R1/2019年 建設・鋼構造・コン Ⅱ-1-8
問題文
沿岸部に立地する鉄筋コンクリート構造物においては、塩害に対する対策が重要となる。塩害における4つのステージ(潜伏期、進展期、加速期、劣化期)の中で、潜伏期以外の2つを選び、その特徴を簡潔に述べよ。さらに新規にコンクリート構造物を設計・施工する際、鋼材を発錆させないための対策項目を3つ挙げよ。
模範解答1 (完成答案) 添削履歴0 作成日2020/4/22 建設部門 科目:鋼コン 専門事項 コンクリート構造
1.塩害の進展期の特徴
鉄筋位置におけるコンクリートの塩化物イオン量が腐食発生限界を超え、鉄筋の腐食が発生してからひびわれが発生するまでの期間である。対策としては、予防保全として必要に応じ電気防食工法等を行う。
2.塩害の加速期の特徴
鉄筋腐食に起因してコンクリートにひび割れや錆汁、剥離等が見られるが、鋼材の腐食による断面欠損は小さく、耐荷力の低減までは見られない期間である。対策としては、ひび割れ注入等の補修や劣化因子の侵入抑止のため表面被覆等を行う。
3.鉄筋コンクリートの鋼材発錆抑止対策
①コンクリート中の塩化物イオン量の抑制:コンクリート中の塩化物イオン含有量を0.3kg/m3以下とすることで、内在塩分による鋼材発錆を抑止する。また外来塩分により腐食発生限界に達するまでの時間を長くする。
②かぶり厚さの確保:鉄筋のかぶり厚を大きくすることで、表面から浸入する外来塩分が鉄筋位置の腐食発生限界量に達するまでの時間を長くする。
③エポキシ樹脂塗装鉄筋の使用:絶縁性の高いエポキシ樹脂にて塗装された鉄筋を使用する。これにより鉄筋位置の塩化物イオン量が腐食発生限界を超えても腐食因子が鉄筋にまで到達せず、鉄筋の発錆が抑制される。