建設部門 選択科目 鋼構造・コン 予想問題Ⅱ-2 解答者16 専門:コンクリート診断

建設部門 選択科目 鋼構造・コン 予想問題Ⅱ-2 解答者16 専門:コンクリート診断

予想問題 Ⅱ-2-1 簡易答案

経年劣化によるかぶりコンクリートの剥離・剥落で鉄筋が露出したコンクリート構造物において、補修対策を行うものとして、以下の問いに答えよ。

(1)剥離・剥落の原因として考えられるものを2つ挙げ、それぞれについて原因の特定と補修対策を行うための調査、検討すべき内容を記述せよ。

(2)調査から補修対策実施までの業務手順について、留意すべき点、工夫を要する点を含めて述べよ。

(3)業務を効率的・効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。

1.調査、検討すべき事項と内容

塩害と中性化が考えられる。

1.1塩害

①塩化物イオン濃度調査:

・鉄筋位置での塩化物イオン濃度が腐食発生限界値を超えているか否かを調査

・塩化物イオンの拡散係数を求め、劣化進行を予測中性化深さ

1.2中性化

①中性化深さ測定:

・中性化深さから中性化速度を求め劣化予測

1.3共通

①外観変状調査:コンクリート内部の劣化状態を推定

②鉄筋腐食状況の調査:

・自然電位法により鉄筋腐食の程度を定量的に把握

・鉄筋の残存寿命、改修の要否を検討

2.業務手順(留意点・工夫点含む)

①調査計画及び調査: 調査項目、調査手法を選定し、現地調査を行う。留意点-同じ調査箇所で複数項目の調査を行うなど効率的な調査箇所を設定する。工夫点-UAVを活用し効率的に劣化状況全体を把握する。

②調査結果の評価: 調査結果から劣化要因を特定し、補修の要否を判断する。

留意点-残存供用期間を考慮して、補修の要否、補修水準の判断を行う。工夫点-複合劣化の場合は個々の劣化が単独で作用する場合よりも深刻化するため、高度の判断を要することから、必要に応じて専門家(大学教授等)と協同し、評価を行う。

③補修設計・施工計画の立案: 劣化機構・要因に適合した工法を選定し、施工計画を立案する。留意点-施工環境、時期を考慮した工法・補修材料を選定する。

工夫点-再劣化防止に表面被覆あるいは表面含浸工法を施す。

3.関係者との調整方策

発注者へ標準的補修水準を示したところ、耐久性の回復に加え、残存供用期間中の耐久性確保の追加要求があった。この内容を施工業者に示すと、表面被覆工法を行うことにより、500万円の工事費アップを要求された。しかし、発注者は施工費アップを拒否した。そこで私は、予算内で耐久性の回復に加え、残存供用期間中の耐久性を確保できる亜硝酸リチウム併用型表面含浸工法を採用した。これにより、両関係者を取りまとめて高性能とコスト維持の意見を擦り合わせ、この作業を効率的に取りまとめた。

予想問題 Ⅱ-2-2 簡易答案

続箱桁の上部工をプレキャスト化し、工期短縮を目的とする検討業務を行うことになった。あなたが責任担当者として、業務を進めるに当たり、下記の内容について記述せよ。

(1)工期短縮案で、調査、検討すべき内容について、その内容について説明せよ。

(2)業務を進める手順について、留意すべき点、工夫を要する点を含めて述べよ。

(3)業務を効率的・効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。

 

1.調査、検討すべき事項と内容

①プレキャスト工場の選定

現場からの距離、工場の製造工程の空き具合、ストック場所などから工場を選定する。また、サイトプレキャスト化も検討する。

②下部工の縮小化

上部工の重量軽減による、下部工の反力軽減による縮小化を検討する。

③搬入:プレキャスト製品の製作完了から、運搬据え付けの過程において、プレキャスト製品を損傷させないような吊り方法と運搬方法を検討する。

④接合部の耐久性能

プレキャスト部材は,接合部から水分や塩化物イオンが浸透しやすくなるなどの特徴があるため、接合部の疲労や鋼材の腐食等に対する耐久性能を確保する方法について検討する。

2.業務手順(留意点・工夫点含む)

①設計条件再整理

運搬制約に併せプレキャスト部材を分割、軽量化し、各種外力、耐震性などの諸規定・基準書に則った設計の再確認を行う。

留意点: プレキャスト部材や接合部の強度が十分に確保できていることを確認

工夫点: BIM/CIMを用いた設計を行う。

②工場の選定と資材の発注

現場からの距離、工場の製造工程の空き具合、ストック場所などから工場を選定。

留意点: 試験練りを実施し基準を満たすか検証する。

工夫点:高強度コンクリートを使用する。

③施工計画立案:搬入計画、設置計画

留意点: 工程短縮を目的とした業務であるため、工程管理を入念に行う。

工夫点: 主変構造物の制約によりクレーンが使用できない場合は、ボールベアリングを使用する。

3.関係者との調整方策

(1)発注者を含めた公的機関:プレキャスト部材の運搬に関し、関係機関と調整して既設道路を交通規制する時間帯を決め、施工時間を定める。

(2)協力会社:生コンプラントやクレーン会社の関係者とも情報共有し、パトロールによる安全確認を実施する。

(3)周辺住民:周辺住民の協力は工事の円滑な進捗に欠かせないため、事前説明化や現場見学会といった広報活動による情報共有を図る。

予想問題 Ⅱ-2-3 簡易答案

構造物の靭性向上を目的として短繊維補強コンクリートを、コンクリートポンプにて高所に圧送して床版を施工することになった。あなたが工事の担当責任者として業務を進めるに当たり、下記の内容について記述せよ。

(1)調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。

(2)業務を進める手順について、留意すべき点、工夫を要する点を含めて述べよ。

(3)業務を効率的・効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。

 

1.調査、検討すべき事項と内容

①配合

短繊維の混入率および種類、ベースコンクリートのスランプの違いがコンクリートのスランプあるいはスランプフローおよび空気量に与える影響を検討する。

②練り混ぜ

プラントで短繊維を練り混ぜるか、アジテータ車で短繊維を練り混ぜるか検討する。アジテータ車に短繊維を投入して練り混ぜる際には、短繊維の分散性について検討する。短繊維の分散性には洗い試験を実施する。

③運搬

コンクリートプラントから打ち込み場所までの運搬を想定し、時間経過によるフレッシュ性状の変化を検討する。

④ポンプ圧送

配管によるポンプ圧送を想定し、管内圧力及びフレッシュ性状の変化を検討する。

2.業務手順

①対応可能な生コン工場の選定

プラントで短繊維の練り混ぜを行う場合は、対応可能な生コン工場を選定する。

②高所圧送を考慮した配合設計、性状確認

試験練りを実施し、スランプ、材料分離などの品質を確認する。

留意点:短繊維の吸水、空気量の変化によるスランプの低下

工夫点:高性能AE減水剤を使用し、単位水量を減らす。

③コンクリートポンプ車の選定

ピストン式のコンクリートポンプ車を使用する。

④運搬・打設計画

ポンプ圧送中の閉塞を考慮して配車計画を立てる。

留意点:圧送時に骨材の吸水や圧送による脱水に留意する。

工夫点:圧送速度を遅くし、配管径を125㎜以上とする。

3.関係者との調整方策

発注者はコストがかかる短繊維の使用に関し、コストに見合う効果が得られるのかを疑っていた。また、生コン会社は、コンクリート練り混ぜ終了後あるいは、荷下ろし終了後に,繊維を除去するための洗浄作業の作業負担を懸念していた。そこで、短繊維補強コンクリートの使用により剥落防止に効果があることをFEM解析を用いて両者にビジュアルで示し、理解が得られるよう対処した。

 

予想問題 Ⅱ-2-4 簡易答案

高流動コンクリートを用いてコンクリートの表層品質の確保に関する業務を進める場合、以下の問いに答えよ。

(1)設計及び施工の各段階で表層品質を確保するために検討すべき事項とその内容について説明せよ。

(2)業務を進める手順について、留意すべき点、工夫を要する点を含めて述べよ。

(3)当初の目標に対して表層品質が不足した場合、多様な関係者との調整方策について述べよ。

1.検討すべき事項と内容

(1)設計

 高流動コンクリートとするためにはセメントなどの粉体量を増加させる必要があり、高価になることや高セメント量であるために水和熱による温度ひび割れのリスクが高まることを検討しておく。

(2)施工

高流動コンクリートは材料分離を防ぐために粘性が高いので、ポンプ圧送時の管内圧力損失を事前に検討しておく。また、流動性が高いため、型枠に作用する側圧が大きくなるので、側圧は液圧として計算し、型枠の補強なども検討する。ブリーディングがほとんど生じないため、表面の急激な乾燥に伴うプラスティック収縮ひび割れ対策について検討する。

2. 業務を進める手順

①材料・配合計画

 高流動コンクリートは使用材料やコンクリート温度の変化によってフレッシュ性状が大きく変化する。したがって、試し練りを行い、高流動コンクリートの諸性状を確認する。留意点:高流動コンクリートは特に細骨材の表面水率の変動によりフレッシュ性状が大きく変動しやすい。工夫点:細骨材表面水率の自動計測により、細骨材表面水率の変動に対して自動的に現場配合の修正を行う。

②生コン工場の選定

高流動コンクリートの対応可能な工場を選定する。

留意点:練混ぜからの経過時間が長すぎると、特にスランプフローの低下が大きくなり、自己充填性が失われる。工夫点:高性能 AE 減水剤添加量を調整する。

③施工計画

コールドジョイントを防止するために打重ね時間間隔の管理を徹底した施工計画を立案する。留意点:締固めを行わないため、表面に気泡が多くなる。

工夫点:落下高さをなるべく小さくし、型枠表面に適度な振動を加えてやること,せき板の種類および剥離剤の選定を行う。

3.関係者との調整方策

発注者は高流動コンクリートが1m3あたり、約1万円高くなるので普通コンクリートでの施工を望んだ。また、施工業者も型枠の補強に日数がかかるため、高流動コンクリートの施工に難色を示した。そこで、私は高流動コンクリートにより締固め作業が不要となるため少人化が図れ、かつ工期が短縮され作業を効率的に進められた上で表層品質が確保できることを示し、両関係者を取りまとめた。

予想問題 Ⅱ-2-5 簡易答案

社会資本であるコンクリート構造物の長寿命化を図るためには、施工時冬季は施工時の初期欠陥が起こりやすい。こうした状況において、冬季に、高密度配筋となる柱とはりの接合部の施工を行うこととなった。この業務を担当して、コンクリートの製造・運搬、打込み・締固めを行うに当たり、施工時の初期欠陥を防止することを念頭にして、下記の内容について記述せよ。

(1)計画段階で検討すべき事項

(2)自分の立場と業務を明確にし、業務を進める手順について、留意すべき点、工夫を要する点を含めて述べよ。

(3)業務遂行にあたり,リスク対応を目的として,多様な関係者との調整方策について述べよ。

 

1.調査、検討すべき事項と内容

(1)コンクリートの配合

 スランプは、運搬、打込み、締固め等の作業に適する範囲内でできるだけスランプが小さくなるように設定する。所要の養生温度の確保が難しい時は,早強ポルトランドセメント(水和熱)の使用を検討する。

(2)養生:養生時には初期圧縮強度が5N/mm2が得られるよう5℃以上に保つため、必要な養生温度(熱量)が確保できる養生法方法を検討する。

(3)品質管理:養生の打ち切り、型枠及び支保工の取外し、使用開始時期の確認は、現場コンクリートとできるだけ同じ状態で養生した供試体の強度試験によるか、コンクリート温度の記録から推定した強度によって行うかを検討する。

2.業務を進める手順、留意点および工夫点

(1)材料・配合設計

コンクリート温度は構造物の断面寸法、気象条件などを考慮して定める。

留意点:コンクリート温度が荷卸しする際に10℃以上20℃未満になるよう、材料の温度管理に留意する。

工夫点: 温度ひび割れが問題となる場合はマスコンクリートとして対策を実施する。

(2)生コン工場の選定

現場までの運搬時間、コンクリートの製造能力、運搬車の数、工場の製造設備、品質管理状態等を考慮して、工場を選定する。留意点:搬路の交通状況や天候などによって変動する時間も考慮して、運搬時間はできるだけ短くする。

工夫点:フレッシュコンクリートの品質の変化が小さくなるように混和剤を使用

(3)施工計画

 打込み箇所、締固め作業高さや棒状バイブレータの挿入間隔、1 回当りの打込み高さや打上がり速度等の施工方法および初期凍害を受けないよう養生方法について、盛り込んだ施工計画を立案する。

留意点:所定強度が得られるまで,どの部分も凍結しないように保護する。

工夫点:保温養生あるいは給熱養生を行う。

3. 業務遂行のための関係者との調整方法

品質確保を図るため、生コンプラントと密に連絡を図り、アジテータ全車で単位水量測定、打設完了時間の管理を行った。また、施工状況を把握するためのチェックリストを用いて、現場巡視も協力会社同士で行い、次の施工段階へ移る前に各項目についてチェックを行うことで、初期欠陥等を未然に防ぐ意識を高めた。

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