や仮設の小規模化を検討
②施工中も河川利用が可能となるよう仮設計画を策定する。
③既設環境を乱さないように工事掘削範囲は出来るだけ少なく
河床掘削等については、下流に沈砂池等を設置して河川の汚濁防止を行う。
模範解答1 (答案形式) 添削履歴 7回 完成日 2018/4/27 専門事項
(1)防災施設の周辺を含めた景観配慮の留意点
①施設の配置や材料による視覚的インパクトの低減
河川構造物は視覚的な圧迫感や周辺環境の中で違和感を与える可能性がある。そのため、山付部の周辺地形を活用して見えにくい配置の採用、樹木や盛り土等により見える高さや幾何学的な印象を低減させ視覚的インパクトを極力低減させる。
②地域の個性を生かした整備
歴史的に整備されてきた松林等の湖畔林は河川改修に合わせ松を補植したり、散策路として利用できる管理用通路を計画する等、将来にわたって観光資源として活用される整備を行う。
③魚類、植生の生息環境の復元
堤防の配置等を検討する場合は、魚類の生息状況に関連する瀬と淵を復元する。植生の復元には、地域に本来生育する植物種を選定する。
(2)−1調査・計画段階において検討すべき項目
①河川景観の特徴を生かしたデザイン
周辺の景観を上下流も含め季節毎、時間毎に調査する。河川景観の特徴となる瀬と淵、河原等の微地形、湖畔林、周辺建物の景観を生かしたデザインとする。
②河川周辺での利用形態を明確にして計画
河川の文化歴史について文献調査、現況調査を実施し、河川での人々の利用形態(散策、魚釣り等)を調査する。人々の利用形態毎の動線を明確にして計画する。
③自然環境調査により生息種を明確にして計画
自然環境調査(魚類・植物・小動物)を実施し、保護、復元、改善する種を明確にして計画する。
(2)−2設計段階において検討すべき項目
①河川景観の特徴となる色彩や素材
調査により確定した現況河岸の色彩や素材を用いて設計する。
②河川利用の居心地の良い設計
河川の利用(散策、魚釣り等)について、階段護岸や緩傾斜護岸等の利用者が居心地の良い親水空間の設計とする。
③魚類植生に影響が出ない河床掘削
河川縦断計画において魚類植生に影響が出ないよう河床の掘削が少なくなるよう河床勾配及び横断勾配を決定する。
(2)−3施工段階において検討すべき項目
①仮設工事の小規模化
仮設の小規模化及び工事期間の短縮を検討する。
②廃棄物の減量化とリサイクルの推進
生活環境保全のため、河床掘削で発生した岩石を廃棄物処理しないで、護岸材料として採用する。また、間伐材等、環境負荷の少ない工事資材を利用する。
③河川の汚濁防止
下流に沈砂池等を設置して河川の汚濁防止を行う。