H30/2018年 衛生工学・空気調和 Ⅱ−2−1 問題 模範解答と解説

問題文

Ⅱ-2-1 芸術を中心とした施設では,文化交流を目的として用途の複合化がみられる。ここに,市民文化ホールにおける空気調和設備の基本計画を行うことになった。以下の問いに答えよ。ただし,主な施設内容,規模は下表のとおりで,市民ミュージアム以外は災害時の避難施設として利用される。

模範解答1 (簡易形式1)  添削履歴 3回 2019.3.4   専門事項 一般ビル空調

(1)音楽ホールの熱負荷の特性(3つ)

①1100人(席)の外気負荷が大きい②天井が高いため壁量が多く,駆体の蓄熱負荷が大きい。③室容積は大きいが,熱負荷は客席と舞台部分に偏っている。

(2)音楽ホールで騒音レベルNC-20を実現するための消音対策(3つ)

 ①吹出し・吸込み口の風量・風速ごとの発生騒音(25dB以下)の形状を採用する。

  吹出し・吸込み口のボックスには消音内貼りを行う。

 ②振動による固体伝播音を防止するため、機器には防振架台を設置する。

 ③設備機器の運転音の放射・透過・伝搬を防止するためダクトには消音エルボや消音器を設置する。気流発生音源となる急拡大・縮小、曲りは設置しない。

(3)市民ミュージアムにおける収蔵室の空気調和設備の留意事項(3つ)

 ①花粉・塵埃・pm2.5などの汚染空気の侵入防止のためフィルタを設置する。

 ②収蔵品に適した温度(夏期24℃・冬期22℃)・湿度(絵画55%・写真30%)のコントロールを行う。

 ③天井内の水配管を避けて漏洩を防止すると共に、吹出し・吸込み口の気流が収蔵品に当たらないように離隔をとる。

(4)熱源システムを構成する上で留意する事項とその対応策(3つ)

留意事項1:用途別の利用時間の違いによる空調システムの効率化

対応策1:音楽・多目的ホールはイベント開催時に負荷が集中し変動が少ないため、中央熱源方式+AHUとする。市民プラザ・ミュージアムは多様な用途(物販・飲食・展示室)が混在しているため個別制御性の高いヒートポンプPACとする。

留意事項2:熱源システムの省エネルギー化および再生可能エネルギーの活用

対応策2:成績係数の高い機器の採用(空冷HPモジュールチラーIPLV5.0以上など)、地中熱利用のヒートポンプの採用

留意事項3:災害時の避難施設としての空調システムの機能確保

対応策3:重要機器の耐震支持・固定、熱源機器動力の多重化(ガス・灯油・電気)

模範解答1 (簡易形式2)  添削履歴 1回 2019.3.7 専門事項 一般ビル空調

(1)音楽ホールの熱負荷の特性(3つ)

①1100人(席)の外気負荷が大きい②天井が高いため壁量が多く、駆体の蓄熱負荷が大きい。③室容積は大きいが、熱負荷は客席と舞台部分に偏っている。

(2)音楽ホールで騒音レベルNC-20を実現するための消音対策(3つ)

 ①吹出し・吸込み口の風量・風速ごとの発生騒音(25dB以下)の形状を採用する。

  吹出し・吸込み口のボックスには消音内貼りを行う。

 ②機器振動による固体伝播音を防止するため、基礎の固定にはスプリング防振架台を設置する。また、機器と配管の接続にはフレキシブル継手を設置する。

 ③機器の運転音の放射・透過・伝搬を防止するためダクトには消音エルボや消音器を設置する。気流発生音源となる急拡大・縮小、曲りは設置しない。

(3)市民ミュージアムにおける収蔵室の空気調和設備の留意事項(3つ)

 ①花粉・塵埃・pm2.5などの汚染空気の侵入防止のため中性能フィルター(比色法95%以上)を設置する。

 ②収蔵品に適した温度(夏期24℃・冬期22℃)・湿度(絵画55%・写真30%)のコントロールを行う。

 ③天井内の水配管を避けて漏洩を防止すると共に、吹出し・吸込み口の気流が収蔵品に当たらないように離隔をとる。

(4)熱源システムを構成する上で留意する事項とその対応策(3つ)

留意事項1:用途別、利用時間の違いによる空調システムの効率化

対応策1:音楽・多目的ホールはイベント開催時に負荷が集中し利用中の変動が少ないため、中央熱源方式+AHUとする。市民プラザ・ミュージアムは多様な用途(物販・飲食・展示室・事務室)が混在しているため、機器の発停や温湿度設定など個別制御性の高いヒートポンプPACとする。

留意事項2:熱源システムの省エネルギー化および再生可能エネルギーの活用

対応策2:成績係数の高い機器の採用による省エネルギー化(空冷HPモジュールチラーIPLV5.0以上、空冷HPパッケージAPF5.5以上など)

地中熱を利用したHPの採用 (20HP×3台、基礎杭利用熱交換器75m×24本、設置間隔4m以上)

留意事項3:災害時の避難施設としての空調システムの機能確保

対応策3:災害時に機能維持が必要な重要機器は耐震クラスSとし、ダクト・配管は耐震支持を行う。熱源の動力として、電気式HPパッケージ、モジュールチラー、ガス焚き冷温水発生器などを採用することで多重化を図る。

模範解答1  (答案形式)  添削履歴 5回 2019.3.18   専門事項 一般ビル空調

(1)音楽ホールの熱負荷の特性(3つ)

①1100人(席)の外気負荷が大きい

②天井が高いため壁量が多く、駆体の蓄熱負荷が大きい。

③室容積は大きいが、熱負荷は客席と舞台部分に偏っている。

(2)音楽ホールでNC-20を実現するための対策(3つ) ①吹出し・吸込み口の風量・風速ごとの発生騒(25dB以下)の形状を採用する。吹出し・吸込み口のボックスには消音内貼りを行う。

②機器振動による固体伝播音を防止するため、基礎の固定にはスプリング防振架台を設置する。また、機器と配管の接続にはフレキシブル継手を設置する。

③機器の運転音の放射・透過・伝搬を防止するため ダクトには消音エルボや消音器を設置する。気流発生音源となる急拡大・縮小、曲りは設置しない。

(3)収蔵室の空気調和設備の留意事項(3つ)

①花粉・塵埃・pm2.5などの汚染空気の侵入防止のため中性能フィルター(比色法95%以上)を設置する。

②収蔵品に適した温度(夏期24℃・冬期22℃)・湿度(絵画55%・写真30%)のコントロールを行う。

③天井内の水配管を避けて漏洩を防止すると共に、吹出し・吸込み口の気流が収蔵品に当たらないように離隔をとる。

(4)熱源システム構成の留意事項と対策

(4)-1用途別の空調ゾーニング

音楽・多目的ホールはイベント開催時に負荷が集中し、変動は少ない。一方、市民プラザ・ミュージアムは多様な用途が混在し在室人員などの負荷が変動する。両者は負荷パターンが異なるため熱源方式を分離する。

対応策:音楽・多目的ホールは中央熱源方式+AHU、市民プラザ・ミュージアムはヒートポンプPACを採用する。空調システムを分けることで、負荷変動の追随性を高め、高効率運転とする。

(4)-2省エネルギー化・再生可能エネルギーの活用

 地球環境保護の観点より成績係数の高い機器の採用、地中熱を利用した空調システムの採用を行う。

対応策:空冷HPモジュールチラー(IPLV5.0以上)、空冷HPパッケージ(APF5.5以上)の採用。

地中熱利用HP (20HP×3台、基礎杭利用熱交換器75m×24本、設置間隔4m以上)の採用。

(4)-3災害時の空調システムの機能確保

換気設備や避難スペースの空調設備など災害時の機能維持を行う。

対応策:重要機器は耐震クラスSとし、ダクト・配管は耐震支持を行う。熱源は電気式HPパッケージ、モジュールチラー、ガス焚き冷温水発生器などを採用することで動力の多重化を図る。

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