R2年、2021年 建設・鋼コン Ⅱ−1−3 問題 模範解答と解説
Ⅱ-1-3
コンクリート構造物の品質を確保した上で生産性向上に資する取組について、次の①と②のうち1つを選択し、下記の内容について説明せよ。
①機械式継手工法のコンクリート構造物への適用に関する各種ガイドライン等が整備され、機械式継手工法の採用が拡大している。機械式継手工法による生産性向上の効果について述べ、機械式継手工法を採用した場合の設計・施工の留意点について述べよ。
模範解答1 簡易答案形式1 建設部門、鋼コン 専門: PC 2021/4/25
①機械式継手工法
1.機械式継手工法による生産性向上の効果
(1)重ね継手による鉄筋の結束が省略され、工期短縮。
(2)火器を使用するガス圧接がないため、全天候対応となり工期短縮。
(3)鉄筋を重ねる必要がないため、鉄筋同士の空きの確保が容易となり、施工性向上。
(4)作業が定型化され、一般レベルの作業員でも施工が可能となり、人材確保が容易。
2.設計・施工上の留意点
(1)鉄筋の空きを確保
継手部が同一断面に集中する場合、鉄筋の配置間隔を大きくとり、継手同士の空きを確保する。
(2)かぶり厚の確保
せん断補強筋は、継手前後に鉄筋をずらし必要かぶり厚を確保。
(3)エポキシ樹脂塗装の使用
継手部や継手部にかかる鉄筋の必要かぶり厚の確保が困難な場合は、エポキシ樹脂塗装を施し、コンクリートの耐久性を確保。
模範解答1 簡易答案形式2 建設部門、鋼コン 専門: PC 2021/4/27
1.機械式継手工法による生産性向上の効果
(1)鉄筋結束の省略
重ね継手による鉄筋の拘束が省略されるため、鉄筋組立にかかる工程が短縮する。
(2)全天候対応
火器を使用するガス圧接がないため、全天候対応となり、工程が短縮する。
(3)過密配筋の回避
鉄筋を重ねる必要がないため、鉄筋同士の空きの確保が容易となり、工程が短縮する。
(4)作業の定型化
作業が定型化されるため、常駐している一般レベルの作業員でも施工が可能となり、作業効率が向上する。
2.設計・施工上の留意点
(1)鉄筋の空きの確保
継手部が同一断面に集中する場合は、あらかじめ鉄筋の配置間隔を大きく設定することで、継手同士の空きを確保する。
(2)かぶり厚の確保
継手部にかかるせん断補強筋は、かぶり厚が小さくなるため、継手の前後に鉄筋をずらすことで必要かぶり厚を確保する。
(3)エポキシ樹脂塗装の使用
継手部や継手部にかかる鉄筋の必要かぶり厚の確保が困難な場合は、エポキシ樹脂塗装を施した継手や鉄筋を使用することで、コンクリートの耐久性を確保する。
模範解答1 答案形式 建設部門、鋼コン 専門: PC 2021/5/5
1.機械式継手工法による生産性向上の効果
(1)鉄筋拘束の省略と過密配筋の回避
重ね継手による鉄筋の拘束が省略されるため、鉄筋組立による工程が短縮される。また、鉄筋を重ねる必要がないため、鉄筋同士の空きの確保が容易となり、工程が短縮する。
(2)全天候対応
火器を使用するガス圧接がないため、全天候対応となり工程が短縮する。
(3)作業の定型化
作業が定型化されるため、常駐している一般レベルの作業員でも施工が可能となり、作業効率が向上する。
2.設計・施工上の留意点
(1)鉄筋の空きの確保
プレキャスト部材へ適用する場合など、継手部が同一断面に集中する場合は、あらかじめ鉄筋の配置間隔を大きく設定することで継手同士の空きを確保する。
(2)かぶり厚の確保
継手部にかかるせん断補強筋は、かぶり厚が小さくなるため、継手の前後に鉄筋をずらすことで必要かぶり厚を確保する。
(3)エポキシ樹脂塗装の使用
継手部や継手部にかかる鉄筋の必要かぶり厚の確保が困難な場合は、エポキシ樹脂塗装を施した継手や鉄筋を使用することでコンクリートの耐久性を確保する。
模範解答2 簡易答案形式1 建設部門、鋼コン 専門: コンクリート構造 2021/5/11
①機械式継手工法
1.生産性向上の効果
(1)重ね継手と比べ、結束手間がなく作業効率が高い。
(2)ガス圧接と比べ、火器を用いず施工できるので全天候施工が可能となり工程短縮となる。
(3)作業が定型化し、一般レベルの作業員でも施工可で人材確保が容易となる。
2.機械式継手を採用した場合の設計の留意点
(1)継手部が径増となるので、かぶり不足がないような配置とする。設計計算の有効高設定に考慮するとともに、外巻きせん断鉄筋は継手部を避けた配置とする。
3.機械式継手を採用した場合の施工の留意点
(1)継手部の増径や集中により鉄筋の空きが確保できない場合は、鉄筋径を変更して必要配置間隔を確保したり、骨材の落下経路を検討し、充填不良のない施工を行う。
(2)かぶり厚が確保が困難な場合は、錆が発生してひび割れによる耐久性低下とならないように塗装防錆仕様への変更を行う。
模範解答2 簡易答案形式2 建設部門、鋼コン 専門: コンクリート構造 2021/5/13
1.生産性向上の効果
1)作業効率の向上
重ね継手と比べると結束手間がなく作業時間の短縮を図れるので、作業効率を高められる。
2)工程短縮による生産性向上
ガス圧接と比べると火器を用いず施工できるので、全天候施工が可能で工程短縮が図れる。
3)人材確保の容易さによる生産性向上
作業が定型化し一般レベルの作業員でも施工が行えるので、人材確保が容易となるので向上効果が見込める。
2.設計上の留意点
(1)かぶり不足
継手部は、直径が大きくなる。外面付近の使用時は、かぶり不足がない配置とする。設計計算はかぶりを確保した有効高設定とし、外巻きせん断鉄筋は継手部を避ける。
3.施工上の留意点
(1)鉄筋のあきの確保
継手部の増径や集中により鉄筋のあきが確保できない場合は、鉄筋径の変更を行い必要配置間隔を確保する。骨材の落下経路を検討して、充填不良がない施工を行う。
(2)かぶり厚不足部位への対応
かぶり厚の確保が困難な部位は、水・空気の浸入で錆が発生してもひび割れによる耐久性低下とならないように、塗装防錆仕様への変更を行う。
模範解答2 答案形式 建設部門、鋼コン 専門: コンクリート構造 2021/5/14
①機械式継手
1.生産性向上の効果
(1)作業効率の向上
継手作業は、重ね継手と比べると結束手間がなく作業時間の短縮を図れるので、作業効率を高められる。
1)工程短縮による生産性向上
作業工程は、ガス圧接と比べると火器を用いず施工できるので、全天候施工が可能で工程短縮が図れる。
2)人材確保の容易さによる生産性向上
作業に必要な人材は、作業が定型化し一般レベルの作業員でも施工が行えるので、確保が容易となる。
2.設計上の留意点
(1)かぶり不足
継手部は直径が大きくなる。外面付近の使用時はかぶり不足がない配置とする。設計計算はかぶり確保の有効高設定とし、外巻きせん断鉄筋は継手部を避ける。
3.施工上の留意点
(1)鉄筋のあきの確保
継手部の増径や集中により鉄筋のあきが不足する場合は、鉄筋径の変更により必要配置間隔を確保する。骨材の落下経路を検討し、充填不良がない施工を行う。
(2)かぶり厚不足部位への対応
かぶり厚の確保が困難な部位は、水・空気の浸入で錆が発生しても、ひび割れによる耐久性低下とならないように、塗装防錆仕様への変更を行う。