何部門で受験するべきか 生物工学部門を志望される方の場合について面談にてコンサルティングしました。このご相談は、医療工学研究の方から受験部門の方からでした。
まず、部門、科目の選択はどう判断すべきかという問いに対して、
職務との適合性 技術士取得後、その資格を職務で活用できるか。いわば職務上の必要性です。コンサルタントとしての職務能力、現状の知識経験がどのような技術領域に属するか。 試験問題の難易度 現状の知識経験で問題が解けそうか。この三つの要因で決まるかと思います。
1は職場の状況や今後のキャリアをお考えの上考慮すればよいでしょう。
2は口頭試験でその科目における専門性が評価されます。生物工学の場合3科目に分類されており、下の表(科目分類表)のどこに包含されるか判断します。経験自体は変えることはできませんが、口頭試験での対応で関連性を示すことは可能です。
3は過去問を見て簡単に解けそうかどうか判断します。
18− 1 細胞遺伝子工学 | 遺伝子操作、核・卵・胚操作、組織培養、細胞育種、蛋白工学、抗体工学、バイオインフォマティクス、ゲノム工学、ゲノム創薬その他の細胞遺伝子工学関連技術に関する事項 |
18− 2 生物化学工学 | 細胞大量培養、生物変換技術、バイオマス変換、バイオリアクター、バイオセンサー、培養工学、生体成分分析技術、生体成分分離精製技術、バリデーションその他の生物化学工学関連技術に関する事項 生体材料、人工臓器、ドラッグデリバリーシステム、生体模倣技術その他の生体医用工学関連技術に関する事項 |
18− 3 生物環境工学 | 水質、大気及び土壌の浄化のためのバイオレメディエーション技術、生物環境分析技術、環境生物のモニタリング技術、生物コンソーシアムの解析技術その他の生物利用環境工学関連技術に関する事項 |
また、「技術士試験の1次と2次の部門を異にしても問題ないか?」とのご質問がありまたが、これは全然問題ないでしょう。
一方、相談者のご判断は、
現在の職務は医療工学であることから,生物化学工学の 「生体材料、人工臓器、etcその他の生体医用工学関連技術に関する事項」に相当するの「18− 2 生物化学工学」。各種共同研究を行ってきたことから生物化学工学で行けそう業績の領域よりも試験の範囲のほうが広範囲なので,果たしてカバーできるかが心配。ということでした。さらに次のようなことを確認されました。
専門分野、科目ごとのきちんとした指導体制があるか学術研究ではなく、工学的に社会貢献を目指した知見の指導があるか?学習指導(時間数)のカリキュラムなど受講者の負担を見積もっているか不得意な問題に対してどう対処していくか対策は?これに対して、私から次のようにご回答しました。
筆記試験指導は、部門、科目ごとの問題を把握して指導方法を検討しています。生物工学部門の選択科目では例年、6問選択の見識問題形式となっており、幅広い知識が必要です。このため解答スタイルとしては、見識を通してコンピテンシーを表す指導が有効です。技術士は技術コンサルタントとしての資格ですから、真理追究だけでなくマーケットを意識した経済性や汎用性が問われます。このため講座では具体的な科学技術の展開方法を問題ごとに指導しています講座の学習時間については概略のカリキュラムを設定しています。これは過去の指導実績より受講者が必要とする学習時間を見積もったものです。これによって毎月何日、一日何時間勉強すれば良いかがわかります。選択問題の不得意問題は出来るだけ少ないのが理想です。まずは得意分野を中心に学習し、次に不得意分野も改善していく学習が必要です。10問中2問程度の最も不得意な分野はあきらめたほうがよいでしょう。こうした受講生様の特性に合った予想問題の想定が今年の筆記試験で「ずばり的中、かなり参考となった」と評価されています。やはり個別指導が有効なのだと思います。