R2年、2021年 建設・道路 Ⅱ−2−1 問題 模範解答と解説

Ⅱ−2−1 需要物流道路に指定されているある幹線道路沿いに、大規模小売店の立地が計画されており、周辺道路においてこれに起因した渋滞発生といった交通阻害の懸念がある。この対策を担当する技術者として、道路交通アセスメントの観点より下記の内容について記述せよ

(1)業務の遂行において、調査・検討すべき事項とその内容について説明せよ。

(2)主な調査・手順について、留意すべき点、工夫を要する点、を含めて述べよ。

(3)業務を効率的・効果的に進めるための、関係者との調整方法について述べよ。

模範解答1簡易答案形式1 建設部門、道路 専門:道路設計 2021/4/12

.調査・検討すべき事項

(1)大規模小売店の利用者数

 既存の大規模小売店の場所を調査し、大規模小売店が新設された場合、どの地区からどの時間帯に買い物客が施設を利用するのかを検討。

(2)交通量調査

 立地予定付近における現況の交通量調査を実施してどの時間帯の交通量を用いて交通流解析を実施するかを検討。

(3)交通流の解析

 上記1の予想交通量と安全側を考慮して交通量調査によるピーク時間交通量を足し合わせて交通流解析を実施し、交通流を満足するか調査する。満足しない場合は対策案を検討。

(4)立地後のモニタリング

 対象施設の立地後、当該施設の立地に伴う周辺交通への影響を確認するためモニタリング調査を実施し、交通流が満足しない場合は新たな対策案を検討。

2.業務を進める手順(留意点と工夫すべき点)

(1)交通流の予測

 交通需要データ、道路構造データ・交通運用データ及びシミュレーション実行データ、各種パラメータに基づいて車両の移動を表現。 一般道路において走行速度が20km/h以下、重要物流道路上において新たに交差点需要率が0.9 以上となる渋滞箇所を確認。

(2)事前対策

道路側から施設に乗り入れる左折占用レーンの設置、幹線道路の交差点から施設が立地している側に占用車線を設置。車線長は交通流解析の結果をもとに決定。

(3)事後モニタリング

立地直後、一定期間後においてETC2.0やAIモニタリングを活用して渋滞状況を広く把握。その結果を基に新たな渋滞箇所、渋滞要因を把握。

(4)事後対策

予測結果と現況を比較して予測結果と違いが生じた理由を把握し、施設へ進入する際の退避場所の確保や交差点の占用車線を延長。

3.関係者との調整方法 

施設管理者は予算削減、道路管理者や警察は渋滞抑制を要望。利用者に公共機関の利用、駅の市営駐車場等に駐車を促し、施設専用バスを利用させパークアンドライドにより交通量を抑制。買い物客には駐車場やバスの無料券を配布。

解説

作成中

模範解答1 簡易答案形式2 建設部門、道路 専門:道路設計   2021/4/15

1.調査・検討すべき事項

(1)大規模小売店の利用者数

 既存の大規模小売店、高速道路のIC、主要な駅の場所を調査し、新たに大規模小売店が新設された場合、どのような交通手段、交通ルートを用いて大規模小売店に来るのかを検討する。

(2)交通量調査

 施設の規模や種類、周辺の交通状況を踏まえて交通量調査における調査範囲を決定し、来店経路を中心に現況の市街地における交通量調査を実施する。そして、どの時間帯に交通量が集中するのかを把握し、交通流解析を実施するかの検討を行う。

(3)交通流の解析

 施設を利用する利用者交通量と安全側を考慮して交通量調査により得たピーク時間交通量を足し合わせて交通流解析を実施し、予測交通流が許容交通量を満たしているかを調査する。そして、許容交通量を満足していない場合は交差点改良等の対策案を検討する。

(4)立地後のモニタリング

 大規模小売店立地後に周辺交通への影響を確認するためモニタリング調査を実施し、予測交通量と実際の交通量を比較して対策の必要性、対策案について検討を行う。

2.業務を進める手順(留意点と工夫すべき点)

(1)交通流の予測

 交通需要データ、道路構造データ・交通運用データ、各種パラメータを入力して交通シミュレーション解析により交通流を予測する。そして、一般的に渋滞の定義とされている一般道路において走行速度が20km/h以下、重要物流道路上において交差点需要率が0.9 以上となる箇所を確認する。

(2)事前対策

交通シミュレーション解析により一般道路部における施設への乗り入れ左折占用レーンの設置、幹線道路の交差点から施設が立地している側に右左折等を設置する交差点改良等を実施した場合の対策効果を確認し、事前対策案を提案する。なお、車線長はシミュレーション解析により算出する。

(3)事後モニタリング

立地直後、一定期間後においてETC2.0やAIモニタリングを活用して大規模小売店の利用に伴う交通流を広範囲に確認する。そして渋滞箇所や渋滞要因、時間帯を把握して対策案を決定する。

(4)事後対策

予測結果と現況を比較して予測結果と違いが生じた理由を把握し、施設へ進入する際の退避場所の確保や交差点の占用車線を延長、信号処理の高度化を行う。

3.関係者との調整方法 

施設管理者は対策への予算削減、道路管理者や警察からは渋滞抑制を要望された。施設利用者の全体交通量を抑制させるために公共機関の利用、駅周辺における市営駐車場の利用を促した。なお、買い物客には買い物金額に応じて駐車場の無料券を配布した。駅からは無料の施設専用バスを運行してバスを利用させることでパークアンドライドを推奨させた。

模範解答1答案形式 建設部門、道路  専門:道路設計   2021/4/25

1.調査・検討すべき事項

(1)大規模小売店の利用者数

 新たに大規模小売店を新設する周辺の幹線道路状況、駅や公共交通等の調査を行う。そして、交通シミュレーション解析により大規模小売店が新設された場合、どの生活エリア、高速道路IC、幹線道路を利用して来店するのかを予測する。

(2)交通量調査

 施設の規模や種類、周辺の交通状況を踏まえて交通量調査の範囲を決定し、来店経路を中心に現地点における市街地の交通量を調査する。そして、時間ごとに交通量を整理して、交通流解析に用いる交通量の検討を行う。

(3)交通流の解析

 施設の予測利用者交通量と交通量調査により得たピーク時間交通量を足し合わせて交通流解析を実施する。そして、予測交通流が許容交通量を満たしているかを確認し、必要に応じて交差点改良等を検討する。

(4)立地後のモニタリング

 大規模小売店立地後に周辺交通への影響を確認するためモニタリング調査を実施し、予測交通量と実際の交通量を比較して対策の必要性を検討する。

2.業務を進める手順(留意点と工夫すべき点)

(1)交通流の予測

 交通需要データ、道路構造データ等の各種パラメータを入力して交通シミュレーション解析を行い、交通流を予測する。そして、一般的に渋滞の定義とされている一般道路の走行速度が20km/h以下、重要物流道路上の交差点需要率が0.9 以上となる箇所を確認する。

(2)事前対策

渋滞予測箇所に対して施設へ乗り入れする際の左折占用レーンの設置、占用車線長の長さ等を提案し、交通シミュレーション解析により対策効果を確認する。そして、施設が立地する前に対策を行い、予防保全により渋滞抑制を図る。

(3)事後モニタリング

一定期間後にETC2.0やAIモニタリングを活用して大規模小売店の利用に伴う交通流を広範囲に確認する。そして、渋滞箇所や渋滞要因、時間帯を把握する。

(4)事後対策

予測結果と現況を比較して予測結果に違いが生じた要因を把握し、施設へ進入する際の退避場所の確保や交差点の占用車線を延長、信号処理の高度化を行う。

3.関係者との調整方法

 私は施設管理者から対策費の抑制、道路管理者からは渋滞抑制を要望された。そこで私は、全体交通量を抑制するため施設管理者に駅からの無料送迎バスの運行(パークアンドライド)や駐車場利用時の料金設定を提案した。ただし、買い物金額に応じて駐車場の割引券等を配布することで利用者の負担を軽減した。

解説

「調整」の書き方は、関係者を明確にし、調整は私がする業務として書いてください。

「駐車場の施設利用者に公共交通や駅周辺の市営駐車場の利用を働きかけた」では関係者として相手がふさわしくありません。一般市民の施設利用者に対して、コンサルタントの私が直接何かを働きかけるなどということは無理でしょう。市民は関係者にはなりませんので不可能です。調整の関係者とは、発注者や設計者、協力企業などです。

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