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技術士合格マニュアル2 目次 


 第1回  新たな指導原理開発と今年の戦略 その1

1.はじめに
2. 驚異的な合格率の秘密、「合格力」をつける指導原理について
3. 技術士試験に勝つためのトレードオフ問題
4. トレードオフ問題を解決する妙案
4.1  問題予想は何段階にも見直ししながら予測する
4.2 基本問題練習で確実に合格できる「正しい推論力」をつける
4.3 正しい推論力はコーチングで身につける
5. 「技術士試験勉強のトレードオフ」のまとめ
最近の指導より
H21年問題の敗因分析
コーチング指導
「専門知識が不足しているからもっと勉強しなきゃ」と考えている方へ

第2回  新たな指導原理開発と今年の戦略 その2 

1.はじめに
2. 驚異的な合格率の秘密、「合格力」をつける指導原理について
3. 予想の山が外れないように広範囲で予測する(山を張らない)には?
4. 技術士試験問題予想の方法
4.1 トレンドテーマを中心とした予測
4.2 与えられた資料をもとに考察するケース
4.3 出題の背景まで考えるとさらに上手に解答できる
5. 「技術士試験問題予想の方法」のまとめ
■最近の指導より
敗因分析
総合技術監理部門の「問題文、出題者の意図」についての解説

 第3回  新たな指導原理開発と今年の戦略 その3  

1.はじめに
2. 驚異的な合格率の秘密、「合格力」をつける指導原理について
3. 題意に応じて正しく答える(臨機応変な考察力)には?
4. 正しい考えを組み立てる方法
4.1 「体験学習能力」を問う問題
4.2 「体験学習能力」を表現するには
(1)目標に対する達成度(目標−実績=ギャップ)はどうか
(2)ギャップが生じた原因は何か。
(3)ギャップを埋める方策はなにか
(4)ギャップを埋めることを実践しているか
(5)同様な知見を複数持っているか
5. 題意に応じて正しく答える(体験学習能力対策)のまとめ
■技術士合格への道研究所講師会の活動報告

 第4回  新たな指導原理開発と今年の戦略 その4 

1.はじめに
2. 合格力につながる指導原理「コンピテンシー」について
3. コンピテンシー理論(成果につながる能力)とは?
3.1コンピテンシーの概念
3.2技術コンサルタントの業績左右するものは知識やスキルではない
3.3コンサルタント業務を推進する核となる能力
3.4有能な技術コンサルタントに共通した特徴
(1)無駄なことをしない
(2)強い使命感を持っている
(3)先々の結果にまで目が向いている
4. コンピテンシー理論に基づく合格戦略
4.1 答案の合否は瞬時に判断される?
4.2 答案でコンピテンシーを引き出して表現する
(1) 求められていることをまず書く
(2)有能な技術コンサルタントに共通した特徴を表す
(3) 成果につながるように書く
5. コンピテンシー理論(成果につながる能力)のまとめ
■技術士試験参考書図書館の創設

第5回  面白いほど合格できる直前テクニック その1 

1.はじめに
2. 「問題、課題、解決策」は技術者の必須能力(論理性)
2.1 現状把握の「問題点」
2.2 問題解決の方向性を定める「課題」
2.3 専門家の提案である「解決策」
3. 「問題、課題、解決策」で大事なことは論理的な展開
4. 「問題、課題、解決策」の注意点
4.1 安直な「反対言葉」は使わない
4.2 縦割りの安直な「解決策」は解決策ではない
4.3 「総合的に対処する」では解決策にならない
5. 「問題、課題、解決策」 (論理性)のまとめ
■最近の指導活動より 敗因再確認、弱点をカバー

 第6回  面白いほど合格できる直前テクニック その2 

1.はじめに
2. 「留意点」とは経済性などを高めるテクニック(品質管理)
3. 「留意点」にはいくつかの系統がある
3.1 経済性を高める留意点
3.2 安全性を高める留意点
3.3 品質管理を強める留意点
3.4 環境負荷を低減する留意点
3. 「留意点」で大事なことは、何に効果的かわかること
4. 「留意点」の注意点
5. 「留意点」とは経済性などを高めるテクニック(品質管理)のまとめ
■最近の指導活動より 筆記試験直前対策相談

 第7回  面白いほど合格できる直前テクニック その3 

1.はじめに
2. 専門キーワードは専門家の思考様式(概念的思考)
3. 「キーワード」によって表現されるコンピテンシー
3.1 幅広い業務を処理できるという能力の可能性
3.2 業務改善や新技術といった現状改革の姿勢を示す効果
3.3 複数概念を用いた幅広い思想構築の可能性
3.4 系統的な技術応用の姿勢を表す効果
4. 専門キーワードは専門家の思考様式(概念的思考)のまとめ
■最近の指導活動より 模範答案を公開して答案作成の参考に

第8回  面白いほど合格できる直前テクニック その4

1.はじめに
2. 専門技術による解決策(提案力)
3.1 対象とすべき技術以外の事項を取り上げている
3.2 問題の要求に対して答えの幅が狭すぎる
3.3 当たり前のことを述べ(評論し)ている
3.4 方法論中心、マニュアル的で方針、考え方が見えない
3.5 前置き長い、心構え、調査、検討を重視するが本題は今一
3.6 自分の考えがない、専門家頼み
5. 専門技術による解決策(提案力)のまとめ
■最近の指導活動より 当初は必要条件、次第に高次な十分条件の指導に

 第9回   面白いほど合格できる直前テクニック その5

1.はじめに
2. モレ・ダブリのない整理(体系的思考)
2.1なぜモレ・ダブリのない整理が必要か?
2.2 技術士試験でモレ・ダブリのない整理が必要な理由
3. MECE(ミーシーもしくはミッシー)
4. モレ・ダブリのなく整理する方法
(1)物件に必要な「機能」、または、あっては困る不都合な特性(有害機能)を漏れなく挙げる。
(2)工程を原材料から加工、使用、廃棄に至る製品のライフサイクルに従って漏れなく挙げる。
(3)製品故障をなくして生産性を上げる場合。
(4)生産の4要素、4M
(5)事故の原因分析・対策検討時に用いられる4M
(6)QCDS
(7)マーケティングにおける視点、4P
5. モレ・ダブリのない整理(体系的思考)のまとめ

 第10回   面白いほど合格できる体験論文 その1

1.はじめに
2. いかにして業績概要で技術者コンピテンシーを表わすか
2.1なぜ「技術者コンピテンシー」が大事か?
2.2 「技術者コンピテンシー」を表すには?
3. 「技術者コンピテンシー」を答案中で感じさせるには
3.1 業績概要
(1)物件、対策の概要で特筆できるものは何か(規模、難易度等)
(2) 応用した技術は何か
(3) 自分の貢献はなにか
(4) 成果はなにか
3.2 立場・役割
3.3 課題及び問題点
(1)課題 業務上発生した問題を解く方針
(2)問題点 課題解決に向けて行動するときに障害となること
(3)技術的提案 上記(2)を解消して、上記(1)を達成する方法です
(1)問題点 問題解決当初に取り組まなければならなかった問題
(2)解決策 解決の際に実施したこと
(3)苦心した点 (2)を開発する上で検討したこと
(4)解決策の妥当性 解決策に独創性や汎用性があること
4. 「業績概要で技術者コンピテンシーを表わす」のまとめ

 第11回    面白いほど合格できる体験論文 その2

1.はじめに
2. 専門的かつ独創的で汎用性がある問題解決過程
2.1 技術的体験論文はチェックシート
(1)まず論文でチェック、OKかNGか
(2)次に口頭試験でチェック、OKかNGか
(3)上記(1)(2)で確定する
2.2 合格に寄与する「技術者コンピテンシー」を高めるには?
3. 技術的提案で「技術者コンピテンシー」を感じさせるには
3.1 良い「技術的提案」の条件とは
3.1.1 「独創性」があるとは
(1)当時他に例のなかったA工法を日本で初めて採用した
(2)臨機応変に対応(工夫)して編み出した方法
3.1.2 「汎用性」があるとは
3.1.3 「専門分野の技術」が応用されている
3.2 良い「技術的提案」の書き方
(1)在来工法の問題点を解消する仕組み、原理を明らかとする
(2)技術を抽象化、概念化して適用可能性を高める
(3)専門技術体系から応用した過程を説明する
4. 「技術的提案で「技術者コンピテンシー」を感じさせる」のまとめ
■最近の指導活動のご紹介
(1)再現答案指導
(2)体験論文指導

 第12回   面白いほど合格できる体験論文 その3

1.はじめに
2. 技術士にふさわしい現時点の評価、今後の展望
2.1 技術的体験論文は技術者コンピテンシーのチェックリスト
(1)まず論文でチェック、OKかNGか
(2)次に口頭試験でチェック、OKかNGか
(3)上記(1)(2)で確定する
2.2 合格に寄与する「技術者コンピテンシー」を高めるには?
3. 技術的提案で「技術者コンピテンシー」を感じさせるには
3.1 良い「現時点での評価、今後の展望」の条件とは
3.1.1 「成果」につなげる意思
(1)私が行ったA工法の現時点での評価はまあまあ良かった
(2) A工法で施工した結果、その後クレームは聞いていない
3.1.2 体験から学ぶ姿勢
3.1.3 「鋭いチェックの目」で評価する
3.2 良い「今後の展望」の書き方
3.2.1専門技術に対する一貫的な取り組み姿勢の書き方
3.2.2 パラダイムシフトを推し進める使命感
4. まとめ「口頭試験の場を和やかな雑談の場に変える」には
■最近の指導活動のご紹介
(1)平成22年筆記問題再現答案指導
(2)体験論文の概要指導(技術的体験チェックシートによる) 

 第13回   合格力をアップする体験論文のテクニック その1

1.はじめに
2. あなたの業績をアピールする業務概要の書き方
3. 技術士口頭試験ではコンピテンシーがチェックされる
4. コンピテンシーを感じさせる「業務概要」とは?
(1) やったことの成行きではなく、仕事の難度や質の高さがわかる
(2)専門技術の応用による業績であるとわかる
(3)個人の貢献がわかる
(4)成果があることがわかる
4.1 やったことの成行きではなく、仕事の難度や質の高さがわかる
4.2 専門技術の応用による業績であるとわかる
4.3 個人の貢献がわかる
4.4 成果があることがわかる
5. コンピテンシーを感じさせる「業務概要」のまとめ
■最近の指導活動のご紹介
(1)体験論文の作成指導(技術的体験チェックシートほかによる)
一般論では決め手にならない。自分の正解だけが合格につながる

 第14回   合格力をアップする体験論文のテクニック その2

1.はじめに
2. 専門家にふさわしい「課題、問題、技術的提案」の書き方
(1) 「課題、問題、技術的提案」の的確な分析
(2)問題解決の論理性
(3)専門技術の応用過程があるか
(4)成果につなげる意思がある
2.1 「課題、問題、技術的提案」の的確な分析
2.2 問題解決の論理性
2.3 専門技術の応用過程があるか
2.4 成果につなげる意思がある
3. 専門家にふさわしい「課題、問題、技術的提案」のまとめ
■最近の指導活動のご紹介
(1)2011年受験コースに向けて再受講契約の受付始めました
(2)体験論文の作成指導(技術的体験チェックシートほかによる)

 メールマガジン技術士合格への道 2010年 第1回
 必ず合格できる 技術士二次試験合格講座
  ― 新たな指導原理開発と今年の戦略 ―


 技術士二次試験で合格するにはどうすればよいか。技術士合格への道研究所では過去10年間、数々の指導法開発をしてきました。その結果、昨年3月の合格発表では驚異的な成果を生みました。なんと、

合格率 62%、 満足度80%、しかも7割の方が再受講申込み

という驚異的成果を生み出しています。
 技術士合格への道研究所では、「わかる指導、力の出る指導」を目指して「コンピテンシー理論+コーチング指導」を実践してきました。この一環として、中央区東日本橋のセミナールーム開設や数々の指導ツール開発を行ってきました。
 今後とも技術者としての再考の資格、技術士の能力開発の専門機関として指導法の開発に努めてまいります。ぜひご期待ください。


1.はじめに

 技術士合格への道研究所では「わかる指導、力の出る指導」を目指して

コンピテンシー理論+コーチング指導

を開発してきました。

 「コンピテンシー理論」とは高い能力を発揮している人の行動特性であり、そのような能力開発理論を応用して効果的に技術者指導を行うものです。
http://www.gijutsushi1.com/category/1261095.html#conptency

 「コーチング指導」とは、論文添削だけでなく、答案の考察方法や解答姿勢、ご自分にピッタリの試験戦略を毎回口頭で解説して、かつご自身でも正しく考えられる思考力を養うものです。
http://www.gijutsushi1.com/category/1261095.html# couching

 「コンピテンシー理論」、「コーチング指導」は受験者様と問題を共有して解決しますので、成果として「わかりやすい」、「力が出る」という効果を生んでいます。

 これら指導の結果、だれでもご自分の専門技術を余すことなく答案に反映し、技術士試験での合格力を自然に高められます。このメールマガジンでは、当面8月の技術士二次筆記試験の対策について連載でお送りします。今回はその第一回目です。

2. 驚異的な合格率の秘密、「合格力」をつける指導原理について
 
 さて、本講座の筆記試験合格率についてはすでにHPでもご紹介したとおり、62%(受験者のうち提出課題の平均点が60点以上の方の合格率は、なんと86%)にもなっています。かつ、不合格の方も7割が再受講申込みをされています。(詳しくはホームページをご覧ください)
http://www.gijutsushi1.com/category/1261087.html#ritsu

 一般的な講座では、合格率が3割〜4割に過ぎず、それで試験に落ちたらもうそこでは習いたくないというのが普通です。それらに比べて驚異的であることがお分かりいただけるでしょうか。こうした成果の根拠は次のような指導原理を地道に実践しているからなのです。

(1)予想の山が外れないように広範囲で予測する(山を張らない)
(2)題意に応じて正しく答える(臨機応変な考察力)
(3)添削+コーチングで正しい考え方をスピーディーに理解する
(4)チェックシート等で添削・修正サイクルを早める
(5)オリジナル応用問題で練習する(総合技術監理の場合)

 上記の(1)(2)が指導の柱であり、(3)以下を同時に実施することで効果を発揮します。合格力のカギとなる(1)(2)について詳しくご説明しましょう。

3. 技術士試験に勝つためのトレードオフ問題

 技術試験の近年の状況を分析すると次のようなことがいえます。

  • 出題の傾向は、毎年異なるテーマが出題される。新出問題も。
  • テーマ分類では頻出問題もあるものの傾向はつかみにくい。
  • 「〜について述べよ」と言う見識問題は出なくなった。
  • 要求事項が細かく指定される傾向がある。
  • 特に決まった答えのない問題解決。
  • 図表をもとに考察させる形式が増えている。

 この結果、次のトレードオフ問題を呈しています

  • 問題を的中させるにはたくさん問題練習するしかない。
     (必須で10問、選択科目で20問程度もか)
  • 一方たくさんの答案練習する時間がなく、問題を絞らざるを得ない。

 このようにトレードオフ問題があって普通には合格できないものを解決するのが技術士の試験勉強と言えます。そこで、

4. トレードオフ問題を解決する妙案

 講座では次のような勉強法を提案しています。

  • 問題予想は何段階にも見直ししながら予測する
  • 基本問題練習において、確実に合格できる「正しい推論力」をつける

 この二つの方法で間違いなくトレードオフ問題は解決可能です。

4.1  問題予想は何段階にも見直ししながら予測する

 試験で予想問題が的中すれば、用意した知識が役に立って合格率は高まります。しかし、問題をピタリと当てるには「問題先見力」が必要です。この「問題先見力」は実は問題を解くより難しいことです。

 なぜなら「先見力」や「未知の問題を探索する能力」は専門的技術者だけのコンピテンシーであるからであって、予測のための能力自体が実は容易には獲得できないことなのです。

 合格するための手段と考えられている「問題先見力」とは、実は技術士の能力の一つ、つまり「結果」なのです。これでは初めから上手に先見できるわけがありません。

 このため一度に完全な問題予想するのではなく、最初は仮に行い、勉強途中で何回も見直ししていくという方法をとります。そのほうが、予測の判断力も付き、詳しい情報も入手できるから、結果としてい正確な予測ができるからです。

4.2 基本問題練習で確実に合格できる「正しい推論力」をつける

 一方、基本問題練習作戦は、問題予想とは別な方向からトレードオフ問題を解決します。問題が予想しきれないなら、どんな問題が出ても確実に正解できる力、問題に依存しない「正しい推論力」をつけておけば良いという作戦です。

 「筆記試験は専門知識が勉強不足だったから落ちた」と考える方もいるかもしれません。しかし、大多数の方の不合格の実態は違います。得点可能な問題なのに逆に行動して、これではいけないと思いつつも時間内に修正できず不合格となっているのです。

 講座の指導の「試験敗因分析」から判明していることは、

  • 出題者の意図を読み切れていない
  • 求められていることとは違うことを書いている
  • 違うとわかっていながらも書き続けてしまった
  • いきなり下書きもせずに書き始めたが、後で消して書きなおした
  • 図表を見ても、何をどう考えたらよいのかわからなかった
  • 現状、課題、対応策、留意点とは何を書くべきか区別できない・・・

といった状況です。これらは全て、正しい推論力の欠如が原因です。すなわち「こうだから私はこう考える」という自信を持てる考えが組み立てられない、そういった考察力、判断力が身についていないことが原因なのです。

4.3 正しい推論力はコーチングで身につける

 こうした考察力をつけるには、問題ごとに「こうだから私はこう考える」と言う応用練習を繰り返しながら、熟練者から指導を受けるしかありません。ちょうど、ゴルフやスケートをコーチについて学ぶようなものであり、コーチングと呼んでいます。

コーチングでは知識を学ぶのではなく、考え方を身につけます。その方法として、
(1)問題を解いてみて、答えを出してみる。(自分なりに解き方について考える)
(2)その答えが良いのか悪いのか指導者に評価してもらう。
(これによって評価尺度を身につける)
(3)答えが悪いときは原因を聞いて悪さの程度や問題構造を納得する。
(4)同時に自分なりの改善方法を考える。指導者から対応策のヒントをもらう。

 このとき、コーチング指導のベースとして、ご自分のケースワークが必要です。模範解答や教本では「こうだから私はこう考える」という考察の過程がなく、基本の考え方を知識として学んでいるにすぎません。

 よく、「参考書の模範答案がどうして良いのかわからない」とか、「模範答案を覚えても自分の答案は良くならない」と嘆いている方がいます。参考書は一般的な知識であり、「こうだから私はこう考える」というご自分の考え方を養うものとはなっていないからです。

5. 「技術士試験勉強のトレードオフ」のまとめ

 以上、技術士試験勉強において基本問題練習において、

  • 問題を何段階にも予測する(見直しする)
  • 確実に合格できる「正しい推論力」をつける

 この2つが「技術士試験勉強のトレードオフ」を解決する方法であることがお分かりいただけましたか。

 また、技術士試験合格法について

(1)合格の一般論を知る
(2)自分の弱点を知る
(3)自分の合格答案を独自の力で書く

 この3つには大きな違いがあるということもお分かりいただけましたか。技術士合格への道研究所では「コンピテンシー理論+コーチング指導」により「自分の合格答案を独自の力で書く」力を確実につけてもらいます。その結果必ず技術士試験に合格できます。また、そうした勉強法に効果があると感じられるゆえ、試験に落ちたにもかかわらず7割もの方が再受講されているのです。


最近の指導より
 
 さてみなさんは今年の試験準備はもう始められましたか。技術士合格への道研究所の指導では、H21年問題の敗因分析を行っています。
http://www.gijutsushi1.com/category/1261087.html#haiin

 試験答案は、自分ではかなり書いたと思っていたのにB評価、あるいはC評価であったという方はいませんか。合格力を身に着けようにも、なぜ減点されたかわからなければ勉強のしようがありません。

 技術士合格への道研究所の講座では、昨年受験された時の再現答案をもとに講師が分析し

  • 出題者が求めていることは何か
  • 出題者が求めていることに答えているか
  • 何が減点されたか。なぜ減点されたか。
  • どう考えればよいか
  • 自分の個別ケースでの正解は何か
  • 例えばどのようなことを書けばよいか

という観点で添削し、コーチング指導をしています。
このコーチングの実態について知りたい方はこちらをどうぞ。

 コーチングの形式は下記の3段階で自由に選択可能としています。
http://www.gijutsushi1.com/article/13545408.html

(1)音声ファイルコーチング
(2)電話コーチング
(3)面談コーチング

 音声ファイルコーチングの事例は、下記ページで「音声ファイル」をクリックすると聞けます。再現答案の添削コメント(敗因分析)を行っています
http://www.gijutsushi1.com/category/1261087.html#haiin


「専門知識が不足しているからもっと勉強しなきゃ」と考えている方へ

 技術士試験では、専門技術の知識もさることながら、応用的な考え方の不足から、多くの方が失敗しています。

 昨年の建設部門必須科目の問題をご覧ください。

 建設部門においては、解析・設計から管理に至るまでコンピュータの導入と併せ、技術の高度化・細分化が進展しており、設計結果の妥当性を総合的に判断することが困難となってきている。
 このような状況を踏まえ、技術者として解析・設計や数値シミュレーション等の成果の合理性を総合的に判断できる技術力を維持するための課題と、今後とるべき方策についてあなたの意見を述べよ。
過去問はこちら
http://www.gijutsushi1.com/category/1330906.html

 この問題を解くのにどれほどの専門知識が必要でしょう。むしろ知識より考え方のほうが難しいのではないでしょうか。

 こうした問題に対する正しい考え方の指導を行った結果、講座の受講生の複数の方が正解されています。

 しかも、ある方は「技術士試験とはもっと難しいと思っていたが、それほどでもなかった。講座で学んだ結果、日常業務の考え方が変わってきて、自分の提案がどんどん会社で取り上げられるようになった。」と言うそうです。

 本講座の指導では、本質的に技術コンサルタントとして役立つ考え方を指導しています。ですから、技術士試験で合格しないわけがないのです。ただし、その方法は簡単ではありません。講座のホームページも複雑なものとならざるを得ません。

 どうか指導方法の内容は、ホームページをじっくりご覧くださるようお願いいたします。私も紹介いたします。

 おそらくこうした勉強の結果として、試験の作文テクニックではなく、本質的な技術コンサルタントとしての能力が身につくため、技術者として一回りも二回りも大きくなれるに違いありません。どうか皆さんも1年間頑張っていきましょう。


技術士合格への道研究所
代表者 佐武良祐
〒103-0007 東京都中央区日本橋浜町1−10−8
ワコー東日本橋マンション502
Tel 03−6273−8523 
FAX050−3488−2177  ボイスメール(伝言)兼用
e-mail gijutsushi1@yahoo.co.jp
URL http://www.gijutsushi1.com/


 メールマガジン技術士合格への道 2010年 第2回
 必ず合格できる 技術士二次試験合格講座
  ― 新たな指導原理開発と今年の戦略 その2―

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 技術士二次試験で合格するにはどうすればよいか。技術士合格への道研究所では過去10年間、数々の指導法開発をしてきました。その結果、驚異的な満足度となっています。なんと、

満足度80%、しかも
昨年試験に落ちた方の8割が再チャレンジ受講に申込まれました。

という驚異的成果を生み出しています。
 技術士合格への道研究所では、ただわかるだけではない「力の出る指導」、「自ら考える力」のつく指導を目指して、「コンピテンシー理論+コーチング指導」を実践してきました。その成果と言えます。

 今後とも正攻法で確実に技術士試験合格を目指して、指導法の開発に努めてまいります。ぜひご期待ください。

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1.はじめに

 技術士合格への道研究所では「わかる指導、力の出る指導」を目指して

コンピテンシー理論+コーチング指導

を開発してきました。

 「コンピテンシー理論」とは高い能力を発揮している人の行動特性であり、そのような能力開発理論を応用して効果的に技術者指導を行うものです。
http://www.gijutsushi1.com/category/1261095.html#conptency

 「コーチング指導」とは、論文添削だけでなく、答案の考察方法や解答姿勢、ご自分にピッタリの試験戦略を毎回口頭で解説して、かつご自身でも正しく考えられる思考力を養うものです。
http://www.gijutsushi1.com/category/1261095.html# couching

 「コンピテンシー理論」、「コーチング指導」は受験者様と問題を共有して解決しますので、成果として「わかりやすい」、「力が出る」という効果を生んでいます。

 これら指導の結果、だれでもご自分の専門技術を余すことなく答案に反映し、技術士試験での合格力を自然に高められます。それとともに日常の業務も改善図れます。

 このメールマガジンでは、当面8月の技術士二次筆記試験の対策について連載でお送りします。今回はその第2回目です。

2. 驚異的な合格率の秘密、「合格力」をつける指導原理について
 
 さて、本講座の筆記試験合格率についてはすでにHPでもご紹介したとおり、62%にもなっています。かつ、不合格の方も8割が再受講申込みをされています。(詳しくはホームページをご覧ください)
http://www.gijutsushi1.com/category/1261087.html#ritsu

 一般的な講座では、合格率が3割〜4割に過ぎず、しかもそれで試験に落ちたらもうそこでは習いたくないというのが普通です。それらに比べて驚異的であることがお分かりいただけるでしょうか。こうした成果の根拠は次のような指導原理を地道に実践しているからなのです。

(1)予想の山が外れないように広範囲で予測する(山を張らない)
(2)題意に応じて正しく答える(臨機応変な考察力)
(3)添削+コーチングで正しい考え方をスピーディーに理解する
(4)チェックシート等で添削・修正サイクルを早める
(5)オリジナル応用問題で練習する(総合技術監理の場合)

 今回は、「(1)予想の山が外れないように広範囲で予測する(山を張らない)」について詳しくご説明します。

 なお、これらの成果は無料セミナーで公開しております。関心ある方はぜひご参加ください。直近では、2/11、2/13、2/27に予定しております。※2/11は総合技術監理部門のみ

3. 予想の山が外れないように広範囲で予測する(山を張らない)には?

 技術士試験の近年の状況を分析すると次のようなことがいえます。

  • 出題の傾向は、毎年異なるテーマが出題される。
  • 新出問題も出題される。
  • テーマ分類では頻出問題もあるものの傾向はつかみにくい。
  • 要求事項が細かく指定される傾向がある。
  • 特に決まった答えのない問題解決もある。
  • 図表をもとに考察させる形式が増えている。
  • 「〜について述べよ」と言う見識問題は出なくなった。

 こうした問題に対処するにはあらかじめ問題を予想してかかる必要があります。しかし、この「問題先見力」は実は問題を解くより難しいことです。

 なぜなら「先見力」や「未知の問題を探索する能力」は専門的技術者だけのコンピテンシーであるからであって、予測のための能力自体が実は容易には獲得できない能力なのです。

 このため問題予想は一度に完全に予想するのではなく、最初は仮に行い、勉強途中で何回も見直ししていくという方法をとるのが良いでしょう。そのほうが、予測の判断力も付き、詳しい情報も入手できるから、結果として正確な予測ができます。

4. 技術士試験問題予想の方法

4.1 トレンドテーマを中心とした予測
 これまで問題予想といえは、一般的に「キーワード」あるいは「テーマ」として予想されてきました。過去のテーマを列挙すると、
地球温暖化
維持管理
少子高齢化
観光開発
防災、安心・安全
・・・・
などが挙げられます。これらは白書や国の政策などから読み取って予想されたものです。

 例えば平成21年の建設部門の問題は、
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II−1 地球温暖化を緩和するための低炭素社会について,以下の問いに解答せよ。
(1)低炭素祉会の実現に向け貢献できると考えられる社会資本整備の取り組みを3つ挙げ,それぞれについて概説せよ。
(2)前項で述べた取り組みの1つを取り上げ、その推進にあたっての課題と解決策についてあなたの意見を述べよ。

II−2 建設部門においては、解析・設計から管理に至るまでコンピュータの導入とわせ、技術の高度化・細分化が進展しており、計算結果の妥当性を総合的に判断することが困難となってきている。
このような状況を踏まえ,技術者として解析・設計や数値シミュレーション等の成果の合理性を総合的に判断できる技術力を維持するための課題と,今後とるべき方策についてあなたの意見を述べよ。

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 このような問題となっています。
 問題II−1は「地球温暖化における社会資本整備の取り組み、課題、解決策」という従来型の問題設定になっています。

 一方、II−2は「コンピュータ管理の成果の合理性を判断できる技術力、これを維持するための課題、方策」となっています。テーマはともかく、形式的には従来型の問題設定の域を出ておりません。

 例年このような傾向が予測されるなら近年の社会情勢のテーマごとに問題を予想して想定しておくことが有効です。

4.2 与えられた資料をもとに考察するケース

 建設部門の場合は比較的予測しやすい問題形式でしたが、他の部門では予測が困難な部門もあります。
 水道部門、農業部門、応用理学部門では図表を中心とした資料に基づいて技術的提案を行う問題となっています。問題文の正確な内容はこちらに掲載しております。
http://www.gijutsushi1.com/category/1330906.html

 また、そのほかの部門では次のような傾向となっています。
環境部門 政府答申をもとに各自の貢献を問う
衛生工学 環境エネルギー政策に対する提案
経営工学 新聞記事をもとにした経営戦略を求める出題

 環境部門の場合の問題も見てみましょう。

-------------------------------------------------------------------

 第三次環境基本計画(平成18年4月)においては,持続可能な社会は「健全で恵み豊かな環境が地球規模から身近な地域までにわたって保全されるとともに,それらを通じて国民一人一人が幸せを実感できる生活を享受でき,将来世代にも継承することができる社会」と定義されている。
 ここに定義された持続可能な社会を実現する上での課題等について,次の問いに答えよ。(各問いにつき答案用紙1枚以内,全体で3枚以内にまとめよ。)
(1)あなたが重要と考える課題を3つ取り上げ,それぞれについてその概要を述べよ。
(2)上記のうち,技術士として最重要と考える1つの課題を選び,最重要と考える理由を述べよ。
(3)平成19年6.月に閣議決定された21世紀環境立国戦略では,地球生態系と共生して持続的に成長・発展する経済社会に向けて,「3つの社会」の相互関係を踏まえて統合的な取組を展開していくことが不可欠であると指摘されている。そこで「3つの社会」を明示した上で,この指摘に配慮して上記(2)で選択した課題の解決の方向性及び自らの貢献の可能性について,論述せよ。

-------------------------------------------------------------------

 問題を要約するとこうです。

 第三次環境基本計画に定義された持続可能な社会を実現する上での課題等についての問い。
 課題を3つ取り上げる。
 1つの課題を選び、選定理由を述べる。
 21世紀環境立国戦略の「3つの社会」を答える。
 前記課題の解決策、自らの貢献の可能性について述べる

 こうした出題傾向から言えることは、

(1)部門の課題を包含する問題文が与えられる
(2)課題をもとにも問題点を抽出して、課題、解決策を提案する。
(3)自らの貢献の可能性について求められる。

 この結果、対策として言えることは、

  • テーマが何であるかはほとんど予測不可能
  • どのような資料形式であるかは再現が期待できる。

 ということで、同じような資料形式での問題練習の有効性が高いと言えそうです。しかし、問題のテーマが何であるかはほとんど予測困難なので、対策としては、たとえ予想テーマが当たらなくてもちゃんと考えをまとめられる力をつけるしかないということです。

4.3 出題の背景まで考えるとさらに上手に解答できる

 過去問を分析して「なぜこの問題が出題されたか」を考えるときに出題者の出題理由を深読みするとさらに実戦的な予測が可能です。出題者は受験者とは別な考えで出題しています。すなわち、

(1)技術士となる技術者は何を知っていなければならないか(テーマ)
(2)どの程度のことまで解答してもらいたいか(難易度)
(2)私が求める個別のケースで最適な答えがほしい(出題形式)

というような観点で出題していると思われます。つまり、これは請負者ではなく発注者、コンサルタントではなく事業主としての考え方といえます。

 問題を想定する上で、尺度と「テーマ、難易度、出題形式」について、技術者に対する要求の側から分析することがさらに精度の高い予測につながるに違いありません。

5. 「技術士試験問題予想の方法」のまとめ

 技術士試験問題の予想は、出題傾向を分析して、

  • 社会情勢テーマに関する問題
  • 資料提供型問題

のいずれかを見極めて、それぞれの形式に対応した準備を進めることが有効だと言えそうです。
 そして、問題のテーマが何であるかはほとんど予測困難な場合があるので、「テーマ、難易度、出題形式」といった予測尺度を持つとともに、
どんな問題でも考えをまとめられる力をつけなければならないということです。

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■最近の指導より
 
 さてみなさんは今年の試験準備はもう始められましたか。技術士合格への道研究所の指導では、H21年問題の敗因分析を行っています。
http://www.gijutsushi1.com/category/1261087.html#haiin

 試験答案は、自分ではかなり書いたと思っていたのにB評価、あるいはC評価であったという方はいませんか。合格力を身に着けようにも、なぜ減点されたかわからなければ対策のしようがありません。

 この敗因分析の具体的な指導手順は次のような段階的なものです。

(1)H21答案の再現
(2)H21敗因(自己)分析
(3) H21再現答案の評価及び講師による敗因分析
(4) H21合格答案の作成
(5) H21 〃  の評価

 このような段階を経てしっかりとした考え方が身についてくるのです。

 なお、総合技術監理部門においては、さらに問題がわかりにくいため、正解答案の提出後に解答として、

「問題文、出題者の意図」についての解説

を行っています。詳しくはこちら>http://www.gijutsushi1.com/category/1261088.html#kakomon

 H21年総合技術監理必須科目問題(論文)では、(1)〜(3)の3問が出題されましたが、(3)が極端に正解率が低いものとなっていました。おそらく不合格者のほとんどが(3)の「前提をどう想定しておくか」という問題文の意味が分からずに大きく減点されたのだと思います。

 こうした情況を踏まえて、講座では問題文の解説を行い、出題者の意図を100%理解したうえで回答するように指導しています。毎回、同様に考えて出題者の要求にピッタリの解答をしていけば、当たり外れなく合格点をとれるものと確信しています。

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技術士合格への道研究所
代表者 佐武良祐
〒103-0007 東京都中央区日本橋浜町1−10−8
ワコー東日本橋マンション502
Tel 03−6273−8523 
FAX050−3488−2177  ボイスメール(伝言)兼用
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URL http://www.gijutsushi1.com/

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 メールマガジン技術士合格への道 2010年 第3回
 必ず合格できる 技術士二次試験合格講座
  ― 新たな指導原理開発と今年の戦略 その3―


 技術士二次試験で合格するにはどうすればよいか。技術士合格への道研究所では過去10年間、数々の指導法開発し、弛まない改善を積み重ねてまいりました。その結果、驚異的な満足度となっています。なんと、

満足度80%、という驚異的成果です。
 技術士合格への道研究所では、ただわかるだけではない

「力の出る指導」、「自ら考える力のつく指導」

を目指して、「コンピテンシー理論+コーチング指導」を実践してきました。その成果と言えます。

 このたび新たに講師会を結成して集団で指導原理を開発してまいります。
http://www.gijutsushi1.com/article/13646847.html


1.はじめに

 技術士合格への道研究所では「わかる指導、力の出る指導」を目指して

コンピテンシー理論+コーチング指導

を開発してきました。

 「コンピテンシー理論」とは高い能力を発揮している人の行動特性であり、そのような能力開発理論を応用して効果的に技術者指導を行うものです。
http://www.gijutsushi1.com/category/1261095.html#conptency

 「コーチング指導」とは、論文添削だけでなく、答案の考察方法や解答姿勢、ご自分にピッタリの試験戦略を毎回口頭で解説して、かつご自身でも正しく考えられる思考力を養うものです。
http://www.gijutsushi1.com/category/1261095.html# couching

 「コンピテンシー理論」、「コーチング指導」は受験者様と問題を共有して解決しますので、成果として「わかりやすい」、「力が出る」という効果を生んでいます。

 これら指導の結果、だれでもご自分の専門技術を余すことなく答案に反映し、技術士試験での合格力を自然に高められます。それとともに日常の業務も改善図れます。

 このメールマガジンでは、当面8月の技術士二次筆記試験の対策について連載でお送りします。今回はその第3回目です。

2. 驚異的な合格率の秘密、「合格力」をつける指導原理について
 
 さて、本講座の筆記試験合格率についてはすでにHPでもご紹介したとおり、62%にもなっています。(詳しくはホームページをご覧ください)
http://www.gijutsushi1.com/category/1261087.html#ritsu


 一般的な講座では、合格率が3割〜4割に過ぎず、しかもそれで試験に落ちたらもうそこでは習いたくないというのが普通です。それらに比べて驚異的であることがお分かりいただけるでしょうか。こうした成果の根拠は次のような指導原理を地道に実践しているからなのです。

(1)予想の山が外れないように広範囲で予測する(山を張らない)
(2)題意に応じて正しく答える(臨機応変な考察力)
(3)添削+コーチングで正しい考え方をスピーディーに理解する
(4)チェックシート等で添削・修正サイクルを早める
(5)オリジナル応用問題で練習する(総合技術監理の場合)

 今回は、「(2)題意に応じて正しく答える(臨機応変な考察力)」について詳しくご説明します。

 なお、これらの成果は無料セミナーで公開しております。関心ある方はぜひご参加ください。直近では、2/27、3/13、3/27(いずれも土曜日)に予定しております。
http://www.gijutsushi1.com/article/13646932.html


3. 題意に応じて正しく答える(臨機応変な考察力)には?

 昨年の試験結果より技術士試験の出題傾向には次のようなことがいえます。

  • 出題の傾向は、毎年異なるテーマが出題される。
  • テーマ分類では頻出問題もあるものの傾向はつかみにくい。
  • 応用力が問われる。
  • 要求事項が細かく指定される傾向がある。
  • 事例をあげて答えなければならない。
  • 記事を読んでその知見をもとに考えをまとめなければならない。
  • 「〜について述べよ」と言う見識問題は出なくなった。

 こうした問題に対処するにはあらかじめ問題を予想してかかることは無意味です

 このため初めて見た問題に最初から正解をできる力をつける以外に合格の道はありません。最初はだめでも、勉強して型を覚えておけばとか、答案をいつくか覚えておいてその場でアレンジして、とか言う方法は通用しません。とにかく、どんな問題でも初回から正しい考えが組み立てられる力をつけていかねばならないのです。

4. 正しい考えを組み立てる方法

 出題者の意図は応用力のチェックであって知識ではありません。この試験の本質を次の事例からご説明しましょう。代表的な技術者コンピテンシーを直接測る試験問題となっています。

4.1 「体験学習能力」を問う問題

 これまで過去に多かった問題形式は現状、課題、解決策という三段論法的な問題解決提案でした。しかし、このところ応用力を直接問いかける問題が増えています。例えば、平成19年にはすでにこんな問題が出ていました。


 建設部門道路科目H19年I−1
「道路特定財源の見直しに関する具体策」(平成18年12月閣議決定)においては、「道路整備に対するニーズを踏まえ、その必要性を具体的に精査し、引き続き、重点化、効率化を進めつつ、真に必要な道路整備は計画的に進める」とされている。このような見直しに至った背景と考えられる事例を2例以上挙げその内容を記述するとともに、これらの事例を踏まえて「真に必要な道路とは何か?」についてあなたの意見を述べよ。
----------------------------------------------------------------- 
 この問題は直接技術者コンピテンシーの一つである「体験学習能力」を測るものです。つまり、こうです。

 あなたは有能な技術者か?→だとしたら、過去の業務で技術応用しているはず。→道路整備の業務なら、必要性の精査とか、重点化、効率化の認識はあるはず。→しかも、優れた管理者ならそうできなかった反省をしているはず。→だとしたらそのような反省点を体験から述べなさい。
という問題です。

 まず、専門的体験をしていることが前提で、しかも鋭い視点で業務をチェックする必要があります。そしてそこで体験から次の実施に役立つ知見を学びとっていること、そして生かされていることが必要です。

 このような解答では、模範解答が役に立たないため、普通の添削では正解を得ることができません。体験から思いつかない場合は、文章をいくら添削しても有効なコンピテンシーの表現にはつながりません。しかし、コーチング指導では次のような方法で受講者様ご自身の答案を作っていきます。同じことをセルフコーチングで行うことも不可能ではありません。

4.2 「体験学習能力」を表現するには

 優れた技術者は一般的に「体験学習能力」というものに長けており、体験するごとに知見を増して技術力を向上していきます。専門的分野では、もはや「先生」や「教科書」から学ぶことはできないからです。従って、こうした特性を確認することは、単刀直入に技術者の能力を把握するものなのです。

 本研究所講座のコーチング指導ではこうした体験学習能力を次のような手順で引き出していきます。

(1)目標に対する達成度(目標−実績=ギャップ)はどうか
(2)ギャップが生じた原因は何か。
(3)ギャップを埋める方策はなにか
(4)ギャップを埋めることを実践しているか
(5)同様な知見を複数持っているか

 以下、ご説明しましょう

(1)目標に対する達成度(目標−実績=ギャップ)はどうか

 まず目標に対する現実の到達度を認識することが前提です。このギャップを埋めるために努力はあるのです。そのためにもまずはギャップに気付くことが前提です。
 一般に能力が高い人ほどチェックの目が厳しいためこのギャップが大きくなる傾向があります。逆に「まあまあ良かった」とか「私の業績は評価に値する」とか自画自賛してしまうと、この体験学習能力の表現機会を失ってしまうこととなりかねません。

(2)ギャップが生じた原因は何か。

 次にギャップに対する分析です。ギャップ自体はただの結果であり、原因まではわかりません。しかし、経験や理論から推定してギャップが生じるメカニズムを推定することは可能です。

 例えば「コンクリートのひび割れが多い」というギャップに対しては「水セメント比が大きい」という原因が相当し、そのメカニズムは「コンクリート固化時の乾燥収縮」が推定されます。

 こうしたメカニズムを想定することで、合理的な対策が打てるし、マスコンクリートなどさらに高度なひび割れ制御にも応用できます。つまり、技術者コンピテンシーを高める原動力となるということです。

(3)ギャップを埋める方策はなにか

 つぎに、ギャップを埋める方法を考えます。前述のメカニズムから逆に考えて、その現象が逆に表れるような行為をすればよいのです。

 先の「コンクリートのひび割れが多い」という例では「水セメント比を小さくする」という逆の対策により、「コンクリート固化時の乾燥収縮」が緩和できるわけです。

 (4)ギャップを埋めることを実践しているか

 さらに、優れた技術管理者としてはこのようなことを日常的にやっているかどうかも問われます。試験のための一回限りの答えではなく、日常的に「体験学習」を実施しているとわかることが大切なのです。

 しかしながら、たいていの方は、このような反省をする機会も少ないし、ましてやそのことを追跡調査する余裕などないのが実情です。実際、本研究所の受講者様においても、講座のコーチングで初めてこのような必要性にぶち当たることがほとんどであり、独自にできている方はまれにしかいらっしゃいません。

 このため講座のコーチング指導では、必要に応じて文献調査等を実施しすることにより、体験的な知見を増すような指導を取り入れています。こうした指導によって、幅広い改善の提案や、改善に至る知見を日常的に文献から調査していることなどが分かるため、技術者コンピテンシーが高まってくるということです。

文献調査等の指導テクノロジーについてはこちら>
http://sat1.sakura.ne.jp/gijutsushi1/gijutsushi1_old/4kinou.htm

(5)同様な知見を複数持っているか

 さて、上記(4)ではギャップを埋める取り組みを表現することにより、体験的学習能力を表しました。一例として「ひび割れ制御」をあげましたが、「強度」や「ワカービリティー」など要求品質は複数あるわけで、それらに対して同時並行して前述のギャップを埋めるような活動を行っていることが求められます。

 なぜなら、個別の改善はその品質に対する改善活動の表れに過ぎず、技術者としてはそのべースとなる方針や考え方をあることが前提だからです。

 試験ではさらに上位のコンピテンシーとして、必要な事項に対する体験的学習を独自に進められるという「概念的に展開」しているかを測ることになります。(こうした「概念的な思考」については次回のマガジンで詳しくご説明します。)

5. 題意に応じて正しく答える(体験学習能力対策)のまとめ

 今回は、「題意に応じて正しく答える」ために、試験で出題頻度の高い体験学習能力対策について述べました。体験学習能力は技術者の主要コンピテンシーの一つとして、体験に基づいて知見を答えるような問題として出題されています。

 こうした問題では、従来の知識を暗記して答える形式の勉強はほとんど無意味であり、体験を通して仕事の品質を高めていくような活動(知見)が求められます。

 具体的方法として目標と実際のギャップに着目し、原因の分析、改善策、その実践などを日ごろから行っていく必要があります。試験ではさらにその完成形として同様な知見をあらゆる仕事上の品質に対して保有しているかが問われるということです。

 技術士合格への道研究所では、こうした「体験学習能力」を指導するためコーチング指導により確実にわかる指導を行っています。


■技術士合格への道研究所講師会の活動報告
http://www.gijutsushi1.com/article/13646847.html
 
 本研究所では指導効果を高めるため、専門分野の講師(オブザーバー講師)による指導の導入を推進しております。コーチング講師とオブザーバー講師の2人の先生から学べることになります。2/20に行われた第三回講師会にて、今年は試行的にオブザーバー講師による指導実績を作っていくことを話し合いました。そのテーマとして、

「停滞は滅亡なり、前進あるのみ」

というスローガンを掲げて、

  • オブザーバー講師会活動の実績を作る
  • 講師会活動を通しての能力開発
  • 講師会の拡大
  • 卒業生の講師への取り込み

などを行っていくこととしました。

 そのうち、オブザーバー講師会活動の実績を作ることに関しては、試行的にでもいいからとにかくやってみる、つまり

「走りながら考える」

として、 直近の面談指導でボランティア形式での参加してもらい、その様子をブログで見える化することを計画しました。この方法としてインターネット電話による3 者会議も行います。

 オブザーバー講師による指導を希望される方、また本講師会活動の実態をお知りになりたい方はご連絡ください。本研究会ではこのような講師会活動を通して講師ら自らの能力開発を行っていく予定です。
 詳しくはこちら>
http://www.gijutsushi1.com/article/13646847.html


技術士合格への道研究所
代表者 佐武良祐
〒103-0008 東京都中央区日本橋中洲2-3
サンヴェール日本橋水天宮605
Tel 03−6661−2356 
FAX  03−6661−2356
e-mail gijutsushi1@yahoo.co.jp
URL http://www.gijutsushi1.com/


 メールマガジン技術士合格への道 2010年 第4回
 必ず合格できる 技術士二次試験合格講座
  ― 新たな指導原理開発と今年の戦略 その4―


 技術士二次試験で合格するにはどうすればよいか。技術士合格への道研究所では過去10年間、数々の指導法開発し、弛まない改善を積み重ねてまいりました。その結果、驚異的な満足度となっています。なんと、満足度80%、という驚異的成果です。

 この3月に合格された方々が異口同音に話す感想は、

  • 勉強のやる気が出た。とても励みになった
  • 進め方にムダがなく、とても効率的であった
  • 添削・コーチングの指導内容は、非常にわかりやすい
  • 親身になって指導してくれて熱意を感じた
  • 「合格力」が高まり、これなら合格できると確信した
  • 日常の技術士業務の改善にとても役立っている
  • コーチング講師は指導経験が豊富だと思った

といった内容です。


1.はじめに

 技術士合格への道研究所では「わかる指導、力の出る指導」を目指して

コンピテンシー理論+コーチング指導

を開発してきました。

 「コンピテンシー理論」とは高い能力を発揮している人の行動特性であり、そのような能力開発理論を応用して効果的に技術者指導を行うものです。
http://www.gijutsushi1.com/category/1261095.html#conptency

 「コーチング指導」とは、論文添削だけでなく、答案の考察方法や解答姿勢、ご自分にピッタリの試験戦略を毎回口頭で解説して、かつご自身でも正しく考えられる思考力を養うものです。
http://www.gijutsushi1.com/category/1261095.html#couching

 「コンピテンシー理論」、「コーチング指導」は受験者様と問題を共有して解決しますので、成果として「わかりやすい」、「力が出る」という効果を生んでいます。

 これら指導の結果、だれでもご自分の専門技術を余すことなく答案に反映し、技術士試験での合格力を自然に高められます。それとともに日常の業務も改善図れます。

 このメールマガジンでは、当面8月の技術士二次筆記試験の対策について連載でお送りします。今回はその第4回目です。

2. 合格力につながる指導原理「コンピテンシー」について
 
 さて、本講座の筆記試験合格率についてはすでにHPでもご紹介したとおり、62%にもなっています。(詳しくはホームページをご覧ください)
http://www.gijutsushi1.com/category/1261087.html#ritsu


 一般的な通信添削講座の経験者がたくさん本講座に登録されています。それらに比べて驚異的であることは間違いありません。こうした成果につながる理由は、経験ではなく「コンピテンシー」開発という指導原理を地道に実践しているからなのです。

 今回は、この「コンピテンシー理論(成果につながる能力)」について詳しくご説明しましょう。

 なお、これらの成果は無料セミナーで公開しております。関心ある方はぜひご参加ください。直近では、3/27、4/10、4/24(いずれも土曜日)に予定しております。
http://www.gijutsushi1.com/article/13666550.html

3. コンピテンシー理論(成果につながる能力)とは?

3.1コンピテンシーの概念

 コンピテンシーとは、

仕事において常に高い業績をあげる人に特徴的に見られる、考え方、姿勢、こだわり、行動特性

であり、1970年代初頭に米国の政府機関において採用選考方法として、開発されたものです。米国務省から依頼を受けた心理学者マクレランド博士は、高い業績を生み出す職員の要素を見出すことに成功し、そのような概念をコンピテンシーと定義しました。

 以後、産業心理学の分野ではコンピテンシーブームが巻き起こり、今では人材マネジメント上の新概念としてビジネス界で広く知られるに至っています。

 技術士の試験でも同じです。技術士合格への道研究所では、

技術コンサルタントとして高業績を生み出すにはどのような特性を備えていなければならないか

を追及することによって本質的な能力を高め、最終的には「試験に合格できる」ようにしています。

3.2技術コンサルタントの業績左右するものは知識やスキルではない

 先の米国務省の例では、マクレランドの研究以前は、外交官採用において知識やスキルを選抜根拠としていましたが、これらは外交官としての業績と相関が薄いものでした。

 外交官やコンサルタントあるいは営業マンといった成果に至るプロセスが複雑な業務では、知識やスキルは業績を左右するものにはなり得ないのです。技術士についても同じことは想像に難くありません。平成19年の試験法改正により、二次試験からは択一試験がなくなり、筆記試験も応用力重視に様変わりしました。こうした変化もコンピテンシーを指向しているものと考えられます。

3.3コンサルタント業務を推進する核となる能力

 では、どのような能力がコンサルタント業務を高業績に導くかといいますと、これはいくつかのケースを技術士試験から読み取ることができます。すなわち、

見識記述問題  用語を説明し活用方法を述べる
問題解決型問題 与えられた状況から問題解決を提案する
情況分析課題立案型問題 与えられた状況から問題点、課題を分析する
技術応用体験の例示型問題 問題が要求するケースに相当する過去の技術応用事例を述べる

などの代表例が挙げられます。そこから言えるのは、専門技術の情報収集力、分析力、概念的思考力などが大事であるということです。

 そのうちなじみの薄いのが「概念的思考」であり、これは、バラバラな要素をつなぎ合わせ、抽象化して考えたり、逆にキーワードから課題に展開したりする能力です。H20年の建設部門必須科目では「アセットマネジメント」に関する問題が出題されましたが、このような問題では、キーワードから具体的な課題、解決策まで発展させて提案できなくてはなりません。

 逆に話を要約する時にも「概念的思考」は必要です。人の話のポイントを要約したり、高度な例では、多種多様な要素の背後にある法則を短時間で見出し、だれにでもわかる一つの言葉にまとめるなどです。プロジェクトリーダーなど、新しい領域を切り開く先導役となる人材はこのコンピテンシーを高レベルで備えており、わかりやすいビジョンやコンセプトを作り出せそうです。

3.4有能な技術コンサルタントに共通した特徴

 さて、そのようなコンピテンシーを備えた、有能な技術コンサルタントに共通した特徴としては、一般的に次のような3つのことが言え、それぞれ次のように技術士試験でチェックされています。

(1)無駄なことをしない

 大多数の問題文が、「現状の問題点、課題、解決策(対策)」といった3段論法的構成となっており、そこでは論理的でムダのない思考が求められています。課題立案においてはダブりや抜け落ちがないこと、また問題点から課題、解決策に至る因果関係が明解であることがチェックされます。

 また「留意点を述べよ」は業務を効果的に実施するための知見を求めているのでありムダなことをしないための必須要素といえます。

(2)強い使命感を持っている

 これはもっぱら、受験動機や将来の抱負として口頭試験で確認されます。使命感があれば長期間の継続的活動や自己統制化が可能となり、結果として高い成果が達成しやすくなります。

(3)先々の結果にまで目が向いている

 筆記試験で求められる「現時点での評価」や「今後の課題」、「将来展望」は、現状にとどまらない未来の成果に関する記述であり、常に将来を見据えた問題解決の姿勢が求められるということです。

4. コンピテンシー理論に基づく合格戦略

4.1 答案の合否は瞬時に判断される?

 さて、技術士試験の答案が採点される現場は想像できますか。残念ながらその実態は不明です。しかし、論文から受ける技術者の能力は一読で判別可能なものであり、合格者は瞬時に判断されている可能性があります。

 この「瞬間的な判断」のもとになるのがコンピテンシーです。人間の脳は人の能力を瞬時に判断できる能力があるようです。答案の採点は、知識や経験のほか、無駄なことをしていないか、使命感、将来展望など、多数の項目をチェックしますが、文句なしに良い答案はそれらを逐一評価するのではなく、感覚的に一括して評価できるのです。

この時の判断は「技術士にふさわしいと十分思えるか否か」というものであり、そのときの判断尺度はコンピテンシーで直接推し量っているのです。

4.2 答案でコンピテンシーを引き出して表現する

 ですから答案を書く側としては、一読してコンピテンシーが読み取りやすいように記述しておくのが得策です。それは次のような方法です。

(1) 求められていることをまず書く

 技術士試験では、見識を求める論文や、問題解決型の問題、体験技術応用例示型問題など、それぞれ問題の要求があるのでまずは要求された事項を的確に答えていくことです。答案である以上、これが合格答案の定石です。

 意見やコメントを求められた時でない限り、求められていることに集中して、貢献すると思われる技術情報を列挙するのが良いでしょう。

(2)有能な技術コンサルタントに共通した特徴を表す

 次に、有能な技術コンサルタントの特徴、すなわち

  • 無駄なことをしない
  • 強い使命感を持っている
  • 先々の結果にまで目が向いている

といった特徴が現れるように書いていきます。具体的には、「問題点、課題、解決策」の論理的思考を示すとか、「今後の課題」、「将来展望」として将来を見据えた問題への取り組みの姿勢を示すわけです。

(3) 成果につながるように書く

 記述方法の締めくくりは、結果としてコンピテンシーを明確に伝えることです。ここではコンピテンシーの定義「高い業績をあげる人の行動特性」を逆に利用して、

業務の結果として高い業績が得られている

ことを明示します。その時大事なことは業績と成果の因果関係の説明であり、つまり、

私が○○技術を応用した。だからその結果としてこの成果が得られた。

というように技術や貢献内容が明解に読み取れるようにするのです。

5. コンピテンシー理論(成果につながる能力)のまとめ

 今回は、指導原理のひとつ「コンピテンシー理論」についてと、その活用方法について述べました。こうした理論は、技術士試験の勉強をされているみなさまには直接関係のない話だと思われていませんか。確かにわかりにくい理論であり、講座を受講されて合格された方たちもはっきりとは認識されているかたは少ないようです。

 しかし、中には理解される方もいて、答案が飛躍的に上達されています。合格理論はともかく、暗黙知としてそのような「技術士らしい」考え方が自然とできるようになれば良いのです。そこまではお手伝いいたします。講座のコーチング指導では、具体的にこの業績、この場合には何が大事(コンピテンシー)なのかとご指摘しております。

 技術士合格への道研究所では、こうした「コンピテンシー理論」をはじめとする能力開発テクノロジーをコーチング指導によって実践し、確実に合格できる指導を行っています。


■技術士試験参考書図書館の創設
http://www.gijutsushi1.com/article/13666554.html
 本研究所では指導効果を高めるため、技術士試験参考書の図書館を創設し、技術士受験を目指す方のために閲覧できるようしていくことにしました。これは本研究所の講師会活動で出た意見に基づいています。そのねらいは、

(1)参考書ソムリエ 受講生様の特性に応じた最適な参考書を選定する
(2)合格法研究開発 技術士合格に役立つ能力開発理論の研究
(3)閲覧、学習     受講生様の学習を支援する

などです。ぜひご利用ください。


技術士合格への道研究所
代表者 佐武良祐
〒103-0007 東京都中央区日本橋浜町1-10-8
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Tel 03-6273-8523 
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 メールマガジン技術士合格への道 2010年 第5回
 必ず合格できる 技術士二次試験合格講座
  ― 面白いほど合格できる直前テクニック その1―


 技術士合格への道研究所では、1999年より一貫して合格理論の研究により確実に合格できる方法の開発に努めてきました。その結果が昨年の筆記合格率で驚異的な成果を生んでいます。そして今年3月には多数の合格者を輩出しております。

 このメールマガジンではこれまで講座の指導で確認された、実戦的なノウハウを公開して、出来るだけたくさんの方の合格を支援したいと考えています。

 技術士合格への道研究所では、事務所を東京日本橋に設立し、多数の方の面談指導や受験相談に対応しております。詳しくはホームページをご覧ください。

「技術士試験合格講座」  http://www.gijutsushi1.com/ 


1.はじめに

 技術士合格への道研究所では「誰でも必ず合格できる」指導を目指して

コンピテンシー理論+コーチング指導

を実践してきました。

 「コンピテンシー理論」とは優れたエンジニアの行動特性であり、そのような能力開発理論を応用して効果的に技術者指導を行うものです。
http://www.gijutsushi1.com/category/1261095.html#conptency

 また「コーチング指導」とは、添削だけでなく、考え方や考察方法などを受講者様の視点で指導し、ご自分にピッタリの試験戦略を毎回口頭で解説して、ご自身でも正しく考えられる思考力を養うものです。
http://www.gijutsushi1.com/category/1261095.html#couching

 「コンピテンシー理論」、「コーチング指導」の成果として今までにない「わかりやすい」、「力が出る」という効果を生んでおり、驚異的な満足度となっています。

 このメールマガジンでは、技術士二次筆記試験の直前対策として、今年の指導で判明した「面白いほど合格できる直前テクニック」を5回シリーズでお送りします。その内容は、次のタイトルでお送りします。

●その1 問題、課題、解決策の考え方は技術者の必須能力(論理性)
 その2 留意点とは経済的なテクニック(品質管理)
 その3 専門キーワードは専門家の思考様式(概念的思考)
 その4 専門技術の解決策(分析力)
 その5 モレ・ダブリのない整理(体系的思考)

今回はその第1回目です。

 なお、これらの成果はこれから開催される無料セミナーでも公開していきたいと考えております。関心ある方はぜひご参加ください。直近では、7/17、24、31(いずれも土曜日)に予定しております。
http://www.gijutsushi1.com/article/13748482.html

2. 「問題、課題、解決策」は技術者の必須能力(論理性)
 
 技術士試験の問題文で最も多いのは、「現状の問題点を・・・、課題及び解決策を述べよ」という形式です。この「問題、課題、解決策」の形式は、実はエンジニアの必須能力である問題解決力を試すパターンなのです。これによって考え方の論理性が見られています。

 問題点、課題、解決策の3段階には実は下に述べるような大事なわけがあり、このプロセスを見ることによってその人の論理的な考え方が見えてきます。3つの段階をそれぞれ分析してみます。

2.1 現状把握の「問題点」

 問題点とは、現状の悪さ加減や改善すべき点です。現状の悪い点を指摘できることは、物事に対する改善の視点があるということであり、優れた技術者としての第一歩です。それは貢献の機会を持つ前提でもあります。こうした視点をチェックすることで技術者の前向きな改善姿勢が分かります。

 一方で注意しなければならないのは、問題点はあくまでも「前提」に過ぎず、主要課題ではないということ。従ってくどくど書かずに簡潔にまとめる必要があります。

 解答の冒頭にあるため、ついつい丁寧に書いてしまいがちですが、ここはあとの後に続く課題、解決策に関連する必要最小限なことだけを取り上げるという注意も必要です。課題、解決策のために文字数を節約してください。

2.2 問題解決の方向性を定める「課題」

 「課題」からが専門的思考です。課題は、問題点を見渡してどのような方針で臨めばよいか、問題解決の全体系を考えます。ここでは問題の本質を見極めて、根本的に解決するには何をすべきかと考えて方針を定めます。

 別な表現では、「課題」とは問題点を解決に導く概略の道筋を示したものと言えます。後述する解決策がミクロ的で具体的な戦術であるのに対して、課題はマクロ的な戦略と言ってよいでしょう。

 課題が技術士問題で問われるのは、問題解決の方向性を大まかに決定する重要なポイントであり、問題解決を正しく行えるか否かがかかっているです。このため、課題は問題点より配点が大きいと考えられます。

 課題というとよく、

「~が悪いことが課題であった」

という問題点を表す誤った言い方をする方を見かけます。これは正確には

「~が悪いため、それを改善するために、~改善することが(私の)課題であった」

という職務や必要な作業を指すものです。ここは正確には

「~が悪いことが問題点である」(問題点の指摘)
「~が悪いため、(それを直すため)~することが課題である」

というように修正すべきです。

2.3 専門家の提案である「解決策」

 3段階目の解決策は、課題を受けて実際にどう実施するかという専門家としての提案です。各部門、科目ごとの専門技術を駆使して問題を上手に解ける方法を示さねばなりません。

 解決策では専門技術でもって改善策を提案しなければならず、それゆえ高い専門性を売りとする技術士にとって必須能力なのです。前記の問題点や課題は、いわば解決策を導くための手段にすぎません。これは、次のような身近な技術提案レポートに喩えてみればわかります。

 あなたが家の改修を設計士に依頼したとして、そのレポートの中で問題、課題、解決策のページに対する期待度を考えてみてください。まず、現状(問題点)はあなた自身もだいたいわかっていることであって、関心事ではないはずです。一方、課題は、専門家がどのような視点でとらえているか関心あるところでしょう。さらに、解決策はたぶんあなたが想像もできないことであり、専門家に依存するしかない領域です。それによっては以後の住まい方や費用を決定づけます。つまり、問題点、課題、解決策という3つの段階は後になるほど重要性が増してくるのです。

3. 「問題、課題、解決策」で大事なことは論理的な展開

 「問題、課題、解決策」は問題解決力を測るチェック項目だと言いました。その尺度の一つが論理性です。問題から課題、課題から解決策への段階的な展開、そこには原因→結果、目的→方策といった論理的展開(因果関係)があるはずです。そうした正しい展開が出来ることが最終的に問題解決できるための前提条件なのです。

 というよりも、技術士試験では毎回毎回業績を追跡するわけにはいきませんので、試験官は、受験者の一度の記述、つまり筆記試験で、繰り返し行う問題解決の行動様式を判定せざるを得ないわけです。

 従って「問題、課題、解決策」で示さねばならないのは、結果の正しさとともに、普段から論理的に考えて行動出来ているということです。試験官はその答案の論理性を見て、そのエンジニアの平素の論理的能力(コンピテンシー)を測るわけです。

 ですから、問題、課題、解決策を書くときは、問題に対して課題が目的→方策の関係になるように(因果)関連付けます。また、同様に課題に対して解決策が目的→方策の関係になるよう関連付けてください。

4. 「問題、課題、解決策」の注意点

 実際の論文指導で頻度の高い注意点を紹介します。

4.1 安直な「反対言葉」は使わない

 問題点に対して、その言葉を反対にした安直な課題?があります。

悪い例
問題点          課題
コストがかかる  →  コストダウンする
室温が上がる   →  室温が上がらないようにする。下げる

正しい例
コストがかかる  →  生産の合理化を図る
室温が上がる   →  冷房能力を高める

 このような「反対言葉」がなぜ良くないかというと、論理性を著しく損ねるとともに、正しい論理展開を妨げるからです。コストがかかるという問題点に対して、コストダウンするという課題では何も解いていません。この場合コストがかかる原因があるはずで、それが解消されないからコストがかかっているのです。ですから、根本原因に立ち返って正しい解決の道筋を示せばよいのです。

4.2 縦割りの安直な「解決策」は解決策ではない

問題点 資源Aの物質循環の形性が困難である
課題 (1)資源Aのリデュースを推進する
   (2)資源Aのリサイクルを推進する
   (3)資源Aのリユースを推進する

 この課題設定が何故いけないかというと、課題を振り分けただけで何も解いていないからです。「課題」は問題解決の方針でなければなりません。しかし、縦割りに分割しただけではそれぞれの課題を改めて解かねばならず、結局何も解いていないに等しいからです。

 このような場合は、安直な「縦割りの解決策」ではなく、根本的に解決しうる「資源Aの使用量を~の方法で低減する」という実現可能な方法を提案すべきです。この場合、コストや環境負荷を考慮した実現性が伴わねばならず、情報収集(つまり勉強)が欠かせません。

4.3 「総合的に対処する」では解決策にならない

 解決策で良く見られるのが、「総合的に対処する」とか「合理的に解決する」とか言った抽象的なことばです。これらは実態を表さないばかりか、専門技術面での勉強不足を露呈します。このほか類似フレーズとして、

問題の無いように検討する
問題解決に向けて計画策定する
詳細調査のうえ判断する
委員会を組織して判断をゆだねる
専門家の意見を参考にする

 これらは、いずれも「力量がないので正確には答えられない」というような、技術コンサルタントにふさわしくない印象を与えてしまいます。たとえ、不確定条件があったとしても、試験の答案では、仮定条件のもとに考え得る最善策を具体的に提案すべきです。

5. 「問題、課題、解決策」 (論理性)のまとめ

 今回は、頻出パターンである「問題、課題、解決策」の考え方をご説明しました。こうした方法は皆様の日々の技術管理業務で行われていることと思います。技術士というのは指導監督の職務ですから、皆様も日ごろ社内の他の技術者に対して「問題は~であり、課題は~である。よって解決策は~しなさい。」と指示を出しているのではありませんか。その時、もしあなたの部下が「問題、課題、解決策」を的確にとらえて答えてくれたとしたらどう感じますか。信頼感を持つに違いありませんよね。

 試験官も同じです。一度しか読まない答案で、そうした論理的な考え方がきっちり試験官に伝われば、「いつもこうに違いない。これならそうそう間違えることはないはず」とあなたに対する評価は格段に向上するに違いありません。


■最近の指導活動より
 
 いよいよ試験まで1カ月を切り、皆さんの試験準備に対する真剣度も高まってきました。提出課題の質的向上も目を見張ります。これまで苦労されて添削、修正を乗り越えてきた方が、問題に対する理解度を増して高度な判断が自発的にできるようになっています。

 この時期に必要なのは、昨年と同じ過ちを繰り返さないために対処することです。まだまとまった時間が取れますので、平成21年の敗因を再確認されてはいかがでしょうか。講座の指導ではご自分の弱点をカバーするようお伝えしています。


技術士合格への道研究所
代表者 佐武良祐
〒103-0007 東京都中央区日本橋浜町1-10-8
ワコー東日本橋マンション502
Tel 03-6273-8523 
FAX050-3488-2177  ボイスメール(伝言)兼用
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URL http://www.gijutsushi1.com/


 メールマガジン技術士合格への道 2010年 第6回
 必ず合格できる 技術士二次試験合格講座
  ― 面白いほど合格できる直前テクニック その2―


 技術士合格への道研究所では、1999年より一貫して合格理論の研究により確実に合格できる方法の開発に努めてきました。その結果が昨年の筆記合格率で驚異的な成果を生んでいます。そして今年3月には多数の合格者を輩出しております。

 このメールマガジンではこれまで講座の指導で確認された、実戦的なノウハウを公開して、出来るだけたくさんの方の合格を支援したいと考えています。

 技術士合格への道研究所では、事務所を東京日本橋に設立し、多数の方の面談指導や受験相談に対応しております。詳しくはホームページをご覧ください。

「技術士試験合格講座」  http://www.gijutsushi1.com/ 


1.はじめに

 技術士合格への道研究所では「誰でも必ず合格できる」指導を目指して

コンピテンシー理論+コーチング指導

を実践してきました。

 「コンピテンシー理論」とは優れたエンジニアの行動特性であり、そのような能力開発理論を応用して効果的に技術者指導を行うものです。
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 また「コーチング指導」とは、添削だけでなく、考え方や考察方法などを受講者様の視点で指導し、ご自分にピッタリの試験戦略を毎回口頭で解説して、ご自身でも正しく考えられる思考力を養うものです。
http://www.gijutsushi1.com/category/1261095.html#couching

 「コンピテンシー理論」、「コーチング指導」の成果として今までにない「わかりやすい」、「力が出る」という効果を生んでおり、驚異的な満足度となっています。

 このメールマガジンでは、技術士二次筆記試験の直前対策として、今年の指導で判明した「面白いほど合格できる直前テクニック」を5回シリーズでお送りします。その内容は、次のタイトルでお送りしています。

 その1 問題、課題、解決策の考え方は技術者の必須能力(論理性)
●その2 留意点とは経済性などを高めるテクニック(品質管理)
 その3 専門キーワードは専門家の思考様式(概念的思考)
 その4 専門技術の解決策(分析力)
 その5 モレ・ダブリのない整理(体系的思考)

今回はその第2回目です。

 なお、これらの成果はこれから開催される無料セミナーでも公開していきたいと考えております。関心ある方はぜひご参加ください。直近では、7/24、31(いずれも土曜日)に予定しております。
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2. 「留意点」とは経済性などを高めるテクニック(品質管理)
 
 技術士試験の問題文で最も多い要求事項として、「~の対策及び留意点を述べよ」という形式がよく出題されます。この「留意点」とは、実はエンジニアの経済性や安全性と言った仕事の品質管理のレベルを測るチェック項目です。これによって仕事の質が見られています。

 仕事を行う際に、いろいろなことに留意するのは実は業務の品質を高めるためです。したがって、多くのことに留意すれば、結果として仕事の質を高めることができます。つまり「留意点」を知っている技術者はコンピテンシーが高いのです。この意味で試験官がこれをチェックして試験の判定材料としているのです。

 そして「留意点」による成果は経済性に帰結すると考えられるため、留意点は総括すると経済性に関するテクニックであり、それは技術者の業務の品質管理のツールであるということです。

3. 「留意点」にはいくつかの系統がある

 では、仕事の品質を高めるにはどんなことに留意すればよいでしょう。留意すべきことには下記のようないくつかの系統に分類でき、それぞれ例示してみます。
(1)経済性を高める   合理化工法などを導入する
(2)安全性を高める   危険個所の防護など
(3)品質管理を強める  生産工程の精度を高める
(4)環境負荷を低減する リサイクル率を高める

 それぞれ、解決策を実施する際に上記の項目に留意して、解決策の経済性や安全性を高めていけばよいのです。

3.1 経済性を高める留意点

 留意点で最も大事なのは経済性を高める「留意点」でしょう。土木工事で施工の効率を高めたり、合理的な工法を取り入れるとコストダウンが可能ですが、こうした改善は「経済性を高める留意点」があれば可能です。

 「留意点」の書き方としては、まず「対応策」が前提としてあって、

 対策を行う上で付加的に行う経済性を高める改善行為

というようにまとめるべきです。従って表現は行動を表す文となります。「留意する」とは何かに配慮するだけのこと、あるいは「気をもむ」と誤解されがちですが、それでは技術的な活動として意味がありません。必ず「~に留意して~する」と行動形式の言葉にすべきです。

 例えば、土木工事の留意点だと「土留め工事を行うに当たり、(経済性を高めるため)シートパイルなど機械化施工を取り入れる・・」などの表現が可能です。

3.2 安全性を高める留意点

 留意点で次に多いのが「安全性を高める留意点」です。土木工事では事故の危険性があるため常に安全性に留意するのが務めとなっています。このため施工の危険要素を分析して、事故のリスクを低減する工法を取り入れることを常に考えねばなりません。こうした安全に関するリスク認知とその改善提案は「安全性を高める留意点」となります。

 「安全性を高める留意点」の書き方としては、危険性を含んだ「対応策」が前提としてあって、

 その危険性を低減し得る付加的に行う改善行為

というようにまとめけばよいのです。やはり表現は行動を表す文となります。近年現場の安全管理が進歩したため、「安全に留意する」を「安全に気を配る」と誤解する方は少ないと思います。それでは安全の実効性が薄いからです。必ず「~に留意して(安全性を高めるため)~する」と行動形式の言葉にしてください。


3.3 品質管理を強める留意点

 3つ目に普遍的な留意点は「品質管理を強める留意点」でしょう。品質管理を強めるとは、製品のばらつきをなくしたり、品質を上げて、結果として不良率を低減することです。

 前述の経済性や安全性を向上するとその製品や工事の施工の品質管理が難しくなってきます。そのような場合にばらつきの原因を突き止めてその工程を細かく管理することでばらつきをなくしたり品質を上げることが可能です。これが、「品質管理を強める留意点」です。

 「品質管理を強める留意点」の書き方は、まず「対応策により不良率が高まること」が予想される場合に、

 対策を行う上で付加的に行い、品質が安定しかつ品質が高まる改善行為

というようにまとめるべきです。表現は行動を表す文です。「~に留意して~する」と行動形式の言葉にしてください。例えば、土木工事の留意点だと「土留め工事を行うに当たり、(品質管理を強めるため)地盤変位の自動計測、油圧式応力制御システムを取り入れる・・」などの表現が可能です。

3.4 環境負荷を低減する留意点

 もう一つの留意点は近年重要性が高まっている「環境負荷を低減する留意点」です。環境負荷を低減するとは、地球温暖化ガスの排出量の低減や騒音の抑制、廃棄物のリサイクルなど環境面での品質を上げて、結果として地球環境や周辺環境に与える影響を低減することです。

 環境負荷を考えるときには、その行為がどのような環境面での影響力を持っているかということと、周辺環境がどのような影響を受けやすいかという2つの面から考える必要があります。経済性や安全性を向上させるとたいていは、その製品や工事の環境に与える影響が無視できなくなってきます。そのような場合に影響因子を突き止めてその原因となる行為を改善することで好ましくない環境影響をなくすことが可能です。これが「環境負荷を低減する留意点」です。

 環境負荷を低減する「留意点」の書き方は、まず「対応策により何らかの環境負荷が高まること」が予想される場合に、

 対策を行う上で付加的に行い、環境負荷を低減し得る改善行為

というようにまとめるべきです。表現は行動を表す文です。「~に留意して~する」と行動形式の言葉にしてください。例えば、土木工事の留意点だと「土留め工事を行うに当たり、(環境負荷を低減するため)省エネ型の重機を使用する・・」などの表現が可能です。

3. 「留意点」で大事なことは、何に効果的かわかること

 「留意点」は問題解決を上手に進めるための付加的提案であり、それぞれは経済性や安全性の向上という個別の効果があるわけです。ですからまずはそれらの効果が何なのか、はっきりわからなくてはなりません。

 そして次に、「留意点」はたくさんあるに越したことはないのですが、結局「留意点」を総括するのは経済性という一つの尺度です。「留意点」を全て実施してトータルでもたらされる経済効果はどうかということを論じなければなりません。その総合的な経済効果によって技術者の問題解決力が測られるということなのです。

4. 「留意点」の注意点

 実際の論文指導で頻度の高い注意点としては、
留意点を「特徴」や「成果」と誤解している場合があります。例えば、

施工上の留意点 悪い例
(1)掘削のための大型重機の搬入が不要であることから振動・騒音の削減が図れ、建設公害の発生が少ない。
(2)作業エリアが既設マンホールのみであるため、道路占有面積が少なく交通への影響が削減できる。
(3)1工区をおよそ1日から数日で施工完了となることから工期の短縮が図れ日常生活の支障が少なくて済む。
(4)工事が掘削を伴わないことから、地下埋設物の切り回し、移設等の工事保障が不要でありコスト削減が可能である。
(5)アスファルト舗装の取り壊しが不要であり、舗装ガラ等の発生がない、掘削残土が発生しないなど建設廃棄物の削減となり環境に配慮した施工が可能。

 これらはいずれも、留意点に留意した結果として、ある工法を導入し経済性の向上や環境負荷低減できることを言っています。よりはっきりと行動形式の言葉で表すと「留意点」によるコンピテンシーが明確になります。

施工上の留意点 良い例
(1)環境負荷を低減するため、掘削のための大型重機を使用しないことに留意して本工法を導入し、振動・騒音の低減を図る。
(2)環境負荷を低減するため、作業エリアの縮小に留意して、本工法を導入し、道路占有面積が少なく交通への影響を緩和する。
(3)経済性を高めるため、施工スピードに留意して本工法を採用して、工期の短縮を図る。
(4)経済性を高めるため、工事の合理化に留意して本工法を採用し、掘削や地下埋設物の切り回し、移設等を回避して、コスト削減を図る。
(5)廃棄物の発生に由来する環境負荷を低減するため、アスファルト舗装の取り壊し削減に留意して、本工法を採用し、舗装ガラ等の発生や掘削残土を発生させないことにより、建設廃棄物を削減する。


5. 「留意点」とは経済性などを高めるテクニック(品質管理)のまとめ

 今回は、頻出パターンのひとつである「留意点」の考え方をご説明しました。「留意」という言葉から、ともすると「何かに配慮する」とか「考える」「気をもむ」というように誤解されがちですが、ここで求めているのは技術者のコンピテンシーにほかなりません。したがって、

「普通にやるのではなく、どのように上手にできるか」

という改善提案を示せばよいのです。

 試験官は一度しか読まない答案で、そうしたあなたの品質管理に対する姿勢を見ています。品質を高めようとする考え方がはっきり試験官に伝われば、「いつもこうに違いない。これならたいていは上手に管理できるはず」とあなたに対する評価は格段に向上するに違いありません。


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 いよいよ試験まで3週間を切り、皆さんの試験準備に対する真剣度も高まってきました。提出課題の質的向上も目を見張ります。これまで苦労されて添削、修正を乗り越えてきた方が、問題に対する理解度を増して高度な判断が自発的にできるようになっています。

 この時期にも筆記試験直前対策相談をどんどん受け付けています。詳しくはこちらをご覧ください。みなさん近畿地方や九州など遠方から来られています。勉強方法と添削結果を知りたいということでセミナールームでの面談で確実な手ごたえを得ているようです。
http://www.gijutsushi1.com/article/13751094.html
http://www.gijutsushi1.com/article/13751071.html
http://www.gijutsushi1.com/article/13741693.html


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 必ず合格できる 技術士二次試験合格講座
  ― 面白いほど合格できる直前テクニック その3―


 技術士合格への道研究所では、1999年より一貫して合格理論の研究により確実に合格できる方法の開発に努めてきました。その結果が昨年の筆記合格率で驚異的な成果を生んでいます。そして今年3月には多数の合格者を輩出しております。

 このメールマガジンではこれまで講座の指導で確認された、実戦的なノウハウを公開して、出来るだけたくさんの方の合格を支援したいと考えています。

 技術士合格への道研究所では、事務所を東京日本橋に設立し、多数の方の面談指導や受験相談に対応しております。詳しくはホームページをご覧ください。

「技術士試験合格講座」  http://www.gijutsushi1.com/ 


1.はじめに

 技術士合格への道研究所では「誰でも必ず合格できる」指導を目指して

コンピテンシー理論+コーチング指導

を実践してきました。

 「コンピテンシー理論」とは優れたエンジニアの行動特性であり、そのような能力開発理論を応用して効果的に技術者指導を行うものです。
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 また「コーチング指導」とは、添削だけでなく、考え方や考察方法などを受講者様の視点で指導し、ご自分にピッタリの試験戦略を毎回口頭で解説して、ご自身でも正しく考えられる思考力を養うものです。
http://www.gijutsushi1.com/category/1261095.html#couching

 「コンピテンシー理論」、「コーチング指導」の成果として今までにない「わかりやすい」、「力が出る」という効果を生んでおり、驚異的な満足度となっています。

 このメールマガジンでは、技術士二次筆記試験の直前対策として、今年の指導で判明した「面白いほど合格できる直前テクニック」を5回シリーズでお送りします。今回はその3回目です。

 その1 問題、課題、解決策の考え方は技術者の必須能力(論理性)
 その2 留意点とは経済性などを高めるテクニック(品質管理)
●その3 専門キーワードは専門家の思考様式(概念的思考)
 その4 専門技術の解決策(分析力)
 その5 モレ・ダブリのない整理(体系的思考)

 なお、これらの成果はこれから開催される無料セミナーでも公開していきたいと考えております。関心ある方はぜひご参加ください。直近では、7/24(土)、31(土)に予定しております。
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2. 専門キーワードは専門家の思考様式(概念的思考)
 
 技術士試験で一般的にいわれている合格テクニックの一つとして「キーワードを並べる」という方法があります。例えば、

  • アセットマネジメント
  • 集約型都市構造
  • ユビキタス社会

 これらの言葉の意味はわかりますか? こうしたキーワードが解答の文中にあると専門知識が豊富に見えるから合格しやすいと考えられています。

 私もそのような効果は否定しませんが、正確に言うとキーワードを知っていることが良いのではありません。

  • 知識が評価されるわけではなく、物事を概念的に考えるという考え方
  • キーワードを用いて物事を概念的に表現できること

が評価されているのです。つまり、キーワードは専門家としてのコンピテンシーのひとつです。

3. 「キーワード」によって表現されるコンピテンシー

 では、専門用語などの「キーワード」を使用することの効果を詳しく考えてみましょう。結論から言いますと次のようなことを示す効果があります。

(1)幅広い業務を処理できるという能力の可能性
(2)業務改善や新技術といった現状改革の姿勢
(3)複数概念を用いた幅広い思想構築の可能性
(4)系統的な技術応用の姿勢

「キーワード」とはこうした専門家としての成果を感じさせるコンピテンシーのひとつなのです。

3.1 幅広い業務を処理できるという能力の可能性

 先の「アセットマネジメント」という言葉は、公共インフラを効率よく管理し、低コストで維持・補修・新築していくという意味がありますが、その機能を分析すると、

  • 資産の状態分析、把握
  • 劣化余命診断
  • 予防保全管理
  • 補修順序の最適化
  • 維持管理、劣化診断技術管理

といった多くの機能を包含しています。ですから「アセットマネジメント」という言葉を知っていることは、単に言葉を記憶しているという「知識」ではなく、このようなたくさんの業務を計画や管理できること(概念的思考)を暗示させるコンピテンシーなのです。

3.2 業務改善や新技術といった現状改革の姿勢を示す効果

 専門技術の「キーワード」はいずれも近未来に必要性の高いものであり、比較的新しい業務の概念や技術開発に関するものが多いようです。従って、そのような用語を知っていることは、今後必要とされる業務改善や新技術による各種問題解決を目指していることを予感させます。

 先の「アセットマネジメント」は既存ストックの有効利用や維持管理技術、あるいは維持管理のコスト縮減を目指しており、これからの時代の一大マーケットで活躍できる能力を意味する言葉です。

 このため、「アセットマネジメント」の言葉を知っていることは今後重要性の高まる技術分野あるいは今後成長するマーケットに追随した業務成果が期待できる可能性から、近未来の成果、すなわちコンピテンシーを表しているものと言えます。

3.3 複数概念を用いた幅広い思想構築の可能性

 技術士問題、特に必須科目では幅広い問題解決を求められることがあります。先の「アセットマネジメント」に関する議論でも幅広く発展して述べる時があります。例えばこんな文です。

 ストック型社会への対応のため社会資本整備の重点化とアウトカムでの成果の評価によって政策アセスメントを行う・・

 ここで使われている「ストック型社会」、「アウトカム」、「政策アセスメント」の意味はそれぞれ次のようになっています。

 ストック型社会とは、住宅や、橋・道路などの社会インフラを長持ちさせることにより、持続可能で豊かな社会が実現できるという考え方。価値ある社会資産が長期的に蓄積(ストック)され、何度も作り直す無駄が省かれる結果、経済的なゆとりが生まれ、環境に対する負荷も少なくなるとされる。

 アウトカムとは、成果という意味の英語で、研究がもたらす本質的な成果のことを指す。論文や特許の数といった外形的なものではなく、実際に社会にどんな影響を与えたかを評価する。

 政策アセスメント(事前評価)とは、新たな施策の企画立案などにあたり、現状と課題が何であるかを明らかにし、目標を実現するために、当該施策が真に必要なものであるか、期待される効果が大きいものであるか等の観点から評価する手法である。政策アセスメントは次の2つの目的の達成を目指している。(1)政策の意図、期待される効果を事前に明確にして、企画立案の過程を国民に公表する。(2)国民生活に必要な施策に予算を集中投入することで、無駄を排除する。

 ですから、もし、これら三つの「キーワード」を使わなかったとしたら、次のように長たらしくて意味不明な文章となってしまいます。

 住宅や、橋・道路などの社会インフラを長持ちさせ、価値ある社会資産が長期的に蓄積(ストック)されて、何度も作り直す無駄が省かれる結果、経済的なゆとりが生まれ、環境に対する負荷も少なくなる、持続可能で豊かな社会への対応する。具体的には社会資本整備の重点化と実際に社会にどんな影響を与えたかという業務がもたらす本質的な成果を評価する。そしてその成果の評価によって、現状と課題が何であるかを明らかにし、目標を実現するために、当該施策が真に必要なものであるか、期待される効果が大きいものであるか等の観点から、2つの目的すなわち(1)政策の意図、期待される効果を事前に明確にして、企画立案の過程を国民に公表する(2)国民生活に必要な施策に予算を集中投入することで、無駄を排除する、の達成を目指す評価を行う・・

 以上のことから、「キーワード」を使うことは複数の概念を効率よく使って複雑で幅広い思想を簡潔に構築できるという効果があり、これはすなわち専門家としてのコンピテンシーなのです。

3.4 系統的な技術応用の姿勢を表す効果

 「キーワード」から伝わるもう一つのコンピテンシーは系統的な技術応用の姿勢を暗示させる効果です。先の「アセットマネジメント」という「キーワード」を使う人の何割かは、当然その必要性を認識して、維持管理や非破壊検査の技術の習得に努めているはずです。

 ですから、「アセットマネジメント」について学んだ方は、維持管理業務に対処するときには、試行錯誤やがむしゃらに努力するのではなく、まずは「アセットマネジメント」という言葉の概念を応用して、同技術の応用によって最大の成果を生み出そうとするはずです。

 このように、「キーワード」を使えることは、系統的な技術応用による高い成果を生み出せるというコンピテンシーを暗示させるものなのです。

 ただし、このレベルに到達するには、「アセットマネジメント」について

「公共インフラを効率よく管理し、低コストで維持・補修・新築していく」

というような抽象的な理解ではなく、もっと実行可能な具体的なものとして認識しておかねばなりません。すなわち前述3.1の「アセットマネジメント」の5つ機能をそれぞれ実効可能なレベルまで高めておくことが前提です。

 「キーワード」の勉強とは言葉の意味の暗記ではなく、使いこなせるようにしておく必要があるということです。

4. 専門キーワードは専門家の思考様式(概念的思考)のまとめ

 今回は、試験で良く求められる「キーワード」の考え方をご説明しました。参考書の合格アドバイスをうのみにして、「キーワード」は暗記して文中にちりばめるだけで良いとお考えではありませんでしたか。

 「キーワード」は知識が大事なのではなく、出題者が求めているのはその「キーワード」が意味する概念を応用(概念思考)して、効果的に問題解決することにほかなりません。

 したがって本来は

「キーワード」の概念を応用して、業務課題を上手に解決した。

という改善提案を示さなければ意味がありません。

 試験官は一度しか読まない答案で、そうしたあなたの技術応用の姿勢や専門家としての思考様式を見ています。「キーワード」による技術応用の考え方がはっきり試験官に伝われば、「いつもこうに違いない。これなら必ず上手に管理できるはず」とあなたに対する評価は格段に向上するに違いありません。


■最近の指導活動より
 
 試験までの期間も短くなり、添削も一段と熱を帯びています。本講座では添削回数無制限のため、最後まで答案の質的レベルを挙げることが可能です。また、数多くの模範答案を公開して答案作成の参考にしてもらっています。この結果、筆記試験直前には完成の域に到達するものと思われます。


技術士合格への道研究所
代表者 佐武良祐
〒103-0007 東京都中央区日本橋浜町1-10-8
ワコー東日本橋マンション502
Tel 03-6273-8523 
FAX050-3488-2177  ボイスメール(伝言)兼用
e-mail gijutsushi1@yahoo.co.jp
URL http://www.gijutsushi1.com/


 メールマガジン技術士合格への道 2010年 第8回
 必ず合格できる 技術士二次試験合格講座
  ― 面白いほど合格できる直前テクニック その4 ―


 技術士筆記試験を受験されるみなさまへ。試験まであと10日間を切りました。直前の練習で一番大事なのは、昨年の敗因を克服することです。これまで最も多い敗因は、

 出題された問題のテーマについて知識に自信がないため、出題者の要求にぴったりの答えを考えずに、自分が知っている他の知識を中心に、とにかく書まくってしまう・・

 というもの、つまり不安の気持ちから「自爆」してしまうことです。

 最後まであきらめずに、正解を追及してください。試験当日の心理状態はとても苦しいものです。その雰囲気に負けて思考を止めたら勝つ試験も勝てません。落ち着いて普段の練習の成果、すなわち、

 項目のタイトル、あらすじ(下書き)を書いてから答案の清書をしてください。これだけで必ず合格率は上がります。

 問題を予想しても、ピッタリ一致することはありません。その時には、記憶した答案ではなく、新規にご自分の考えを組み立てねばなりません。それに最適なのが、この下書きによる書き方です。

 このメールマガジンではこれまで講座の指導で確認された、実戦的なノウハウを公開して、出来るだけたくさんの方の合格を支援したいと考えています。


1.はじめに

 技術士合格への道研究所では「誰でも必ず合格できる」指導を目指して

コンピテンシー理論+コーチング指導

を実践してきました。詳しくは次のページをご覧ください。

http://www.gijutsushi1.com/category/1261095.html#conptency
http://www.gijutsushi1.com/category/1261095.html#couching

 さて、このメールマガジンでは、技術士二次筆記試験の直前対策として、今年の指導で判明した「面白いほど合格できる直前テクニック」を5回シリーズでお送りしています。今回はその4回目です。

 その1 問題、課題、解決策の考え方は技術者の必須能力(論理性)
 その2 留意点とは経済性などを高めるテクニック(品質管理)
 その3 専門キーワードは専門家の思考様式(概念的思考)
●その4 専門技術による解決策(提案力)
 その5 モレ・ダブリのない整理(体系的思考)

 なお、これらの成果はこれから開催される無料セミナーでも公開していきたいと考えております。関心ある方はぜひご参加ください。直近では、7/31(土)に予定しております。
http://www.gijutsushi1.com/article/13748482.html

2. 専門技術による解決策(提案力)
 
 技術士筆記試験の問題文で必ず求められるのが「解決策」です。これは「対策」、「対応策」、「あるべき姿」などの形で求められることがあります。

 こうした「解決策」で試験官が計ろうとしているのは専門分野の技術の応用力であり、結果としての提案力です。しかしながら、こうした「解決策」が上手に書けないケースがあります。その原因を分析してみました。すると重大な減点(一発で不合格)となる恐れのあるものから、小さな減点で済むものまで列挙することができました。

(1)対象とすべき技術以外の事項を取り上げている(要注意)
(2) 問題の要求に対して答えの幅が狭すぎる(要注意)
(3) 当たり前のことを述べ(評論し)ている
(4) 方法論中心、マニュアル的で方針、考え方が見えない
(5) 前置き長い、心構え、調査、検討を重視するが本題は今一
(6)自分の考えがない、専門家頼み

 これらについて説明していきましょう。

3.1 対象とすべき技術以外の事項を取り上げている

 「解決策」での要求事項で最大のものが専門分野の技術の応用力や技術的な提案力です。しかし、その時に対象とすべき技術以外の事項を取り上げていたとしたら、失望感から一発で不合格となるような減点となる危険性があります。例えば、

建設部門トンネル科目の試験でトンネルの地山計測の課題を問われた時に、計測の合理化や自動化を課題とした場合(非本質的事項)

建設部門必須科目の地域の活性化の対策として、耕作放棄地の利用による農業振興を提案した(他分野の技術)

環境部門環境計測科目で分析の(一般的な)必要項目を求められたのに、自分の体験(特殊ガス測定のしかた)を中心に書いてしまった(特殊例)

 これらが何故いけないかわかりますか。要求されている事項に対して、答えていないか、または答えの方向性を誤っているからです。

 解決策では問題を確実に解き得る専門技術がコンピテンシーの指標となりますが、それが要求されている問いに答えていなければコンピテンシーとしてはゼロ、誤った方向に答えていればマイナス評価となります。

3.2 問題の要求に対して答えの幅が狭すぎる

 これは前述の「対象とすべき技術以外の事項」に比べたら程度は良いですが、そのとらえ方が小さすぎるということで、いずれにせよ不十分という結果となるものです。この例としては、

建設部門必須科目 地球温暖化対策として中山間の耕作放棄地耕作及び低炭素の目的で簡易モノレールを提案する(効果小さい)

建設部門コンクリート科目 橋梁の維持管理、長寿命化対策として橋梁下部の仮設吊り足場を常設として提案する(技術難度が低い)

 これらは要求されている事項に対して、効果はないとはいえないものの、効果が小さいか、技術的には提案しても意味がないということから、やはり減点の危険性があります。

3.3 当たり前のことを述べ(評論し)ている

 専門的対処が必要な課題に対して、対策として一般的な対応手法・姿勢を挙げるのにとどまっているケースがあります。専門的な技術応用による解決がほしいのに、そこに至る手前の方法だけでは物足りないものです。

建設部門コンクリート科目 コンクリートの複合劣化対策としてツール、ビジュアル資料の整備、定量的調査、研究事例の共有化を提案する。(専門とは無関係な一般的方法論)

結論には言及せず、方法の選択や結果として予想される情況について善し悪しの評価を述べている(提案とは別な評論)

答案の最後に余白ができたので「今後のビジョン」として当たり障りのないことを書く(真面目な技術者としての姿勢)

 これらは、いずれも当然必要なことではありますが、答案で書くことの意義は薄いものです。間違ってはいないので減点にはならないと思われがちですが、実際には冗長で無駄な記述の印象を与えます。また、こうした記述が多いと、本来訴えるべきことが後回しになってしまうことがあります。

3.4 方法論中心、マニュアル的で方針、考え方が見えない
 
 対策内容としてやるべきことを具体的に書きだす方法があります。「〜を〜して、そして〜する」というようにです。この結果、実施すべき作業はわかるのですが、その1ケースの作業だけであり、一般的な方法論としては不向きなケースがあります。また、内容的にあまり技術的要素がない場合も要注意です。

衛生工学部門空気調和科目 ビル設備のLCC評価についてビルのライフサイクルでのコスト算出、現状把握、改善を提案する。(これはビル設備に限った対応ではない。評価面での技術的な対応がなければ専門技術として意味はない)

水産部門水産加工科目 鮮魚流通部門のHACCP対策として不衛生行為の禁止、衛生施設の管理、チェックリスト・・(技術士以前の基本事項)

建設部門河川砂防科目 最近の多自然川づくりの方針として、メリハリの利いた整備、水の流れにアクセント、護岸のかさ上げ、落差部は深くする・・・。(個々の部位の作業はともかく、全体の方針が見えない)

3.5 前置き長い、心構え、調査、検討を重視するが本題は今一

 「解決策」を書くときに、結論を一番に書くのではなく、まずは関連事項や提案理由となる問題点に前置きしてから、本題に入る方が多いようです。その前置きとは心構えであることもあります。

 また、実務上の慣例から、工事の前には必ず調査や検討を行うことを宣言する方がいます。調査も検討ももちろん必要とは思いますが、それは工法選定の手段にすぎません。工法を述べる際に根拠として示せば事足りるのではないでしょうか。

 それより解決策の提案では「専門技術による提案」が必要です。前置きが長いと、肝心の提案がだんだんおろそかになってしまいます。

3.6 自分の考えがない、専門家頼み

 「解決策」を決定する時に自分では判断を下さずに、「専門家の意見を仰ぐ」とか、「委員会を結成して決める」と提案する方がいます。

 「専門家」も「委員会」も自分では決めないということですから、客観的な対応を示しているつもりでも、物足りなさを感じずにはいられません。そもそも、技術士はコンサルタントなのに、自分では判断できず他人に依存したら存在価値が失われてしまいます。

5. 専門技術による解決策(提案力)のまとめ

 今回は、試験で良く求められる「解決策」の考え方をご説明しました。専門技術による解決策をコンサルタントの提案として表現するところです。そのねらいとする内容をとり違えたり、本質的でないことを誤って取り上げたりしないようにしてください。この対策としては

(1)まずは技術情報を下調べしてから書く
(2) 単刀直入に結論を先に書く
(3) 専門技術による問題解決の解決策を提案する
(4) 必須事項、支配的因子、これをやらねばということだけを行う。

こうしたことに留意することで大きな間違いをせずに答案を仕上げることが可能です。


■最近の指導活動より

 試験準備は最終段階に突入し、添削の完成度が上がってきました。本講座では添削回数無制限のため、段階的に指導レベルを上げてきました。当初の答案では、まずは

(1)必要な事項を書き込む。
(2)方法論や方針を示す
(3)できれば社会変革など大きな概念を示す。

 このように、当初は必要条件を満たして、次第に高次な十分条件の指導に移行していくことが理想です。講座のコーチング指導ではこうした方法で無理なく完成の域に到達するものと思われます。


技術士合格への道研究所
代表者 佐武良祐
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 メールマガジン技術士合格への道 2010年 第9回
 必ず合格できる 技術士二次試験合格講座
  ― 面白いほど合格できる直前テクニック その5―


 技術士筆記試験を受験されるみなさまへ。試験まであと1週間となりました。直前の練習で一番大事なのは、昨年の敗因を克服することです。本研究所では試験の敗因分析を続けてきました。

 これまで確認されている不合格3大原因は、

(1)題意と違う内容(自分の得意な内容、知識)を書いてしまう
(2)長い前置きと不要なまとめで水増し。本論が貧弱のため
(3)課題分析が不十分で、対策に論理的展開がない

というものです。いずれも冷静に考えれば見込みがあったのに、つまりは不安の気持ちから「自爆」してしまうケースが多いようです。

 最後まであきらめずに、正解を追及してください。試験当日の心理状態、特に自信の無い問題に遭遇した時はつらくて苦しいものです。その雰囲気に負けて思考を止めたら勝つ試験も勝てません。落ち着いて普段の練習の成果、すなわち、

 項目のタイトル、あらすじ(下書き)を書いてから答案の清書をしてください。これだけで必ず合格率は上がります。

 問題を予想して暗記しておいても、ピッタリ一致することはありません。その時には、記憶した答案ではなく、新規にご自分の考えを組み立てねばなりません。それに最適なのが、この下書きによる書き方です。

 このメールマガジンではこれまで講座の指導で開発された、実戦的なノウハウを公開して、出来るだけたくさんの方の合格を支援したいと考えています。


1.はじめに

 技術士合格への道研究所では「誰でも必ず合格できる」指導を目指して

コンピテンシー理論+コーチング指導

を実践してきました。詳しくは次のページをご覧ください。

http://www.gijutsushi1.com/category/1261095.html#conptency
http://www.gijutsushi1.com/category/1261095.html#couching

 さて、このメールマガジンでは、技術士二次筆記試験の直前対策として、今年の指導で判明した「面白いほど合格できる直前テクニック」を5回シリーズでお送りしています。今回はその最終回です。

 その1 問題、課題、解決策の考え方は技術者の必須能力(論理性)
 その2 留意点とは経済性などを高めるテクニック(品質管理)
 その3 専門キーワードは専門家の思考様式(概念的思考)
 その4 専門技術による解決策(提案力)
●その5 モレ・ダブリのない整理(体系的思考)

 なお、これらの成果はすでに開催された無料セミナーで公開したものです。セミナー資料は公開しております。関心ある方はぜひご覧ください。直近では、7/31(土)に開催しました。
http://www.gijutsushi1.com/article/13748482.html

2. モレ・ダブリのない整理(体系的思考)
 
 技術士筆記試験の論文では、問題点、課題、解決策などを取り上げることがありますが、このとき3~5程度の項目を取り上げるのが普通です。そしてこれらの項目はそれぞれがモレ・ダブリのない関係でなければなりません。

2.1なぜモレ・ダブリのない整理が必要か?

 考えに漏れや重複があると、実務においては問題の整理・分析・解決を行う際に大きな支障が生まれてきます。漏れによって問題の本質を見落として対策が行われない状況が発生します。

 一方、ダブリによっては情報の整理がすすまず、解決策のプロセスで非効率、不正確となったり、あるいは二重に対策する結果さまざまなトラブルが起こる確率が高くなります。そもそも対策のダブりは資源の有効活用とは言えません。

2.2 技術士試験でモレ・ダブリのない整理が必要な理由

 技術士試験ではどうでしょうか。項目にモレがあると、結局分析に偏りが出てきてしまって、公平な判断を示せなくなってしまいます。「~について述べよ」という問題では特定のケースに限定せず、一般的に考えられる範囲のケースに応用可能な答えでなければなりません。

 一方、ダブリがあると、2つの項目が完全に分離できていなわけでして、分析不足の印象を免れません。実務の場合と同じです。

 もうお分かりだと思いますが、モレ・ダブリのない整理とは正しい判断の根拠にほかなりません。つまりこのような体系的思考は、技術者コンピテンシーのひとつとして、厳しくチェックされるということです。

 だから、問題点、課題、解決策の項目を挙げるときは、きっちりとモレ・ダブリなく整理しなければならないのです。

3. MECE(ミーシーもしくはミッシー)

 このモレ・ダブリのない考え方は、MECE(Mutually Exclusive and Collectively Exhaustiveの略)という「相互に排他的な項目」による「完全な全体集合」を意味する概念として定義されています。

 MECEは経営学、経営コンサルティングなどの領域でよく使われる言葉であり、ロジカル・シンキングの一手法です。

 実務上の活用法としては、プロジェクトに関連する要素の抜き出しや、WBSの策定、商品の企画や、各種調査項目・対象の選定など、網羅性が求められる(要因・アイデアを漏れなく挙げつくしたい)場面でMECEの考え方が使用されます。

 例えば新商品を企画する場合、商品という全体集合を「機能」や「販売価格帯」などの切り口でMECEになるように細分化し、競合商品のない分野の商品開発を優先するといった使用方法もあります。MECEになっているかどうか確認しながら演繹的に分類を行っていくことで、勘やひらめきによる分類よりも網羅性が高まり、思わぬ新商品スポットが発見されることもあるということです。

4. モレ・ダブリのなく整理する方法

 アイデアをMECEに(漏れダブリなく)出すには次のようないくつかの切り口で考えを整理していきます。

(1)物件に必要な「機能」、または、あっては困る不都合な特性(有害機能)を漏れなく挙げる。例 コンクリートの劣化の影響因子

(2)工程を原材料から加工、使用、廃棄に至る製品のライフサイクルに従って漏れなく挙げる。例 社会資本のライフサイクルCO2

(3)製品故障をなくして生産性を上げる場合。発生箇所・原因箇所を「空間」的に漏れなく挙げる。例 地震時に液状化が予測される地域

このほか、既存の現場管理手法でもMECE(漏れダブリなく)となるいくつかの分析軸があります。

(4)生産の4要素、4M
 「人(Man)、機械(Machine)、材料(Material)、方法(Method)」である。4Mの投入に対して、より高いPQCDSMを得ることが製造業の目標となる。工程内で不具合が発生した場合、このいずれかが変化している事が多い。

(5)事故の原因分析・対策検討時に用いられる4M
 事故や災害の原因分析や対策検討の際に要因を 人(Man)、機械(Machine)、媒体又は環境(media)、管理(management)の4つのジャンルに整理する事により原因の本質を捉える。

(6)QCDS
 品質(Quality)、価格(Cost)、納期や入手性(Delivery)、対応やサポート(Service)の頭文字をとったもので、工事や製品の評価における指標のひとつである。

(7)マーケティングにおける視点、4P
 顧客志向のマーケティングの視点。4つのPとは、Product(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(プロモーション)である。

5. モレ・ダブリのない整理(体系的思考)のまとめ

 今回は、試験で良く求められるモレ・ダブリのない項目整理のしかた、MECEの考え方をご説明しました。この体系的思考は専門家、分析者に特有の能力であり、技術者の重要なコンピテンシーのひとつです。

 普段あまり意識しないかもしれませんが、試験官は何気なく項目に目を通して、技術者コンピテンシーを判断しているのです。こうした点に留意することで確実に答案の評価を高めることが可能です。


技術士合格への道研究所
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 メールマガジン技術士合格への道 2010年 第10回
 必ず合格できる 技術士二次試験合格講座
  ― 面白いほど合格できる体験論文 その1 ―


 技術士筆記試験を受験されるみなさまへ。筆記試験が終わってこれからは体験論文に取り掛からねばなりません。専門家にふさわしい業績を表現するにはどうすべきか、本研究所ではこれまで論文に潜む問題を分析を続けてきました。

 これまで確認されている合格できる技術的体験論文の3大条件は、

(1)業績の概要から技術者コンピテンシーが感じとれる
(2)問題点、課題、解決策の過程が専門的かつ独創的で汎用性がある
(3)現時点での反省や専門家らしい展望がある

というものです。一言でまとめると「研鑽し続ける専門技術者」というイメージです。技術士という資格が有能な技術コンサルタントに与えられる資格であるため、上記(1)~(3)が満たせれば当然合格できてしかるべきなのです。

ただし、「技術者コンピテンシー」が感じとれるにはどうするかはやや難問です。このため、「技術者コンピテンシー」がいかなる原理で試験官の頭の中に形成されるのか逆解析する必要があります
 
 このメールマガジンではこれまで講座の指導で開発された、実戦的なノウハウを公開して、出来るだけたくさんの方の合格を支援したいと考えています。


1.はじめに

 技術士合格への道研究所では「誰でも必ず合格できる」指導を目指して

コンピテンシー理論+コーチング指導

を実践してきました。詳しくは次のページをご覧ください。

http://www.gijutsushi1.com/category/1261095.html#conptency
http://www.gijutsushi1.com/category/1261095.html#couching

 さて、このメールマガジンでは、技術士二次筆記試験の直前対策として、今年の指導で判明した「面白いほど合格できる体験論文」を3回シリーズでお送りしています。今回はその第一回目です。

●その1 いかにして業績概要で技術者コンピテンシーを表わすか
 その2 専門的かつ独創的で汎用性がある問題解決過程
 その3 専門家らしい反省、専門家らしい展望とは

 なお、これらの内容はこれから開催される無料セミナーで公開していきます。セミナー資料は公開します。関心ある方はぜひご覧ください。直近では、8/14(土)に開催します。
http://www.gijutsushi1.com/article/13748482.html

2. いかにして業績概要で技術者コンピテンシーを表わすか
 
 技術士体験論文では、概要、立場・役割、課題及び問題点、技術的提案、成果、技術的評価、今後の展望の各項目が問われます。そしてその採点は、試験官によって驚くほど短時間で判定されています。

2.1なぜ「技術者コンピテンシー」が大事か?

 技術士体験論文は単独で採点されることはありませんが、試験官は口頭試験の前にこの論文に目を通して、口頭試験(の質問)と合わせて受験者の専門的能力の判定根拠とします。このとき注目すべきことは、試験官が体験論文を判定するときには特別チェックシートを用いて評価するのではなく、直観的、感覚的に行われているということです。

 実は体験論文の評価というものは「技術コンサルタントとしてふさわしいか否か」という大雑把なものであり、それは「成果に基づく評価」すなわち「コンピテンシー」にほかなりません。

 体験論文とは口頭試験に先立って、受験者の情報の大部分を占める問題解決力を論文から読み取るわけであり、言い換えるとコンピテンシーのかなりの部分を決定づけられてしまうということです。

 ということから、体験論文作成においては「成果を生み出すプロセス」の説明に集中すべきであることがうかがえます。

2.2 「技術者コンピテンシー」を表すには?

 「技術者コンピテンシー」が技術士論文において役立つとわかっているなら、人為的に論文の中でそれを表現することはできないかと考えてしまいます。しかし、人が技術者を専門家と認める場合はどんなときかと想像してもらいたいのです。表現方法や言葉尻といった表面的なものではまず無理です。それには、専門家としての

本質的な活動、能力を表すしかない

ということなのです。本研究所では暗黙知的な要素である「技術者コンピテンシー」の表現や開発のお手伝いをしています。

3. 「技術者コンピテンシー」を答案中で感じさせるには

 では、そのような専門技術者の本質的な活動を技術士体験論文で、表現する方法について、業績概要、立場・役割、課題及び問題点について考えてみましょう。

3.1 業績概要
 
 業績概要では約10行程度で手掛けた業績の物件、規模、難易度等を表します。ここでは技術的貢献を表したいので、
(1)物件、対策の概要で特筆できるものは何か(規模、難易度等)
(2) 応用した技術は何か
(3) 自分の貢献はなにか
(4) 成果はなにか

この4点を端的にまとめていきます。

3.2 立場・役割

 技術士というのは指導監督する業務ですから、現時点での立場がある程度そのようなものであることがイメージできなくてはなりません。

 現場代理人や大学院生であっても、ただ言われたことをする「作業員」ではなく、人に教えて監理する「指導者」としての立場が読み取れる「立場・役割」としなくてはなりません。

3.3 課題及び問題点

 体験論文では業績のとらえ方として「課題及び問題点」それに続く「技術的提案」の3つからなっています。これら3要素は次の内容となっています。

(1)課題 業務上発生した問題を解く方針
(2)問題点 課題解決に向けて行動するときに障害となること
(3)技術的提案 上記(2)を解消して、上記(1)を達成する方法です

 こうした体験論文の構成に対して、本研究所では次の4項目で整理することをお勧めしています。

(1)問題点 問題解決当初に取り組まなければならなかった問題
(2)解決策 解決の際に実施したこと
(3)苦心した点 (2)を開発する上で検討したこと
(4)解決策の妥当性 解決策に独創性や汎用性があること

 この方式のメリットは、

  • 問題を考えることで、対象とすべきターゲットがはっきりする。
  • 「課題」をいきなり考えて、対策に走ってしまわない
  • 解決策を導く上での貢献を明らかにできる。
  • 解決策の技術的優位性を検証できる

といったようなことです。

4. 「業績概要で技術者コンピテンシーを表わす」のまとめ

 今回は、体験論文の冒頭の部分で真っ先にコンピテンシーを判断される、業績概要、立場・役割、課題及び問題点について考えてみました。 普段めったに意識しないかもしれませんが、試験官は短時間で項目に目を通して、技術者コンピテンシーを判断しているのです。こうした点に答えてコンピテンシーが読み取れやすくすることで確実に答案の評価を高めることが可能です。


技術士合格への道研究所
代表者 佐武良祐
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 メールマガジン技術士合格への道 2010年 第11回
 必ず合格できる 技術士二次試験合格講座
  ― 面白いほど合格できる体験論文 その2 ―


 技術士筆記試験を受験されるみなさまへ。筆記試験が終わってこれからは体験論文に取り掛からねばなりません。専門家にふさわしい業績を表現するにはどうすべきか、本研究所ではこれまで論文に潜む問題を分析をし続けてきました。

 これまで確認されている合格できる技術的体験論文の3大条件は、

(1)業績の概要から技術者コンピテンシーが感じとれる
(2)問題点、課題、解決策の過程が専門的かつ独創的で汎用性がある
(3)現時点での反省や専門家らしい展望がある

というものです。一言でまとめると「研鑽し続ける専門技術者」のイメージです。技術士という資格が有能な技術コンサルタントに与えられる資格であるため、上記(1)~(3)が満たせれば当然合格できてしかるべきなのです。

 ただし、「技術者コンピテンシー」が感じとれるにはどうするかはやや難問です。このため、「技術者コンピテンシー」がいかなる原理で試験官の頭の中に形成されるのか逆解析する必要がありました。実際には多数の添削答案からナレッジマネジメントにより行っています。
 
 このメールマガジンではこれまで講座の指導で開発された、実戦的なノウハウを公開して、出来るだけたくさんの方の合格を支援したいと考えています。


1.はじめに

 技術士合格への道研究所では「誰でも必ず合格できる」指導を目指して

コンピテンシー理論+コーチング指導

を実践してきました。用語について詳しくは次のページをご覧ください。

http://www.gijutsushi1.com/category/1261095.html#conptency
http://www.gijutsushi1.com/category/1261095.html#couching

 さて、このメールマガジンでは、技術士二次筆記試験の直前対策として、今年の指導で判明した「面白いほど合格できる体験論文」を3回シリーズでお送りしています。今回はその第2回目です。

 その1 いかにして業績概要で技術者コンピテンシーを表わすか
●その2 専門的かつ独創的で汎用性がある問題解決過程
 その3 専門家らしい反省、専門家らしい展望とは

 なお、これらの内容はこれから開催される無料セミナーで公開していきます。セミナー資料は公開します。関心ある方はぜひご覧ください。直近では、8/28(土)に開催します。
http://www.gijutsushi1.com/article/13767002.html
 すでに開催した第1回の内容はこちらです。
http://www.gijutsushi1.com/article/13776677.html

2. 専門的かつ独創的で汎用性がある問題解決過程
 
 技術士体験論文では、概要、立場・役割、課題及び問題点、技術的提案、成果、技術的評価、今後の展望の各項目が問われます。そしてその採点は、試験官によって驚くほど短時間で判定されています。

2.1 技術的体験論文はチェックシート

 試験官は技術士受験者の能力を判定するため、口頭試験に先だって技術士体験論文を読んでおきます。体験論文は単独で採点されることはありませんが、事前に論文に目を通して、口頭試験(の質問)と合わせて受験者の専門的能力の判定根拠とします。このとき注目すべきことは、試験官が体験論文を見るときに、暗黙のうちに専門家として培われた人を見る目すなわちその人のチェックリストによって評価しているということなのです。これは直観的、感覚的に行われ、そして、もしNGなら口頭試験で確かめるということなのです。つまり、

(1)まず論文でチェック、OKかNGか
(2)次に口頭試験でチェック、OKかNGか
(3)上記(1)(2)で確定する

というものなのです。このため論文の内容が悪いと口頭試験が厳しくなります。逆に論文の内容が良ければ面接は雑談のように和やかに行われることもあります。後者の場合チェックすることがなかったとも言えます。

 このことから口頭試験を有利に進めるには、極力実は体験論文の評価を高めるしかないということです。体験論文の不備は後から大きな負担となってくることを忘れてはなりません。

 体験論文とは口頭試験に先立って、受験者の情報の大部分を占める問題解決力を論文から読み取るわけであり、言い換えるとコンピテンシーのかなりの部分を決定づけられてしまうということです。

 ということから、体験論文作成においては「成果を生み出すプロセス」の説明に集中すべきであることがうかがえます。

2.2 合格に寄与する「技術者コンピテンシー」を高めるには?

 「技術者コンピテンシー」が技術士論文において役立つとわかっているなら、業績の記述内容においてそれを表現することはできないかと考えます。しかし、人が技術者を専門家と認める場合はどんなときかと想像してください。表現方法や言葉尻といった表面的なことではまず無理なのです。それには、専門家としての

本質的な活動を行い、そこで獲得した能力を表すしかない

ということなのです。本研究所では暗黙知的な要素である「技術者コンピテンシー」を表現するため、結局は専門家としてどう考え、どう勉強すべきかを提案し、受講生様が専門家となるお手伝いをしています。

3. 技術的提案で「技術者コンピテンシー」を感じさせるには

 では、「技術者コンピテンシー」を技術士体験論文で表現する方法について、今回は「技術的提案」について考えてみましょう。

3.1 良い「技術的提案」の条件とは
 
 体験論文の「技術的提案」は「課題、問題点」に続いて、それらの解決方法を示すものであり、論文の中心となるものです。本来は方法論を具体的に示すだけで十分です。しかし、やったことあるがままに書いて良いと思いますか。その採点方法については何も示されていません。

 論文自体が技術者のコンピテンシーを問うものですから、解決法に対する評価とは、技術応用の巧みさや再現性に基づいたものであるはずです。この意味から「独創性」と「汎用性」の2つを高めていけば論文の評価は高まるものと考えています。「技術的提案」を書くときに独創性であり、かつ汎用性があるように書けばよいのです。また、基本的なことですがその分野の専門技術に基づいたものでなければ意味がありません。

3.1.1 「独創性」があるとは

 独創性というと、新規であることや前例がないことが相当しますが、それだけでは独創性があるとは言えません。一般的に前例がないことは何か理由があってそうしない場合が多いのです。その理由を解消する方法がない限り本当の意味での独創とは言えません。次の2つの例から独創性を生み出す方法を考えてみましょう。

(1)当時他に例のなかったA工法を日本で初めて採用した

 A工法は珍しい工法だと想像しますが、これまでなかった背景には次のようなA工法を採用しない理由があったはずです。

  • 一般的な在来工法が採用されていて、あえてA工法を採用する必要がない。
  • A工法には重大な欠点があり、それを解決しない限りA工法を使うメリットがない。

 これらを解消して同工法を採用するところに独創性があります。つまり、

在来工法より高性能をもたらし、しかもA工法の欠点を解消できる技術的工夫

 それこそが独創性の本質なのです。

(2)臨機応変に対応(工夫)して編み出した方法

 工夫は独創性の要因ですが、次のようなケースは独創的とは言えません。

  • 常識的に考えて、その状況になれば誰だってそうする
  • 周辺の状況から仕方なくそうするしかなかった

ということで、ただ工夫や努力、配慮したということではなく、前項(1)で述べた技術的な工夫がないとだめなのです。

3.1.2 「汎用性」があるとは

 汎用性は意外と知られていない技術の評価指標の一つです。この汎用性がある技術とは、成果の再現性があることや、他の物件に転用できることと考えてよいでしよう。次の例から汎用性について考えてみましょう。

  • 今後同じような工事ケースがあればA工法が適用可能である

 このことは一見、汎用性があるように見えますが、次の問題を含んでいます。

  • 一度実施した方法を同じケースで再度実施するのではうまくいって当然。それは再現性あるとは言えるが、汎用性とは呼ばない。いわば当たり前。

 つまり汎用性とは、ある程度違うケースに対して同じ効果を生み出せる、言い換えると幅広い適用範囲を持っている技術に対して言えることです。

3.1.3 「専門分野の技術」が応用されている

 技術士の業績は部門や選択科目で技術領域が指定されており、原則的にその領域の技術に長けていることがコンピテンシーの要件といえます。このため、「技術的提案」では専門領域の技術がどのように活用されているかをチェックされることになります。

 このことから、前述の独創性や汎用性は専門技術領域を背景としたものであれば都合が良いというものです。

3.2 良い「技術的提案」の書き方

 独創性、汎用性がいかなるものか分ったところで、コンピテンシーを高めるような「技術的提案」の書き方について考えましょう。

(1)在来工法の問題点を解消する仕組み、原理を明らかとする

 技術的体験論文では、コンピテンシーを測るため、「課題、問題点」が必須要件となっています。独創性を高めるにはさらに他にも問題があり、その解消が困難であったこと、つまり困難を解消した仕組みの考案過程を述べることです。

 たとえば一例をあげると、地下水レベルの高い土地での土留め工法の開発については、独創性は地下水の浸透を防ぐため地盤改良を併用することを提案するなどです。

(2)技術を抽象化、概念化して適用可能性を高める

 技術とは個々のケースごとに最適例があり、通常は汎用化が難しいものです。そこで、技術を特定の工法ではなく、考え方や設計法といった応用性の高い概念や理論として抽象化すれば良いのです。

 抽象化によって個別ケースの優位性は失われますが、理論としての汎用性が高まり、個別ケースごとの対応も可能となれば、技術としての評価は高くなるということです。

 先の土留め工法の例では、特定の機材や材料の開発ではなく、特定の条件に依存せず、地質や地下水位に応じて調整可能な理論として設定します。

(3)専門技術体系から応用した過程を説明する

 独創性や汎用性を専門技術領域に関連付けるためには、それらの解決過程に専門技術を応用したことを明記すればよいのです。さらにその技術は、個別の要素技術ではなく、専門技術体系からの応用として説明することが大切です。

 同様に先の土留め工法の例では、そこでの理論が現場の体験や努力、試行錯誤で開発されたものではなく、地質工学や土木工学、構造力学の要素技術を応用した結果生み出されたものと表現すればよいのです。

4. 「技術的提案で「技術者コンピテンシー」を感じさせる」のまとめ

 今回は、体験論文の中心となる、技術的提案について考えてみました。 ともするとあるがままに書いてしまいがちですが、試験官は独創性や汎用性、専門技術をチェックしながら技術者コンピテンシーを判断しています。こうした試験官の目に留まるためには、コンピテンシーを表す要素を、読み取りやすい形で答案にまとめていけば良いと考えます。


■最近の指導活動のご紹介

(1)再現答案指導

 現在、筆記試験の再現答案の合否判定、添削、その修正を進めているところです。試験当日はやっとのことで書き上げた答案ですが、添削してみると冷静な目で見て反省するところが多いものです。何か良くて、何がいけなかったか、という正しい判断力がコーチング指導で確実に養えます。すでに複数の方が再現答案を修正されて、満点答案を作成されています。

 この背景として、講座ではH22年問題学習を最良の勉強機会と位置付けていることがあります。苦労されて学べばきっと力がつくはずです。また、たとえ今年合格していたとしても、技術士としての考え方を仕上げてもらいたいと願っています。

(2)体験論文指導

 体験論文の作成に向けて現在業績の選定を行っています。業績選定は、成果や貢献度を総合的に考えて選定するため、面談コーチングによって行っています。詳しくは下記の記事をご覧ください。

  • コーチングでは現状を評価するのではなく、常に最良の解決策を提案できる。
  • 一回の相談で、自分の進むべきベストの道がわかる
  • 100の一般論より、自分だけのベストの解答のほうが価値がある

http://www.gijutsushi1.com/article/13776744.html

・技術者の業績のコンピテンシーを増す方程式
コンピテンシーの大きさC=M×K×N
http://www.gijutsushi1.com/article/13776691.html


技術士合格への道研究所
代表者 佐武良祐
〒103-0007 東京都中央区日本橋浜町1-10-8
ワコー東日本橋マンション502
Tel 03-6273-8523 
FAX050-3488-2177  ボイスメール(伝言)兼用
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URL http://www.gijutsushi1.com/


 メールマガジン技術士合格への道 2010年 第12回
 必ず合格できる 技術士二次試験合格講座
  ― 面白いほど合格できる体験論文 その3 ―


 技術士筆記試験を受験されるみなさまへ。筆記試験が終わってこれからは体験論文に取り掛からねばなりません。専門家にふさわしい業績を表現するにはどうすべきか、本研究所ではこれまで体験論文に潜む数々の問題を解決し、体験論文のコンピテンシー表現に努めてきました。目指すものは、

口頭試験の場を和やかな雑談の場に変える=楽勝で合格する

ことです。「研鑽し続ける専門技術者」のイメージさえ試験官に定着できれば不可能ではありません。技術士という資格が有能な技術コンサルタントに与えられる資格であるため、それができれば当然合格できてしかるべきなのです。

 ただし、「技術者コンピテンシー」が感じとれるにはどうするかはやや難問です。このため、論文や試験で「コンピテンシー」がいかなる原理で試験官の頭の中に形成されるのか逆解析する必要がありました。実際には多数のコーチング指導例からナレッジマネジメントにより集成しています。
 
 このメールマガジンではこれまで講座の指導で開発された、実戦的なノウハウを公開して、出来るだけたくさんの方の合格を支援します。


1.はじめに

 技術士合格への道研究所では「誰でも必ず合格できる」指導を目指して

コンピテンシー理論+コーチング指導

を実践してきました。用語について詳しくは次のページをご覧ください。

http://www.gijutsushi1.com/category/1261095.html#conptency
http://www.gijutsushi1.com/category/1261095.html#couching

 このメールマガジンでは、技術士二次筆記試験の直前対策として、今年の指導で判明した「面白いほど合格できる体験論文」を3回シリーズでお送りしています。今回はその第3回目、最終回です。

 その1 いかにして業績概要で技術者コンピテンシーを表わすか
 その2 専門的かつ独創的で汎用性がある問題解決過程
●その3 技術士にふさわしい現時点の評価、今後の展望とは

 なお、これらの内容はこれから開催される無料セミナーで公開していきます。セミナー資料は公開します。関心ある方はぜひご覧ください。直近では、9/11(土)に開催します。
http://www.gijutsushi1.com/article/13767002.html
 すでに開催した第1回、第2回の内容はこちら。
http://www.gijutsushi1.com/article/13776677.html
http://www.gijutsushi1.com/article/13783709.html

2. 技術士にふさわしい現時点の評価、今後の展望
 
 技術士体験論文では、概要、立場・役割、課題及び問題点、技術的提案、成果、技術的評価、今後の展望の各項目が問われます。そしてその採点は、試験官によって驚くほど短時間で判定されています。

2.1 技術的体験論文は技術者コンピテンシーのチェックリスト

 試験官は技術士受験者の能力を判定するため、口頭試験に先だって技術士体験論文を読んでおきます。体験論文は単独で採点されることはありませんが、事前に論文に目を通して、口頭試験(の質問)と合わせて受験者の専門的能力の判定根拠とします。このとき注目すべきことは、試験官が体験論文を見るときに、暗黙のうちに専門家として培われた人を見る目すなわちその人のチェックリストによって評価しているということなのです。これは直観的、感覚的に行われ、そして、もしNGなら口頭試験で確かめるということなのです。つまり、

(1)まず論文でチェック、OKかNGか
(2)次に口頭試験でチェック、OKかNGか
(3)上記(1)(2)で確定する

というものなのです。このため論文の内容が悪いと口頭試験が厳しくなります。逆に論文の内容が良ければ面接は雑談のように和やかに行われることもあります。後者の場合チェックすることがなかったとも言えます。口頭試験の場を和やかな雑談の場に変える可能性はこの辺にあります。

 以上ことから口頭試験を有利に進めるには、体験論文の内容を高めておくしかないということです。体験論文の不備は後から大きな負担となってくることを忘れてはなりません。

 体験論文とは口頭試験に先立って、受験者の情報の大部分を占める問題解決力を論文から読み取るわけであり、言い換えるとコンピテンシーのかなりの部分を決定づけられてしまからです。

 ということから、体験論文作成においては「成果を生み出すプロセス」の説明に集中すべきであることがうかがえます。

2.2 合格に寄与する「技術者コンピテンシー」を高めるには?

 「技術者コンピテンシー」が技術士論文において役立つなら、業績の記述内容においてそれを表現することはできないかと考えます。しかし、人が技術者を専門家と認める場合はどんなときかと想像してください。表現方法や言葉尻といった表面的なことではまず無理なのです。それには、専門家としての

本質的な活動を行い、そこで獲得した能力を表すしかない

ということなのです。本研究所では暗黙知的な要素である「技術者コンピテンシー」を表現するため、結局は専門家としてどう考え、どう勉強すべきかを提案し、受講生様が専門家となるお手伝いをしています。

3. 技術的提案で「技術者コンピテンシー」を感じさせるには

 では、「技術者コンピテンシー」を技術士体験論文で表現する方法について、今回は「現時点での評価、今後の展望とは」について考えてみましょう。

3.1 良い「現時点での評価、今後の展望」の条件とは
 
 体験論文の「現時点での評価」は「提案」、「成果」に続いて、それらに対する自己評価を示すものであり、業績の最終的な評価となるものです。本来は結果の善し悪しを判断するものですが、それを評価する専門家としての視点が試されます。たいていの方はそのような練習ができていないため、あるがままの自己評価に陥りがちです。その採点結果はむろん期待はできません。

 体験論文は技術者のコンピテンシーを問うものですから、まずは「成果」につなげる意思を表すことが大切です。それから専門家らしい視点として、体験から学ぶ姿勢や、結果に対する鋭いチェックの視点を表せばよいのです。

3.1.1 「成果」につなげる意思

 現時点での評価というと、終わった後の結果に対する反省のように見えますが、そこに「成果につなげる意思」があると必然的に成果につなげる活動が見える化されることとなります。その結果未来の成果を予感させることとなり、技術者としてのコンピテンシーが確実に高まります。これを行うためには、業務でやったことを最後まで見届けて評価を下すことがです。

当初はうまく計画されていたとしても、実施してみると何らかの障害が発生して、新たな改善が必要となることは多いものです。そうした障害を技術で乗り越える「知恵」が技術者コンピテンシーといえます。提案の結果を分析すれば明らかとなるでしょう。

 この意味で、「現時点での評価」として良くある次の例がなぜいけないのか考えてみましょう。

(1)私が行ったA工法の現時点での評価はまあまあ良かった
(2) A工法で施工した結果、その後クレームは聞いていない

 A工法は独創的な工法だと想像しますが、「評価は良い」では反省にならず、その物件としては良いものの、技術者としての新たな成果にはつながらないということです。A工法には弱点があったはずで、それを解決するという課題が課せられていたはずです。それを忘れて、ただの現状に甘んじているのでは技術者としてのコンピテンシーが疑われてしまいます。

 また、「クレームがない」のは悪さが申告されなかったに過ぎず、不満がくすぶっている場合もあります。「クレームは聞いていない」などと安心せずに、未来のクレームを先取りするような姿勢が必要だと思います。

3.1.2 体験から学ぶ姿勢

 「現時点での評価」は実施した結果を診断するものですが、これは技術者にとつてはまとない学びの機会でもあります。専門家の活動は前例や参考例の少ないものです。技術士の体験論文の業績は、その結果を評価しようにも類似の業績は数少なく、もはや自分でしか評価出来ない場合が多いものです。逆にそのような専門的領域では、自ら実施した結果、すなわち体験から学ぶのが最も手っ取り早い勉強となります。

 「現時点での評価」とは、過去に実施した業績を後から評価することですから、

  • 業績を振り返って新たに体験して学んだこと
  • 予想外の事実から学んだこと

を表現しなければなりません。この「体験からの学び」の意味から、実施したこととは違う、やらなかったことに対するコメントは望ましくはありません

  • A工法の反省から今回はB工法を採用すれば良かった

 この例は一見反省しているように見えますが、肝心の実施したA工法については反省せずに、実施していないB工法を取り上げています。これでは体験(A工法)から学ぶ機会を失っているも同然です。臨機応変にA工法からB工法に乗り換えるのも一つですが、それにしてもその理由に触れなければ、ただの試行錯誤であり専門家らしい知見は感じられません。

3.1.3 「鋭いチェックの目」で評価する

 前述の「実施したA工法については反省せずに、実施していないB工法を取り上げる」のは、体験(A工法)には取り立てて反省材料がないという場合が多いのではないでしょうか。この一因としてチェックの目が甘いことが考えられます。一般にチェックが甘いと、現状の悪さが洗い出されず、反省点も浮かんできません。

 逆に「鋭いチェックの目」があると、よりたくさんの改善点が洗い出されて業績は進歩します。また、本質的な改善を図るには表面的ではなく、根本的な問題点まで洗い出す専門家の視点が欠かせません。

 チェックの目というと、日ごろPDCAでふつうに行っていることのように思われますが、実はそのチェック(C)にはレベルがあって、「チェックの目の鋭さ」によって、異なるPDCAが行われているということなのです。逆に言うと「鋭いチェックの目」は質の高い技術的品質を得るための必須条件だということです。
 
 このことから専門家にふさわしい「現時点での評価」をするには、より高精度な分析や新しい傾向の変化、将来的なリスクなどに言及するとよいでしょう。

3.2 良い「今後の展望」の書き方

 「今後の展望」とは個人的に考える未来予想や今後の活動予定ではありません。そこでは、業績を取り巻くマーケットや技術分野が今後どう変化するかや、技術士として自らどう行動すべきかが問われます。こうした未来展望にふさわしい技術者コンピテンシーとしては、

  • 専門技術に対する一貫的な取り組み姿勢
  • パラダイムシフトを推し進める使命感

のようなものが相当すると考えています。

3.2.1専門技術に対する一貫的な取り組み姿勢の書き方

 専門技術分野で一貫的に取り組むことは、専門家としては普通に行っていることです。体験論文でも、そうしたいつもの視点で今後も改善し続ける活動を表現できれば良いでしょう。ただし、論文では当初の計画に対して、最終的な結果が予想とは違う方向に展開し、その結果として現時点での評価が違ったものになってしまう例が見受けられます。

 この原因は「業績の一貫性」を追求するより、「今後の展望」としての書きやすさを狙うためと思われます。「展望」を論じる視点は多数あって、収集した資料のアピール性に依存した内容になりがちなのです。

3.2.2 パラダイムシフトを推し進める使命感

 現在社会は変化の時代であり、来るべき問題を乗り越えることは技術者の普遍的な課題です。そうした変化に対して、社会的な変革(パラダイムシフト)を提案して社会全体で恩恵を被る状態に導くことは最も高いコンピテンシーに相当します。時代的な転換を推し進めるには、使命感がなければならず、それには専門家としての自覚がなければならないからです。

 こうした活動は幕末のヒーロー、坂本龍馬に例えることができます。人々が龍馬を崇拝するのは、当時多くの日本人が気付いていなかった日本の危機に対して、パラダイムシフトを提案し、結果として明治維新の礎を築いたからにほかなりません。こうした時代的な転換を果たすには犠牲も多く、使命感がなければできるものではありません。そこまでの苦難を乗り越える意志力の源は「自分がやるしかない」という自覚とそこに至る特異な体験があったからだと思います。

 このように一般的に使命感は専門家の指標であるとともに、使命感が変革を推進して専門家として活動する原動力になっているともいえます。いずれにせよ「今後の展望」としては、パラダイムシフトや専門家らしい使命感がふさわしく、それらに言及すれば最上級の技術者コンピテンシーを表現できるということです。

4. まとめ「口頭試験の場を和やかな雑談の場に変える」には

 今回は、体験論文の締めくくりとなる、現時点の評価、今後の展望について考えてみました。本来は受験者の専門家としてのパーソナリティーをダイレクトに表現すべきところですが、担当者レベルの職務経験では、そのような専門家としての自覚が持てない場合も多いようです。

 試験官は専門家らしい見識や使命感をチェックするため、厳しい質問を浴びせかけます。こうした口頭試験の場を和やかな雑談の場に変えるには、この体験論文の締めくくりの章において試験官をしのぐ技術者コンピテンシーをアピールするしかありません。


■最近の指導活動のご紹介

(1)平成22年筆記問題再現答案指導

 現在、筆記試験の再現答案の添削、修正を進めているところです。複数の方が3~4回の添削を経て満点答案を作成されています。正解答案を得るだけではなく、何か良くて、何がいけないか、という正しい判断力がコーチング指導で確実に養えます。

講座の指導は、「レジュメ」、「チェックシート」という筆記試験指導専用様式を用いたコーチング指導です。この素晴らしさは次の記事をご覧(お聞き)くだされば解ります。
2010.08.28 1ヶ月でここまで、コーチング恐るべし、水道部門N様は語る
http://www.gijutsushi1.com/article/13783645.html

(2)体験論文の概要指導(技術的体験チェックシートによる)

 体験論文の概要作成を行っています。技術的体験チェックシートはその指導専用様式であり、このフォーマットで考えれば自然に成果や貢献度を表すことが可能です。わかりにくいストーリー作成も面談コーチングでばっちりです。詳しくは下記の記事をご覧ください。コーチングでは現状を評価するのではなく、常に最良の解決策を提案できます。そのこころは、

100の一般論より、1の自分だけのベスト解答

2010.08.18 個別コーチング体験論文業績の選定(水道部門GLS様)
http://www.gijutsushi1.com/article/13776744.html
2010.08.14 個別コーチング体験論文業績の選定(建設部門S様)
http://www.gijutsushi1.com/article/13776691.html


技術士合格への道研究所
代表者 佐武良祐
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ワコー東日本橋マンション502
Tel 03-6273-8523 
FAX050-3488-2177  ボイスメール(伝言)兼用
e-mail gijutsushi1@yahoo.co.jp
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 メールマガジン技術士合格への道 2010年 第13回
 必ず合格できる 技術士二次試験合格講座
  ― 合格力をアップする体験論文のテクニック その1―


 技術士筆記試験を受験されるみなさまへ。体験論文の準備はそろそろ中盤にかかっています。10月29日の発表までには下書きを作成し、11月11日には完全な原稿を提出できるようにしておかねばなりません。確実に合格できる体験論文を作成するにはどうすべきか、本研究所ではこれまで多数の方の業績を拝見し、合格までレベルアップを図ってきました。目指すものは、

口頭試験の場を和やかな雑談の場に変える=楽勝で合格する

ことです。「有能なプロ技術コンサルタント」のイメージさえ試験官に定着できれば不可能ではありません。たとえ口頭試験や筆記試験で弱点があっても試験官に「この受験者をおとしてはならない」という気持ちを起こさせる体験論文づくりに努めています。

 「有能なプロ技術コンサルタント」と試験官に思わせるには、「コンピテンシー」を高める必要があります。本研究所では受講者様それぞれのコンピテンシーを逆解析して最適な表現方法をコーチング指導しています。

 このメールマガジンではこれまで講座の指導で開発された、実戦的なノウハウを公開して、出来るだけたくさんの方の合格を支援します。


1.はじめに

 技術士合格への道研究所では「誰でも必ず合格できる」指導を目指して

コンピテンシー理論+コーチング指導

を実践してきました。用語について詳しくは次のページをご覧ください。

http://www.gijutsushi1.com/category/1261095.html#conptency
http://www.gijutsushi1.com/category/1261095.html#couching

 このメールマガジンでは、技術士二次筆記試験の直前対策として、今まさに受験者が必要としている「合格力をアップする体験論文のテクニック」を3回シリーズでお送りします。今回はその第1回目です。

●その1 あなたの業績をアピールできる業務概要の書き方
 その2 専門家にふさわしい課題、問題、技術的提案
 その3 試験官が教わりたくなるような現時点での評価

 なお、これらの内容はこれから開催される無料セミナーで公開していきます。セミナー資料は公開します。関心ある方はぜひご覧ください。直近では、10/16(土)に開催します。
http://www.gijutsushi1.com/article/13798590.html

 すでに開催した内容はこちら。
2010.09.11 無料セミナー「面白いほど合格できる体験論文」第3回開催
2010.08.28 無料セミナー「面白いほど合格できる体験論文」第2回開催
2010.08.14 無料セミナー「面白いほど合格できる体験論文」第1回開催
2. あなたの業績をアピールする業務概要の書き方
 
 技術士体験論文では、論文の冒頭で業績2例の業務概要を書かねばなりません。みなさんはこの概要をどのように書かれていますか。詳述の内容を要約して書いている方が多いと思います。

 あるいは業績を表すのに、背景、問題点、課題、解決策、成果と順番に書き進んでいく方が多いでしょう。けれども概要は1業績につき10~15行程度しか書けません。このため項目数が多いと中途半端な説明になってしまいます。

 また、業績の内容はわかったとしても、評価の対象は物件ではなくあなた自身なのです。業務概要を上手に書けても、人物の評価が高まらなくては答案として意味がありません。

 最悪ケースは、人物についての記述が中途半端であるゆえに余計な質問を誘ってしまって墓穴を掘ることです。できれば読むだけで、有能な技術者であることを解ってもらいたいものです。実はこの良い方法があります

3. 技術士口頭試験ではコンピテンシーがチェックされる

 試験官は技術士受験者の能力を判定するため、口頭試験に先だって技術士体験論文をチェックします。体験論文は単独で採点されることはありませんが、口頭試験の質問と合わせてあなたの専門的能力の判定根拠とします。このとき注目すべきことは、試験官が体験論文を見るときに数量的なチェックリストはなく、直観的判断にゆだねられているということです。

 試験官は自らの尺度で短時間で受験者を採点していきます。このとき試験官の頭の中にあるのは、

  • この受験者はこの技術分野の専門家なのか
  • 専門家なら自分と同等かそれ以上の問題解決するはず
  • 自分のレベルに大きく及ばない場合は専門家ではない

といった単純な尺度であると考えられます。こうした単純な評価を可能にするのがコンピテンシーの概念です。

 これらのことから、体験論文作成においては「成果を生み出す行為、個性」、すなわちコンピテンシーの記述に集中すべきことがうかがえます。

4. コンピテンシーを感じさせる「業務概要」とは?

 人が技術者を専門家と感じる場合はどんなときか?体験論文の「現時点での評価」の場合について、本マガジンの前号で書きました。要約しますと、成果につなげる意思、体験から学ぶ姿勢、鋭いチェックの目が必要ということであり、いずれも個人の属性が相当します。

 同様に業務概要で「技術者コンピテンシー」を感じさせるには次のような工夫が必要です。

(1) やったことの成行きではなく、仕事の難度や質の高さがわかる
(2)専門技術の応用による業績であるとわかる
(3)個人の貢献がわかる
(4)成果があることがわかる

 以下、それぞれについて説明します。

4.1 やったことの成行きではなく、仕事の難度や質の高さがわかる
 
 体験論文では「業務概要」が求められていますが、実は受験者個人の能力を評価するための手段にすぎません。ですから物件の内容ではなく、人物を際立たせることに努めるべきです。

 業務概要から読み取れる受験者の能力は、たとえば建設工事の場合、物件の背景や建設の成行きからはほとんど読み取れません。

 むしろ、その物件が難易度が高い施設であるとか、厳しい管理を必要とされる、規模の大きな施設である・・といったことが受験者の能力を際立たせる効果があります。

 ですから、物件が特殊性の高いハイテク施設であるとか、民間ではなく国の直轄事業であること、敷地面積が何万平方メートルもある・・といったことがまず業務概要の冒頭に来るとよいでしょう。

4.2 専門技術の応用による業績であるとわかる

 技術士体験論文は受験者が手がけた業績における問題解決を記述するものですが、そこで鋭くチェックされるのは「専門技術の応用」です。受験する部門、科目の技術が応用されていなければ、業績として意味がありません。

 よく、「仕事の業績はあるが、専門技術は使っていない。これでよいか」という相談を受けます。当然、答えはNOです。これでは合格できません。最悪の場合は門前払いにならないとも限りません。

 したがって、少なくとも受験する部門、科目の専門技術の何が応用されているのか言及すればよいのです。

 たとえば、建設部門、鋼構造コンクリート科目では「コンクリートの応力解析」とか、環境部門、環境保全科目では「物質の流動解析」、「有害物質の健康影響評価」といった技術例が挙げられます。

 こうした記述が業務概要にあれば、試験官が体験論文を読んだ初期段階でコンピテンシーを感じ取るため、すぐれた技術者としてのイメージが作られやすくなるはずです。

4.3 個人の貢献がわかる

 業務概要の内容で物件の難易度や応用技術がわかったとして、「受験者個人の貢献」がわからなければコンピテンシーとして認識されません。というのは技術士試験というのは個人の能力を測る試験であるため、個人の貢献があって初めて試験官の頭の中で得点としてカウントされるのです。

 この意味で物件や会社の事業の記述は、コンピテンシーを読みとるための手段にすぎないといえます。体験論文で大事なことは業務の結果を生むために、どれだけ受験者がかかわっているかということなのです。

 一般的に「体験論文には工夫したことを書くとよい」といわれているのはこうした意味からです。普通の業務内容ではなく、工夫した仕事は、創造的な対処ができたわけであり、技術者のコンピテンシーにつながるものです。

4.4 成果があることがわかる

 さて、コンピテンシーを訴える上で究極的に必要なのが「成果があることがわかる」ことです。コンピテンシーとは成果につながる能力の特性であるため、業務概要で成果があることがわかることの理由は説明不要かと思います。

 業務概要に成果の記述がない場合には、たとえ業績の内容が理解できたとしても、その評価は試験官の心の中では保留となってしまいます。はっきりと「あなたを合格させても良い」と判断できないのです。

 業務を行っていても、成果が出ていない場合もあり得るし、その場合は試験官はその受験者コンピテンシーを感じることはありません。

 体験論文では業績の選定は受験者の裁量に任されているため、基本的には受験者の業績のベストケースと受け取られます。受験者が自らの業績のベストケースとして宣言した業務が、もしも成果を生んでいないとしたら、エンジニアとしての能力は疑われるに違いありません。成果が狩ることが理解できな場合でも同様な評価となる危険性があります。

 以上のことから、業務概要の最後に成果を付記するだけでコンピテンシーは格段に高まるものと思われます。


5. コンピテンシーを感じさせる「業務概要」のまとめ

 今回は、体験論文の冒頭にある「業務概要」でコンピテンシーを感じさせる方法を考えてみました。ともすると、「業務のあらすじ」を書いてしまいがちですが、試験の趣旨を考えるともっと戦略的な書き方があるはずです。

 ここで紹介した、仕事の難度や質の高さ、専門技術の応用、個人の貢献、成果があることがわかる・・といったような断片的な記述では、業務概要としてまとまらない、といった心配をされる方もいるかもしれません。

 しかし、それはコンピテンシーに着目した論文作成がこれまでされていなかっただけのことです。

 本メールマガジンで紹介するテクニックは技術士講座で実践されていて効果は実証済みです。ご紹介したテクニックを駆使すれば技術士口頭試験は楽勝で合格できることは間違いありません。


■最近の指導活動のご紹介

(1)体験論文の作成指導(技術的体験チェックシートほかによる)

 体験論文の概要をコーチング指導で作成しています。技術的体験チェックシートは講座の専用様式ですが、このフォーマットで考えれば自然に成果や貢献度を表すことが可能です。わかりにくいストーリー作成も面談コーチングでばっちりです。詳しくは下記の記事をご覧ください。コーチングでは現状を評価するのではなく、常に「あなたの場合はどうすべきか」というベストの解決策を提案しています。そのこころは、

一般論では決め手にならない。自分の正解だけが合格につながる

2010.08.18 個別コーチング体験論文業績の選定(水道部門GLS様)
http://www.gijutsushi1.com/article/13776744.html
2010.08.14 個別コーチング体験論文業績の選定(建設部門S様)
http://www.gijutsushi1.com/article/13776691.html


技術士合格への道研究所
代表者 佐武良祐
〒103-0007 東京都中央区日本橋浜町1-10-8
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FAX050-3488-2177  ボイスメール(伝言)兼用
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 メールマガジン技術士合格への道 2010年 第14回
 必ず合格できる 技術士二次試験合格講座
  ― 合格力をアップする体験論文のテクニック その2―


 技術士筆記試験を受験されるみなさまへ。体験論文はそろそろ提出準備に向かいます。10月29日の発表までには下書きを作成し、11月11日には完全な原稿を提出できるようにしておかねばなりません。確実に合格できる体験論文を作成するにはどうすべきか、本研究所ではこれまで多数の方の業績を拝見し、合格までレベルアップを図ってきました。目指すものは、

口頭試験を楽勝で合格する=できれば雑談の場に変える

ことです。試験官があなたの業績のことで「教わりたい」と思わせられれば不可能ではありません。たとえ口頭試験や筆記試験で弱点があっても試験官にあなたをおとしてはならないという気持ちを起こさせる体験論文づくりに努めています。

 「有能なプロ技術コンサルタント」と試験官に思わせるには、「コンピテンシー」を高める必要があります。本研究所では受講者様それぞれのコンピテンシーを逆解析して最適な表現方法をコーチング指導しています。

 このメールマガジンではこれまで講座の指導で開発された、実戦的なノウハウを公開して、出来るだけたくさんの方の合格を支援します。


1.はじめに

 技術士合格への道研究所では「誰でも必ず合格できる」指導を目指して

コンピテンシー理論+コーチング指導

を実践してきました。用語について詳しくは次のページをご覧ください。

http://www.gijutsushi1.com/category/1261095.html#conptency
http://www.gijutsushi1.com/category/1261095.html#couching

 このメールマガジンでは、技術士二次筆記試験の直前対策として、今まさに受験者が必要としている「合格力をアップする体験論文のテクニック」を3回シリーズでお送りします。今回はその第2回目です。

 その1 あなたの業績をアピールできる業務概要の書き方
●その2 専門家にふさわしい課題、問題、技術的提案
 その3 試験官が教わりたくなるような現時点での評価

 なお、これらの内容はこれから開催される無料セミナーで公開していきます。セミナー資料は公開します。関心ある方はぜひご覧ください。直近では、10/30(土)に開催します。
http://www.gijutsushi1.com/article/13798590.html

 すでに開催した内容はこちら。
2010.09.11 無料セミナー「面白いほど合格できる体験論文」第3回開催
2010.08.28 無料セミナー「面白いほど合格できる体験論文」第2回開催
2010.08.14 無料セミナー「面白いほど合格できる体験論文」第1回開催

2. 専門家にふさわしい「課題、問題、技術的提案」の書き方
 
 技術士体験論文では、論文の中盤で「課題、問題、技術的提案」を書かねばなりません。みなさんはこれらをどのように書かれていますか。言葉の意味を的確に把握していますか。求められているのだから書けばよいとしか考えない方が多いと思います。しかし、実はここが技術者コンピテンシーのチェックシートになっているのです。

 「課題、問題、技術的提案」では次のことがチェックされています。

(1) 「課題、問題、技術的提案」の的確な分析
(2)問題解決の論理性
(3)専門技術の応用過程があるか
(4)成果につなげる意思がある

 これらは技術者コンピテンシーの主要部分をなすものであり、行動様式の基本となるものです。つまり取り上げた業績での一時的なものではなく繰り返し、再現性を持って行われる一般的な特徴といえます。

 逆に試験官はその一例からあなたの全般的な行動特性を見ようとしていますので、「この業績だけでなくいつもこのようにしている」というように一般的な行動特性として表すようにしてください。

 ではその具体的方法はどうか。それぞれ考えてみましょう。

2.1 「課題、問題、技術的提案」の的確な分析

 「課題、問題、技術的提案」というのは問題解決の一連のプロセスであり、上手に問題を解くには、それぞれの要素が的確に分析できる必要があります。そこで「課題、問題、技術的提案」をそれぞれ定義しておきましょう。

課題とは業務上の問題解決を進める上での方針
問題とは上記の課題を遂行する際に障害となること
技術的提案とは上記の問題を解決し、課題を遂行するための方策

ということになります。

 この意味から次のような判断ができます。

課題の悪い例 ~作業ができないことが課題であった。
課題の良い例 ○○工法で~をすることが課題であった。
※できないことは問題であって課題ではないので、前向きな(行動可能な)方針を示す。

問題の悪い例 ~作業では~の必要性があった
問題の良い例 ~作業をするとき~できないことが問題であった
※必要性は必ずしも問題とは限らないので、必要性だけでは何が悪いのか分からない。

技術的提案
悪い例 マニュアル作成、~報告を行った
良い例 再発防止に向けた~の具体的措置を講じた
※具体的すぎると技術士の仕事ではなくなるので、ある程度概念的にまとめます。

2.2 問題解決の論理性

 論理性というのは簡単に言うと、たとえば「BをすればAが得られる」という因果関係があるときに。

Aの目的のため、Bをおこなう

というように論理づけて表現することです。論理性の表現にはいくつかの型があって、技術士試験で必要なものとして次の4つの論理性の型をあげておきます。

目的、方策
原因、結果
問題点、解決策
提案、理由(根拠)

 これらをそれぞれ正しい因果関係になるように表現していけばよいのです。たとえば

抵抗値が大きいならば電流は小さい

という一般的知見があるときには、上記の4つの型はそれぞれ次のように表せます。

この電流を小さくするため、抵抗を大きくした。
回路の電流は小さかった。その原因は抵抗が大きかったから。
実施した抵抗は大き過ぎた。だから電流は小さくした。
抵抗を大きくした。なぜなら電流を小さくしたかったから。

 このように論理性の型に合わせてそれぞれ正しい因果関係になるように文章表現していけばよいのです。

2.3 専門技術の応用過程があるか

 専門技術とは受験する部門、科目の技術のことです。その部門、科目を選定したのはその部門、科目の問題解決があったからだと考えます。だとしたらそのような専門技術の応用過程があったはずです。

 逆にこうした専門技術が用いられていないとしたら、技術士の業績として失格となってしまいます。なぜならこれは受験の必須条件ですから。

 業務上の問題解決が何であるかは、実務でははっきり認識していない場合があります。しかし、論文では必ずそうした技術に触れて、確かに応用している過程があることを説明することが大切です。

 業種によっては、「経験でやっているので技術らしい技術はない」とお考えの方もいます。しかし必ず技術要素はあるはずです。

 たとえば建設施工管理の業績の方が建設部門、施工・積算科目で受験されたとしたら、工程管理や品質管理、積算に関する幅広い技術が必要になってきます。以下、部門・科目と技術例をあげてみます。

建設・施工    機械攪拌混合固結工法
建設・コンクリート構造 ひび割れ診断、3次元FEM、粒度分布分析
応用理学・地質  地質解析、極限平衡解析
農業・農業土木  中性化固化改良工法

 こうした特定の技術を取り上げて宣言していくことで技術応用を明確化することが可能です。

2.4 成果につなげる意思がある

 業績論文では「課題、問題、技術的提案」を書いてみて最終的に問題解決に至る道筋を明示できることも大切です。なぜなら業績論文には成功体験が選定されることが暗黙の了解であるため、

・成果に至る道筋の確からしさがチェックされる

からです。これはなぜかというと、この成果に至る行動自体がコンピテンシーの本質だからです。ですからいろいろな活動を総括した時、

  • 成果を導き出せている
  • 成果につなげる意思によってマネジメントしている

ことを伝わるようにすれば良いのです。

 簡単な方法として問題解決の筋道を文章で書いてみて、それを読んだときに解決に至ることが解るかどうかチェックしてみてください。仕事がどのような複雑な論理でできていたとしても、業績が正しいと感じるためには、提案した方法で必ず最後に意図した結果を得られると感じられなければなりません。

 結論が見えなかったり、どうしてその様な結果が得られるのかわからなかったりすると、著しくコンピテンシーを損なってしまいます。コンピテンシーというものが「成果」につながる行動特性だからです。


3. 専門家にふさわしい「課題、問題、技術的提案」のまとめ

 今回は、体験論文の主体となる「課題、問題、技術的提案」について専門家にふさわしいと感じさせる方法を考えてみました。ともすると、単なる方法論の特殊性やこだわりの説明を書いてしまいがちですが、試験の趣旨を考えると戦略的な書き方があるのです。

 それにはこれまでコンピテンシーに着目せずに作成してきた「課題、問題、技術的提案」を改めて、それぞれが成果を志向したものとしてください。そして全体をマネジメントする主体である、あなた自身が成果に至る道筋をまっすぐに実践することでプロの力を感じさせるでしょう。

 また、そうした行動は一つの業績での一時的なものではなくあなたの行動の一般的な特性として表現することで、きっと専門家にふさわしいイメージが形成されるに違いありません。

 本メールマガジンで紹介するテクニックは技術士講座で実践されていて効果は実証済みです。ご紹介したテクニックを駆使すれば技術士口頭試験は楽勝で合格できることは間違いありません。


■最近の指導活動のご紹介

(1)2011年受験コースに向けて再受講契約の受付始めました
http://www.gijutsushi1.com/article/13824900.html

パーフェクトコースを受講されて、個人的理由で中断されていたE様(建設部門)が再受講の契約に来られました。本講座ではこのE様と同じような再受講の方が多いようです。その数は60%です。

一度受講されて中断または不合格された方の実に60%の方が2010年コースで再度受講されているのです。この理由として、

  • 一度体験したら良さが解る。
  • 講座の満足度が高い

ということが挙げられます。この講座の満足度が高い理由としては

  • マンツーマンでわかりやすい
  • 日本橋に常設セミナールームがあっていつでも相談できる
  • 的中率の高い問題予想
  • 他の講座にない独自の教材で効率よく指導
  • 高い合格率
  • コストパフォーマンスが高い
  • 二人の技術士から指導を受けられる
  • 技術士のスキルアップが可能

などです。詳細はホームページをご覧ください。
http://www.gijutsushi1.com/#8tech

(2)体験論文の作成指導(技術的体験チェックシートほかによる)

 体験論文の概要をコーチング指導で作成しています。技術的体験チェックシートは講座の専用様式ですが、このフォーマットで考えれば自然に成果や貢献度を表すことが可能です。わかりにくいストーリー作成も面談コーチングでばっちりです。詳しくは下記の記事をご覧ください。コーチングでは現状を評価するのではなく、常に「あなたの場合はどうすべきか」というベストの解決策を提案しています。そのこころは、

一般論では決め手にならない。自分の正解だけが合格につながる

2010.08.18 個別コーチング体験論文業績の選定(水道部門GLS様)
http://www.gijutsushi1.com/article/13776744.html
2010.08.14 個別コーチング体験論文業績の選定(建設部門S様)
http://www.gijutsushi1.com/article/13776691.html


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